国内ミステリー - 東京創元社 - ドキドキハラハラ作品一覧

  • ガーデン
    3.4
    1巻660円 (税込)
    燃える火に夜と書いて、カヤ。赤い髪に華奢な躯、大きな眸をした捉えどころのない娘。行く夏の海で火夜に逢った真波は、何の違和感もなく一緒に住むようになっていた。その火夜が不意に姿を消してしまう。そして二週間、真波の許へ火夜と同じエナメルを塗った小指が届く。動顛した真波は同じマンション内の今泉文吾探偵事務所を訪ね、火夜を捜してほしいと依頼するのだが……。謎めいた娘を求めて、植物園と見紛うばかりの庭苑に足を踏み入れた探偵。血を欲するかのように幾たりもの死を招き寄せる庭で、今泉が見出したものは? 悲痛な真相が惻々と胸に迫る、本格ミステリの傑作。

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  • 消えた脳病変
    4.5
    1巻110円 (税込)
    「患者の病変が消えた。その謎に取り組んでほしい――」医学部での新学期、新任講師から出題された難題。正解者は試験の得点に五十点上乗せに。学生たちは色めきだつが……。医療ミステリの新鋭堂々登場。第11回ミステリーズ!新人賞受賞作。
  • 記憶の対位法
    4.3
    1巻2,400円 (税込)
    二〇一七年、フランス中部に位置する都市リモージュの新聞社に勤める事件記者ジャンゴ・レノールトは、亡き祖父マルセルの遺品整理のため、彼が晩年を暮らした寒村を訪れる。戦後、対独協力者として断罪された祖父は、一族から距離を置いてこの地に隠れ住んでいた。生前会うことがなかった祖父が遺したのは古書の山と、二十あまりの黒檀の小箱──そこに隠された意味とは何か? ジャンゴは西洋古典学を研究する大学院生ゾエ・ブノワの協力のもと、祖父が希求した真実を求め歴史の迷宮へと足を踏み入れる。〈図書館の魔女〉シリーズの俊英が満を持して贈る、知的探究の喜びに満ちた長編ミステリ。
  • 鬼哭洞事件
    3.7
    1巻1,599円 (税込)
    夏の暑い盛りのある日、私立探偵・野上英太郎の事務所を佐方康之と名乗る依頼人が訪れた。彼は27年前に姿を消した母親と妹を、父に内密で捜しているという。手掛かりは写真一枚のみだが、野上は調査を引き受ける。しかし翌日、康之は死体となって発見された。彼の出身地・鳶笊村へ向かった野上と助手である中学二年生の少年・狩野俊介は、余命幾許もない康之の父が住まう、洞窟内に建てられた奇怪な屋敷を訪れた。そこで俊介は己と同じく推理の才を発揮する不思議な男と出会う――江戸時代から伝わる謎の神楽、佐方家の財産をめぐる確執、神楽のさなかに発生する殺人。少年探偵の成長を縦糸に本格の興趣を凝らす著者の代表作〈狩野俊介〉シリーズ誕生30周年を記念する待望の最新長編!
  • 奇談蒐集家
    3.6
    自ら体験した不可思議な話、求む。高額報酬進呈(ただし審査あり)。――新聞の募集広告を目にして酒場を訪れた老若男女は、奇談蒐集家を名乗る恵美酒と美貌の助手・氷坂を前に、怪奇と謎に満ちた体験談を披露する。シャンソン歌手がパリで出会った、運命を予見できる魔術師。少年探偵団の眼前で、少女の死体と入れ替わりに姿を消した魔人。冬薔薇が咲き誇る洋館に住む美しき館の主からの奇妙な申し出……。数々の奇談に喜ぶ恵美酒だが、氷坂によって不思議な謎は見事なまでに合理的に解き明かされる!安楽椅子探偵の推理が冴える連作短編集。

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  • 啄木鳥探偵處
    3.8
    【TVアニメ『啄木鳥探偵處』原作!】日本一の高塔として名を馳せる浅草十二階で、幽霊が目撃された――。明治四十二年九月、僕、金田一京助のもとへ石川啄木が持ち込んできた、幽霊騒動を報じる新聞記事。抜群の詩歌の才能を持ちながらも世に認められない啄木は、家族を養うため探偵業をはじめたところだった。その才能にほれ込んでいた僕は、助手役として探偵業に巻き込まれるが、事件は意外な方向へ……。第三回創元推理短編賞受賞作「高塔奇譚」をはじめ、人形の頭が男の喉を咬み切ったという怪事件「忍冬」など、トリックとロジックが冴える五編を収録する傑作連作ミステリ集。/【目次】第一話 高塔奇譚/第二話 忍冬/第三話 鳥人/第四話 逢魔が刻/第五話 魔窟の女/解説=細谷正充
  • 昨日まで不思議の校舎
    3.9
    にわか高校生探偵団、市立最大の謎に挑む! 超自然現象研究会の会誌〈エリア51〉臨時増刊号が特集した「市立七不思議」が何者かに影響を与えたのだろうか? 突如休み時間に流された、七不思議の一つ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな女子生徒は、もちろん存在しない。さらにその日の放課後に、四ヶ所で発見された「口裂け女」を模した悪戯、さらにさらに翌日には「一階トイレの花子さん」まで用務員室に出現。なぜ七不思議のうち、この三つが現われたのだろう? かつては七不思議ではなく、「市立三怪」だったということを突き止めた葉山君、そして伊神さんは、その背後にある悪意に気づくが……。コミカルな学園ミステリ・シリーズ長編。

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  • 木野塚佐平の挑戦だ 木野塚佐平シリーズ2
    3.5
    1巻605円 (税込)
    桃世はケニアに行ったきり。現職の総理大臣が急逝し、世間は大混乱だというのに、あこがれの美人ニュースキャスター香川優子の姿に煩悶する木野塚佐平氏。ダブル不倫、ホモの失踪事件、おなじみ高村女史からの無理難題を解決しては、糊口をしのぐ毎日。そんなある日、電波系オタク男からの依頼、中年女からの盗聴の相談と、事務所に続々寄せられる妙な仕事。さらには、あの香川優子をじかに訪ねる機会まで・・・・・・。抱腹絶倒、呵々大笑、ケニアから帰国した桃世とともに、木野塚氏は今日も行く。ユーモア・ハードボイルド長編。シリーズ第2弾!

