講談社文庫作品一覧

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  • 母子草 どぶ板文吾義侠伝
    4.0
    ちょいと悪(ワル)だが、心は晴れよ。銭の話には食らいつく文吾の前に訳ありの女が。女と火遊びをした商家の旦那を威(おど)して小判をせしめ、駆け落ちした娘を連れ戻して手間賃を得る。普段は小間物商だが儲け話には食らいつく文吾は、同じ客を二度とらないという訳あり気な夜鷹の顔を見て息を呑んだ。ちょいと悪でも人情には厚い文吾が探り出したある"絆"とは? 手練が放つ書下ろし時代連作集。
  • 小説 池田学校
    -
    佐藤栄作と並ぶ「吉田学校」の雄・池田勇人に始まり、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一と歴代総理を輩出、いままた加藤紘一を擁して挑むエリート集団・宏池会の系譜。その闘いを通して、戦後政治・経済・財政の歩みと高度成長期の生々しい裏面を描く。
  • おかあさん疲れたよ(上)
    3.5
    1~2巻649~691円 (税込)
    第二次世界大戦中にB29の爆撃の中逃げた昭吾と、当時まだ2歳だった美未。夫の昭吾には、売れっ子のラブ・ロマンス作家となった妻の美未には口にしない、戦時中の熱い恋の思い出があった。一緒に爆撃から逃げ、結婚まで望みながらもそれが叶わなかっ たその相手――あぐりへの思いが、戦時中の景色と共に蘇る。
  • 新装版 命の器
    3.8
    私は最近、やっとこの人間世界に存在する数ある法則の中のひとつに気づいた。「出会い」とは、決して偶然ではないのだ。でなければどうして、「出会い」が、ひとりの人間の転機と成り得よう(本文より)。――清澄な抒情を湛える数々の宮本作品。その文学世界の秘密を描き出した、自伝的エッセイ集。
  • 生きる力 心でがんに克つ
    4.5
    抗がん剤でがんをたたく、手術で除去する、放射能を当てて再発を防ぐという「治療の常識」を拒むことに決めた。心臓病を抱えながら、ステージ3の食道がんと戦った体と心の気高い記録。インターネットで見つけた最新先進医療=陽子線治療で、いかに、がんは消えたか。大反響を呼んだ話題作が待望の文庫化!
  • 親不孝通りディテクティブ
    3.6
    1~2巻649~796円 (税込)
    タクシー強盗と、港の火事、そしてスーパーの警報騒ぎ、同時に起こった事件の意外な関連とは…。中洲の屋台でバーを営む鴨志田鉄樹と、結婚相談所の調査員・根岸球太。腐れ縁の通称「鴨ネギコンビ」が、どういうわけか、物騒な事件に関わっていく。博多を舞台に大暴れ! ハードボイルド・ストーリー。
  • 昔は、よかった?
    -
    朝ドラの復権。歌舞伎座改築と度重なる梨園の騒動。SNSが焚きつける同窓会不倫。そんな日本人の生活を一変させた東日本大震災……。辛い日々を経て、三陸鉄道の運転再開が灯した復興への希望。板についてきた中年生活、過去を振り返ることが癖になりつつ、良い未来を祈りながら綴られた「週刊現代」人気連載第6弾。
  • 神様の贈り物
    4.0
    無表情で無反応。全てに無関心な殺し屋チャンスは、バスジャック事件に遭遇し一躍ヒーローになった。だが、恩人に頭を撃ち抜かれ、死の淵から奇跡的に甦った彼の目に映る世界は、劇的に変化していた。「水は美味しく花は美しい」。脳の障害を取り除かれ「心」を手に入れたチャンスは自分の過去と対峙していく。
  • 寿司屋のかみさん 二代目入店
    4.3
    おなかを満たし、心を癒してくれる東京・東中野の小さな名店「名登利寿司」に新しい寿司職人が入りました。師弟となった父子を見守るおかみさんとお客さんたち、日々起こる家族のこもごもと美味な寿司。ウニをめぐって攻防が起こり、四〇年続いたオトウサンのツメ作りは最後になる。文庫書下ろし。
  • 千々にくだけて
    3.8
    バンクーバー経由でニューヨークに向かったエドワードは、奇妙なアナウンスとともにカナダの見知らぬ街で足止めされる。繰り返し流れるテロの映像に芭蕉の句がオーバーラップして……。9.11を日本文学として初めて表現したと評価された大佛賞受賞作に、著者の原風景ともいうべき名作「国民のうた」を併録。(講談社文庫)
  • お江戸日本橋(上)
    -
    江戸天保の頃、世相は政治の腐敗を映し、汚職・悪徳商・盗人(ぬすっと)がばっこし、とりわけ幕府財政は窮迫を極めていた。公儀自ら密かに抜荷を!? 密輸は天下のご法度。法の番人、洒脱で粋な江戸っ子奉行遠山景元は、かつて遊んだ八百八町を縦横無尽に一暴れ、公儀の“悪”に挑んだ。柴錬面目躍如の時代ロマン(講談社文庫)
  • 真・甲陽軍鑑 武田信玄の秘密
    -
    直木賞作家が書き下ろす、新境地の時代小説。名将・武田信玄に重用され、武田四名臣の1人に数えられた高坂弾正忠昌信。美童の頃から仕え始め、宿老として息を引き取るまで武田家に人生を捧げた高坂が、今まで守り通してきた信玄の恐るべき秘密をここに明かす――エンターテインメントの巨匠が満を持して放つ、異形の新戦国時代小説。<文庫書下ろし>(講談社文庫)
  • 二十歳のあとさき
    3.5
    哀しいほど純情な少年たちの青春群像。オリンピックを控え、急激に変貌を遂げていく東京。下町の古本屋で働く7人の少年たちが、勉強会を始めた。夢は独立開業。その資金のため共同で積み立て貯金を開始したが、青春期特有の人間関係の難しさに悩む。少年から大人へと脱皮するとき、誰もが味わうほろ苦い体験を優しい筆致で描く自伝的青春小説。(講談社文庫)
  • 記憶の果て(上)
    2.8
    1~2巻649~726円 (税込)
