ちくま文庫 - ドキドキハラハラ作品一覧

非表示の作品があります

  • 質問力――話し上手はここがちがう
    3.9
    話し上手な人というのは、ネタのおもしろさや話し方のうまさもあるが、質問がうまくて相手からおもしろい話が引き出せる、という面を必ずもっている。逆に質問がうまければ、自分に実力がなくても優れた人から情報が引き出せる。話す内容をおもしろくするのは難しいが、質問は鍛えれば誰でもうまくなる、すなわち技化できるものなのだ。谷川俊太郎、河合隼雄、村上龍、黒柳徹子、ダニエル・キイスなどの対話名人から学ぶ技。
  • 合葬
    4.0
    江戸の終りを告げた上野戦争……彰義隊の若き隊員たちに視点をすえて、滅びゆく江戸風俗を背景に、時代の転換期を描く閨秀漫画家による歴史ロマン。江戸文化と文明開化に、ともに限りなき深い愛情を抱く著者ならではの長編。日本漫画協会賞優秀賞受賞作。【解説:小沢信男】
  • 通天閣
    3.7
    『さくら』で彗星のように華やかなデビューを飾った西加奈子の第4作にあたる長編小説。冬の大阪ミナミの町を舞台にして、若々しく勢いのある文体で、人情の機微がていねいに描かれていく。天性の物語作者ならではの語り口に、最初から最後までグイグイと引き込まれるように読み進み、クライマックスでは深い感動が訪れる。このしょーもない世の中に、救いようのない人生に、ささやかだけど暖かい灯をともす絶望と再生の物語。この作品で第24回織田作之助賞を受賞している。
  • 星間商事株式会社社史編纂室
    3.7
    川田幸代29歳は社史編纂室勤務。姿が見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。
  • とんでもねえ野郎
    4.1
    江戸蒟蒻島「真武館」の道場主、桃園彦次郎はとんでもねえ野郎だ! 借金ふみ倒し、無銭飲食、遊廓泊りの朝帰り、……日々是やりたい放題。それでも妻の若菜はいつもニコニコと道場で子供達に剣術を教えている。時は幕末、しかしこの男にはな~んにも関係ない。起承転々、桃園彦次郎放蕩控。【対談:杉浦日向子・久住昌之氏】
  • 空芯手帳
    4.0
    「だから私は嘘を持つことにしたの」―日々押し付けられる雑務にキレてつい「妊娠してます」と口走った柴田が送る奇妙な妊婦ライフ。第36回太宰治賞受賞作にして、昨年刊行された英語版がNYタイムズやニューヨーク公共図書館の今年の収穫に挙げられるなど話題となり、現在、世界14カ国語で翻訳進行中の鮮烈デビュー作が待望の文庫化!
  • 変半身
    3.8
    「だって、私たちって、家畜じゃない」(「変半身」)「僕たちの身体には奇跡が眠っているんだ」(「満潮」)――若者が贄となる孤島の秘祭「モドリ」の驚愕の真相から恐るべき世界の秘密が明かされる「変半身」、「潮を吹きたい」という夫に寄り添う妻がふたりで性の変容を探求する「満潮」、ニンゲンの宿命と可能性を追究して未知の世界を拓く村田ワールドの最新の到達点を見よ!
  • 百日紅(上)
    4.1
    文化爛熟する文化文政期の江戸。葛飾北斎、娘のお栄、弟子の英泉らを主人公に、江戸の暮らし・風俗・浮世絵の世界を多彩な手法で描き出す代表作の完全版。【解説:夢枕獏】
  • ふしぎなお金
    3.5
    財布は拳銃や刀に似ている。護身用であり、権威にもなるからだ。財布は人を殺すための道具ではないけれど、「人は金のために人を殺したり、金のために自分の首を吊ったりして、金はやはり隠然たる凶器の光を忍ばせている」――。お金とはいったい何なのだろう? 「千円札裁判」で日本現代美術史に一石を盗じた赤瀬川原平が、お金の本質について考える。
  • 緊急時の整体ハンドブック
    5.0
    地震の時に落ち着いて逃げるには? 火傷、骨折、出血、中毒などの救急法は? 放射能の不安に対してできることは? 整体と武術を学んできた著者は、阪神大震災後や、東日本大震災の原発事故後に被災地に行き、整体を行ってきた。その経験を元に、災害時の整体法や、倒れた人の運搬法、応急処置の方法を教示する。便秘、せき、食べ物のつかえ等、平常時にも使える方法も満載。
  • わたしの中の自然に目覚めて生きるのです 増補版
    3.0
    毎日の小さな悩みにも、生き方の岐路に立ったときにも、自分の中の自然が答えてくれる。孤独からエイジングまで。恋愛から子育てまで。「問題が発生したときに」「呼吸のこと」「うつくしさとは「ムハ力」なのだ」「友だちがほしいなら」「性行為のこと」「こうだと決めることが魔法」など、心身にも人間関係にも役立つ知恵の宝庫。文庫のための書き下ろしも!
