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福島第一原発事故後、廃炉の見通しもなく国は「新しい安全神話」を振りかざし、避難者帰還政策を進めている。人を「数」に還元した復興や分かったつもりの国民の「不理解」がこの国をあらぬ方向へ導いている。被災者の凄惨な避難体験と、原発自治体の暮らしの赤裸々な告白を、社会学者が読み解き、対話を積み重ねて「人間のための復興」とは何かを問い直す。事故の本質を鋭く衝いた警世の書。
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Posted by ブクログ
歪んだ復興政策。歪んだ世論。まるで独り歩きするかのように、避難者帰還政策は押し進められていく。 千年に一度と言われた東日本大震災を発端とした福島第一原発事故から5年。未だに自分の家に帰還できない多くの人びとがいる。目に見えない放射能、廃炉への長い道のり、健康への影響すら定かではない。いくら住居区を...続きを読む中心に除染作業をしようとも、山林や恵みとなったはずの山菜は放射能により汚染されたままなのは事実である。福島第一原発から30㎞圏内の外の福島市近郊でも、山菜はおろか柿ですら食べることができない。そんな状況で、政府は避難者帰還政策を進めている。それが正しいのか否か誰も答えは出せないと思うが、状況が灰色を示す以上は間違った政策ではあるまいか。 チェルノブイリ原発事故から何も学ばなかった日本。将来、福島第一原発事故以上の悲劇に見舞われるような予感がする。
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人間なき復興 ──原発避難と国民の「不理解」をめぐって
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山下祐介
市村高志
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