    父が自殺した。突然の死を受け入れられない受験生・安藤直樹は父の部屋にある真っ黒で不気味な形のパソコンを立ち上げる。ディスプレイ上で裕子と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。プログラムにしかすぎないはずの裕子の記憶が紐解かれ、浮上する謎。徹底した方法意識に貫かれたテクストが読者を挑発する、第5回メフィスト賞に輝くデビュー作。
  • 償却済社員、頑張る
    3.0
    出雲修平は2年前に大手商社を定年退職し、現在は年金生活者。ひょんなことから「運転免許を取ろう」と決意し同期で中途退職し、今は事業家として成功している友人に紹介された自動車学校に入学した。そこの女性教官に、修平がかつて好きだった元部下の美里がいた。定年後の人たちの夢と挑戦を描く傑作。(講談社文庫)
  • 夏至祭
    -
    廃坑の町を棄て、1人の少女を不幸にした負い目を残して都会へ出た靖雄は、過去の傷を抱え、孤独をなめるような生活を続ける。土の匂い、山の息吹に引かれるように戻った故郷は、ベッドタウンとして新たな活力と創造に満ちていた。彼もまた、再生できるのか? 人間の生命力を讃える表題作他2編を収録。(講談社文庫)
  • 直江兼続と関ヶ原の戦いの謎 〈徹底検証〉
    5.0
    秀吉、家康ら戦国武将に、最も畏怖された男の生涯。関ヶ原の戦い前夜、正々堂々、家康のやり口を批判し、6万9千余からなる家康の上杉征伐軍を迎え撃って、あくまでも“義戦”を貫徹しようとした男、直江兼続。謙信に学び、長じて景勝に仕え、越後・上杉家の家宰として“利”を求める戦国乱世の時代に、“義”を貫いた生き様を描く。〈文庫書下ろし〉(講談社文庫)
  • 戦国連歌師
    4.3
    時は戦国、天下一の連歌師・宗牧と、その息子・無為と共に、弟子の友軌は東国を歴訪する旅に出ることになった。そこへ朝廷から、尾張の織田、三河の松平、相模の北条に宛てた書簡を託されてしまう。数人が集まって百韻の句を詠む連歌の興行を催しながら、数多の困難をかきわけ進む一行を描いた異色ロードノベル。※本書は2002年11月、小社より刊行された『連歌師幽艶行』を改題し、一部改訂したものです。(講談社文庫)
  • 空っ風
    3.0
    5尺そこそこの体に3尺余の長脇差。抜群の喧嘩度胸と居合抜の腕で「清水一家の狂犬」と恐れられる小政こと音五郎。すさんだ心の傷を埋めるのは、幼なじみ・てるへの想い。だが、そのために大喧嘩に間に合わなかった小政は、一家の中で孤立してゆく。時代に牙をむく男の生涯を描く、新世代股旅物の傑作。(講談社文庫)
  • 旅をする裸の眼
    3.7
    ベトナムの女子高生の「わたし」は、講演をするために訪れた東ベルリンで知り合った青年に、西ドイツ・ボーフムに連れ去られる。サイゴンに戻ろうと乗り込んだ列車でパリに着いてしまい、スクリーンの中で出会った女優に、「あなた」と話しかけるようになる――。様々な境界の上を皮膚感覚で辿る長編小説。(講談社文庫)
  • 鉄輪温泉殺人事件
    3.0
    男は自ら地獄へ飛んだ!! ワニが群れ、熱湯波打つ奇観の名所。観光客の前で起きた最悪の悲劇! 能面をかぶった男の白骨死体が、東京荒川区のマンションで見つかった。猟奇殺人の重要参考人は姿を消した妻。さらに第二の容疑者を追って、志垣警部は和久井刑事とともに、九州別府の鉄輪温泉へ。ワニが群れ、噴泉が空高く吹き上げ、毒々しい色の熱湯が沸き出す名所「地獄めぐり」で警部は新たな惨劇に。(講談社文庫)
  • その人、独身?
    3.7
    男性の話題になると「その人、独身?」と聞かずにはいられない。そんな30代以上で、独身、子ナシの女性、いわゆる「負け犬」の日常生活と胸の内が赤裸々に。合コンのようなイベントや伝統芸能にハマる中でわかる、独自の生態と思考回路とは? 『負け犬の遠吠え』著者による爆笑エッセイ、シリーズ第1作。(講談社文庫)
  • 陽気な幽霊 伊集院大介の観光案内
    3.0
    新聞記者の伊庭緑郎に騙されるような形で「名探偵とゆく 京都ミステリーツアー」にかり出された伊集院大介。そのツアー中に、伊庭が失踪し、やがて幽霊騒動が発生。旅行会社のシナリオとは思えないリアルな事件の続発に、参加者たちはうろたえ始める。「本物」の探偵の推理が旅行客を救う、シリーズ第13弾! (講談社文庫)
  • 春高楼の
    -
    心震わす熱き青春はここに在り!! 恋に友情に学問に体当たりで生きる青年を"清水流"笑いと情熱で描く長編。青春とはなんだ!? 希望に燃えて上京し、東京帝国大学の門を叩いた1人の青年が、恋に、友情に、学問に、まっすぐぶつかって得た新鮮な驚きを描く会心の青春小説。人生とはかくも熱き興奮に溢れていたか、と清水流の笑いと涙と諧謔で想い起こさせてくれる長編快作。もう青春に理屈はいらない。(講談社文庫)
  • 完全版 年金大崩壊
    4.0
    失われた年金財源は9兆円超、紛失した年金記録は5000万件……私たちの老後を支えてくれるはずの年金制度は、なぜかくも破綻したのか。年金問題を世に知らしめた2004年講談社ノンフィクション賞受賞作に、大幅改訂&加筆した完全版。本書は2003年9月刊行された『年金大崩壊』及び2004年4月に刊行された『年金の悲劇 老後の安心はなぜ消えたか』を大幅に加筆・改編したものです。(講談社文庫)
  • 寝台特急「北斗星」殺人事件
    3.3
    札幌行きの豪華列車を爆破する! 1億円を要求した犯人グループの一員はすぐ逮捕された。だが乗り合わせた宗教家が「嫌な予感がする」といった直後に個室が大破。中から女性の全裸死体が。苦渋の決断の末に走り続ける列車。転覆を目論む犯人。青函トンネルを目前に緊張は高まる。十津川警部、次の一手は! (講談社文庫)
  • 十津川警部 愛と死の伝説(上)
    2.5
    能登の古墳で若い女性の惨殺死体が発見された。「伝説のために、人が殺される」。謎の女から電話があった直後、今度は青森の湖に死体が浮かぶ。事件の鍵はかつて日本中を震撼させた「竹内文献」に。モーゼ、キリスト、天の浮船まで登場する超古代文書が新たな悲劇を招く。かつてない壮大な事件に十津川が挑んだ! (講談社文庫)