  • 古城秘話
    3.5
    「文化的遺産はすべて、それをめぐる人とのかかわり合いにおいてこそ、後世の人々の心をより強く打つものなのだ」隠密が潜み、裏切りが行われ、亡霊がさまよう。──北は松前城から南は鹿児島城まで、全国三十の古城名城にまつわる秘話裏話伝説記録を、そこに込められた哀しみと憤りと、怨念と呪詛と、闘いとその血汐とともに鮮やかによみがえらせる。
  • 東京ゴミ袋
    4.3
    ゴミ箱というパンドラの箱を開けると、ツーンとした臭いの先に、都市生活者の事情が見えてくる。風俗嬢、ファストフード店、相撲部屋、不法滞在外国人、極道一家、新々宗教団体……のゴミ袋の中に押し込まれたそれぞれの素顔。本音と建前、虚栄心と劣等感が入り交じる欲望の残滓を捉えた写真ルポ。
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)
    4.0
    デンマーク国王が急逝。王子ハムレットが喪に服すなか、父の弟すなわち彼の叔父は早々に母を娶り、王権を引き継いでしまう。ある日、悲嘆に沈む彼の前に父王の亡霊が現れ、自分が弟に暗殺されたことを告げる。復讐を誓ったハムレットは苦悩を重ねながらも、徐々にその実現に近づくに見えたが、しかし、叔父は彼に対しさらなる姦計を仕掛けていた……。シェイクスピア戯曲の真髄を画期的な訳文で現代に甦らせた永遠の名著。訳者自身による詳細を極めた脚注を付す。
  • コメント力――「できる人」はここがちがう
    3.5
    職場でもプライベートでも、毎日のようにコメントをすることが求められている。そんな時、切れ味がよく、自分のオリジナリティのある一言を言えるかどうかで、「おもしろい人」「できる人」だ、という評価が決まってしまうのである。この本では、優れたコメントの例を挙げ、どこがどう優れているのかを、クイズ形式で納得していくことができる。そうすることで、そのコツをつかみ、「コメント力」を意識化して磨いていくことができるのである。文庫版のための長いエピローグを付す。
  • アジア おいしい話
    3.3
    あぁなんておいしい! と舌鼓を打つ時、その料理の向こうにあるおいしさの秘密を知りたくなる。固いごぼうやにんじんをふんわりと仕上げるベトナムのおろし金、蒸し焼きには欠かせないバナナの葉、煮えた野菜とココナッツ殻のしゃもじとの絶好の相性……。アジアを旅して、あちこちの家の台所や店の厨房、市場の軒先、路上の雑貨屋で見て、聞いて、教わった、おいしさのコツ。
  • 誰が太平洋戦争を始めたのか
    3.6
    戦争を始めるためにはなにが必要か? それは膨大なペーパー・ワークを伴う「戦争計画」に基づいた動員・集中・開進・作戦という兵力の運用である。では、太平洋戦争はどう準備されたのだろうか。支那事変から真珠湾攻撃までの経過を検証し、「縄張り意識」と「無責任」が支配する官僚国家が引き起こした悲劇の内幕に迫る。
  • ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち
    4.1
    人生という長い旅路を行く大人たちへの祝福に満ちたエッセイ。EU離脱投票が原因で喧嘩になった妻への仲直りタトゥーが思わぬ意味になっていたおっさんや緊縮財政にも負けないおっさんの話など。笑って泣ける21編。第2章では世代・階級等について解説。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』と本書は同じコインの両面だと著者が記す必読書。単行本10万部突破! 解説=梯久美子 推薦文=國分功一郎
  • 紙の罠
    4.0
    紙幣印刷用紙が輸送中のトラックから強奪された。犯人は紙幣贋造を狙ったのだろう。そんな計画を察知した近藤庸三は贋造に必要な“製版の名人”の身柄を押さえ、紙強奪犯へ引き渡す取引を思い立つ。しかし、同じ企みを持つ土方と沖田、さらに強奪犯の一味も動き出していた……。二転三転する物語の“結末”は完全に予測不能。奇想天外アクション小説が遂に復活。シリーズ続編「NG作戦」併録。
  • 虹色と幸運
    3.9
    イラストレーターの珠子、大学職員のかおり、雑貨店を始めた夏美。30代になった3人が、人に会い、おしゃべりし、いろいろ思う一年間。「なんだか目の前の作業してるうちに八年も経っちゃったよ」「どうするかなー、今後の人生」。仕事、恋愛、家族関係。人生は迷うが面白い! 人、風景、出来事など日常の細部が輝きを放ち、生きることを肯定する感動作。
  • 生きがいは愛しあうことだけ
    4.4
    音楽仲間との死別を経験し、生きるとは何かを考え続ける著者の最新エッセイ集。恋愛しつつ、音楽活動を通して生きる。なぜ歌うのか。「僕に才能はない。技術もない。……昔も今も音楽で生活できたことは一度もない……歌わなければ、誰かとつながりを持っていなければ、自分は犯罪者になってしまいそうだからである」。文庫オリジナル。
  • 砂の審廷 ――小説東京裁判
    5.0
    民間人ただ一人のA級戦犯として巣鴨刑務所に拘留された大川周明。下駄履きのパジャマ姿で出廷し、東条英機の頭を叩いた奇矯な行動は有名だ。だがそれは、インドやイスラームの宗教哲学を根幹とする特異なアジア主義者であり、戦前の軍部や政府指導者に影響を与えた国家主義者の真実の姿なのだろうか。精神鑑定の結果不起訴となった大川周明に焦点をあて、獄中日記、検事の訊問調書、大政翼賛会興亜総本部長の戦災日記などの史料を駆使し、東京裁判のもう一つの深層を焙りだす。
  • オンガクハ、セイジデアル MUSIC IS POLITICS
    3.6
