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妻が奇妙な強盗事件に遭遇した。犯人はお金に興味を示さず、居合わせた人々から「もっとも思い入れのあるもの」を奪っていったという。以来、なぜだか妻の身長は縮んでいき……(『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』)。祖母の授けた不思議な〈力〉に悩まされてきた五人兄妹。ある日、祖母から〈力〉を消してやると告げられた三女は、ひと癖もふた癖もある兄妹たちを集めるために奔走する(『奇妙という名の五人兄妹』)。――おかしな運命が照らし出す、夫婦の、兄妹の、家族のつながり。カウフマンの輝きに満ちた小説世界を2冊合本で贈る。/解説=牧眞司
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Posted by ブクログ
もともとは別々の2冊だったものを1冊にまとめて文庫化したものだそう。推理文庫から出ているがミステリではなく、世にも奇妙的な小説。「妻」「兄妹」という言葉が示す通り、どちらも家族に関するお話。
降りかかる超常現象が家族という共同体およびそれを構成する個人個人が抱える問題をより鮮明にしていくが、問題を乗り越える最後のひと押しはとても素朴な気付きや対話であったりするのが印象的だった。
「妻が〜」の方は4月に日本で舞台化していたようで、どう表現されていたのか気になる。
「奇妙と〜」は、私も三人姉妹の末っ子なのだが、読んでいるとなんだか姉たちに会いたくなった。
Posted by ブクログ
読み心地はとても奇妙でユニーク、けれどだんだんとほんのりと温かい気持ちにもさせてくれる、ファンタジーでありながら人間味にも切り込んだ、不思議な感覚の二作品でした。
「銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件」、はほんとにこのままのあらすじです。そこに理由はなく、ただそういう目にあった妻と夫、そして同じく事件で奇妙な目にあってしまった人々の顛末が淡々と描かれます。ありえない現実を受け入れていく過程には運命を受け入れるような重々しさがあるわけではなく、ただあくまで日常のひとつとして受入れていきます。そのなかで、夫婦のあいだの感情のゆらぎ、想いのやりとりがほの見えて、優しい気分になれました。洒落た挿絵もとても文章に合ってます。大人のための寓話、といった風情です。
もう一篇の「奇妙という名の五人兄妹」もまた、そういう苗字を背負った兄妹が、祖母の謎の言いつけに従って行動し、いがみあいつつも絆を取り戻していくという、やはりファンタジックな要素を持ちつつも人間の豊かな心情が描かれてもいる作品で味わい深いものでした。
ありえない嘘を前提にしつつも生き生きと動く人々がとても魅力的な二作品でした。面白かったです。
Posted by ブクログ
『奇妙という名の五人兄妹』
最初から最後まで『アンブレラアカデミー』だった……!!
こっちは血が繋がった兄妹の話だが概ね良かった。
終盤の映画みたいな展開とても好き。
離れていた兄妹たちが辿る結末とかは『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』っぽくて良い。
というか、構造自体が結構『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』なのでは。
でも親を許せないなら許せない(許さない)ままで良いのに結局許すことを選んでしまう点はぶっちゃけどうなの?と心がモヤモヤしまくりだったのでそれさえ無ければなあ〜と喜び半分落ち込み半分という感じだった。
ここは個人の好みの問題かな。
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