てんやわんや

てんやわんや

770円 (税込)

3pt

臆病で気は小さいが憎めない犬丸順吉は、太平洋戦争直後、戦犯を恐れた社長の密命により四国へ身を隠す任務を与えられる。そこには荒廃した東京にはない豊かな自然があり、地元の名士に食客として厚遇を受けながら夢のような生活が待っていた。個性豊かな住民たちと織りなす笑いあり恋ありのドタバタ生活はどんな結末を迎えるか……。昭和を代表するユーモア小説。

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てんやわんや のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    購入済み

    恐怖からの自由

    2024年01月20日

    戦前と戦後社会の連続性について、この作品は描いている。この指摘や示唆は丸谷才一「笹まくら」が最も成功していると感じているけれど、「てんやわんや」で書き込まれているのは庶民感覚により近く、山口瞳が「卑怯者の弁」で絶唱に近い声で、戦争も殺し合いも絶対に拒否したいといったものと近似値である。いろんな自由が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年10月01日

    平松洋子によると、獅子文六 敗戦三部作の一つ。主人公 犬丸順吉が、戦後、流されるままに伊予 宇和島近くの相生町に居候して過ごす 1年間を描く。花兵は言うまでもなく、勘左衛門、越智、拙雲といった脇を固める登場人物が誰もかれも個性的で、土地の風俗や食べ物、言語とあいまって独自の小説世界を作り出している。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年12月22日

    主体性というものを持たず
    「先生」のいいなりに利用されてきた男が
    戦争の時代を経て、侮辱されていると気づき
    呪縛を脱していく話
    自我の目覚めというよりも、絶望からくるニヒリズムなんだが
    1950年代の日本では、これが大変に売れて映画化もされた
    話の舞台となった宇和島市では
    作品にちなんだ饅頭が、今も...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年10月03日

    ヒロイン?の花輪兵子がツボ。
    「アッハッハッハ」って笑い飛ばす性格が最高だった。
    もうちょっと本筋に絡んで欲しかったな。

    今まで読んだ文六作品は全て三人称で書かれていたので、一人称がまず新鮮だったし、戦後の町や人々の描写が克明で、なんだか感動してしまった。

    本作は四国に疎開していた文六先生が東京...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年06月15日

    「てんやわんや」。獅子文六さん。1948~1949に連載された小説だそうです。

    原爆、終戦が1945年夏。憲法施行が1947年。

    獅子文六さん、というのは、徐々に再評価されている人だと思います。
    いわゆる、流行作家だったひと。
    その当時から、言ってみれば「軽い」のが持ち味で、決して純文学でも重い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年10月16日

    獅子文六の小説3冊目、またしてもダメ男登場。小説の舞台は戦後の日本なのに登場人物は現代にもいそうな人々だから面白いのかな。ダメ男を追いかけ回す花輪兵子の迫力がスゴイ、笑える。映画では淡島千景が演じたんだって。スピード感のあるストーリーに引き込まれ、今、4冊目を読書中です。

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    Posted by ブクログ 2016年07月21日

    ずっと読みそびれていた獅子文六さんをようやく読むことができました。
    噂通り面白かったです。
    主人公の性格がそのまま作品のテンポになっている感じで、この主人公の考えや行動がいちいち面白いのです。クスッとするような面白味というか、「こういう人っているよなぁ、分かる分かる!」という面白味があります。
    TH...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年03月22日

    終戦間もない日本、生活の基盤を失って確たる目標も持てずにいる男が遭遇する珍事件の数々。いかにも頼りなさそうな主人公とは対照的に、彼をとりまく人々がみな生き生きとしており、そんな彼らが逞しく世を渡らんとする姿が愉快に描かれる。

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    Posted by ブクログ 2015年02月06日

     主人公の、なんだかふにゃふにゃと煮え切らない性格にちょっとイライラ。笑 でものんびりと読むのに向いている小説でした。

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    Posted by ブクログ 2014年06月09日

    戦後の有名な小説。映画になったようで。
    南予というか田舎の戦後の風習と東京との違いは
    興味深かったですが、内容としては
    そんなに面白いとは思いませんでした。
    井上ひさし氏と同じような文体。内容。
    主人公の描き方だと思いました。
    井上ひさし氏がこの著者に似ているということかと

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