  • すべての雲は銀の…(上)
    3.8
    1~2巻649円 (税込)
    誰も愛せない。壊れた心に降り積もる物語。心変わりした恋人由美子が選んだのは、こともあろうに兄貴だった。大学生活を捨てた祐介は信州菅平の宿「かむなび」で、明るさの奥に傷みを抱えた人々と出会う。 (講談社文庫)
  • 万葉集 全訳注原文付(一)
    4.6
    1~4巻649~759円 (税込)
    【新元号『令和』の典拠となった、梅花の歌三十二首の序文を収録】『万葉集』は日本人の心の古典であり、貴族から庶民に至る各階層が、見事に謳いあげた、世界に比類なき民族詩の金字塔である。いま、その万葉を、原典との照応が一目理解できるよう、原文、読み下し文、全訳、語注をそろえ、万葉学の第一人者である中西進博士がその蘊蓄を傾けて贈る。全4巻別巻1巻。(講談社文庫)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 修羅剣雷斬り 深川狼虎伝
    -
    売れっ子の美人芸者が攫われた。残された死体は頭頂から鼻筋あたりまで斬り割られるという凄絶さ! その後も美女が次々に行方知らずになり、始末を請け負う鳴海屋の一人娘も監禁された。酒は強いが女に弱い渋沢念流の達人・宗次郎は剛剣・雷斬りにどう挑むのか? 大人気「始末人シリーズ」第2弾!<文庫書下ろし>
  • 特急「あずさ」殺人事件
    3.5
    新宿から松本まで一緒に行ったことにしてほしい。恋人だった刑事に嘘のアリバイ証言を頼んでいた女が殺された。十津川は問題となる時刻に起きた現金強奪事件に着目。ところが共犯と思われる銀行員も絞殺された。どちらの死体にも拷問の痕跡が。強奪犯たちを狙うXの正体は? 事件は意外な貌(かお)を見せ始めた! (講談社文庫)
  • 記憶の中の殺人
    -
    軽井沢の内田先生から団子屋の平塚亭に呼び出された僕は、内田家の墓に供えられた謎の花について調査をたのまれた。ちょうどその頃、くだんの内田家の隣の墓の持主が毒殺され、しかも兄・陽一郎の旧知の間柄だという。なお不可解なことに僕だけが憶えていない軽井沢ひと夏の事件があったというのだが──。(講談社文庫)
  • 蜃気楼
    4.4
    現役最長老「越中富山の売薬さん」を訪ねる途中、魚津埋没林博物館で幸運にも蜃気楼に出会った浅見光彦。そこへ案内してくれた館員梶川優子の祖父急死の報が入ったが、その尋助こそ取材すべき人物であった。尋助の足取りを追う浅見の前に虚飾に満ちた世界が露わにされてゆく。(講談社文庫)
  • 首魁の宴 政官財 腐敗の構図
    3.8
    日本の濁流を泳ぎ、カネのためには手段を選ばぬ経済誌主幹。政官財に蠢く男たちの欲望を手玉にとり、巧妙な手口で取り屋の本領を発揮する。持ちつ持たれつの癒着の仕組みのなかで、それぞれの思惑は限りなく肥大する。この恐るべき腐敗の実態を迫力の筆致で描く。
  • 大江戸仙境録
    4.5
    東京から160余年前の文政時代の江戸へタイム・スリップ(転時)した科学評論家の速見洋介が、めくるめくばかりの恋をしつつ、日々、現代人の江戸常識を越える体験をする──。しかしこれは単なるSF的空想譚ではない。綿密な考証に基づいて江戸の人との世情をリアルに描いた、新機軸の時代小説なのです! 「大江戸シリーズ」第2弾。(講談社文庫)
  • 大江戸えころじー事情
    4.0
    江戸時代に生きてきた先祖は、未舗装の道路を空調機代わりにしていたり、着古したゆかたを、おむつまで使い尽くしたりと、身の回りのものを有効利用していた。石油や自動車を使う現代人は、楽な生活を手にした。が、果たしてこのまま科学が発達しさえすればいいのか。物質社会のいまだからこそ、必読の書。(講談社文庫)
  • 七日間の身代金
    3.3
    プロデビューを目指す若き音楽家カップルの千秋と要之介。ある日、富豪の後添いとなった友人から、弟と先妻の息子が一緒に誘拐されたと相談を受ける。身代金の受け渡しは、どこにも逃げ場のない湘南の小島。実は千秋の父は警察署長で、要之助との付き合いをよく思っていなかった。にわか探偵と化した2人は犯人を追うが……。誘拐と密室の二重の謎に挑む、傑作青春ミステリー。1986年刊行。(講談社文庫)
  • タイトルマッチ
    3.6
    元世界ジュニア・ウェルター級のチャンピオン最上永吉の息子が誘拐された。彼を破ったジャクソンに義弟が挑むタイトルマッチ2日前の事だった。犯人の要求は、“相手をノックアウトで倒せ。さもなくば子供の命はない”。犯人の狙いは何か!?想定外の脅迫に翻弄される捜査陣。ラストまで一気のノンストップ長編推理。デビューから競馬作品が続いた直後に出された「ボクシングもの」としても話題になり、「誘拐の岡嶋」の名をさらに広げる作品にもなった。1984年刊行。(講談社文庫)
  • どんなに上手に隠れても
    3.7
    収録中に歌手が誘拐? 多くの人が出入りするテレビ局から、白昼、もっとも勢いのある売り出し中の歌手が誘拐された。しかもその直前、この誘拐を暗示する奇妙な匿名電話が警察に入っていた……ほんの一瞬の隙をついた誘拐の手口とは、そして誰が、何のためにやったのか? 芸能プロやCMスポンサーたちの対応、駆け引き、警察の地道かつ執拗な捜査、そして事件の驚嘆すべきトリック。リアルに描ききった傑作長編推理。刊行1984年。(講談社文庫)
  • あした天気にしておくれ
    4.0
    なぜか江戸川乱歩賞を落選した、競馬界を舞台にしたミステリの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。脅迫状が届き、「我々はセシアを誘拐した」で始まる文面は、身代金として2億円を要求してきていた。衆人環視のなかで、思いもかけぬ見事な方法で大金が奪われる。犯人たちの「裏の意図」とは。そして、「裏の裏」の出来事が! 『焦茶色のパステル』の前年に江戸川乱歩賞に応募、刊行はデビューの翌年1983年に刊行となった。(講談社文庫)