    イギリスの出来事が、その先の未来と、今の壊れた日本を予見する。ロックと英国の社会・政治を斬りまくる初期エッセイ。『アナキズム・イン・ザ・UK』の前半部に大幅増補。著者自身が体験してきた移民差別と反ヘイト。拡大するアンダークラス。イギリスの音楽から労働者階級のプライドを自覚した著者にとっても、音楽と政治は切り離せない。
  • 輝け!キネマ ──巨匠と名優はかくして燃えた
    3.0
    日本映画の黄金期を支えた、巨匠と名優たち。小津安二郎と原節子、溝口健二と田中絹代、木下惠介と高峰秀子、黒澤明と三船敏郎。ゴールデンコンビによる数々の名作。その誕生の裏に隠された壮絶な人間ドラマとは? NHK第2「カルチャーラジオ」で好評を得た「日本映画の黄金期を支えた監督とスターたち」を大幅に改稿した、文庫オリジナル。
  • ライカでグッドバイ ――カメラマン沢田教一が撃たれた日
    3.8
    「安全への逃避」をはじめとするベトナム戦争の写真報道でピュリツァー賞にかがやき、一躍世界に名を知られ、やがて34歳の若さで戦場に散った“日本のキャパ”沢田教一。情熱と野望に満ちたその人生の軌跡を、ベトナム、アメリカ、ロンドン、香港に訪ね取材し、浮かび上がらせたノンフィクション。ベトナム戦争のある一面を知ることができる貴重な記録でもある。
  • 世界奇食大全 増補版
    4.0
    ラクダのこぶ、サソリ、ウマのたてがみから、土のスープ、樹液、みかんご飯、甘口イチゴスパ、そして紙、蚊の目玉のスープまで。伝統食品あり幻の珍グルメあり。「奇食とは、人間世界の謎を開ける鍵なのだ」という著者の、悶絶必至、味の大冒険。人間の業の深さを実感する珍グルメ全集。文庫化にあたり、パンカツ、トド、イソギンチャク、蘇など8品を増補。全56品。
  • 歪み真珠
    3.9
    死火山の麓の湾に裸身をさらす人魚たち、冬の眠りを控えた屋敷に現れる首を捧げ持つ白い娘……、「歪み真珠」すなわちバロックの名に似つかわしい絢爛で緻密、洗練を極めた美しき掌編15作を収めた物語の宝石箱。泉鏡花文学賞に輝く作家が放つ作品は、どれも違う鮮烈なヴィジョンを生み出す。ようこそ! 読み始めたら虜になってしまう、この圧倒的な世界へ。
  • 父が子に語る日本史
    3.8
    自分の国の歴史を学ぶ――その「勉強」には、一体どんな意味があるのだろう。「日本」と呼ばれるこの国は、一体どうやって生まれたのだろう? たった一つの視点からでは、歴史を語ることはできない。言語、宗教、文化、戦争……。周辺国との複雑で密な交わりこそが、この国の過去を楽しむ鍵になる。凝り固まった一国史観から解放される、ユーモア溢れる日本史ガイド!
  • 島津家の戦争
    4.3
    鎌倉時代から650年にわたり薩摩の地を治めてきた島津家。その私領である都城島津家は4万石に多数の武士を抱え、藩の中で特殊な地位にあった。その都城島津家が残した日誌をはじめとする多数の史料から、明治維新とその後の日本の近代化を主導した薩摩藩の実像、都城島津家の君主と家臣団の知られざる物語が浮かび上がる。薩摩から見たもう一つの日本史、迫真の歴史ノンフィクション。
  • 食品サンプルの誕生
    4.5
    どんな田舎にも、どんなにさびれた商店街にも、必ず存在する食品サンプル。「見るメニュー」としてすっかり定着し、スパゲティを絡めたフォークが宙を浮いていても、日本人は不思議には思わない。世界中の誰も発想できなかったこの日本独自のメディアは、いったいいつ、なぜ生まれたのだろうか。その謎に迫った唯一の研究を文庫化。リーディングカンパニー「いわさきグループ」の協力を得て、製造工程もカラー口絵で細かく再現する。
  • 消えたい ──虐待された人の生き方から知る心の幸せ
    4.5
    精神科医である著者は、虐待された人たちが「死にたい」ではなく「消えたい」という表現で「自殺への欲求」を語ることに気付いた。そこには、前提となる「生きたい」がないのだ。彼らがどのように育ち、生き延びて、どんな苦しみを背負っているのかを、丁寧にたどる。そして、立ち直っていった経緯を明らかにする中で、人間の存在の不思議さと、幸せの意味に迫る。
  • 少しだけ、おともだち
    3.8
    ご近所さん、同級生、バイト仲間や同僚──。夢とか恋バナとか将来を語ることもあるけど、ほんとうに大切なことはそんなに話してないかもしれない。女同士ってちょっとむずかしい。でもたった一人は寂しいからやっぱり「おともだち」は必要だ。仲良しとは違う微妙な距離感を描いた短編集。書き下ろし「最後の店子」「百人力」を加えた10作品を収録。
  • 日本地図のたのしみ
    3.5
    日本地図を鑑賞しよう。「ムカツク」地名や人名にしか読めない地名、不思議な飛び地や奇妙な県境など楽しい発見の宝庫だ。その由来を探れば、地形や歴史、あるいは地図制作者の意図が見えてくる。地図の見方や古地図の味わいなど、マニアならではの目のつけどころを、初心者にもわかりやすく紹介する。「机上旅行」を楽しむ地図鑑賞入門。
  • てんやわんや
    4.0
    臆病で気は小さいが憎めない犬丸順吉は、太平洋戦争直後、戦犯を恐れた社長の密命により四国へ身を隠す任務を与えられる。そこには荒廃した東京にはない豊かな自然があり、地元の名士に食客として厚遇を受けながら夢のような生活が待っていた。個性豊かな住民たちと織りなす笑いあり恋ありのドタバタ生活はどんな結末を迎えるか……。昭和を代表するユーモア小説。
  • 魚影の群れ
    4.5