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  • 木野塚探偵事務所だ 木野塚佐平シリーズ1
    3.2
    1巻550円 (税込)
    警視庁(ただし経理課一筋三十七年)を定年退職した木野塚佐平氏。フィリップ・マーロウ、リュウ・アーチャーなど、ハードボイルドに心酔する氏は、長年貯めたヘソクリを元手に、憧れの探偵事務所を開業する。しかし、凶悪事件の依頼どころか、念願の美人秘書もやってこない。そんなある日、近所づき合いで掲載した業界誌の広告から、ひょんな依頼が舞い込んでくる。記念すべき木野塚探偵事務所最初の事件は、何と、金魚の誘拐事件だったのだ。気鋭の著者が、愛すべき老人探偵。木野塚氏の活躍(?)を描く、大爆笑必至のハードボイルド連作集、シリーズ第一弾。

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  • キャッツアイころがった
    3.7
    1巻550円 (税込)
    滋賀県北部の余呉湖で身元不明の死体が発見された。顔が潰された上、指が切り取られ指紋もない。唯一の手がかりは、胃の中にあった一粒の宝石――キャッツアイ。続いて京都の美大生、大阪の日雇労働者が連続して殺害され、ともに口にキャッツアイを含んでいた。三府県での合同捜査は混迷を極める。事件の鍵は殺された美大生が旅行していたインドにあると、その同級生の啓子と弘美は一路彼の地へと飛び立つ……。果たしてキャッツアイの意味と、連続殺人事件の真相を探りだせるのか。第4回サントリーミステリー大賞を受賞した著者初期の傑作。 ※本作品は東京創元社、文藝春秋で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。

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  • 吸血鬼
    4.3
    時は初秋、所は塩原温泉の某旅館、そこでは今、前代未聞の決闘が行なわれようとしていた。夏の末から居つづけている湯治客の男二人が、一人の未亡人を巡って命を賭けた闘いを繰り広げていたのだ。そして、決闘の場から卑劣にも逃げだした敗者のものと思われる無惨な死体が発見されるに及び、恐ろしい闘いの幕が切って落とされた。帰京して以来、畑柳未亡人とその愛する息子の上に降り懸かる陰惨で奇怪な事件の連続! 姿無き吸血鬼に敢然と立ち向かう名探偵明智小五郎と文代、小林少年の行く手に待ちかまえているものは? 大乱歩渾身の長編推理。

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  • 九人のレジェンドと愚か者が一人
    3.7
    1巻1,999円 (税込)
    26年前、パ・リーグのペナントレースを制した阪和バーバリアンズ。6回2死まで0封された後、満塁ホームラン3本が飛び出して9点差をひっくり返すという史上稀に見る逆転試合をきっかけに、リーグ優勝、そして日本一へと駆け上った。その後の低迷期を経てこの夏、来季の新監督に抜擢されたのは、当時4番を務めた夏川誠だ。大阪毎朝放送がレジェンドと呼ばれたメンバーたちのインタビューと再現試合で構成する特別番組を企画。取材を進める中で、10人目のレジェンドともいえるマネージャーの存在が浮かび上がる。ところが、あの試合中に盗難事件があり、疑われたマネージャーは退団、そののち非業の死を遂げたという……。チーム思いのマネージャーがなぜ盗難を行ったのか? 主要メンバー9人の中に、嘘をついた人物がいるのではないか? そして仲間を裏切った愚か者は誰なのか――。吉川英治文学新人賞作家が贈る、企みに満ちた長編ミステリ。
  • 金閣寺は燃えているか? 文豪たちの怪しい宴
    3.5
    文京区の長い路地を抜けるとバーだった。大学教授の曽根原は、ふと気づくとバー〈スリーバレー〉に足が向いている。女性バーテンダー・ミサキの魅力なのか、文学談義のせいなのかは判らない。ある晩、まだ客の少ない時間にミサキが繰り出した質問は、川端康成の『雪国』についてだった。登場人物の行動から『雪国』はミステリではないか、というミサキの疑問に、途中からまたしても入店してきた宮田が、珍妙な説を披露し始めて……。『雪国』に加え、田山花袋『蒲団』、梶井基次郎『檸檬』、三島由紀夫『金閣寺』と、日本文学界の名作の新解釈で贈る、鯨統一郎最新作。
  • 金木犀と彼女の時間
    4.1
    高校最後の文化祭当日、菜月は屋上でクラスメイトの拓未に告白された直後、人生3度目のタイムリープに巻き込まれた。この状態になった菜月は同じ1時間を5回繰り返し、最後の出来事が確定事項となるのだ。その1回目、菜月が告白されるより前に拓未は転落死してしまう。同じことが操り返されるはずだったのに、いったい何が起きたのか? 菜月は残り4回のタイムリープのなかで、拓未が死なない方法を探して奔走するが……。他人に心を開けない女子高生がクラスメイトを救うために校舎を駆けめぐる、鮮やかな学園タイムリープ・ミステリ登場。/【目次】プロローグ/第一章 繰り返しの時間/第二章 文化祭の幕開け/第三章 起こるはずのない事件/第四章 深まる謎/第五章 彼女の時間/解説=村上貴史
  • 空白の殺意
    3.5
    高崎市内の川土手で私立高校に通う女生徒の扼殺死体が発見される。その二日後、今度は同校の女性教師が謎めいた遺書を残して自殺する。そして行方不明だった野球部監督の毒殺死体が発見されるに及んで、俄然事件の背後に甲子園行を目指して熾烈な闘いをくり展げている学校同士の醜い争いが炙り出されてくる……。「模倣の殺意」「天啓の殺意」のトリック・メーカーが、密かな自信をもって読者に仕掛ける巧妙なワナ。改稿決定版。

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  • 蜘蛛男
    3.9
    とある貸事務所の十三号室を借り受けた奇妙な紳士。彼は、さっそく新聞に女事務員募集の記事を出し、応募者の中からひとりの美女を選び出すと自宅に連れ帰り、刃物類が転がる不気味な風呂場へと案内するのだった……。かくして、東京中を震撼させる恐るべき事件が続発する。この残虐な殺人鬼に対するは民間の犯罪学者畔柳友助。雑誌連載時に大好評を博した、手に汗握る長編推理!

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  • 暗い海 深い霧 高城高全集3 
    4.5
    1巻770円 (税込)
    スパイとして国後島に潜入し、ソ連の警備隊に拘束された男。日本に帰還した男を待っていた真実とは――「暗い海 深い霧」。海岸で女の死体が発見された。痴情のもつれが原因と思われた事件に、なぜか公安調査官の影が――「微かなる弔鐘」。ある作戦に召集された米諜報機関の日本人工作員たち。諜略の果てに彼らが見たものは――「海坊主作戦」。東西冷戦の時代、謀略の最前線となった国境の海で繰り広げられる諜報戦に運命を翻弄される者たちを、非情かつ詩情豊かに描く作品群と、荒涼たる原野から地の底の炭鉱まで、北の大地に生きる男たち女たちの事件簿。昭和30年代前半に発表された高城作品の精華13編を収録。

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  • 車井戸は何故軋る 横溝正史傑作短編集
    4.0
    ミステリ界の巨匠・横溝正史。本格推理、耽美小説、時代小説など多岐にわたるジャンルで活躍した著者の軌跡を堪能できる傑作十七編を、入手困難な初出誌と初刊本をもとにして執筆順に収録。寄宿舎内で起きた、死体のない殺人を描くデビュー作「恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)」。かつて亡き姉と過ごした蔵の中で、少年が遠眼鏡で見たある光景が語られる「蔵の中」。河を流れてきた、胸に短刀が刺さった蝋人形が悲劇の幕開けを告げる、〈由利麟太郎〉シリーズ「猫と蝋人形」。『犬神家の一族』の原点ともいうべき名品の雑誌掲載版「車井戸は何故軋る」。殺人の濡れ衣を着せられた男が隣人・金田一耕助に救われる、「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」。著者没後に発表された、記憶喪失の女性の正体をめぐる「空蝉処女(うつせみおとめ)」などを精選して贈る、珠玉のベスト短編集!/【目次】恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)/河獺(かわうそ)/画室(アトリエ)の犯罪/広告人形/裏切る時計/山名耕作(やまなこうさく)の不思議な生活/あ・てる・てえる・ふいるむ/蔵の中/猫と蝋人形/妖説孔雀樹(ようせつくじゃくのき)/刺青(いれずみ)された男/車井戸は何故軋る/蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)/蜃気楼島(しんきろうとう)の情熱/睡(ねむ)れる花嫁/鞄の中の女/空蝉処女(うつせみおとめ)/編者解説=末國善己
  • 黒いトランク
    3.9
    千九百四十九年も押し詰った鬱陶しい日の午後、汐留駅前交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。トランクに詰められた男の腐乱死体。荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。その近松は溺死体となって発見され、事件は呆気なく解決したかに思われた。だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。巨星、鮎川哲也の事実上のデビュー作であり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作。綿密な校訂による決定版!