  • 白く長い廊下
    3.4
    十二指腸潰瘍手術後の患者が、長い廊下を病室に運ばれる途中に容体が急変、死亡した。医療事故か? 巧妙に仕組まれた殺人事件か? 責任を問われた麻酔担当医・窪島は、独自に調査を開始し、意外な真相に辿り着く……。しかし、その時、彼はすでに大学の医局間の複雑な対立の中に、足を踏み入れてしまっていた。’92年度江戸川乱歩賞受賞作。現役の外科医が挑戦した、乱歩賞初の医学ミステリー。(講談社文庫)
  • タイムスリップ釈迦如来
    3.7
    ダイビング中に、またもやタイムスリップしてしまった女子高生、麓麗(ふもとうらら)。今回の行き先は、紀元前のインド! 無事、現代に戻るためには、そこで出会ったオカマ言葉を使う怪しげな坊主、ゴータマ・シッダルタを覚醒させ、いまだローカル宗教の一つでしかない、彼の教義=仏教を世界三大宗教の一つにまで育てあげる必要があった。歴史を変えてはならないのだ! 涙と大爆笑の奮闘や如何に!? (講談社文庫)
  • 塗仏の宴 宴の始末(1)【電子百鬼夜行】
    4.1
    1~3巻649~691円 (税込)
    「その時は、それが真実になってしまうのです」。「成仙道」の幹部・刑部を前に、家族を“喪った”男・村上貫一は大きく揺れた。同じころ、「韓流気道会」の毒手は、突如消息を絶った木場を追う二人の刑事、青木と河原崎へと伸び、華仙姑処女は“開かずの間に居たモノ”にまつわる戦慄の体験を語りはじめる。
  • バンド・オブ・ザ・ナイト
    3.7
    「悪夢を見るなら今のうちだよ」と誰かがおれの耳元でささやいた――。「悪魔の館」と呼ばれる家に入り浸るジャンキーたち。アルコールをはじめ、睡眠薬、咳止めシロップなどの中毒者たちが引きおこす悲喜劇を濃密に描いた衝撃作。そして、今夜も言葉のイメージが怒濤のように、混濁した脳裡に押し寄せてくる。
  • まぼろしの城
    4.0
    越後の上杉、甲斐の武田、小田原の北条。関東管領が実質的な力をなくし、覇を争う武将たちに取り巻かれながらも、上野の沼田万鬼斎はしたたかに生き抜こうとしていた。しかし愛妾・ゆのみとその父・金子新左衛門に翻弄され、一族は過酷な歴史の渦に飲み込まれていく。小国の衰亡に光を当てた凄絶な戦国雄編。
  • まぼろしの邪馬台国 第1部 白い杖の視点
    3.0
    「本書は考えようでは、妻とともに手さぐりで生き抜いた私の生活記録である」。失明した著者が本書の冒頭でこう書いていたように「邪馬台国はどこか」を探るため、妻・和子に古文書を読んでもらい、筆記してもらい、ともに研究に現地調査に赴いた。二人三脚の結晶が本書なのだ。〈第1回吉川英治文化賞受賞作〉
  • ライン
    3.6
    1本の線だけで結ばれている、宙に浮かんだような若者たち。深夜のパソコン通信に嵌まる小田切薫の周りで次々殺人事件が起こる。それぞれの道を歩む高校の同級生たちは、友情と嫉妬が複雑に絡み合い……。オンライン社会の若者の心の揺れを描く、直木賞作家の傑作ミステリー。「パソコン通信殺人事件」改題。
  • 歩兵の本領
    3.8
    名誉も誇りもない、そして戦闘を前提としていない、世界一奇妙な軍隊・自衛隊。世間が高度成長で浮かれ、就職の心配など無用の時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。軍人としての立場を全うし、男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ!
  • 焦土の刑事
    値引きあり
    3.6
    1~3巻646~693円 (税込)
    東京は壊れつつある。見慣れぬ街に変わりつつある――。 1945年。B29による空襲の翌朝、防空壕の中で女性の遺体が発見される。首には刃物による切り傷が。無数の遺体と目の前のたったひとつの遺体。 これは戦争ではない。個人に対する犯罪だ――。 捜査を進める京橋署刑事の高峰は署長から思わぬ言葉を聞かされる。「あれは、空襲の被害者だ」。殺人事件のもみ消し――そしてまた殺人が起きる。 高峰は、中学からの同級生で特高に籍をを置く海老沢とともに、終戦をまたいで「戦時下の殺人」の犯人を追い詰めていく。 警察小説の旗手が満を持して描く、壮大な警察大河シリーズ、ここに開幕。
  • カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
    値引きあり
    4.4
    1~2巻646~662円 (税込)
    人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。(講談社文庫)
  • 天使のナイフ 新装版
    値引きあり
    4.2
    犯人は、13歳の少年だった。 娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。犯人が13歳の少年3人だったため、罪に問われることはなかった。4年後、犯人の1人が殺され、桧山が疑われる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。法とは、正義とは。デビュー作にして、少年犯罪小説・唯一無二の金字塔。
  • 到達不能極
    値引きあり
    3.6
    南極遊覧中のチャーター機がシステムダウンを起こし不時着。添乗員の望月拓海は、乗客のランディ・ベイカーと物資を探しに「到達不能極」基地へ向かう。そこは大戦中、ナチスが極秘実験を行なっていた基地だった――。過去と現代が大胆に交錯する、圧倒的スケールの第64回江戸川乱歩賞受賞作。受賞後第一作となる、表題作のスピンオフ『間氷期』も初収録。 南極×SF×冒険 第64回江戸川乱歩賞受賞作 過去と現在が、最果ての地で再会する。  スピンオフ『間氷期』初収録!!
