【感想・ネタバレ】あした天気にしておくれのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月20日

まさしくノンストップ。次々と変化していく展開には一寸の隙もなく、読者を全く飽きさせない。

前半は倒叙モノ、そして犯人の計画外の事件が起こり、もう1人の犯人が捕まったら自分も捕まってしまうという動機により中盤からは犯人=探偵役の構図へとすり替わる。
徐々に朝倉に感情移入していき、気づいたときには&q...続きを読むuot;バレるな"と思っている自分がいる。
倒叙モノはあまり読んでいないのだが、やはりこれが倒叙モノの醍醐味だろう。

だがやはり本書の見どころは身代金の受け渡しのトリックだと思う。
犯人が馬券を買うことを指定してきたときにようやく気づいたが、このトリックにはかなり驚いた。
直接お金を受け取るというわけではなく、間接的に得をする。複合馬券の引き換えという問題は残るが、かなり安全性の高いトリックであることは間違いない。
岡嶋二人の良さが非常によく出た作品。

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Posted by ブクログ 2020年12月12日

岡嶋二人、2冊目。前に読んだかどうかも忘れているが、多分これは初読み。

3億2千万円の2歳馬(今でいう1歳)が輸送中の事故で骨折し、共有する他の馬主にそれを隠すために、馬の誘拐事件をでっちあげる。

20世紀にセリで3億円以上した高馬というとサンゼウス(3億6050万円)を思い出すが、サンゼウスは...続きを読む1988年生まれなのでこの本が書かれたよりもずっと後。
時代的にイメージに近い馬というと1979年生まれのハギノカムイオーだけども、カムイオーは1億8500万円だもんな。まあ、いいけど。

どんな計画かも知らされていないながら、こちらも主人公になった感じで読み進め、警察の捜査に加えて謎のスカGの女が絡んで、結構キリキリする展開。

馬の誘拐というとシャーガー事件(1983年2月)を思い出すが、馬を誘拐してもレースに出したり種付けしたり出来るわけでもないし、飼っておくだけでも大変だし、あまりメリットはなさそうな。
まあ、本作は狂言だからあまり関係ないけど。

それにしてもこの本が書かれた頃は丁度私が本格的に馬券を買い始めた頃だが、青色のゲートなんて懐かしいね。東京に右回りのレースがあったことは知らなかった。
ユニット馬券やオッズ表示のことなど今から考えると隔世の感だが、それをうまいことトリックに利用していて、、、このトリックを見て、この本を読んだことあるのに気がついた…。
私の記憶には、このトリックと該当のレースが終わった後の寒々しい競馬場の風景しか残っていなかったのだが、一頭の馬に対する多くの人の思惑が二重三重に蠢いて事件を形作っていたことが明らかになる作りこそが、本作の値打ちだったのを改めて思い知った。

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Posted by ブクログ 2019年04月24日

「焦茶色のパステル」に勝るとも劣らない傑作。別の作品にあるのかもしれないが、オッズの仕組みを利用した身代金の受け取りなどは本当に鮮やかで、何か爽快な気分になった。終わり方が少し気に入らないが、そんなことは些末に思える素晴らしい快作。

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Posted by ブクログ 2017年01月18日

2017年5冊目。
競馬三部作の中でもダントツに面白かった!!!他の2作品に比べるとやっぱり競馬の知識がないともしかしたらイマイチ入り込めないかなーとは思うけど、昔競馬をかじっていたおかげでより楽しめたと思う。
いやー、早く続きが読みたくて読みたくて。朝倉に同調してなんだかあたしまで胃が痛くなるよう...続きを読むな思いをしながら一気に読んでしまった。
これが事実上の処女作かー。やっぱり岡嶋二人はすごい。
あたしは、ホント去年初めて名前を知ってハマったばかりなので、作品がかなり前に書かれたことを承知で読んでいるから、このトリックが今実現可能かどうかというところはあまり重要視していない。それよりもどんでん返しが続くこのストーリーそのものに魅力を感じてる。うん。これもう一度読み直したい。

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Posted by ブクログ 2013年01月07日

乱歩賞受賞昨の“焦茶色のパステル”がめちゃくちゃ面白く
その前昨である本作を無性に読みたかった所
偶然、古本屋の100円均一コーナーにあり
これぞ“運命”と小躍りした上での
購入&一気読みとなりました。

いやぁ~受賞作より本作のほうが
断然面白い!


