あらすじ
猟区管理官ジョー・ピケットの養女エイプリルが、意識不明の状態で発見された。頭を殴られ、道端に置き去りにされていたのだ。エイプリルはロデオ・カウボーイのダラスと駆け落ちしていたが、彼はかつて少女に暴行した疑惑があり、ジョーは交際に反対していた。だがダラスの両親から、彼は大怪我をして実家に戻っており、無関係だと言われてしまう。ジョーはダラスを疑いながらも、犯人を探しだそうとするが。一方、FBIから釈放された盟友ネイトにも危機が迫っていた。悪辣な人間と大自然の脅威に挑む猟区管理官を描いた、大人気シリーズ最新作!
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Posted by ブクログ
シリーズ作品の難しい事は、毎回キャストを総動員しないといけないことだろう。
個性豊かなキャラが増えるごとに、読者は新作でお気に入りのキャラの登場を期待する。それを裏切らずに見せ場を作りつつ新作を書くのは並大抵のことではないだろう。
特にシリーズの魅力の一つが、雄大なオレゴンの自然の風景(そしてそこで熟成された人々の生き方・価値観)であるだけに舞台も変えにくいだろうし…。
そういった制限がありながらも、本作は見事にいくつかのエピソードを束ね、お馴染みのキャストを配置しラストまで一気に楽しめる仕上がりになっている。
キャストが年を取り(成長し)、すこしずつ言動が変わる辺りもリアルで、こちらも感情移入しやすくなる。
本国でのシリーズは続いているようなので、是非、このまま翻訳を続けてほしい。
Posted by ブクログ
今までピケットシリーズに嵌って、胸躍らせながら既に10冊以上読んできた。
さて、何がこんなに私の琴線に触れるのだろうと考えたら、ふと浮かんだドラマがある。あの有名な「大草原の小さな家」だ。あのドラマにも嵌り、どれだけ毎回楽しみにして観たことか。
勝手な考えだが「ピケットシリーズ」と「大草原シリーズ」には共通点が多いような気がする。家族構成も似ている。大自然に囲まれているという舞台設定も似ている。
そして何よりも家族愛や正義とはという部分に共通点があるように思える。
まったく嵐の地平に触れませんでしたが、「大草原の小さな家」に夢中になった方は、その現代版としてピケットシリーズは十分に楽しめるような気がする。
Posted by ブクログ
頭を殴られ意識不明の重体で病院に担ぎ込まれたエイプリル、散弾銃で撃たれFBIの監視のもと同じ病院に担ぎ込まれるネイト。娘と相棒、二人の大怪我が同時発生。仕事で追いかけている野鳥大量虐殺事件と合わせて、3つもヤッカイごとを抱えたジョーピケット、さて…
というお話なのだが、話の広げ方と収束のさせ方が上手いし、次巻以降への謎残しも相変わらずMCU並みの後引き感。
やっぱオモロいわ、ジョーピケットシリーズ。
Posted by ブクログ
ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十四弾。
カウボーイと家出していたピケット家の養女エイプリルが、
意識不明の状態で発見される。
家族はショックを受け、ジョーは犯人を捜す。
一方、盟友メイトはFBIとの屈辱的な取引の結果、
監視付きで釈放される。
鷹を使った最初の仕事に向かい、いきなり撃たれる。
無敵のネイトが撃たれたとあっては、
よほどの組織と理由かと想像していたが違った。
エイプリルと同じ病院にネイトも運ばれてはいたが、
エイプリルが狙われたときに、
病院にいたシェリダンとルーシーも危険な目に合うかと
はらはらしたが、
最後にネイトが活躍。
ジョーが意識不明の若い女性が発見されたと聞いて、
「エイプリルではないように」と祈ってしまったことに、
罪悪感を覚えるところが、ジョーらしい。
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久々に、主人公ジョー・ピケットに直球勝負で攻撃をかけてくる手強い敵手の登場。ここ数年のシリーズ作品中、最もピケット・ファミリーがピンチに襲われる強編に驚かされる一作。
ロデオスターのダラス・ケイツを追って家出をしてしまっていた娘エイプリルが、意識不明の重症状態で発見され、救急病棟に運び込まれる。静脈麻酔薬プロポフォールで鎮静・昏睡の状態が始まる。
キジオライチョウの大量殺戮事件に直面していた猟区管理官ジョーは、エイプリルの事件を聴いて、シリーズ中でも最大と言えるべき怒りを爆発させる。キジオライチョウの調査団員の高圧的態度に対しては冷徹な疑念を走らせながらも、エイプリル事件の容疑者に対しては、心が壊され、冷静さを欠いてしまうという一面が多々見られる。感情的なジョーを描写する珍しいシーンが連続する。
同時期に、読者は拘留中のネイト・ロマノウスキーが仮釈放されると同時に、罠にかけられ重傷を負うというショッキングなシーンに直面させられる。ネイトも意識不明状態となり、エイプリルと同じ病院に運び込まれる。