    津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国に異常発生した鼠と人間との凄絶な闘いの記録「海の鼠」。名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を描く「鵜」など動物を仲立ちとして自然と対峙する人びとの姿を精密に描いた傑作小説四篇を収録した作品集。
  • 幕末辰五郎伝
    3.0
    江戸市中に組織された町火消を束ねる頭、「を組」の新門辰五郎。気風がよくて、豪胆そのもの。ひょんなことから御三卿一橋家の慶喜、後の十五代将軍徳川慶喜と知り合った。頻繁に出入りするようになった彼は、屈強な子分たちを率い「殿さん」の身辺警護を買って出て、最後まで佐幕派の義理を守り通した。慶喜と市井の侠客新門辰五郎との身分や年齢を超えた交情を軸に、荒れ狂う幕末の人間模様を描く。
  • 風俗の人たち
    4.0
    テレクラ、女装プレイ、ダッチワイフ、性感マッサージ、ピンサロ、ホストクラブ、レズバー、チョンノマ、女装マニア、AV女優、個室割烹、SMクラブ、女性風俗ライター、投稿写真、お見合いパブ、ボディ・ピアッシング、外人ホテトル、カップル喫茶、ビデオ相互鑑賞会、ソープランド……。どうしてこんなことを思いつくのかというほど、なんでもありのアイディア商法とそこから癒しを得る客たち。90年代に隆盛を極めた性風俗産業をユーモラスにルポした現代の『今昔物語』。
  • 沈黙博物館
    4.0
    耳縮小手術専用メス、シロイワバイソンの毛皮、切り取られた乳首……「私が求めたのは、その肉体が間違いなく存在しておったという証拠を、最も生々しく、最も忠実に記憶する品なのだ」――老婆に雇われ村を訪れた若い博物館技師が死者たちの形見を盗み集める。形見たちが語る物語とは? 村で頻発する殺人事件の犯人は? 記憶の奥深くに語りかける忘れられない物語。
  • 世界マヌケ反乱の手引書 増補版 ――ふざけた場所の作り方
    4.5
    金持ち優先社会で働きまくるのはもう飽きた! 面白い店や場所でとんでもない人々と繋がり、楽勝で生きよう! 第1章は基本の仲間の作り方。第2章は儲からない店の開き方。第3章では国内&海外のオルタナティブスペースのやり方を紹介。第4章では独自のパスポートや通貨を作り国境を超えて祭りを行う。文庫版は25頁分増補、スペースリストも増強! 解説 柄谷行人、ブレイディみかこ
  • 枯れてたまるか!
    4.5
    還暦でスイッチを切りかえてから、はや二十年。老人の毎日は思ったより忙しい。まだまだ元気に老年を楽しむエッセイ集。「……年をとると男も女も体力が落ち、若いころのようなパワーが薄れる。しかし、薄れたぶん、柔道の受け身のような技を得て、余計な情報を捨てて、神髄がわかり、新しい発見がある。……」。巻末に「あとがき」にかえ、大幅に加筆改稿した「瀬戸内寂聴さんのこと」を収録。
  • 第8監房
    3.5
    剣豪小説の大家として知られる著者は、現代もののミステリも多数残した。本書は表題作「第8監房」を筆頭に、主に1950年代に発表され現在は入手困難な短篇を集めたオリジナル作品集。東京の裏社会、スパイ工作、連続猟奇殺人、禁断の愛――巧みなストーリーテリングと衝撃の結末で贈る“狂気”ほとばしる作品群。幻の『盲目殺人事件』を完全収録し、日下三蔵氏による詳細な解説も併録。
  • アイヌの世界に生きる
    4.0
    「トキさん」は1906年、十勝の入植者の子どもとして生まれ、口減らしのため、生後すぐにアイヌの家族へ養女として引き取られた。和人として生まれたが、アイヌの娘として育った彼女が、大切に覚えてきたアイヌの言葉、暮らし。明治末から大正・昭和の戦前戦後を、鋭い感覚と強い自立心でアイヌの人々と共に生き抜いてきた女性の人生を描く優れた聞き書き。
  • 空想亭の苦労咄 ――「自伝」のようなもの
    5.0
    『安野光雅氏(あんの・みつまさ、画家)○日○時○分、老衰による心不全のため××クリニックで死去、八十+X歳。葬儀・告別式は○日正午より、三ヶ月間、インターネット・ホームページ○○○上において施行、したがって供花、弔慰等、金品はすべて辞退。』(本文「私の死亡記事」より)。大好きな落語の語り口を借り、得意の空想癖とユーモアを駆使して自由奔放につづった、幼少期、戦争、焼け跡、芸術、闘病、死生観……鮮やかに浮かび上がる人生の苦味と甘味。
  • 須永朝彦小説選
    4.1
    「一語の揺るぎもない美文、人工の言葉でできた小宇宙…」。須永朝彦を敬愛してやまない山尾悠子が遺された小説から25作品をセレクト。〈耽美小説の聖典〉と称された『就眠儀式』『天使』から、密かな注目を集めつつ単行本化を見なかった連作「聖家族」まで。吸血鬼、美少年、黒い森の古城…稀代の審美眼を有した異能の天才が描き出す官能と美の迷宮へようこそ!
  • クマにあったらどうするか  ──アイヌ民族最後の狩人 姉崎等
    4.3
    クマと遭遇したとき、人間は生き延びるために何をすればいいのか。死んだふり、木に登る、リュックを置いて逃げるといった、巷に流れる俗説は有効なのか? 「クマは師匠」と言うアイヌ民族最後の狩人が、アイヌの知恵と自身の経験から導き出した、超実践的クマ対処法を伝授。クマの本当の姿を知ることで、人間とクマの目指すべき共存の形が見えてくる。
  • やっさもっさ
    4.0
    舞台は横浜。志村亮子は才気と実行力を買われ孤児院「双葉園」の運営に奔走する。そこへアメリカ人実業家、文芸評論家、婦人運動家と三流プロ野球選手など、個性的な人物が集まりドタバタ劇が始まる。一方、夫の志村四方吉は戦争による虚脱症で無為の生活を送っているように見えたが……。戦後の社会問題を巧みに取り込み、鋭い批評性と高い諧謔性で楽しませる傑作。
  • 嫌ダッと言っても愛してやるさ!