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  • 黒い白鳥
    4.0
    6月2日早暁、久喜駅近くの線路沿いで男の射殺屍体が発見された。列車の屋根に乗ってそこまで運ばれた男は、労使抗争に揺れる東和紡績の西ノ幡豪輔社長と判明。敗色濃厚な組合側の妄動か、冷遇の憂き目に遭う新興宗教かと囁かれる中、最右翼と目される容疑者を追っていた当局は意外な線から彼の行方を知ることに。膠着する捜査を引き継いだ鬼貫警部は西ノ幡社長が貸金庫に預けていた写真に着目、あるかなきかの糸を手繰って京都から大阪へ、そして忘れじの九州へと足を運ぶ。そこで鬼貫が得たものは? 緻密なアリバイトリックを駆使し、第13回日本探偵作家クラブ賞を受賞した雄編。/解説=有栖川有栖
  • 黒いハンカチ
    3.5
    住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。/【収録作】「指輪」/「眼鏡」/「黒いハンカチ」/「蛇」/「十二号」/「靴」/「スクェア・ダンス」/「赤い自転車」/「手袋」/「シルク・ハット」/「時計」/「犬」/あとがき/解説=新保博久
  • 黒水仙
    5.0
    宮城県の第八十八銀行白山支店で行員が射殺され、現金一億円と支店長が消えた。行員の口に押し込まれていたハンカチに施された黒い水仙の刺繍に、捜査官は首を傾げる。ほどなく、崖下に転落炎上した車から支店長が見つかり、当局は方針転換を迫られることに。強奪された一億円のうち紙幣番号の判明した十枚に関して得た情報が呼び水となって、東京の守衛殺しとの関連性も浮上、事件は思いがけない様相を呈していく。菊地警部が苦悩しつつも辿り着いた、黒水仙に象徴される悪しきものとは何か。父娘作家の出発点『獅子座』に続くシリーズ第2作。

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  • 黒蜥蜴
    3.9
    左腕に黒蜥蜴の刺青をした美貌の女賊。社交界の花形にして暗黒街の女王――変幻自在の黒衣婦人は、大阪の富豪岩瀬家の秘宝とその愛娘を狙って、大胆にも名探偵明智小五郎に挑戦状を叩きつけてきた! 日本一のダイヤ「エジプトの星」をめぐって、息づまるような死闘が繰り広げられる。三島由紀夫の脚色による映画・演劇によって、さらにその名を天下に知らしめた、妖しい女賊と名探偵との宿命的な恋を描く江戸川乱歩の長編推理。

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  • 黒百合
    3.6
    昭和27年の夏休み。14歳だった「私」こと進と一彦は、六甲山にあるヒョウタン池のほとりで、不思議な雰囲気を纏った同い年の少女と出会う。池の精を名乗ったその香という少女は、近隣の事業家・倉沢家の娘だった。三人は出会った翌日からピクニックや山登りを通して親交を深めてゆく。自然の中で育まれる少年少女の淡い恋模様を軸に、昭和10年のベルリン、昭和15年の阪神間を経由して、物語は徐々にその相貌を明らかにしてゆく。そして、最後のピースが嵌るとき、あらゆる読者の想像を超える驚愕の真相が描かれる。数々の佳品をものした才人による、工芸品のように繊細な傑作ミステリ。/解説=戸川安宣
  • 偶然にして最悪の邂逅
    3.5
    1巻1,899円 (税込)
    気がつくと昭和から令和へと元号も変わり(なんと平成という時代もあった!?)、38年も経っていたうえに、自分は幽霊になっていた。どうやら何者かに殺害されて、ここに埋められたらしいが、いったいなぜ? トリッキーな謎解きで魅了する「ひとを殺さば穴ふたつ」。高校生が廃屋になった旧校舎からの覗きを端に巻き込まれた不思議な事件を描く表題作「偶然にして最悪の邂逅」など、過去と現在が交差しながら、怒濤の展開へと突き進む、“日常の中の非日常”を魅惑的な筆致で贈る全5編。デビュー25周年を迎えた著者の、記念すべきミステリ短編集。【収録作】「ひとを殺さば穴ふたつ」/「リブート・ゼロ」/「ひとり相撲」/「間女の隠れ処」/「偶然にして最悪の邂逅」
  • 刑事何森 逃走の行先
    3.8
    1巻1,899円 (税込)
    優秀な刑事ながらも組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森稔(いずもりみのる)。翌年春の定年を控えたある日、ベトナム人技能実習生が会社の上司を刺して姿をくらました事件を担当することになる。実習生の行方はようとして掴めず、捜査は暗礁に乗り上げたが、何森は相棒の荒井みゆきとともに、被害者の同僚から重要な情報を聞き出し──。技能実習生の妊娠や非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍による失業と貧困化などを題材に、罪を犯さざるを得なかった女性たちを描いた全3編を収録。渋みのある刑事たちの活躍を描く、〈デフ・ヴォイス〉シリーズスピンオフ。/【目次】「逃女(とうじょ)」――ベトナム人技能実習生による傷害事件。何森は、女性の逃亡を手助けする組織の存在を知り……/「永遠(エターナル)」――ラブホテルでの殺人事件の重要参考人は、パパ活をしていた若い女性だった……/「小火(しょうか)」――公園トイレの放火事件に、容疑者として浮かび上がったのは高齢者ホームレスだったが……/あとがき
  • 刑事失格
    3.5
    鴬橋派出所管内で発見された死体の後頭部には、大きな裂傷が刻まれていた。間違いなく他殺だ。――刑事になることを目標とする外勤警官・阿南は、その遺体に残された、謎の噛み傷に疑問を抱く。いなくなった飼犬捜し、夜ごと駅前にたむろする子供たちへの苦情処理など、煩雑な日常業務に忙殺されながら、阿南は個人的にその事件を追う。だが、見回り中に起きた新たな殺人をきっかけに、彼は複数の事件の思わぬ繋がりに気がつく。常に“正しくあること”を求める阿南が見出した、残酷な真実。ひとりの青年の不器用な歩みを描き上げる太田忠司のライフワーク・シリーズ、鮮烈なる第1弾。/解説=池上冬樹

