千々にくだけて

千々にくだけて

649円 (税込)

3pt

3.8

バンクーバー経由でニューヨークに向かったエドワードは、奇妙なアナウンスとともにカナダの見知らぬ街で足止めされる。繰り返し流れるテロの映像に芭蕉の句がオーバーラップして……。9.11を日本文学として初めて表現したと評価された大佛賞受賞作に、著者の原風景ともいうべき名作「国民のうた」を併録。(講談社文庫)

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千々にくだけて のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年01月27日

    ある意味、とても厳密で正確な言葉と、言葉そのものの描写に衝撃を受けた。あらゆる細部の表現にいちいち関心してしまった。例えば、「千々にくだけて」におけるバンクーバーの描写などは、アメリカ人が日本語で書くのでなければありえないような感じがした。外国で長く暮らすと、感覚や感性や感情さえもが、母国語で母国に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月14日

    実験性と衝動の混じる作品だと思う。あとがきが事実を元にしているのであれば,「千々にくだけて」では9.11当時の心境を写生しようとした作品といえる。その時のエモーションを衝動として書き上げたノンフィクションを基調とするのだが,同時に日本語と英語を行き来する体験を文学世界に実験的に落とし込もうともしてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    授業で見た9.11ドキュメンタリー映画を思い出した。「百十階の窓からOLが飛び降りている」。言葉と国と民族と、そして戦争。

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    Posted by ブクログ 2022年05月08日

    表題を含む短編4作。9.11を日本に住居を構え日本語の作家として活躍する著者の目で語る自伝的作品として非常に稀有な内容。そこに秘められた想い、感じ方の表現は繊細であるため、恐らく一般的な日本人である自分には理解が出来なかった部分が相当にあると感じた。

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    Posted by ブクログ 2013年07月30日

    千々にくだけてについて。
    主人公エドワードはヘビースモーカーのために、バンクーバー経由でニューヨークに帰ることにする。バンクーバー経由のほうが20分早く地上に降りることができるから。ニューヨークへ戻る岐路、少しずつ少しずつアメリカ人へと間隔をシフトしていた彼はバンクーバーの空港で足留めされる。アメリ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年10月04日

    9.11同時多発テロのとき、たまたまニューヨークに向かっていた作者は、中継地のカナダ・バンクーバーに足止めされたまま1週間ほどをすごすはめになる。その間の心象風景を坦々と静かな筆致で綴った作品。

    誰彼が発した、あるいは作者の心に浮かんだ英語のフレーズが頻繁に出てきて、その英語と日本語の差異を感じる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年07月23日

    「勿論、ドイツの言葉も歴史、文化も愛している。でもドイツには住めない。余りにも長く離れ過ぎた。」と、悲しそうな顔で、先生は在外独人教育の為、ボリビアへと去った。一方の私は生来のデラシネ気質故か、子供の頃から、国家とか宗教、アイデンティティが一体何を意味するのか理解できなかった。本を読み、頭では理解し...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2015年08月23日

    著者≒エドワードは、2000年9月11日にアメリカに向かっていた。しかし搭乗中の航空機で、機長がワールドトレードセンターへの攻撃を知らせる。

    The United has been a Victim.
    アメリカは被害者になりました

    カナダで足止めされた著者は、時間的にも存在的にも、宙に浮いたよう...続きを読む

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