    4.5
    日本のパンクロックの元祖・遠藤ミチロウの第一エッセイ集。著者が自著の中でも最も愛した本。「この一冊で、あの(THE STALIN)デビューから解散まで(80~85年)自分が何を考えていたのか、あらゆる角度から手にとるようにわかるのだ」。破壊的で土着的。吉本隆明との83年の対談を収録。文庫化に際し、詩、未収録エッセイも収録。【※紙書籍版に含まれる歌詞は、本電子書籍には含まれません。】
  • 現代語訳 雑兵物語
    4.0
    武器運び、馬の世話、土木作業、衣類・食糧運び、戦が始まれば最前線で敵と向き合い、集団で槍、鉄砲を扱う。そんな戦場の現場人の役割ごとの声を収録し、多くの武士が戦場心得の参考とした『雑兵物語』。江戸前期に成立し後期の1846年に刊行され一般にも流布した古典を、わかりやすい現代語訳とリアルな挿画で送る。現在の最前線ではたらく人々も切実に読める一冊。
  • 赤い猫 ──ミステリ短篇傑作選
    3.7
    「話相手の女性求む」という風変わりな求人に応募した多佳子は、無愛想な老婦人・郁の豪邸で住み込みで働くことになる。ある事件がきっかけで郁との距離が縮まった多佳子は、幼い頃に母が何者かに殺害されたことを郁に打ち明ける(表題作)。車椅子探偵の華麗な推理を描いて日本推理作家協会賞を受賞した表題作ほか、「日本のクリスティー」の珠玉の短篇を堪能できるオリジナル傑作選。
  • 夜の終る時/熱い死角 ──警察小説傑作選
    3.8
    実直な刑事の徳持が捜査に出たきり行方不明になった。捜査係は総力をあげて事件の解決に乗りだすが、彼とやくざについての噂が同僚のあいだに疑念を呼び起こす。そんな中、徳持はホテルで扼殺死体となって見つかる(『夜の終る時』)。二部構成の鮮やかさと乾いた筆致で描かれる警察組織の歪みのリアルさは今なお色あせない。日本推理作家協会賞を受賞した警察小説の金字塔に4作の傑作短篇を増補。
  • あるフィルムの背景 ──ミステリ短篇傑作選
    4.2
    検察が押収したわいせつ図画販売罪の証拠品、その中のフィルムの映像に妻と似た女性の姿を見つけた検察官の笹田は独自調査に乗り出すが、たどり着いたのは思いもよらない残酷な真相だった(表題作)。普通の人々が歪んだ事件を引き起こす恐ろしさと悲しみを巧みに描き、読者の予想を裏切る驚愕の結末を鮮やかに提示する。昭和の名手の妙技を堪能できる、文庫オリジナルの短篇傑作選。
  • 誰も調べなかった日本文化史 ──土下座・先生・牛・全裸
    3.9
    昭和初期の渋谷では牛が普通に歩いてた? いつから漫画家の先生にはげましのおたよりを出してたの? 戦前の新聞の一面には広告しか載ってなかった? 昭和30年代にクールビズ論争が? 大正時代のダイエットブーム? 戦国と幕末だけが歴史じゃない。忘れられた名もなき庶民の身近な歴史・文化史を史料から丁寧に洗い直せば、日本の歴史はこんなに意外でおもしろい!
  • かげろう忍法帖 ――山田風太郎忍法帖短篇全集(1)
    3.7
    「どんなきっかけで時代錯誤な忍術物語を書きはじめたのか、じぶんでも忘れてしまったが、いまくびをひねって思い出してみると、どうやら「水滸伝」を私流に書いてみないかとすすめられたことが端緒となったような気がする」(「『今昔物語集』の忍者」より)。風太郎忍法帖の多彩さの極みは短篇にある。長らく読めなかった短篇を多数収録するシリーズ第一弾。
  • 増補 戦う姫、働く少女
    5.0
    ポップカルチャーには現代女性の働きかたが反映されている――。異性愛と家父長制を否定した『アナと雪の女王』や、アイデンティティの労働がいかなるものかを示した『魔女の宅急便』、「無賃家事労働」の問題をラブコメにおとしこんだドラマである『逃げるは恥だが役に立つ』など、数々の映画やドラマを縦横無尽、クリアに論じた文芸批評を大幅増補・改訂して文庫化。
  • 「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー
    3.0
    「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。
  • ゴシックハート
    4.2
    「ゴシック」とは何か? それは生き方である。自己の必然に基づいた命懸けの好みである。そして永遠のレジスタンスである。強者が富み続け、優位者が一方的に決めた規範に支配される現実の不条理を憎み抵抗するとき、その扉は開く。小説、漫画、映画、アニメ、絵画、人形、信仰、哲学、歴史―現代日本的ゴシック文化論を切り拓いた一冊に、新章&書き下ろしあとがきを加えた増補新版。
  • テュルリュパン ――ある運命の話
    3.0
    17世紀パリ、ルイ13世の宰相リシュリュー枢機卿は貴族勢力の一掃を決意し、陰謀をめぐらしていた。一方、運命がその企てを阻止するため選んだのは、自らを高貴の生まれと信じる町の床屋テュルリュパンだった。フランス大革命の150年前に画策された共和革命という奇想、時計仕掛めいたプロットがきりきり動いて物語は転がり落ちるように展開していく。稀代のストーリーテラーによる伝奇歴史小説。
  • 神保町「ガロ編集室」界隈
    3.8