読む前からいろいろな所で
落選理由(トリック...続きを読むが既出&実現不可)については
耳に入っていたけど、これは問題ないレベルだと思うなぁ。
あとがき部分で岡嶋氏ご本人が述べているけど
あくまで材料が同じなだけで、どう料理するかが腕の見せ所なんだから。
そもそも大乱歩も結構やってたはずだし(笑)。

まぁ、既出作品(氏によると夏樹静子氏の“五千万円すった男”)を
まだ読んでいないので、読んでみたら変わるかもしれないけど。


てな話はさておき、
作品中に一切の無駄がなく
主人公たちの緊迫感がハンパなく伝わってくる。
その上、事件・謎・事件。。。と息をつかせず、
たたみこむように話が展開していき
久々の一気読みでした。
そしてラストの落とし方が実に見事!
このあっけなさの中に残る余韻が大好きです。
なんで文句なくの☆5です♪
う~ん、このクオリティ...どの作品まで続くのだろう。


追記)
このところ“解説”にも注目しているのだが
この佐野洋 氏による解説が本当にすばらしい。
作品愛満載で余計なことに一切ふれずに
本作の魅力を的確&最大限に紹介している。
本を読み終わった人はこれを読んで
満面の笑みで相槌をうち
先に解説を読んだひとは一刻もはやく本編を読みたく
(あるいはレジへ行きたく(笑))なるでしょう。
嗚呼、オイラもこういうコメントをかけるようになりたいな...

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Posted by ブクログ 2012年04月17日

岡嶋二人を初めて読みました。
競馬をネタにするというのも珍しいし、馬が誘拐されるという斬新な設定にもワクワク。
犯人視点の倒叙ミステリで、行方不明の馬をめぐるスリリングな展開に目が離せない。
競馬のしくみをうまく使った仕掛けにはびっくりでした。こんなトリックがあるのか!

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

ケータイないんけ?と思ったら案の定おれが生まれる前の話だった。
サラブレッド「セシア」を巡っての馬主その他の思惑が入り乱れる推理小説。
身代金の受け渡しトリックなんかはだいぶ裏をかかれた感じ。「ははぁ、読めた」と思ってもそこで終わりじゃないひっくり返し具合で、とにかくおもろかった。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

岡嶋二人の事実上の処女作。といわれる作品なのですが、全てにおいて新人っ気などまったく感じさせません。冒頭から一気に引き込まれます。そして、内容が実に凝ってます。バリサイコ―デス。

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Posted by ブクログ 2021年03月14日

過去の作品シリーズ。第27回江戸川乱歩賞を取れなかった作品。

3億2千万という、破格の値段が付けられたサラブレッド「セシア」。
4人の馬主が共同で保有し、将来を楽しみにされていた。
だがある日、そのセシアが誘拐されてしまう。
「我々はセシアを誘拐した」と犯人は脅迫状を送り付け、2億円もの身代金を要...続きを読む求してきた。。。

岡嶋二人氏の事実上のデビュー作とでも言うべきこの作品。
相当に古い(1981年の作品)であるが為に、当然のようにその時代背景は古いのだが
それ補って余りある面白さである。
いわゆる“メイントリック”は今現在では使用出来ないものだそうだが、
それでもその鮮やかさは競馬を知らない人でも驚くのではないだろうか。

ただし、競馬を本当に全く知らない人が読むのは少々厳しいかもしれない。
なぜなら、セシアという馬に対する価値や馬券に対する換金の仕組みなど、
若干その世界を知らないと「??」と感じる部分もある為である。

しかし、これがデビュー作だとは思えない程にプロットも良く練りこまれているし、
人間の欲深さ辺りもよく書かれていると思う。
馬好き人間としては、ちょっと馬が可哀想になってくるが…。
この作者(井上夢人氏のみでも可)には、もう一度競馬ネタでミステリーを書いてもらいたい。
現在を舞台にすると、一体どんな物語を書いてくれるのだろうか。。。
まあ、叶わぬ夢だとは思うが。