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  • 穢れた手
    3.5
    大学と登山の街、松城市、その松城警察署の刑事一課の警部補・桐谷光次は、収賄で逮捕された同期で親友の刑事・高坂拓の無実を確信していた。そして、今日、彼は処分保留のまま釈放された。贈賄側の男も釈放。しかし、逮捕された時点で既に高坂の解雇は決まっていた。処分の撤回はできないのか? 親友の名誉を回復するべく桐谷はひとり行動を開始する。しかし、思いもよらぬ殺人事件に巻き込まれ、事態は意外な方向に……。警察組織の深部に、いったい何が潜むのか? 組織の闇と、刑事たちの友情のかたちを見事に描き上げた傑作。/解説=若林踏
  • 化身
    3.7
    夏休みに入ったばかりの女子大生・人見操の元に届けられた、差出人不明の保育園と一枚の絵の写真。次いで届いたのはその保育園の近影と、見知らぬ少女のポートレイトだった。次々と届く写真に恐怖を覚え調べていくと、その保育園では19年前、未解決の園児誘拐事件があったらしい。そしてその容疑者の容貌は、操の父に酷似していた。自分は誘拐された園児なのか? 父は誘拐犯なのか? 自分の本当の両親は誰なのか? 巧妙な誘拐トリックと戸籍制度に仕掛けられた驚愕の謎! 第5回鮎川哲也賞受賞作。/解説=大矢博子
  • 決断の刻
    4.0
    あるコンサルティング会社の男性社員が死体となって発見される。同社では一人の女性社員が行方不明となっていた。時を同じくして同社の海外贈賄事件を調べていた所轄署の刑事が姿を消した。同署の刑事課長と同社社長は、かつてある事件で刑事とネタ元として信頼関係を築いていた。しかも、二人にはラグビーという固い絆もあった。しかし今、刑事課長は署長への道を模索、社長は本社役員の座を狙っている。二人それぞれの正義とは? 人生後半の男たちに決断の刻が迫る。警察小説+スポーツ小説+企業小説、堂場ワールドの集大成とも言うべき傑作。/解説=大矢博子
  • 月下の蘭/殺人はちょっと面倒
    3.0
    温室での洋蘭の栽培に全身全霊を捧げる美しい義姉。彼女が育てる人面花を巡る悲劇と戦慄の真相を描いた表題作ほか、花・星・蟲・鳥を題材として、幽玄の世界のうちに技巧を尽くした傑作ミステリ短篇集『月下の蘭』。かつて公安警察の鬼と呼ばれた盲目の老人と、彼の愛娘が伴った謎の客との会話が思わぬ過去を暴き出す「夜のジャスミン」ほか、男女の愛憎を中心に据え、鮮やかなツイストで読者を唸らせる『殺人はちょっと面倒』。幻の2冊を合本にて贈る。『血の季節』『弁護側の証人』など大胆な仕掛けで世を驚倒せしめた著者が、歌舞伎、能楽などの古典芸能をモチーフとした8篇を収録。【収録作】『月下の蘭』「月下の蘭――春は花」「残酷なオルフェ――夏は星」「宵闇の彼方より――秋は蟲」「ロドルフ大公の恋人――冬は鳥」/『殺人はちょっと面倒』「ラヴ・ホテル〈瀧〉にて」「殺人はちょっと面倒」「夜のジャスミン」「空白の研究 A Study in Blank」/『月下の蘭』初刊本あとがき/編者解題=日下三蔵
  • 現代詩人探偵
    3.8
    とある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者は別れ際に、これからも創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが……。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは? 気鋭の著者が描くミステリ長編。/解説=宇田川拓也
  • 恋牡丹
    3.0
    北町奉行所に勤め、若き日より『八丁堀の鷹』と称される同心戸田惣左衛門と息子清之介が出合う謎の数々。神田八軒町の長屋で絞殺されていたお貞。化粧の最中の凶行で、鍋には豆腐が煮えていた。長屋の者は皆花見に出かけており……「花狂い」。七夕の夜、吉原で用心棒を頼まれた惣左衛門の目の前で、見世の主が殺害された。衝立と惣左衛門の見張りによって密室状態だったはずなのだが……「願い笹」。惣左衛門と清之介親子を主人公に描く、滋味溢れる時代ミステリ連作集。移りゆく江戸末期の混乱を丁寧に活写した、第27回鮎川哲也賞最終候補作。
  • 壺中の天国 上
    3.4
    「全能にして全知の存在から発射されるメッセージを電波として受信しているが妨害者の存在を知ったので殺害を実行したものであり――」盆栽が趣味のシングルマザー・知子が、アイドルに夢中の一人娘と少々お節介な父親とのんびり平和に暮らす稲岡市。しかし犯行声明のような怪文書と共に女子高生の撲殺死体が発見され、静かな地方都市を揺るがす騒動の幕があがる! 通り魔殺人事件が起こるたびに発見される電波系怪文書。被害者を繋ぐミッシング・リンクとは。巧みにはり巡らされた伏線と規格外の推理が冴える、第1回本格ミステリ大賞受賞作。
  • 孤島の鬼
    4.3
    私(蓑浦金之助)は会社の同僚木崎初代と熱烈な恋に陥った。彼女は捨てられた子で,先祖の系譜帳を持っていたが,先祖がどこの誰ともわからない。ある夜,初代は完全に戸締まりをした自宅で,何者かに心臓を刺されて殺された。その時,犯人は彼女の手提げ袋とチョコレートの缶とを持ち去った。恋人を奪われた私は,探偵趣味の友人,深山木幸吉に調査を依頼するが,何かをつかみかけたところで,深山木は衆人環視の中で刺し殺されてしまう……! 鮮烈な読後感を残す大乱歩の長編代表作を,初出時の竹中英太郎画伯による挿絵を付してお届けする。

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  • この恋だけは推理らない
    3.8
    1巻1,899円 (税込)
    上城北高校二年二組、窓際一番後ろの席には『恋愛の神様』がいる。「彼女いない歴=年齢」なのに『恋愛の神様』として様々な恋愛相談を受ける、岩永朝司、十七歳。放課後やってきた二年三組の小井塚咲那は、「私に小説のネタになりそうなコイバナを教えてください!」と真剣な眼差しで頼みこんできた。恋愛小説家だというのに恋を知らない咲那は、コイバナと交換に『神様』の助手となり、恋愛相談を二人で解決していくのだが……。爽やかな余韻も美しい「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」大賞受賞作。
  • 湖畔亭事件
    3.9
    片山里の湖畔に旅装を解いてはみたものの、刺戟のなさから女湯の覗き見を始めた男。凝った仕掛けのレンズを通して無聊を慰めてみるが、或る夜を境に屈託の虜となる。女の背中を窺う短刀の一閃――我が目に映ったものは犯行現場か、妄執のなせる業か~! 傑作「湖畔亭事件」に初の新聞連載「一寸法師」を併載。

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  • 殺しへの招待
    4.0
    1巻660円 (税込)
    わたしはあなたがよくご存知のある男の妻です。ひと月以内にその男の死亡通知が届くでしょう。彼は実は殺されるのです。そして殺すのはわたしです。こんな殺人予告状が夫とその四人の知人宛に送られてきた。受け取った五人の男は、自分が手紙の中の条件に合致しているのに衝撃を受け、疑心暗鬼になりながらもなんとか対処の方策を得ようと知恵をしぼる。はたして標的とされているのは、この自分なのだろうか。だが、事態は二転三転。ユーモラスなタッチで描く、ひねりの利いたプロット。出色の長編推理!