    1960年代末、マンガ、映画、演劇、アート、さまざまな表現分野で変革の波が起きていた。その中心にあった、白土三平「カムイ伝」連載の『月刊漫画ガロ』編集部に本書著者は転職する。そして、長井勝一編集長のもと、つげ義春「ねじ式」、滝田ゆう「寺島町奇譚」誕生の瞬間、林静一、佐々木マキらのデビューの場に立ち会う。その後、北冬書房を設立し今も活動は続く。巻末対談、つげ正助
  • 続 明暗
    4.5
    漱石の死とともに未完に終わった『明暗』──津田が、新妻のお延をいつわり、かつての恋人清子に会おうと温泉へと旅立った所で絶筆となった。東京に残されたお延、温泉場で再会した津田と清子はいったいどうなるのか。日本近代文学の最高峰が、今ここに完結を迎える。漱石の文体そのままで綴られて話題をよび、すでに古典となった作品。芸術選奨新人賞受賞。
  • 増補 エロマンガ・スタディーズ ――「快楽装置」としての漫画入門
    4.1
    日本を代表する文化“マンガ”の裏面にあって、決して日の目を見ることのないエロマンガ。「性的」であることを唯一のルールとして、世間の良識を逸脱した創造力と欲望が数多くの名作・怪作を生み出し、一般のマンガにも多大な影響を与えている。いつの時代も嫌悪と蔑視の対象であった“不可視の王国”に真正面から取り組んだ唯一無二の漫画評論、増補決定版。
  • ピクウィック・クラブ(上)
    4.0
    実業界を引退した裕福な紳士にしてクラブの会長ピクウィック氏は、新たにつくった通信部の仕事として各地の風俗を調査報告すべく、3人の会員とともに旅に出る。もとより無邪気で素朴、人間愛の化身とも言うべき人物であるので、旅行は単なる調査にとどまるわけがなく、行く先々で世の虚偽を暴き悪を懲らしめ苦境にある人々を救わないわけにはいかない。しかし、その善意が飛び切りのものだったのでしばしば空回りしてしまい、悪人の奸計にかかり、滑稽な失敗をしてしまうのだった。
  • 新装版 消えた鼓動 ――心臓移植を追って
    4.0
    医療だったのか、殺人だったのか――深い疑惑につつまれる「和田心臓移植事件」の全貌。札幌を基点とし、南アフリカ、アメリカでの綿密な取材を背景に、犀利な作家の眼によって「事件」を克明に描きつつ、医師のモラルを告発し、人間性の所在を証言する迫真のドキュメント。
  • 関東大震災と鉄道 ――「今」へと続く記憶をたどる
    4.0
    1923年9月1日、関東大震災。10万人以上の死亡・行方不明者数を記録した日本史上最大規模の天災だが、人々の生活の動脈であった「鉄道」の被害に焦点が当てられる機会は存外少ない。カオスそのものの限界状況下、列車に載せた命を救うべく奮闘した鉄道員たち、互いを助け合った乗客たち―その機転と智恵から何を学ぶか? 残された声を丁寧に追う貴重な災害史。
  • 十六夜橋 新版
    5.0
    南九州・不知火(しらぬい)の海辺の地「葦野」で土木事業を営む萩原家。うつつとまぼろしを行き来する当主の妻・志乃を中心に、人びとの営み、恋、自然が叙情豊かに描かれる傑作長編。作者の見事な筆致で、死者と生者、過去と現在、歓びと哀しみが重なり、豊饒な物語世界が現れる。第三回紫式部文学賞受賞作品。
  • 「最後の」お言葉ですが…
    5.0
    中国文学、日本語、漢字、書物等について辛口のエッセイを多数刊行し、一昨年、惜しくも亡くなった著者は『週刊文春』誌上で1995年から2006年まで「言葉の語源や、本来の正しい使い方、などについて」のエッセイ「お言葉ですが…」を連載した。この連載最後の58篇を初の文庫化。(目次より敬語敬語と言いなさんな・なんと読むのか「文科省」・ぼくはウンコだ・歴史の通し番号・豫言、預言、予言、ほか)
  • 快楽としてのミステリー
    4.0
    探偵小説を愛読して半世紀。ミステリーの楽しみを自在に語る待望のオリジナル文庫。ミステリー批評の名作として名高い『深夜の散歩』から最新の書評まで。ポー、ドイル、チェスタトンからクリスティー、フレミング、チャンドラーまで、そして、グリーン、バルガス=リョサ、エーコまで、さらには、松本清張から大岡昇平、大沢在昌まで、あっと驚く斬新華麗な名篇揃い。
  • 女と刀
    3.3
    「わたしという女は、子しか産むことのできぬ女なのか」「ひとふりの刀の重さほども値しない男よ」……。男尊女卑の因習、家の規範、愛なき結婚、第二次世界大戦、70代での夫との訣別……薩摩士族の娘であるキヲは、明治から昭和にかけて世のならいに抗い、「独立」の心を捨てずに生きた。自らの母をモデルに、真の対話を求め続ける一人の女性を鮮烈に描いた名著。
  • キャッツ・アイ
    3.8
    助けを求める若い女性の叫び声に、帰宅途中の弁護士アンスティが駆けつけると、そこには男女が激しく組み合う姿が。男は逃走、脇腹を刺された女性を運び込んだ近くの邸では、主人が宝石コレクションの陳列室で殺害されていた。事件は単純な強盗殺人に思われたが、被害者の弟ローレンス卿は警察の捜査に納得せず、ソーンダイク博士の出馬を要請する。本格推理に冒険的要素を加えた黄金時代ミステリ。
  • 江藤淳と大江健三郎 ──戦後日本の政治と文学
    5.0
    大江健三郎と江藤淳は、戦後文学史の宿命の敵同士として知られた。同時期に華々しく文壇に登場した二人は、何を考え、何を書き、それぞれどれだけの文学的達成をなしえたのか。また、進歩的文化人=左翼の大江と、保守派文化人=右翼であった江藤の言動から1950年代以降の日本の文壇・論壇とは一体どのようなものだったのかを浮き彫りにする。決定版ダブル伝記。
  • バナナの皮はなぜすべるのか?