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Posted by ブクログ 2017年02月26日

高額の競走馬が移送中に事故で骨折し、それを隠ぺいするために競走馬の身代金誘拐事件を偽装。倒叙形式で1日ごとにその様子が描かれ、その中に意表を突く出来事を2つ盛り込み、クライマックスである身代金引き渡し当日の土曜日へと突き進んでいく展開は無駄がなく、引き込まれる内容であった。
「第6章 金曜日」が終わ...続きを読むった時点で、犯人がどうやって、安全に身代金を詐取するのかを考えてみて、ひとつの方法が思い浮かんだ。ヤマ勘にすぎないが、結果的にほぼそのとおりの方法であった(細かい計算はしていないし、詳しいシステム上のことまではわからなかったが)。映画「スティング」のような、意表を突く、鮮やかな手際だ。
主人公がその事実に気づいた後、さらにいくつかの疑問点が示されるが、そちらの真相の方は伏線があちこちに散らばっていて、わかりにくい。
主人公の朝倉は、事件のからくりを見抜いたり、犯人がこれから取る行為の危険性に気づくなど、鋭いところもあれば、北海道に行った際に尾行のことすっかり忘れていたり、ある人物の正体を勘違いするなど、迂闊なところもある。

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Posted by ブクログ 2015年06月09日

身代金奪取の鮮やかさと、先の読めないスリリングな展開でぐいぐい読ませるが、最後にほんの少しだけ息切れしてしまったかな。

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Posted by ブクログ 2013年12月23日

倒叙形式で描かれていた物語が途中から一転してフーダニットの展開へとシフトしていく手際の良さが見事です。現在では実現不可能と言われるメイントリックも、競馬の知識が無い者にとっては鮮やかで感心させられました。競馬三部作のトリを飾る作品でありながら、実際はデビュー作よりも前に書かれていたことや、その完成度...続きを読むの高さには驚かされます。

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Posted by ブクログ 2015年10月15日

馬を骨折させた失態を隠す為に馬の狂言誘拐を企てるのですが、そのことを強請ろうとする邪魔者が入ります。脅迫するスリルと邪魔者の正体を探るフーダニットの両方が楽しめる構成は独創的で素晴らしいです。
盲点を突いた身代金受け渡しトリックも面白いですが、真相を隠すために注ぎ込まれたミスディレクションがまた良く...続きを読む出来ています。ラストも鮮やかです。競馬に興味のない方でも十分に楽しめる作品だと思います。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

誘拐されたのサラブレット!身代金の受け渡し方法が秀逸なミステリです。犯人は、厳重警戒の中、どのように2億円を奪取するのでしょう。現在では、このトリック自体無理があるのですが、それを割引いても傑作です。

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Posted by ブクログ 2012年08月02日

犯人側の視点からかかれていて、ハラハラ感を一緒に感じながら読んでいたら、いつの間にか犯人探しのハラハラ感もプラスされていろんな緊張感ミックス状態で読んだ。読書の気持ちの持ってき方が巧いと思う。

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Posted by ブクログ 2012年05月05日

この人(たち)の作品は、どれも緊張感を持って読み進めることができるので好き。描写の仕方が上手いので、その情景を容易に思い浮かべることができるしね。ニコ動風に言えば、『もっと評価されるべき』。

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Posted by ブクログ 2012年02月11日

競馬には全く興味がないですが、違和感なく入りこませてしまった岡嶋さんの筆捌きは流石。馬が誘拐されるという設定も、身代金奪取方法も、とにかく面白い!

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Posted by ブクログ 2012年02月06日

面白かった。一気に読める。犯人が主人公のミステリーって???って読み始めると主人公が仕組んだ狂言脅迫に対し更に誰かが脅迫をするという2段脅迫。そうして馬の身代金の受取方法も2億円を使って競馬のオッズを操作して犯人の買った馬券の倍率を高くするという方法で、私にとってとても斬新だった。また競馬を楽しみた...続きを読むくなった。

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Posted by ブクログ 2010年02月06日

偽装誘拐(しかも馬)を企てるのですが、身代金2億円!!(しかも馬に!!)はたして成功するのか?しかも何らかの外部からの脅迫も加わり、二転三転する展開に、ページをめくる手が止まりませんでしたよ~~
犯人でもあり、加害者としての探偵でもあり・・・後半に向っての謎解きと身代金受け取り方法とか・・・グイグイ...続きを読む引き込まれて読み切ってしまいました。
ラストの、読者に想像を託すやり方も唸りました。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

いや〜おもしろかった(o^∇^o)ノ誘拐ものってのは、いかに身代金を手に入れるかというところにおもしろさが凝縮されているものです。そこでどれだけ驚天動地のトリックを使うかが作品の成否の分水嶺。これはもう大成功ですね。とってもおもしろくかつ驚きのトリックです!!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

