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なぜか江戸川乱歩賞を落選した、競馬界を舞台にしたミステリの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。脅迫状が届き、「我々はセシアを誘拐した」で始まる文面は、身代金として2億円を要求してきていた。衆人環視のなかで、思いもかけぬ見事な方法で大金が奪われる。犯人たちの「裏の意図」とは。そして、「裏の裏」の出来事が! 『焦茶色のパステル』の前年に江戸川乱歩賞に応募、刊行はデビューの翌年1983年に刊行となった。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
岡嶋二人、2冊目。前に読んだかどうかも忘れているが、多分これは初読み。 3億2千万円の2歳馬(今でいう1歳)が輸送中の事故で骨折し、共有する他の馬主にそれを隠すために、馬の誘拐事件をでっちあげる。 20世紀にセリで3億円以上した高馬というとサンゼウス(3億6050万円)を思い出すが、サンゼウスは...続きを読む1988年生まれなのでこの本が書かれたよりもずっと後。 時代的にイメージに近い馬というと1979年生まれのハギノカムイオーだけども、カムイオーは1億8500万円だもんな。まあ、いいけど。 どんな計画かも知らされていないながら、こちらも主人公になった感じで読み進め、警察の捜査に加えて謎のスカGの女が絡んで、結構キリキリする展開。 馬の誘拐というとシャーガー事件(1983年2月)を思い出すが、馬を誘拐してもレースに出したり種付けしたり出来るわけでもないし、飼っておくだけでも大変だし、あまりメリットはなさそうな。 まあ、本作は狂言だからあまり関係ないけど。 それにしてもこの本が書かれた頃は丁度私が本格的に馬券を買い始めた頃だが、青色のゲートなんて懐かしいね。東京に右回りのレースがあったことは知らなかった。 ユニット馬券やオッズ表示のことなど今から考えると隔世の感だが、それをうまいことトリックに利用していて、、、このトリックを見て、この本を読んだことあるのに気がついた…。 私の記憶には、このトリックと該当のレースが終わった後の寒々しい競馬場の風景しか残っていなかったのだが、一頭の馬に対する多くの人の思惑が二重三重に蠢いて事件を形作っていたことが明らかになる作りこそが、本作の値打ちだったのを改めて思い知った。
「焦茶色のパステル」に勝るとも劣らない傑作。別の作品にあるのかもしれないが、オッズの仕組みを利用した身代金の受け取りなどは本当に鮮やかで、何か爽快な気分になった。終わり方が少し気に入らないが、そんなことは些末に思える素晴らしい快作。
乱歩賞受賞昨の“焦茶色のパステル”がめちゃくちゃ面白く その前昨である本作を無性に読みたかった所 偶然、古本屋の100円均一コーナーにあり これぞ“運命”と小躍りした上での 購入&一気読みとなりました。 いやぁ~受賞作より本作のほうが 断然面白い! 読む前からいろいろな所で 落選理由(トリック...続きを読むが既出&実現不可)については 耳に入っていたけど、これは問題ないレベルだと思うなぁ。 あとがき部分で岡嶋氏ご本人が述べているけど あくまで材料が同じなだけで、どう料理するかが腕の見せ所なんだから。 そもそも大乱歩も結構やってたはずだし(笑)。 まぁ、既出作品(氏によると夏樹静子氏の“五千万円すった男”)を まだ読んでいないので、読んでみたら変わるかもしれないけど。 てな話はさておき、 作品中に一切の無駄がなく 主人公たちの緊迫感がハンパなく伝わってくる。 その上、事件・謎・事件。。。と息をつかせず、 たたみこむように話が展開していき 久々の一気読みでした。 そしてラストの落とし方が実に見事! このあっけなさの中に残る余韻が大好きです。 なんで文句なくの☆5です♪ う~ん、このクオリティ...どの作品まで続くのだろう。 追記) このところ“解説”にも注目しているのだが この佐野洋 氏による解説が本当にすばらしい。 作品愛満載で余計なことに一切ふれずに 本作の魅力を的確&最大限に紹介している。 本を読み終わった人はこれを読んで 満面の笑みで相槌をうち 先に解説を読んだひとは一刻もはやく本編を読みたく (あるいはレジへ行きたく(笑))なるでしょう。 嗚呼、オイラもこういうコメントをかけるようになりたいな...