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  • コーチ
    3.9
    期待されながら伸び悩む若手刑事たちの元に、警視庁本部から送りこまれる謎の男、向井光太郎。捜査上の失態を悔やみ、男社会での自身の立場についても苦悩する女性刑事。取り調べ係を目指しながら、容疑者である有名俳優相手に苦戦する刑事、尾行が苦手な刑事。彼らそれぞれに的確なアドバイスを与えるその男は、警務部人事二課所属だった。経験を積み、本部の捜査一課所属となり出会った三人は、向井との関わりを語り合い、彼の知られざる過去を探り始める。彼の過去と三人が担当する女子大生殺害事件が交錯し、見えてきた思いも寄らぬ事実とは?/解説=古山裕樹
  • 豪華客船エリス号の大冒険
    4.0
    新宿の荒城の事務所を一人の男が訪ねてくる。戦前欧州からの引き揚げ船で見た並走する船の消失事件。その船上にあった、美女の像の謎。それらの出来事を解明してほしい――。しかし男は、豪華客船への招待状と、伝説の犯罪者・夜叉姫からの挑戦状を残して、何者かに殺害されてしまう。事件解決のため豪華客船エリス号へ乗り込む、荒城と殿島。彼らを待ち受ける、船上での密室殺人に、夜叉姫から送られてくるメッセージ、さらに謎の暗号文。義手探偵・真野原も乱入し、驚愕の真相があぶりだされる! 『雲上都市の大冒険』に続くシリーズ第2弾。

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  • 強欲な羊
    3.8
    怖い、でもページを捲る手が止まらない!とある屋敷で暮らす美しい姉妹のもとにやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた数々の陰湿で邪悪な事件。ついには妹が姉を殺害するにいたったのだが――。はたして“羊の皮を被った狼”は姉妹どちらなのか?圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる“羊”たちの饗宴。揺れ動く男の心理と狡猾な女を巧みに描く「背徳の羊」。愛する王子と暮らす穏やかな日々が崩壊する過程を、女たちの語りで紡ぐ「ストックホルムの羊」ほか全5編。女性ならではの鋭い狂気が秀逸な連作ミステリ。
  • ご近所美術館
    3.4
    国道沿いのビル群の間にひっそりと建つペンシル・ビル。その二階に“美術館”はあります。のんびり寛げるラウンジは憩いの場として親しまれ、老館長が淹れるコーヒーを目当てに訪れるお客もちらほら。しかし、この度館長が引退することに……。後任としてきたのは、稀に見る美貌を持つ川原董子さん。そんな彼女に、常連の海老野くんは一目惚れしてしまいます。董子さんを振り向かせたい一心で、彼女の妹あかねさんの助けを借りつつ、来館者が持ちこむ謎を解決していく海老野くん。果たして、彼の恋の行方は? 恋する青年が美術館専属の探偵となって奮闘する、ほんわか連作ミステリ。/解説=大矢博子
  • 五色の殺人者
    3.6
    1巻1,699円 (税込)
    高齢者介護施設・あずき荘で働く、新米女性介護士のメイこと明治瑞希(めいじ みずき)はある日、利用者の撲殺死体を発見する。逃走する犯人と思しき人物を目撃したのは五人。しかし、犯人の服の色についての証言は「赤」「緑」「白」「黒」「青」と、なぜかバラバラの五通りだった! ありえない証言に加え、見つからない凶器の謎もあり、捜査は難航する。そんな中、メイの同僚・ハルが片思いしている青年が、最有力容疑者として浮上したことが判明。メイはハルに泣きつかれ、ミステリ好きの素人探偵として、彼の無実を証明しようと奮闘するが……。不可能犯罪の真相は、切れ味鋭いロジックで鮮やかに明かされる! 選考委員の満場一致で決定した、第30回鮎川哲也賞受賞作。/第30回鮎川哲也賞選考経過、選評=加納朋子 辻真先 東川篤哉
  • 五声のリチェルカーレ
    3.6
    昆虫好きの、おとなしい少年が起こした殺人事件。犯罪の低年齢化が進む今日では特に珍しくもない事件と思われたが、唯一動機だけは、少年も堅く口を閉ざしていた。家裁調査官の森本が接見で得たのは「生きていたから殺した」という謎の言葉。被害者は誰でも良かったという無差別殺人の告白なのか、それとも――。少年は何故、そして誰を殺したのか。最後まで隠されていた事件の〈真相〉を、あなたは見破ることが出来ましたか? メフィスト賞受賞の気鋭が技巧を尽くした表題長編に、短編「シンリガクの実験」を併録。

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  • ゴーストフォビア
    3.2
    いつもの憂鬱な朝、急に「サイキック探偵になる」と言い出した姉・芙二子に振り回される三紅。行方不明の女性の調査をすることになった二人は、事故物件を扱う不動産屋の神凪怜と出会う。三紅の心酔する霊能者に似たクールな印象の男性だが、どこか胡散臭い。しかし、偶然に三紅が神凪に触れた瞬間、聴力を失ったはずの右耳から、不思議な声が聞こえてくる。その一方、神凪も見えないはずのモノが見えているらしい――。デビュー作『強欲な羊』で度肝を抜いた新鋭が、様々な恐怖症をテーマにした四つの不可思議な事件で、貴方の心をえぐります。
  • 最良の嘘の最後のひと言
    3.7
    検索エンジンとSNSで世界的な成功を収めた企業・ハルウィンには、超能力研究の噂があった。それを受け、ハルウィンはジョーク企画として「4月1日に年収8000万で超能力者をひとり採用する」という告知を出す。そして審査を経て、自称超能力者の7名が3月31日の夜に街中で行われる最終試験に臨むことに。ある目的のために参加した大学生・市倉は、同じ参加者の日比野という少女と組み、1通しかない採用通知書を奪うため、策略を駆使して騙し合いに挑む。『いなくなれ、群青』、〈サクラダリセット〉の著者が贈る、ノンストップ・ミステリ。/解説=大森望
  • 叫びと祈り
    3.7
    砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理。《週刊文春》ミステリーベスト10国内部門第2位をはじめ各種ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた、大型新人のデビュー作。

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  • 殺人喜劇の13人
    3.2
    京都にあるD**大学の文芸サークル「オンザロック」の一員で、小説家を目指している十沼京一は、元医院を改装した洋館「泥濘荘」で、仲間とともに気ままに下宿暮らしをしていた。だが、年末が迫ったある日の朝、メンバーの一人が館の望楼から縊死体となって発見される。それをきっかけに、サークルの面々は何者かに殺害されていく。犯人は「泥濘荘」の中にいるのか?暗号や密室、時刻表トリックなど、本格ミステリへの愛がふんだんに盛りこまれた、名探偵・森江春策初登場作にして本格ミステリファン必読の書。第1回鮎川哲也賞受賞作。
  • サニーサイドエッグ
    3.5
    1巻715円 (税込)
    私は最上俊平、私立探偵である。ハードボイルド小説を愛する、根っからの私立探偵である。ペット専門の探偵ではないのだ、決して。ある日、若く着物姿も麗しい女性が事務所を訪れた。ペット捜しなら、もう――「うちの猫を捜してほしいんです」はい喜んで。1カ月ぶりの仕事ではないか。そうこうするうち、「ブロンドで青い目の若い」秘書まで雇えることに。私が独自に習得した、猫捜しの極意「サニーサイドを捜せ」を伝授し、愛しの依頼主のための捜査は順調に進むはずが……。あの名作『ハードボイルド・エッグ』の続編、いよいよ登場!