3億2千万円のサラブレットが誘拐され、その身代金は2億円。4人の馬主達が指示されたその受け渡し方法は!?
競馬界を舞台にした岡嶋二人の傑作です。

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Posted by ブクログ 2023年11月19日

はじめは馬の取り替えでホームズの銀星号事件かと思ったが全く違ってました。
二重に重なる流れは一気読みです。
最後に〇〇さんのその後が気になります。


なぜか江戸川乱歩賞を落選した、競馬界を舞台にしたミステリの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。脅迫状が届き、「我々はセ...続きを読むシアを誘拐した」で始まる文面は、身代金として2億円を要求してきていた。衆人環視のなかで、思いもかけぬ見事な方法で大金が奪われる。犯人たちの「裏の意図」とは。そして、「裏の裏」の出来事が! 『焦茶色のパステル』の前年に江戸川乱歩賞に応募、刊行はデビューの翌年1983年に刊行となった。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ 2021年04月17日

本作は競馬場と北海道の牧場が舞台背景です。北海道の牧場で起きたほんの小さな事故が発端になり東京~北海道でエリートサラブレッドの行方を廻って馬主・警察が犯人を追う物語です。

 まず、感心するのは今回誘拐?盗難?された素材が「馬」である事、普通?(犯罪に普通も常識もないでしょうが)盗むなら現金や換金性...続きを読むの高い物を選びますが犯人が盗んだのは転売も出来ない登録が必要な馬主となってレース出場も叶わない事がはっきりしている素材を扱った小説であると事です。

 著者は競馬好きとの事で本ミステリーを執筆したとの事ですが盗難に至る真の理由や2重に張られた犯罪トリックと身代金の行方等が新鮮な上に本ミステリーは他とは違い人が殺されないので陰湿な感じが無いのも1つの特徴です。

 競馬場や競走馬が舞台ではありますが、競馬素人でも全く問題なく楽しめる内容で一風変わったプロットに衝撃と感動を受けること間違いありません。。。

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Posted by ブクログ 2019年01月21日

この作家さんは誘拐ものが得意なのだろうか。
99パーセントの誘拐も興味深かったが
意表をつくトリックでひきつけて次々と巻き起こっていく事態に目が離せない。
伏線の回収が少し曖昧だったのか、読後感がすっきりしないのが☆みっつ。

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Posted by ブクログ 2015年04月14日

つまらないってほどでもないけど展開が予想付きすぎてやはりつまらなかったのかもしれない。
競馬のことあまり知らないからわくわくできなかったのも理由のひとつ……。
奥さんと離婚するかもしれないって設定どこいったんだ。なんのためにあったんだ。

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Posted by ブクログ 2011年09月03日

競走馬を誤って骨折させてしまったことを隠すために・・・って筋だから、グロさはない。いい感じだ。たまたま見つけた作者なんだが、前作が気に入ったので買って見たというわけ。

殺人事件を無理に作らなくてもいい作品が作れる見本のような物語。トリックそのものは多少マニアックで、競馬を知らない私にはよく理解で...続きを読むきなかったのだが、ラストのどんでん返しは意表をついたものだし、雪崩のように崩れていくさまは圧巻でもある。いいミステリーだな。

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Posted by ブクログ 2011年05月09日

セクレタリアトの三冠を最近の出来事として記されている点にノスタルジックとまでは言いませんが時代を感じました。

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Posted by ブクログ 2009年11月05日

3億2千万のサラブレッドが、移動中に骨折してしまった。
これを隠蔽するため策が巡らされていくが
その計画はすぐに自分の手から離れてしまって…。

犯人視点…非常にこれが苦手です。
ばれるのか、ばれないのかという恐怖というか、焦りですか?
そのせいで文章を追うだけで必死になってしまいます。
先が知りた...続きを読むい、でもこの文章を読まねば…という
葛藤とも戦わなければいけませんしw

けれど、やはりすごいとしか言いようがありません。
最後は…と想像すれば、予想外の展開と終了。
人を呪わば穴ふたつ状態ですが、思わず頭を抱えたくなる
そんな終了でした。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

岡嶋さんの本だから内容はスマートで十分に面白いけど、叙情的な描写が少ないし、個人的にはちょっと物足りなかったかな。
タイトルの意味は… わかりづらいけどちゃんと意味あるね、コレは。

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