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Posted by ブクログ
通り魔に娘の頼子を殺された父親が
真相を推理した手記には、大きな力にとって不都合な真実が含まれていた。
そんな事件を著者かつ登場人物である法月綸太郎が依頼を受けて再調査をする話。
昨今「どんでん返し」を売りにした小説は
いくつもありますが、この本は年代がやや古いこともあって売りとしてやらしく作為的に伏線を散りばめるのではなく、登場人物各々の主観を法月がまとめ上げることによって驚くような真実に辿り着きます。きっと誰も間違っていないのでしょう。
本編の大筋とは一見関係ないのだけれど、
今日もどこかで誰かが亡くなっていて、
それでも世界は何も変わらず動くのだという
事実にハッとさせられました。
情景描写や心理描写が詩的な部分があり、そこは好みが分かれるかと思いますが、私はとてもリアリティを感じることができたのでこちらの評価です。
Posted by ブクログ
前3作と比べて格段にストーリー部分が面白くなっていると思った。
トリックはあってないようなものですが、そのかわりに動機が焦点になってるのも今までと違うポイントかな。
序盤で動機が明記されるものの、それが調査を辿ることによって本当の姿を表していく...というホワイダニット物ではありがちな展開ですが、先程言った通り、ストーリーが以前より格段に面白くなっているので、普通に楽しみながら読めました。(以前の作品は調査パートが少々退屈だったので...)
結末の後味が悪いことで有名な作品なので、その事は知った上で読みましたが、思ったよりエグかった...
でもエグいからこそ、強烈な印象が脳裏に刻み込まれたと思います。
Posted by ブクログ
法月綸太郎の長篇ミステリ作品『新装版 頼子のために』を読みました。
『ノックス・マシン』に続き、法月綸太郎の作品です。
-----story-------------
「頼子が死んだ」。
十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて刺殺、自らは死を選ぶ――という手記を残していた。
しかし、手記を読んだ名探偵法月綸太郎が真相解明に乗り出すと、驚愕の展開が。
著者の転機となった記念碑的作品。
長く心に残る傑作!
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著者と同名の探偵・法月綸太郎が活躍するシリーズの3作目で1990年(平成2年)に刊行された作品です。
■第一部 西村悠史の手記
■第二部 余波
■第三部 再調査Ⅰ
■第四部 再調査Ⅱ
■第五部 真相
■文庫版あとがき
■新装版への付記
■拝啓 法月綸太郎様 池上冬樹
■追伸 法月綸太郎様 池上冬樹
愛娘の頼子を殺された父親は、相手を刺殺する――との手記を残していた… しかし、法月綸太郎が真相解明に乗り出すと、驚愕の展開が!
14年前の交通事故をきっかけんして歪んでしまった家族の愛情… ミステリとして愉しめる作品ですが、愛したい愛されたいと思うが故のエゴイズムや愛憎を描いたドラマとしても秀逸な作品でしたね、、、
そして、終盤で法月綸太郎が、再度自殺を図ろうとする頼子の父・悠史に自殺を止めない理由を問われ「頼子さんのためです」と語るシーンが印象的… タイトルの『頼子のために』が余りにも皮肉で哀しく感じましたねー 誰も「頼子のため」なんて考えていなかったなんてね。
作品中、頼子の部屋で見つかったジョイ・ディヴィジョンの『クローサー』がダビングされたセットテープが、頼子と友人の松田卓也を繋げる小物として登場します… 久し振りに『クローサー』を聴きたくなりましたね、、、
そして、『第一部 西村悠史の手記』に自らの行動と類似した物語として、最愛のひとり息子を轢き逃げされた父親が犯人を独力で探し出し、自らの手で復讐を果たそうとする捜すニコラス・ブレイクの『野獣死すべし』が登場してました… いつかは読んでみた作品なんですよね。
Posted by ブクログ
☆4.0
「頼子は死んだ」から始まる娘を亡くした父親の手記。
それには、娘の死は殺人なのに警察の捜査はどうも様子がおかしく、まともにされているとは思えないことや、自らの手で犯人を見つけ出し殺すことを決めていた心情が書かれていた。
父親の西村悠史はある男を殺害し、その後すぐに自殺を図ったが、辛くも一命をとりとめ昏睡状態であるという。
推理作家の法月綸太郎の元へ、この一連の事件の再調査の依頼が舞い込んだ。
手記を読み事件について調べ始めた綸太郎は、この事件に隠された真実と真っ向から向き合わされることとなる。
この作品は最初に手記が配置されたことが肝要だったと思う。
読者がどんな立ち位置で事件を見るか、何を前提に思考するかを上手く作品に乗せている。
頼子は本当はどんな娘なのか。誰が何を考えて、本当は何を望んでいたのか。
すべての真実が見えたとき、決定的な敗北感に打ちのめされた。
これはちょっともう一度読まねばならんと、ページを捲った。
読み返したときの各所に漂うエゴイズムがこちらの心を苛んでくる。
二度目は全然精読じゃなかったけど、苛まれすぎてちょっと吐き気がするくらいだった。
なのにタイトルは『頼子のために』なんだよなぁ。
これしかないってタイトルなのでは。
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小説・文芸
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