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  • サマー・アポカリプス
    4.0
    ラルース家事件の傷心を癒しきれないナディアは、炎暑のパリで見えざる敵の銃弾を受けたカケルに同行し南仏地方を訪れる。風光を愛でる暇もなく、心惹かれる青年と過ごす夏期休暇は、ヨハネ黙示録を主題とした連続殺人の真相究明行へと一変する。二度殺された死体、見立て、古城の密室殺人、秘宝伝説、いわくある過去……絢爛に鏤められたモチーフの数々が異端カタリ派の聖地というカンヴァスに描き出されるとき、本格探偵小説の饗応は、時空を超えて読む者を陶酔の彼岸へ誘わずにはいない。口笛が〈大地の歌〉を奏で、二重底に隠された最後のからくりを闡明する瞬間まで、探偵の座を明け渡す矢吹駆。その真意はいずこに?/解説=奥泉 光
  • さよならの次にくる〈卒業式編〉
    3.8
    1~2巻506~572円 (税込)
    「東雅彦は嘘つきで女たらしです。東雅彦は2月1日、こんなことをしていました」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。こんなものを貼ったのは誰だと騒ぐ部員たちが特定の人物を犯人扱いしそうになったとき、オーボエ主席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出る。渡会千尋。僕の初恋の人だ――。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人探しに取り組む「中村コンプレックス」ほか、葉山君の小学生時代のエピソード「あの日の蜘蛛男」、探偵役を務める伊神先輩の卒業式の日の出来事を描く「卒業したらもういない」など、〈卒業式編〉は4編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続く、ライトでコミカルな学園ミステリ第2弾、前編。

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  • 三人書房
    3.5
    大正8年(1919年)東京・本郷区駒込団子坂、平井太郎は弟二人とともに《三人書房》という古書店を開く。二年に満たない、わずかな期間で閉業を余儀なくされたが、店には女優・松井須磨子の遺書らしい手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれた──。同時代を生きた、宮沢賢治や宮武外骨、横山大観、高村光太郎たちとの交流と、数々の不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩の姿を通じて描く。第18回ミステリーズ!新人賞を史上最高齢の69歳で受賞した著者による、滋味深い連作集。/【目次】三人書房/北の詩人からの手紙/謎の娘師/秘仏堂幻影/光太郎の〈首〉/文庫版あとがき/解説=辻真先
  • 三人目の幽霊 落語シリーズ1
    3.2
    1巻550円 (税込)
    落語専門誌「季刊落語」の編集部は総員二名。入社早々配属された間宮緑は,その場で辞表を書こうかと世をはかなみかけたが,何とか気を取り直した。唯一の上司兼相棒は,この道三十年のベテラン牧大路。二と二を足して五にも十にもしてしまう,並外れた洞察力の主である。牧編集長にかかると,寄席を巻き込んだ御家騒動や山荘の摩訶不思議,潰え去る喫茶店の顛末といった“落ち”の見えない事件が,信じがたい飛躍を見せて着地する。時に掛け合いを演じながら,牧の辿る筋道を必死に追いかける緑。そして今日も,落語漬けの一日が始まる……。

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  • 三幕の殺意
    3.3
    その山小屋は尾瀬の名峰、燧ヶ岳が目の前にそびえ立つ尾瀬沼の湖畔にあった。昭和四十年――東京オリンピックが開催された翌年の、厳しい雪の訪れをひかえた十二月初旬。吹雪の晩、山小屋の離れに住む日田原聖太が頭を殴打されて殺された。山小屋にはそれぞれトラブルから、日田原に殺意を抱く複数の男女が宿泊していた。犯人は一体誰なのか。口々に自分のアリバイを主張する宿泊者たち。容疑者の一人でもある、刑事の津村武彦を中心に各々のアリバイを検証してゆく。最後の三行に潜む衝撃とは! 叙述トリックの名手として活躍した著者の遺作。

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  • サーチライトと誘蛾灯
    3.6
    ホームレスを強制退去させた公園の治安を守るため、ボランティアで見回り隊が結成された。ある夜、見回り中の吉森は、公園にいた奇妙な来訪者たちを追いだす。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された! 事件が気になる吉森に、公園で出会った昆虫オタクのとぼけた青年・エリ沢が、真相を解き明かす。観光地化に失敗した高原での密かな計画、〈ナナフシ〉というバーの常連客を襲った悲劇の謎。5つの事件の構図は、エリ沢の名推理で鮮やかに反転する! 第10回ミステリーズ!新人賞を受賞した表題作を含む、軽快な筆致で描くミステリ連作集。/【収録作】「サーチライトと誘蛾灯」/「ホバリング・バタフライ」/「ナナフシの夜」/「火事と標本」/「アドベントの繭」/あとがき/解説=宇田川拓也
  • サーチライトと誘蛾灯
    2.3
    1巻110円 (税込)
    わが街のドングリ公園は、住民から愛されるちょっとしたオアシスだ。治安を維持するため、吉森らボランティアの「見回り隊」が毎日パトロールしている。今夜の巡回も無事に終わると思いきや、いきなり喧嘩腰のカップルに絡まれるわ、怪しげな男が道具を組み立てているわ、さらには……。ここではいったい、何が起こっているのか? 夜の公園を訪れる奇妙な客たち。彼らの来訪と共に起きた事件の、意外な真相とは? ユーモアあふれる筆致で贈る、第10回ミステリーズ!新人賞受賞作。

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  • 残照 アリスの国の墓誌
    3.3
    1巻1,731円 (税込)
    新宿ゴールデン街に店を構えるバー『蟻巣』。ミステリ好きの客たちが夜な夜な推理を戦わした日々も今は昔、ついに閉店の日を迎える。大家に鍵を返却するまでのわずかな時間、ママの近江由布子と常連客たちが思い出すのは、看板猫・チェシャをなでながらパイプをくゆらせていた物静かな巨匠、やはり常連客だった今は亡きマンガ家・那珂一兵の姿――。別れの酒の肴にと語られた、一兵が遭遇したというふたつの衝撃的な事件の経緯と真相とは? 『蟻巣』閉店までの数時間を昭和のマンガ・アニメ史とともに描く本格ミステリ。日本推理作家協会賞受賞の『アリスの国の殺人』より35年、辻ミステリの集大成! オールスターキャストで贈る長編ミステリ。
  • 仕掛島
    3.7
    岡山の名士が遺した二通の遺言状。一通目の遺言に従って、一族の面々は瀬戸内の孤島・斜島に集められた。行方を晦ましていた怪しげな親族も姿を見せるなか、巨大な球形展望室を有する異形の館・御影荘でもう一通の遺言状が読みあげられた翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。折しも嵐によって島は外界から隔絶される事態に。館に招かれた私立探偵・小早川隆生と弁護士・矢野沙耶香の二人を奇怪な事件が待ち受ける。鬼面の怪人物の跳梁、密室から消える人影、二十三年前の悲劇――続発する怪事の果てに明らかとなる驚愕の真相は。謎解きの興趣を隅々まで凝らした本格推理長編。/解説=大山誠一郎
  • 死体埋め部の悔恨と青春
    3.8
    英知大学の新入生・祝部浩也は帰宅中に暴漢に襲われ、格闘の末に誤って男を殺してしまう。「助けてやろうか?」そこへ通りかかった大学の先輩・織賀善一の提案で、いったん死体を埋めに行くことに。だが死体を運ぶために乗り込んだ織賀の車の後部座席には、すでに“左手の指をすべて骨折した死体”が座っていた。死体処理で生計を立てる織賀になかば脅され、祝部はその手伝いをしながら奇妙な死体の謎を解くことに。ふたりだけの歪な部活動が行き着く先とは――。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、全面改稿の上、書き下ろしを加えて待望の復刊。
  • 七度狐 落語シリーズ2
    3.5
    1巻660円 (税込)
    落語と無縁だった間宮緑も職場に定着し、牧大路編集長の透徹した洞察力に舌を巻きつつ落語編集道を驀進中。夏のある日、緑は春華亭古秋一門会の取材を命じられ、静岡の杵槌村を訪れる。この会は、引退を表明している当代古秋が七代目を指名する、落語界の一大関心事だ。開始直前、折からの豪雨に鎖され陸の孤島と化した村に見立て殺人が突発。警察も近寄れない状況にあっては、名探偵の顔を持つ牧も電話の向こうで苛立ちを募らせるばかり。やがて肝腎の後継者候補が一人ずつ見立て殺人の犠牲に……。犯人捜しと名跡の行方、宿悪の累が相俟って終局を迎えたそのとき、全ての謎が解ける!あらゆる事象が真相に奉仕する全き本格のテイスト、著者初長編の傑作ミステリ。