    4.0
    人類の誕生以来、最もポピュラーなギャグ=「バナナの皮すべり」は、いつ、どこで、誰によって、どうやって生みだされたのか? この素朴な疑問を解決するべく、マンガ、映画、文学作品、テレビ番組、ウェブサイトから、はては「実際にバナナの皮ですべった事件とその社会的背景」までを調べに調べつくす! 「バナナの皮」論のパイオニアにして決定版。
  • オシリスの眼
    4.2
    エジプト学者ベリンガムが不可解な状況で忽然と姿を消してから二年が経った。生死不明の失踪者をめぐって相続問題が持ち上がった折も折、各地でバラバラになった人間の骨が発見される。はたして殺害されたベリンガムの死体なのか? 複雑怪奇なミステリに、法医学者探偵ジョン・ソーンダイク博士は証拠を集め、緻密な論証を積み重ねて事件の真相に迫っていく。英国探偵小説の古典名作、初の完訳。
  • 武士の娘
    4.2
    杉本鉞子は、1873年、越後長岡藩の家老の家に生れ、武士の娘として厳格に育てられた。結婚によりアメリカに住むようになり、すべてがめずらしく目新しい暮らしの中で「武士の娘」として身につけたものを失うことなく、また自分にとじこもることもなく、みごとに自立した考えを身につける。今日に通じる女性の生き方を見る上にも、当時の風俗や生活のありさまを知るためにも、高い価値をもつ。
  • 深沢七郎コレクション 流
    4.5
    『楢山節考』で登場し、文壇に大きな衝撃を与えた深沢七郎。『笛吹川』『言わなければよかったのに日記』など、独特の世界で知られる作家の作品コレクション。「流」の巻は小説を中心に収録。「東北の神武たち」「揺れる家」「千秋楽」「女形」「流転の記」「みちのくの人形たち」。解説・戌井昭人
  • 甘粕大尉 ――増補改訂
    4.0
    関東大震災下に起きた大杉栄虐殺事件。その犯人として歴史に名を残す帝国陸軍憲兵大尉・甘粕正彦。その影響力は関東軍にもおよぶと恐れられた満洲での後半生は、敗戦後の自決によって終止符が打たれた。いまだ謎の多い大杉事件の真相とは? 人間甘粕の心情とは? ぼう大な資料と証言をもとに、近代史の最暗部を生きた男の実像へとせまる。名著・増補改訂。
  • 千一夜物語(1)
    4.2
    1~10巻990~1,265円 (税込)
    妻の裏切りに心を狂わせたシャハリヤール王は、一夜に一人の処女をはべらせたあげく殺していた。これに心を痛めたシャハラザードは、みずから王のそばに上る。聡明な彼女の語る話の面白さに王は毎夜、殺すのも忘れて聞き入り、千一夜目に達したときには、ついに王の心は温かく溶けていたのだった。東西のあらゆる物語の中で最も多くの驚きと不思議に満ちた大ロマン。定評あるマリュドリウス版からの個人全訳に詳細な訳註を付す。
  • 高慢と偏見(上)
    4.3
    元気はつらつとした知性をもつエリザベス・ベネットは、大地主で美男子で頭脳抜群のダーシーと知り合うが、その高慢な態度に反感を抱き、やがて美貌の将校ウィッカムに惹かれ、ダーシーへの中傷を信じてしまう。ところが……。ベネット夫人やコリンズ牧師など永遠の喜劇的人物も登場して読者を大いに笑わせ、スリリングな展開で深い感動をよぶ英国恋愛小説の名作。オースティン文学の魅力を満喫できる明快な新訳でおくる。
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3
    4.2
    現実と非現実のあわいの世界と人間の狂おしい心情を描く久生十蘭。その該博な知識と彫琢を凝らした世界の魅力を網羅した1冊。高等遊民の男と、非常な美しさをたたえた女性との数奇な運命を描いた「湖畔」「墓地展望亭」、戦後間もなく発表され代表作とされる「ハムレット」と、その原型となった「刺客」等14作品収録。
  • オリヴァー・トゥイスト(上)
    5.0
    18XX年初頭、イギリスのとある町の救貧院で1人の男の子が生まれ落ちた。母親は子供を産むとすぐに、ぼろ布団の中で息を引き取った。過酷な環境の中で育った孤児オリヴァーはその後、葬儀屋サワベリーなどのもとを転々とするも、残酷な仕打ちに見まわれ続ける。ついにロンドンに逃れたオリヴァーを待ち受けていたのは凶暴な盗賊団一味だった……。若きディケンズが19世紀イギリス社会の暗部を暴露し、痛烈に風刺した傑作長編小説。
  • 修羅維新牢 ――山田風太郎幕末小説集
    4.5
    明治元年。江戸城は明け渡され、官軍が続々と江戸に入り出す。田舎侍に対して反発が高まるなか、官軍の隊長クラスが続けざまに殺される事件が起こった。薩摩軍先鋒中村半次郎は旗本十人を捕え、犯人が名乗り出るまで一日に一人ずつ斬首してゆくという復讐を始めるのだが……。理不尽な運命の餌食となった侍たちを描く。
  • 横溝正史集 面影双紙 ―怪奇探偵小説傑作選2
    4.0
    恐しくも美しい怪事件の数々――。蔵の中に隠された秘密、美少年が彩る妖しき世界、人形を愛する女、貴婦人の化粧台に棲むもの、名家にまつわる血ぬられた過去……。横溝正史の膨大な作品のなかから、怪奇探偵小説の名にふさわしい傑作を厳選! 怪異・倒錯・耽美・官能にあふれる横溝ワールドをお楽しみください。
  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1
