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Posted by ブクログ
何年ぶりかで読みましたが、やはり「良いものは良い」です。30数年前の大学生時代から勝手に愛してやまなかった杉浦日向子さんの代表作です。
杉浦さんの作品からは江戸時代への深い愛情がそのまま登場人物ひとりひとりへの愛情につながっているのが感じられて、読んでいて心打たれる暖かさを感じます。
百日紅を読むまで知らなかった北斎の娘のお栄さんのイメージは、この作品のイメージから形作られていて、たとえばそれが葛飾応為=お栄さんの代表作と言われる「吉原格子先之図」を見るときのイメージにも投影されます。そういう意味では、杉浦さんの作ったイメージが今の私が世界を見るイメージの一部を形作っているようで、でもそれは悪くことのように思えます。
何を言っているのか分かりにくいかもしれませんが、そのくらい良い作品だということです。
Posted by ブクログ
葛飾応為の絵が好きだったので、彼女の半生が知れるのかな?と思って購入。想像と違い、北斎やその弟子など、市井の人々の人生の一瞬を描いたお話だった。
説明らしい説明がなく、一人一人の行動原理や心情を想像に委ねるあっさりした展開が良かった。
ぐっちゃぐちゃに散らかった狭い部屋で量産される絵。北斎は人間的にもいい加減なところがあるのだが、絵に対しては視点が違うし、絵狂いであってもちゃんと人間がわかっている感じがした。なかなかかっこいいおじいさん。
応為が主役かと思っていたのだけど、そういうわけでもなく、上巻を読んだ時点では、彼女の絵に対する思いもよくわからないし、人間的な部分も理解できなかったというのが正直なところ。私の漫画スキルはさほど高くないので、読み落としをしているのかもしれないが。女としても半端者だし、下巻にストーリー的な進展があるのか気になる。
あと、この時代の生き死にとか、今でいう人権的なものの配慮が薄いのが、逆に新鮮だった。今は社会から守られている部分が多いのだけど、この当時の人たちの逞しさや、強かさには励まされる思いがする。
Posted by ブクログ
(アニメ化映画を観て)
杏ちゃんが好きなので観ようと目論んでいました。
「原作のあるものは先に原作に目を通してから」が私の中のユルめルール。
原作漫画上下巻と併せてエッセイを一冊読んでから鑑賞しました。
もうコレが正解!
アニメ化映画はダイジェスト版ですので、ガイドブックとして原作を読んでいた方がより楽しめます。
しかし映画も捨てたものではなく。
勢いも彩りも映画にはもちろん勝てませんし、オリジナルエピソードも見せ方も入っていたので、情景が胸に迫ります。
それにしてもこの原作漫画、
そこはかとない色気があるのですよ。
首すじに生温い息づかいを感じるような。いやはや。
現代で読んでる自分が、江戸で生きているのではないか?という錯覚を起こしてしまうような親和性があります。
いま居る此処の在りし日の姿が空気が、纏わりついてくるような。
私の中も外も、このニ、三日前後は江戸に染まっています。
(2015/05/13)
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