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  • シチュエーションパズルの攻防
    3.6
    銀座の文壇バー『ミューズ』に夜な夜な現われる、大御所ミステリー作家・サンゴ先生こと辻堂珊瑚朗。普段はホステスにちょっかいを出し、葉巻をくゆらせ、バーボンをたしなむサンゴ先生だが、一度不思議な謎に遭遇すると、さりげなく推理を披露する。『ミューズ』でアルバイトする「僕」の視点から、ライバル作家との推理ゲームを繰り広げる「シチュエーションパズルの攻防」、銀座一のホステスの伝説を追う「ダブルヘッダーの伝説」など、五つの謎を描く。男女の駆け引きに絡む謎を軽やかに解き明かす、遊び心あふれる安楽椅子探偵ミステリー。
  • 熾天使の夏
    3.0
    学生運動に伴うリンチ事件の主謀者として三年間の刑務所生活を終え、男はひっそりと暮らしていた。ある日彼は、自分が尾行されていることに気づく。待ち伏せてみるとそれは昔の仲間であったのだが……。完璧な自殺それが問題だ――頭蓋の奥で響く小さな呟きを意識しながら、植民地都市へ向かい、飛翔を試みた、かつて革命の時を生きた男は何を思い、何を求めるのか? 矢吹駆の罪と罰を描いた、シリーズ第ゼロ作にして、笠井潔の原点! 幻の処女長編テロリズム小説。/講談社文庫版解説=竹田青嗣、創元推理文庫版解説=小森健太朗
  • 死と砂時計
    3.9
    死刑執行前夜、なぜ囚人は密室状態の独房で斬殺されたのか? どうして囚人は、人目につく満月の夜を選んで脱獄を決行したのか? 墓守が自ら一度埋めた死体を再び掘り返して解体した動機は――。世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄に収監された青年アランは、そこでシュルツ老人に出会う。明晰な頭脳を持つシュルツの助手となった彼は、監獄内で起きる不可思議な事件の調査に係わっていく――。終末監獄を舞台に奇想と逆説が全編を覆う、異形の本格ミステリ。第16回本格ミステリ大賞受賞作。/解説=円堂都司昭
  • 死の内幕
    3.0
    1巻440円 (税込)
    柏木啓子を中心にした内縁関係を続ける女性たちのグループは、メンバーの小田ます子から、長く付き合っていた愛人を過って殺してしまった、と告白される。彼らは架空の犯人をでっち上げたのだが、たまたまそっくりの人間が実在したことから、事態は思わぬ方向に向かい始める……。斬新な設定と、ユーモラスな展開、そして意外な結末――天藤真の真骨頂!

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  • 死の黙劇
    3.0
    月のない夜、華奢な欄干を破り、一台のタクシーが崖下に転落した。運転手は一命を取り留めたが、乗客の男は即死する。死者は顔いちめんに包帯を巻きつけていたものの、その下にはなぜか傷ひとつなかった。さらに死者の所持品からは探偵砧順之介の名刺が発見されたが、その名刺を死者が所持することは論理上不可能だった――奇怪な謎が読者を魅了する表題作ほか、書籍未収録の犯人当て短編などを所収。職業作家の道を選ばず、生涯に亙って緻密極まりない作品を執筆、巨匠鮎川哲也も畏敬した本格推理作家、山沢晴雄。その作風を一望できる作品を精選して贈る〈山沢晴雄セレクション〉。/【目次】砧最初の事件/死の黙劇/銀知恵の輪/金知恵の輪/見えない時間/ふしぎな死体/ロッカーの中の美人/密室の夜/京都発“あさしお7号”/編者解題=戸田和光
  • 紙魚の手帖Vol.01
    5.0
    「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈るシリーズ最新作。第21回本格ミステリ大賞の全選評も一挙掲載。さらに、第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」ほか、充実の創刊号。/【目次】『紙魚の手帖』創刊にあたって/【創刊記念特別エッセイ】投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉戸川安宣/【受賞作決定!】第31回鮎川哲也賞 選評  辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩/第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信/【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】三人書房 柳川 一●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚/【第21回本格ミステリ大賞全選評】第21回本格ミステリ大賞受賞作決定!/第21回本格ミステリ大賞選考経過/受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三/選評 小説部門/選評 評論・研究部門/【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】白が揺れた 櫻田智也●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作!/【読切】ゼロ 加納朋子●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ!/スフレとタジン 近藤史恵●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。/フォトジェニック 秋永真琴●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。/108の妻 石川宗生●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。/セリアス 乾石智子●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは……/魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす/【INTERVIEW 期待の新人】千田理緒『五色の殺人者』/大島清昭『影踏亭の怪談』/【BOOKREVIEW】[文芸全般]瀧井朝世/[国内ミステリ]宇田川拓也/[翻訳ミステリ]村上貴史/[SF]渡邊利道/[ファンタジイ]三村美衣/『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン/執筆者紹介/編集後記・次号予告
  • シャーロック・ホームズたちの冒険
    3.3
    シャーロック・ホームズとアルセーヌ・ルパン――ミステリ史に名を刻む両巨頭の知られざる冒険譚「「スマトラの大ネズミ」事件」と「mとd」。大石内蔵助が率いる赤穂浪士の討ちいりのさなか、雪の降り積もる吉良邸で起きた密室殺人「忠臣蔵の密室」。実はシャーロキアンだったアドルフ・ヒトラーがナチス・ドイツの戦局を左右しかねない事件に挑む「名探偵ヒトラー」。日本を訪れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が“怪談”の数々を解き明かす「八雲が来た理由」――在非在の著名人たちが名探偵となって競演する全五編。異才が虚実を織り交ぜ纏めあげた、奇想天外な本格ミステリ短編集。/解説=北原尚彦
  • シャーロック・ホームズの蒐集
    4.0
    1927年、アーサー・コナン・ドイルによる最後のシャーロック・ホームズ活躍譚「〈ショスコム・オールド・プレース〉」が《ストランド・マガジン》に掲載されて以降も、この不滅の人気を誇る名探偵の贋作は、数多くの作家によって書かれてきた。本書はそれらに連なる至高の傑作である。大英帝国を縦横無尽に駆け巡るシャーロック・ホームズと相棒ワトスン博士の〈語られざる事件〉を、世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて作品化した、最高水準のパスティーシュ。「ノーフォークの人狼卿の事件」「詮索好きな老婦人の事件」など6編を収録。【収録作】「遅刻しがちな荷馬車の事件」「結ばれた黄色いスカーフの事件」「ノーフォークの人狼卿の事件」「詮索好きな老婦人の事件」「憂慮する令嬢の事件」「曲馬団の醜聞の事件」/単行本版あとがき/単行本版解説=日暮雅通
  • 将棋殺人事件
    4.0
    窓ガラスいっぱいに、口紅を使って描かれた落書き。無言の電話。白紙の手紙。冷たい視線。そして彼女は悲鳴を絞り出した。きちんと揃えてあった彼女の靴が五、六足、今はことごとく、裏返しにされて置かれていたのである――そういえば先生、最近六本木界隈で流行っている噂、知ってる? お墓から少し離れた場所に一枚の紙が落ちているのを見つけ、何だろうと思って拾ってみると、それには謎々が書かれてあって――土砂崩れのせいで、地中に埋まっていた屍体が見つかったんだってさ。おや、屍体はふたつだ――いったい何が進行しているのか? 五里霧中の展開に眩暈を覚える異様な力作。少年探偵・牧場智久、第二の事件。