  • 紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官
    値引きあり
    4.4
    東京都内の古民家で、おびただしい血痕と3本の左手の小指が見つかった。住人の遠山という高齢夫婦とその客人のものと思われたが、発見から1ヵ月経っても死体は見つかっていない。いっこうに捜査が進展しない中で岩楯警部補は、相棒の鰐川と事件現場を訪れ近所の訊き込みを始める。他方、法医昆虫学者の赤堀は科捜研を再編成した「捜査分析支援センター」に配属されていた。法医昆虫学と犯罪心理学、技術開発部の三つが統合された新組織だ。赤堀は所属のせいで事件現場には立ち入れなくなったが、今回の被害者の死亡推定月日を、解剖医の出した5月20日前後という推定から大きく外し、虫の分析によって6月1日午後3時から4時の間と言い切る。さらに、同僚となったプロファイラーから、重大な分析がもたらされるが……!
  • 改訂完全版 火刑都市
    値引きあり
    3.8
    東京、四谷の雑居ビルの放火事件で若いガードマンが焼死する。不審な死に警察の捜査が始まった。若者の日常生活に、かすかに存在した女の影……。女の行方を追ううちに次は赤坂で放火が。そして現場に“東京”と謎の文字が書かれた張り紙が! 索漠たる都市の内奥と現代人の心を見据えて本格推理の天才が描く、印象深い長編ミステリー。
  • ルパンの娘
    値引きあり
    4.0
    「今すぐ別れなさい」 私は泥棒の娘。結婚を考えていた彼は警察一家の長男だった。 ――連続テレビドラマ化で人気沸騰のベストセラー! 三雲華は恋人の桜庭和馬の家に挨拶に行くこととなった。ついに桜庭家に到着した華は、玄関の家族写真を見て唖然とする。全員が警察の制服らしき服装に身を包み、それぞれ敬礼のポーズをしている。華が育った三雲家は、代々泥棒を生業としており、一家全員が盗人だ。 その数日後、荒川の河川敷で男の焼死体が見つかり、和馬は現場に急行すると……。
  • 僕は秋子に借りがある I’m in Debt to Akiko 森博嗣自選短編集
    値引きあり
    3.6
    初めて秋子に会ったのは、大学生協の食堂だった。ちょっと壊れている彼女と授業をサボって出かけ、死んだ兄貴の話を聞かされた。彼女が僕にどうしても伝えたかった思いとは? 胸が詰まるラストの表題作ほか、「小鳥の恩返し」「卒業文集」など、文学的な香りが立ちのぼる、緻密で美しい13の傑作短編集。(講談社文庫)
  • 磐舟の光芒(上)
    3.7
    六世紀も終わりに近づいたころの大和では、神祗派の大連物部守屋(おおむらじもののべのもりや)と崇仏派の大臣蘇我馬子(おおおみそがのうまこ)の二人が敏達大王(びだつおおきみ)を中心にして対峙していた。武勇の氏族の長(おさ)たる守屋は、年長で知謀に長(た)けた馬子と話すとつい興奮し、本音を吐いてしまう恨みがあった。二人の対決は次第に熱を帯びていく。雄大な古代史ロマンの巨篇!
  • Y列車の悲劇
    4.0
    上り寝台特急「はやぶさ」のA寝台車の個室で、女性の惨殺死体が発見され、残りの乗客全員は走行中の列車から消えた。そして有名俳優の声を使った脅迫電話と呼応して次々と姿を現わすの乗客の死体! 不可解な事件が女流脚本家のシナリオのとおりに動いていることが判明したとき、謎は更に混迷の度を深める。(講談社文庫)
  • 終列車連殺行
    -
    死者が列車を乗り替えた? 俊英の本格長編。北へ向う特急の寝台で見つかった女性の死体が消え、上野行きの特急で発見された。死者が乗り替えた? 捜査陣を困惑させる怪事も続発! 奇想の大胆本格推理長編。(講談社文庫)
  • 囚人道路
    3.0
    明治24年、1000人の囚人達の手で人跡未踏の網走・旭川間に巨大道路が建設された。180キロにも及ぶ当時は不要不急の道路のために政府はなぜこの難工事を強行したのか。また完成後生き残ったはずの700人もの囚人はどこへ消えたのか。塀の中を知る著者だから気づいた歴史の闇。近代史の謎に挑む。(講談社文庫)
  • 欲望の迷宮 新宿歌舞伎町
    3.0
    “食と性”の二大欲望が交錯する、新宿歌舞伎町の舞台裏を大漂流! かぶいている人間の生棲する街、正真正銘の人工の歓楽街。悪場所が密かに醸しだす妖しい魅力。迷宮に展開する欲望のドラマと哀愁ただよう人間の浮沈とを、すくいあげる。大宅賞受賞作家が、自己の青春にダブらせながら辿る、“橋本文学”とも呼ぶべき同時代ルポ。
  • 日本鉄道物語
    3.7
    鉄道に賭けた父子二代の熱き技術者魂を描く。草創期の蒸気機関車・磨墨(するすみ)からC53、D51を経て新幹線まで、島安次郎・秀雄の情熱は、燃えに燃えた。彼らが取り組んだ鉄道の仕事は、日本の近代技術史上の一大エポックとなった。外国の技術を日本の条件のなかへ移植し、さらに発展させた父子のドラマを追う。
  • 松緑芸話
    -
    不世出の名優・尾上松緑の芸と人生のすべてを綴る。最愛の息子・辰之助の死を乗りこえて、六代目菊五郎、父と二人の兄、三度の出征体験、脇役たちとの交遊などなど、感慨ぶかく語る。「義経千本桜」「勧進帳」をはじめ、数多くの名演や役作りについても、話が及ぶ。昭和を生きた歌舞伎役者の唯一の芸談。
  • 心霊探偵八雲1 完全版 赤い瞳は知っている
    値引きあり
    4.4
    1~5巻639~957円 (税込)
    すべて見直し、すべてを改稿した、まさに完全版。 累計750万部突破!心霊探偵八雲シリーズを楽しむなら、今。 赤い左眼を持ち、死者の魂を視ることができる青年。 その名は斉藤八雲。
  • 方舟
    値引きあり
    4.4
    極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。 友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。 いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。 生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。
  • 氷の轍
    値引きあり
    4.0
    新たな刑事の名は、大門真由―― 寒風吹きすさぶ釧路の海岸で他殺体が発見された。被害者は札幌の元タクシー運転手・滝川、八十歳。生涯独身で身寄りもなく、自宅からは北原白秋の詩集『白金之独楽(はっきんのこま)』が見つかる。先輩刑事の片桐とともに捜査にあたる真由は、孤独な老人が最後に縋ろうとした恋心を糸口に、事件を紐解いてゆく。 直木賞作家が放つ長編ミステリー、北海道警釧路方面本部シリーズ第2弾! 解説は本作をドラマ化した映画監督の瀧本智行氏! 24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』、第二弾『氷の轍』に続き、7月『起終点駅 ターミナル』、8月『霧』と続きます。
  • 原因において自由な物語
    値引きあり
    3.9
    甘美な不協和音。 人気作家・二階堂紡季には、秘密があった―― 『法廷遊戯』の著者が放つ、驚愕のミステリー! 謎を解かなければ。私は作家なのだから――。 若手人気作家・二階堂紡季には、誰にも言えない秘密があった。 露呈すれば、全てを失う。 しかし、その秘密と引き換えにしてでも、 書かねばならない物語に出会ってしまい……。 『法廷遊戯』で鮮烈デビューを飾った著者が仕掛ける、 緻密かつ大胆な、驚愕のミステリー!
