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Posted by ブクログ
江藤淳と大江健三郎は、小谷野にとって若い時からのアイドル。本書は、その2人を時系列に沿って追いかける。そこには、焼けるようなファン熱が感じられる(ストーカー的な執着という言い方もできるが)。ゴシップも満載。江藤と大江を知っているなら、100%楽しめる。
江藤と大江という2本の大樹、その対比と交錯、そして彼らをとりまくさまざまな人々。その人間模様がなんともおもしろい。もちろん、ゴシップの火の粉は、これらの人々にも降りかかる。
おそらく小谷野は最初は2人を対等に書くつもりだったのだろう。けれど、江藤については、初期や中期の評価は芳しいものだったのに対し、書き進めるにつれて、後期はそうではなくなっていった。それには、奇矯な行動や言動が目立つようにもなったことも関係している。地の「おぼっちゃま」が露出し始めたということなのかもしれない。(なお、後年の江藤の行状については、平山周吉『江藤淳は甦る』や今野浩『工学部ヒラノ教授』が参考になる。)
一方、大江については、小谷野は、彼の言動や行動の矛盾点を突きはするものの、老いてもアイドルはアイドルのままだ。(大江を褒めた佐藤優を牽制するような一文もあり、ファンならではの嫉妬の心理も垣間見えて微笑ましい。)
このゴシップ好きなファンの労作。当の2人は、どう読むだろうか。大江はたぶん苦笑。江藤は……生きていたら激昂だな。
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