    4.8
    絶妙な筆致で読者を魅了する岡本綺堂。その代表作「青蛙堂鬼談」シリーズをはじめとする怪談の数々を収録する。綺堂が愛した江戸情緒や、農村、湯治場、戦場など、今や失われた風景のなかで、この世に残る未練・愛憎・因縁が引き起こす、恐しい出来事が、人びとの心に哀しくひびく――。
  • 桃色じかけのフィルム ──失われた映画を探せ
    4.0
    日本映画界が観客動員数激減に直面していた昭和30年代後半から、弱小プロダクション製作の成人指定映画が量産される。所謂「ピンク映画」である。世のヒンシュクを買いながらも、熱気溢れる現場からは山本晋也、若松孝二、高橋伴明、和泉聖治など名監督も生まれている。しかし、その作品の多くが失われてしまった。今や忘れ去られた映画人や作品を追う傑作ルポ。
  • 徳川家康(上)
    3.5
    1~2巻1,100円 (税込)
    戦国時代に終止符を打った家康が師と仰いだのは「地味な超人」毛利元就だった。人質時代から関ヶ原の戦いまでの苦難の軌跡をさまざまな角度から検証する。
  • 岡本かの子全集(1)
    -
    1~12巻1,100~1,595円 (税込)
    「私はどこ迄行ったら満足出来る女なのでしょう。……」。処女小説「かやの生立」から戯曲を含め初期短篇32篇収録。
  • 新版 「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論
    5.0
    丹念な取材から最新科学が示す「色の見え方」の驚くべき多様性と、悩ましい検査の問題が明らかに。20世紀には、学校健診から雇用時検診までありとあらゆる場面で制度的色覚検査が行われ、「異常」の人には大きな制限が課されました。極端な扱いはなくなったものの、未だに前世紀の「色覚」観と検査の問題は社会の隅々にまで浸透しているように思えます。本書は、色覚に関する誤解を塗りかえるべく「色」をめぐる冒険へと旅立った科学作家が、進化生物学、視覚科学、ゲノム科学、医学等の最先端に接して、様々な事象を再点検。「色覚」とは何なのか。そもそも、あなたが見ている赤と私が見ている赤は同じなのだろうか? 取材の末見えてきたのは、「多様性と連続性」の新しい地平でした。多くの取材を通して得た「色覚」についての新しい知見と考察を重ねた1冊。
  • 人間なき復興 ──原発避難と国民の「不理解」をめぐって
    4.0
    福島第一原発事故後、廃炉の見通しもなく国は「新しい安全神話」を振りかざし、避難者帰還政策を進めている。人を「数」に還元した復興や分かったつもりの国民の「不理解」がこの国をあらぬ方向へ導いている。被災者の凄惨な避難体験と、原発自治体の暮らしの赤裸々な告白を、社会学者が読み解き、対話を積み重ねて「人間のための復興」とは何かを問い直す。事故の本質を鋭く衝いた警世の書。
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)
    4.1
    1~3巻1,210~1,375円 (税込)
    日本のミステリーの基礎を築いた巨人、江戸川乱歩のすべての短編を網羅する全3冊。エンターテイメントとしては異例の、数10年という長きにわたって読み継がれてきた名作が一気に愉しめる。各巻に著者自身による作品解説つき。本巻は処女作『二銭銅貨』や明智小五郎の初登場作品『D坂の殺人事件』など、謎解き・本格もののなかから100枚以内のものを中心に収録した。
  • スターメイカー
    4.2
    肉体を離脱した主人公は、時間と空間を超え、宇宙の彼方へと探索の旅に出る。訪れた世界で出会った独自の進化を遂げた奇妙な人類と諸文明の興亡、宇宙の生命の生成と流転を、壮大なスケールと驚くべきイマジネーションで描いた幻想の宇宙誌。アーサー・C・クラークやスタニスワフ・レム、J・L・ボルヘスをはじめ多くの作家に絶賛され、多方面に影響を与えてきた伝説の作品を全面改訳で贈る。
  • ぼくの東京全集
    3.0
    小説、紀行文、エッセイ、評伝、書評、詩、俳句。「新東京感傷散歩」でデビューして以来60年以上の文業において、作家は一途に「東京」を歩き、書いてきた。焼跡の鮮明な記憶、銀座に暮らした幼少期の思い出、佐多稲子や辻征夫の作品と人生、「千人斬」松の門三艸子……闊達なユーモアと確かな観察眼で、町とそこに生きる人々を描きだす。『東京骨灰紀行』著者の集大成。
  • 悪魔はあくまで悪魔である ――都筑道夫恐怖短篇集成(1)
    4.5
    1~3巻1,320~1,430円 (税込)
    「なんでも三つ願いごとをかなえます」悪魔の誘いに応じた男を待ちうける出来事とは……。悪魔に見込まれた男の“取りひき”を描く表題作ほか、切れ味鋭い恐怖短篇の傑作を全3冊にまとめるシリーズ第一弾。
  • 地図と領土
    4.0
    孤独な天才芸術家ジェドは、個展のカタログに原稿を頼もうと、有名作家ミシェル・ウエルベックに連絡を取る。世評に違わぬ世捨て人ぶりを示す作家にジェドは仄かな友情を覚え、肖像画を進呈するが、その数カ月後、作家は惨殺死体で見つかった―。作品を発表するたび世界中で物議を醸し、数々のスキャンダルを巻きおこしてきた鬼才ウエルベック。その最高傑作と名高いゴンクール賞受賞作。

最近チェックした作品からのおすすめ