岡嶋二人を初めて読みました。 競馬をネタにするというのも珍しいし、馬が誘拐されるという斬新な設定にもワクワク。 犯人視点の倒叙ミステリで、行方不明の馬をめぐるスリリングな展開に目が離せない。 競馬のしくみをうまく使った仕掛けにはびっくりでした。こんなトリックがあるのか!
ケータイないんけ?と思ったら案の定おれが生まれる前の話だった。 サラブレッド「セシア」を巡っての馬主その他の思惑が入り乱れる推理小説。 身代金の受け渡しトリックなんかはだいぶ裏をかかれた感じ。「ははぁ、読めた」と思ってもそこで終わりじゃないひっくり返し具合で、とにかくおもろかった。
岡嶋二人の事実上の処女作。といわれる作品なのですが、全てにおいて新人っ気などまったく感じさせません。冒頭から一気に引き込まれます。そして、内容が実に凝ってます。バリサイコ―デス。
過去の作品シリーズ。第27回江戸川乱歩賞を取れなかった作品。 3億2千万という、破格の値段が付けられたサラブレッド「セシア」。 4人の馬主が共同で保有し、将来を楽しみにされていた。 だがある日、そのセシアが誘拐されてしまう。 「我々はセシアを誘拐した」と犯人は脅迫状を送り付け、2億円もの身代金を要...続きを読む求してきた。。。 岡嶋二人氏の事実上のデビュー作とでも言うべきこの作品。 相当に古い(1981年の作品)であるが為に、当然のようにその時代背景は古いのだが それ補って余りある面白さである。 いわゆる“メイントリック”は今現在では使用出来ないものだそうだが、 それでもその鮮やかさは競馬を知らない人でも驚くのではないだろうか。 ただし、競馬を本当に全く知らない人が読むのは少々厳しいかもしれない。 なぜなら、セシアという馬に対する価値や馬券に対する換金の仕組みなど、 若干その世界を知らないと「??」と感じる部分もある為である。 しかし、これがデビュー作だとは思えない程にプロットも良く練りこまれているし、 人間の欲深さ辺りもよく書かれていると思う。 馬好き人間としては、ちょっと馬が可哀想になってくるが…。 この作者(井上夢人氏のみでも可)には、もう一度競馬ネタでミステリーを書いてもらいたい。 現在を舞台にすると、一体どんな物語を書いてくれるのだろうか。。。 まあ、叶わぬ夢だとは思うが。
身代金奪取の鮮やかさと、先の読めないスリリングな展開でぐいぐい読ませるが、最後にほんの少しだけ息切れしてしまったかな。
倒叙形式で描かれていた物語が途中から一転してフーダニットの展開へとシフトしていく手際の良さが見事です。現在では実現不可能と言われるメイントリックも、競馬の知識が無い者にとっては鮮やかで感心させられました。競馬三部作のトリを飾る作品でありながら、実際はデビュー作よりも前に書かれていたことや、その完成度...続きを読むの高さには驚かされます。
馬を骨折させた失態を隠す為に馬の狂言誘拐を企てるのですが、そのことを強請ろうとする邪魔者が入ります。脅迫するスリルと邪魔者の正体を探るフーダニットの両方が楽しめる構成は独創的で素晴らしいです。 盲点を突いた身代金受け渡しトリックも面白いですが、真相を隠すために注ぎ込まれたミスディレクションがまた良く...続きを読む出来ています。ラストも鮮やかです。競馬に興味のない方でも十分に楽しめる作品だと思います。
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