  • 100人の森博嗣 100 MORI Hiroshies
    3.1
    読んだ人すべてがFanになる、森ミステリィの秘密と魅力。森ミステリィへ深く誘われる「森語り自作小説のあとがき」、一筋縄ではいかない「森読書 書評や本に関するエッセィ」など、『森博嗣のミステリィ工作室』と対をなす、魅力がぎっしり詰まった個人読本。特別企画としてデビューまえの手紙や、新聞不掲載となった「子供には新聞を読ませない」なども収録。
  • シャーロック・ホームズ対伊藤博文
    値引きあり
    3.9
    ゴッド・オブ・ミステリー・島田荘司推薦! これは歴史の重厚に、名探偵のケレン味が挑む興奮作だ。シャーロック・ホームズが現実の歴史に溶けこんだ。いかに彼は目撃者のいないライヘンバッハの滝で、モリアーティ教授に対する正当防衛を立証し、社会復帰しえたのか。日本で実際に起きた大津事件の謎に挑み、伊藤博文と逢着する。聖典【シリーズ】のあらゆる矛盾が解消され論証される、二十世紀以来最高のホームズ物語。
  • 女優志願殺人事件
    4.8
    セリフひとつすらなかったエキストラが、女優のタマゴ役に抜擢! シンデレラ・ガールの誕生に一役買ったのは、なんと警視庁の超危険人物・大貫警部。翌日、収録現場で、彼女の母親が首を絞められ殺されてしまい……(表題作)。主人公の破天荒な振る舞いに、心がスカッと晴れ渡る、全4編を収録。
  • われら猫の子
    3.2
    子どもをつくることを躊躇(ためら)う夫婦のわだかまりが解ける瞬間、処女のまま産み育てた息子が復讐しに来ると思い込む母親、あるはずのない異性器を持ちたいと切望する男女の交わり、死んだ父親に生きているふりをさせる少年少女たち……飛翔する想像力によって先入観を超え、固有の物語を紡ぎ出した傑作短篇集。
  • 十津川警部 トリアージ 生死を分けた石見銀山
    2.5
    「十津川警部に告ぐ。十億円を支払え。さもなければ、石見銀山は爆破され、世界遺産の一つが消える」。犯人からの声明に当惑する十津川。しかし、かつて事件現場で十津川が下した治療順位判断(トリアージ)が原因で、足を切断した被害者が、石見銀山の傍に住んでいることが判明。因縁を感じる十津川。名警部の捜査が始まる!
  • 極楽谷に死す
    4.0
    1970年代、あの時代の熱はどこにいってしまったのか。南米バルパライソ、極楽谷と称される海辺の町から"わたし"のもとに一通の手紙が届く。学園紛争に引き込んでしまった友人が死んだという。さいはての地で娼婦の稼ぎで生きてきた男の軌跡を辿(たど)る"旅"にわたしは出た――。あの時代があざやかによみがえる短編集。(講談社文庫)
  • 薬好き日本人のための 薬の雑学事典
    4.0
    サプリの過剰摂取は死亡リスクを上げる! 点眼式の液体目薬を日本に伝えたのは、ローマ字で有名なヘボンだった。坐薬は体温で溶けるチョコレートがベースである。深刻な薬害を起こしたサリドマイドは多発性骨髄腫薬として復活した等、薬の文化社会学から効能までを解説。薬の販売方法や許認可システムなど日本独自の特殊な事情も網羅。(講談社文庫)
  • 特捜崩壊
    4.0
    政財界の暗部に切り込み、戦後日本の「正義」を支えてきた地検特捜部。その捜査能力はなぜ地に堕ちたのか? 身内の不祥事を隠して突き進んだ逮捕劇、体面を保つための捜査・・・。
  • 死者の配達人
    -
    かつて、謎めいた女性を誤殺して北アルプスに埋めた過去を持つ北尾俊也は、離婚と退職を機に贖罪(しょくざい)の旅に出た。青春の秘密を隠す現地では別件の女性が発掘され、近くの山道で死に場所を探していた中町由美子を俊也は救った。心に闇を抱える2人が追う事件。戦慄の果てに浮かび上がる恐るべき真相とは? ※本書は2002年1月に祥伝社文庫より刊行されました。住所表示などは執筆当時のままとします。(講談社文庫)
  • いつから、中年?