いつも事件のど真ん中に置かれるというジョー・ピケット。しかし、これまで以上に家族の危機に直面するジョーの姿は巻を通じて痛ましい。
そして何よりも本作で登場する悪党どもの傲慢さが、許し難い。<荒野のディック・フランシス>と称される本シリーズだが、本家の作品が毎作、強烈な悪意や殺意と対峙する特徴を持つように、本作はまた一段と悪の側の描写が激烈である。さらにその中心となる人物が誰であるのか? 読み進めるに従い明らかになる悪の側の風景が、いつも以上に凄まじい。
であればこそ、後段のジョーの側の反撃のパワーも、いつも以上に激しいように思える。極度な怒り。激闘。情念の爆発。鋼鉄の意志。ジョーも彼をとりまく家族も。入院中のネイトがどんな役割を本作で演じるかも、是非本作を貫く緊迫感とともに体感頂きたい。
シリーズ中でも屈指の力作となる本書。家族の物語としても貫かれているピケット一家のストーリーだが、そこに新たな里程標が加わった感のある本書はシリーズ読者ならずとも、必読の一作である。
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〈ジョー・ピケット〉シリーズ。ジョーの養女エイプリルが殴打され放置されるところから始まり、さらにジョーの友人ネイトも撃たれる。この二つの事件に繋がりはあるのか。ジョーや家族の怒りや不安とともに進む。家族を想い行動するジョーの真っ直ぐさと無謀さは相変わらずでそこが魅力でもあるしそういうところが出れば出るほど面白くなる。
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猟区管理官ジョー・ピケットの次女エイプリルが意識不明の状態で発見される。何があったのか、誰がやったのか、エイプリルは意識を取り戻すことができるのか。冒頭でジョーの仕事に関わるキジオライチョウの殺戮の話があるが、これも後々ちゃんと繋がってくる。ケイツ一家は両親と息子3人、あと長男の嫁がいるが、揃いも揃って悪人だらけ。完全な悪役ってところが、昔のアメリカ映画のようだ。この本の登録者数はあまり多くないので、知名度が高くないのかもしれないが、掘り出し物を見つけた気分になった。
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猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ。このシリーズは、アベレージが高く、本作も期待に違わない。このシリーズの最大の読みどころは、アメリカ・ワイオミングの雄大でも有り、厳しい自然描写と銃の描写のリアリティさに有る。(判事が法衣の下に銃を忍ばせ、取り出すシーン有り)今回も、ジョーが春の雪嵐の中、ピックアップトラックで、エルク・キャンプを探し回ってからの悪役との対決シーンが、最大の読みどころでも有る。
ジョーの養女エイプリルが、意識不明で道路に捨てられていた事件、ジョーの盟友ネイトが襲撃され、重体で病院に搬送された事件、キジオライチョウが殺戮され、コロニーが消滅した事件、この3つの事件が繋がった時、この物語の全貌が明らかになります。ストーリーの説明は、ここまでに。前々作の「発火点」は、とてもスリリングでドキドキさせてくれました。そちらと比較してしまうと、少し、マイナスとなりますが、それでも十分に楽しめました。
最後に、このシリーズの根底に有るテーマは、家族の在り方です。本作に置いても、2つの家族の在り方(共に母親が家族の中心にいる)が、描かれ、片方の家族には、悲劇的な結末が訪れます。
Posted by ブクログ
事件解明されるところ、もちろんとても読み応えあるんですけど、今回は割と牧歌的な展開に思えてしまいました。←こんなふうに感じる自分自身、病的だという自覚はあります。ラストには驚きがありましたが、やや唐突感も。この先の展開、もちろんありますよね。病的な私の期待が高まってますのでよろしくお願いします!
Posted by ブクログ
このシリーズも邦訳されているのは15作目だとのこと。
全て読んでいるはずだけど、主人公の成長しないぶりは相変わらず。今回の物語は「自分の敵は自分」という実に皮肉なストーリー。一気に読み終えた。ナイスな読書体験にサンクス!
作品紹介・あらすじ
猟区管理官ジョー・ピケットの養女エイプリルが、頭を殴られ意識不明の状態で発見された。彼女と駆け落ちしていたダラスは、かつて女性への暴行事件を起こした疑いがあった。だがダラスの両親から、彼は大怪我をして実家に戻っており、事件とは無関係だと言われてしまう。ジョーはダラスを疑いながらも犯人を探るが。一方、盟友ネイトにも危機が迫っていた……。
悪辣な犯罪と大自然の脅威に挑む猟区管理官を描く人気シリーズ最新作!