    3.7
    惑い続けて、40年。「週刊現代」人気連載の文庫第3作。セクハラに対する東京と地方でのとらえ方の違いとは? 「オカン」と呼ぶ男性の急増、そしてマザコンとの関係。芸能界で活躍する歌舞伎役者と宝塚出身女優における「類似と相違」などなど、気になるテーマをちりばめたエッセイ集。四十歳を迎えてもなお惑い続ける日々を綴った「週刊現代」連載のシリーズ第三作。(講談社文庫)
  • 刑事長 越権捜査
    4.0
    春団治(はるだんじ)刑事長(デカチョウ)こと岩切鍛冶は、組織や規律だけを重んじる警察の体質に刃向かう大阪府警の一匹狼だ。彼を慕う若手刑事が市内で屋台を撤去しようとして暴力警官として告発された。その直後、告発した男が不可解な死を遂げる。事件にきな臭さを感じた岩切は単独捜査を開始! 〈刑事長〉シリーズ興奮の第3弾! (講談社文庫)
  • ジークフリートの剣
    値引きあり
    3.7
    世界的テノールである藤枝和行が念願のジークフリート役を射止めた矢先、婚約者・有希子は老婆の予言どおりに列車事故で命を落とす。ジークフリート同様に“恐れを知らず”生きてきた和之だが、愛する人を喪った悲しみのあまり、遺骨を抱いて歌うことを決意した。そして和行の前に現れた美女──。“舞台”は謎とともに華麗に展開していく。
  • 死支度
    -
    羽毛のかわりに女性の体毛をつめた寝具にくるまれて、死の国へ旅立つ……愛する妻に先立たれ、長い生をすごす老人は、途方もない計画に取り憑かれる。死を迎えんとした時、意志に反して救われ、病室に繋がれた自称百九歳の老人は妄執と現実とのあわいを、生と性の異世界を深く、しかし嬉々と彷徨う。傑作短編集。(講談社文庫)
  • 異聞 太平洋戦記
    3.9
    太平洋戦争は今なお謎に満ちている! 東京大空襲にも真珠湾攻撃にも、史実ならざる「真相」があった。『下山事件 最後の証言』の著者にして大藪春彦賞受賞作家が長年の取材に基づき「あの戦争の闇」を照射する、驚愕のノンフィクションノベル。(講談社文庫)
  • 走れUMI
    4.0
    かつて捕鯨で栄えた、入り江の奥の小さな港町。僕は母さんの実家のミカン山で暮らすことになり、生まれ育ったこの町を離れた。一年後の夏、僕は父さんとジイチャン、後ろ足を失くした犬のコロが暮らす故郷を目指して、ひとり相棒のマウンテンバイクUMIのペダルを漕ぎ出す。小学館児童出版文化賞受賞作。(講談社文庫)
  • 現代霊性論
    4.1
    イマドキの暮らしに霊なんて関係ない? いいえ、人間の営みと“スピリチュアル”は切っても切れないものなんです。タブー、占い、カルトと霊のつながりとは。新宗教から靖國まで現代における宗教の役割とは何か。霊的であることは、畏れを知ること――内田氏と釈氏の掛け合いがグルービーな面白すぎる宗教漫談! (講談社文庫)
  • 幻想郵便局
    3.7
    就職浪人中の安倍アズサは、「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、なりたいものってなんだかわからない。そんなときに特技欄に“探し物”と書いて提出していた履歴書を見て、アルバイト決定の連絡が。アルバイト先は、山の上、ぽつんとたたずむ不思議な郵便局。そこで出あった不思議な人々と不思議な世界とは……。ようこそ、登天郵便局へ。オリジナルのものから改稿し、さらにグレードアップ! 読書メーター読みたい本ランキング第1位。(講談社文庫)
  • 疾風剣谺返し 深川狼虎伝
    3.0
    女郎屋を脅して大金をせびるごろつきが深川で出没し、始末を請け負った鳴海屋の面々。いったんは金で解決したはずの事件の背後には始末人皆殺しを目論む黒幕がいた。酒は強いが女に弱い渋沢念流の達人・宗二郎が、一太刀で眉間を斬り割る「谺返し」の遣い手に挑む! 大人気「深川群狼伝」待望の新シリーズ。文庫書下ろし。(講談社文庫)
  • 捜査官
    3.5
    青森県警の元似顔絵捜査官・杉澤洋二と警察庁警備局の警視正・成瀬公大が、核廃棄物最終処分場建設反対派が起こすテロを捜査する。県警、公安、警備保障会社、23年前の事件、そして“エス”――さまざまに絡み合う思惑を解くきっかけは、たったひとつの手がかりだった――。警察小説の要、“捜査”を2つの視点から描ききる、これぞ警察“捜査”小説!
  • あなたにもできる悪いこと
    3.1
    年寄りのセクハラ騒ぎ、教師の不倫に、NPOの着服疑惑……世間体を取り繕ったきれいごとの裏にトラブルあり。そしてトラブルあるところに「和解金」あり。内々に済ませたい関係者たちの間に入っておこぼれをかすめ取ろうと、舌先三寸で世間を渡るインチキセールスマンと食えない女がタッグを組んだ! 世の偽善と保身を逆手にとってひと儲け!! 平安寿子流・痛快ピカレスク小説。 (講談社文庫)
  • 円朝芝居噺 夫婦幽霊
    4.0
    ある文学者の遺品から見つかった奇妙な暗号文。明治期に隆盛した田鎖式速記で書かれた暗号を解読すると、そこに書かれていたのは江戸時代の噺家、名人・三遊亭円朝、幻の落語だった!?  安政の大地震以前、江戸城から盗まれた四千両、その金に絡む色と欲。円朝よりも円朝らしい噺には、もうひとつ大きな噺が隠されていた……。磨き上げられた文章で円朝の怪談噺を蘇らせた手練れの一作。(講談社文庫)
  • 逢わばや見ばや 完結編
    -
    月島の古本屋店員をしていた「私」は、巣立ちのときを迎え下町の風情が残る東京の西、高円寺に店を構える。やがて結婚し、古本の売行きが伸びなくなってくると独自に目録「書宴」を作りはじめた。「書宴」に書いたエッセイに目を留めた編集者の勧めで書籍になり、やがて小説家と古本屋の二足の草鞋を履くことになった。古書をこころから愛する著者による下町の人情と古書への愛情が詰まった傑作自伝的長編小説(講談社文庫)。
  • 刑事長 殉職
    4.0
    クレジットカード偽造、麻薬取引、密入国手引きなど、活動を拡げるアジアマフィアを摘発する端緒を、若手刑事川喜多良一がつかんだ。“春団治刑事長(デカチョウ)”岩切鍛治を尊敬する彼は、社会的影響の重大さを怖れる府警上層部をよそに単独捜査を開始した。職務遂行と在職死。警察小説最大のテーマに挑む本格推理長編。(講談社文庫)
  • 擬態
    3.5
    成り行きで家出少女と同居を始めた女子大生ナナミは、友人の死に責任を感じつつ生きる元ヤンのクニコとおざなりなメールのやり取りを続けていた。平凡な郊外の街で、二人の日常が交差する時、過去の記憶の輪郭が残酷に浮かび上がる。“嫌ミス”の旗手が挑む新境地! 『W-二つの夏』を改題。 (講談社文庫)
  • 火除け地蔵 立ち退き長屋顛末記
    -
    長男一家が行方知れずの富蔵お熊の夫婦、病弱な妻を抱える八百屋の正市、暴力夫から逃れてきたお静、拾い子のお染……深川の弥次郎兵衛長屋の火除け地蔵は、そんな住人たちを見守っていた。ところが一帯を火除け地として空き地にしたいお上は、破落戸(ごろつき)どもを使って住人たちに立ち退きを迫ってきた。物言えぬ地蔵が引っ越せないみんなを心配する、文庫書下ろし人情シリーズ第一作。(講談社文庫)
  • コミック昭和史(1)関東大震災~満州事変
    3.9
    1~8巻638~704円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和とはどのような時代だったのか。戦後50年を機に、いまあらためてその時代精神が問われている。それも権力者の視点ではなく庶民の眼で捉えたらどうなるのか。太平洋戦争下、ラバウルでの空襲により片腕を失った筆者が、万感の想いで描ききる。戦争を知らない世代に贈るコミック昭和史・全8巻。
  • 5と3/4時間目の授業
    4.0
    あたりまえを疑ってみると、知らない世界が見えてくる。 「ぼくは、先生の役割って、一つの狭い常識のなかで生きている人に、そうじゃないよと教えてくれて、でも、その答えは自分で見つけなさいよ、といってくれることだと思います。」(本書より) 〈目次より〉 1日目・たぶん、読んじゃいなよ! カリキュラムにはのらない授業/ソクラテスはなぜ自分で書かなかったのか/想像力を生む場所/「絶対にありえないこと」を疑ってみる/自分で探さなければ、先生には出会えない/「自殺をしてもいいのか?」―鶴見俊輔さんの答え/正解が見つからない問いに、どう答えるか/「外側」から考える/常識ってなんですか? 2日目・なんとなく、書いちゃいなよ! 小学校と工場の共通点は?/自由な論理は「危険」かもしれない/考えるときの基準は自分しかない/「浮かない感じ」―吉本隆明さんの戦争体験/説明できないモヤモヤを大事にする/「渋谷109方式」で文章が書ける!/自分以外の「私」を想像して書く/ほかの誰にも書けない文章ー木村センさんの遺書/「自分」という不思議なものを、ことばにする 本書は17歳の特別教室『答えより問いを探して』を文庫化の際、改題したものです。
  • みたび! 女のはしょり道
    2.3
    ビューティ誌『VOCE』にて好評連載中、漫画家・伊藤理佐氏による『女のはしょり道』。はしょりながらも、キレイを目指すぐーたらビューティマンガも3巻め。「いつでも気合をいれてキレイにして……はいられない。ズルできるなら頑張ります!」を合言葉に、できる限りラクして、ちゃっかりキレイになる、を目論むスローでリアルな面白ビューティエッセイコミック。お世辞にも美容マニアとはいえない著者だからこそ、女性の共感が得られる“あるあるネタ”が詰まっています。さらに、連載中に妊娠→出産→新米ママとなり、3巻目の本巻では、子育てに奮闘し、子供からの指摘やママ界の環境におののきながらも、ますます美容をはしょるレベルもアップ中。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 野心と美貌 中年心得帳
    3.3
    ちょっと前まで、女は四十を過ぎれば“おばさん”になることができた。それがどうだろう。「美魔女」「アンチエイジング」などの言葉に躍らされ、いつの間にか“女の現役”から降りられなくなった私たち。必要なのは、顔じゃなくて“心のリフトアップ”。加齢が困難な時代を生きる女性に贈る美の極意満載のエッセイ集。
  • 気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    3.6
    雑誌『散歩の達人』の連載エッセイ、待望の文庫化!収録されているのは、吉野家、ロイヤルホスト、CoCo壱番屋、びっくりドンキー、餃子の王将、シェーキーズ、とんかつ和幸、サイゼリヤ、かっぱ寿司、レッドロブスター、牛角、マクドナルド、蒙古タンメン中本、築地銀だこ、日高屋、バーミヤン、すき屋、てんや、リンガーハット等、おなじみのチェーン店ばかり。著者独自の視点から、各店の魅力と栄枯盛衰を綴る。
  • 日曜日の人々
    4.1
    「皆さん、おはようございます、日直の杏子(アンズ)です」「拒食も過食も不眠も自傷の一種だ」「僕はあなたがたを愛しているので、方法は記しません」「関東地区でパーティー希望です」「それでもお願いだから!」「俺は死にたくない!」「だってわたしはもう子供じゃないから!」人々の声は、あなたに届くでしょうか? 第39回野間文芸新人賞受賞作。
  • 青春漂流
    4.2
    一度は挫折し、方向転換した若者たち。その大胆な選択が成功だったかどうかを、語ることはまだ出来ない。何しろ彼らは、迷いや惑いの青春の真っただ中にいるのだから。自らも不安や悩みの放浪の旅から、自己確立をしたという著者は、職業も種々な11人の若者たちと、夜を徹して語り合う。鮮烈な人間ドキュメント。……あらゆる失敗の可能性を見すえつつ、大胆に生きた人こそ、よく青春を生きたと、言うべきだろう。
  • 小説 パーフェクトワールド 君といる奇跡
    4.0
    この世界は不完全。君がいなければ。二十代のつぐみは、偶然初恋の人・樹に再会する。樹は車イスに乗り、もう恋愛はしないと言うが。

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