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  • 少女には向かない職業
    3.6
    1巻440円 (税込)
    中学二年生の一年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した。夏休みにひとり。それと、冬休みにもうひとり。……あたしはもうだめ。こわくて、どうしたらいいかわからなくて、いまにもからだが勝手に生命活動を停止してしまいそう。少女の魂は殺人に向かない。誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけ。宮乃下静香だけだったから――。これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。直木賞受賞作家が『私の男』に先駆け、過酷な運命に翻弄される少女の姿を鮮烈に描いた慟哭の傑作!

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  • 少女の時間
    3.7
    月刊EYESの小高直海経由で、ある未解決事件を調べ始めた刑事事件専門のフリーライター・柚木草平。2年前、東南アジアからの留学生支援のボランティアをしていた女子高校生が殺害され、都内の神社で発見された事件だ。しかし、話を聞き始めた翌日に、ボランティア施設と同じビルにある雑貨店の店員が急死してしまう。事故か殺人か、2年前の事件との関連を疑う柚木だが……。当時から女子高校生殺害事件を追う所轄の女性刑事、ビルオーナーの母と娘など、調査で出会う女性は美女ばかり。二つの事件に隠された真実にたどりつけるのか――。“永遠の38歳”柚木草平の軽やかな推理。/解説=大矢博子
  • 少年検閲官
    3.8
    何人も書物の類を所有してはならない。もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。僕は書物がどんな形をしているのかさえ、よく知らない――。旅を続ける英国人の少年のクリスは、小さな町で奇怪な事件に遭遇する。町じゅうの家に十字架のような印が残され、首なし屍体の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが……。書物が駆逐されてゆく世界の中で繰り広げられる、少年たちの探偵物語。メフィスト賞作家の野心作、《少年検閲官》連作第一の事件。

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  • 真実の10メートル手前
    3.9
    高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める。太刀洗はなにを考えているのか? 滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執――己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、土砂崩れの現場から救出された老夫婦との会話を通して太刀洗のジャーナリストとしての姿勢を描く「綱渡りの成功例」など粒揃いの6編。第155回直木賞候補作。/解説=宇田川拓也 ※本作品は 2018年3月22日まで販売しておりました単行本電子版『真実の10メートル手前』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
  • 新宿なぞとき不動産
    4.0
    新宿の不動産会社に勤める営業マン・澤村聡志。知識はあるが駆け引きが苦手な彼のもとにある日、成績優秀な後輩・神崎くららがパートナーとして異動してきた。以来、気が強く先輩使いの荒いくららに澤村は振り回される毎日に。さらに、担当していた大家に突然冷たくつき放されたり、入居者から部屋に現れる宇宙人を退治してほしいと無茶なクレームを入れられたり……物件に絡む謎の数々を解き明かすため、くららと二人、大忙しで走り回る! 新しくて古い街“新宿”に住む人々の悩みと謎を解決する、心あたたまる不動産ミステリ。『ツノハズ・ホーム賃貸二課におまかせを』改題文庫化。/【収録作】第一話 大家の事情/第二話 入居者の事情/第三話 入居申込人の事情/第四話 その土地の事情/エピローグ
  • Jの少女たち
    3.5
    「この手紙が阿南さんに届くなら。俺のことを思い出してください」――阿南、34歳の冬の事件。再生。九月に入ったばかりの暑い朝。少女は誰にも何も告げず、屋上から飛び降りた。その死の後、高校三年生の少年が突然失踪する。彼は家出前、元警官・阿南に手紙を送っていた。「人間は間違ってはいけない」という阿南の信条を引いて“自分の間違いを正そうと思う”と書き残して消えた少年を捜すため、阿南は調査に乗り出す。鮮烈な余韻を残す著者の初期最高傑作、ライフワーク・シリーズ第2弾。解説=坂東齢人
  • 自殺予定日
    3.6
    「美しく強かな継母が父を殺した」再婚してわずか一年半足らずで父が急死。遺産とビジネスを受け継ぎ生き生きと活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃はそう確信した。彼女は自らの死をもって継母の罪を告発しようと決意する。しかし自殺の名所として有名な山奥の森で首を吊ろうとしたところ、かつて同じ森で首吊り自殺したという“幽霊”と出会い、裕章と名乗る彼に継母の罪の証拠を一緒に探そうと提案される。瑠璃が決めた期限以内に見つからなければ、その時死ねばいいと。六日後──それが瑠璃の自殺予定日となった。継母の罪を暴き、父の無念を晴らせるのか?! すべての予想を裏切る、一気読み必至の傑作ミステリ!/解説=池上冬樹
  • 11文字の檻 青崎有吾短編集成
    3.7
    『体育館の殺人』の衝撃のデビューから10年。“平成のエラリー・クイーン”と称された青崎有吾は、短編の書き手としても高い評価を獲得し、作品の幅を広げ続けている。JR福知山線脱線事故を題材にした人間ドラマ「加速してゆく」、全面ガラス張りの屋敷で起きた不可能殺人の顚末「噤ヶ森の硝子屋敷」、観測不能な最強の姉妹を追う女たちの旅路「恋澤姉妹」、奇妙な刑務所に囚われた男たちの知力を尽くした挑戦を描く力作書き下ろし「11文字の檻」に、人気コミックのトリビュート作やショートショートまで、10年の昇華である全8編を収録。/【目次】まえがき/加速してゆく/噤ヶ森の硝子屋敷/前髪は空を向いている/your name/飽くまで/クレープまでは終わらせない/恋澤姉妹/11文字の檻/著者による各話解説
  • 情無連盟の殺人
    3.8
    1巻1,999円 (税込)
    徐々に感情が失われていく病「アエルズ」に罹患した、元麻酔科医・伝城英二。空腹は感じるがそれを不快には感じない。うまくもまずくもないので、食べ物にも興味がなくなった。ファッションや人間関係についても同様だ。毎日同じ料理を食べ、人付き合いも最低限にして暮らしていた英二はある日、アエルズ患者八名が共同生活を送る〈情無連盟〉から加入の誘いを受ける。だが英二が泊まりがけで見学に訪れていたさなか、連盟員の一人が殺害されてしまう。不可能状況下、しかもあらゆる欲求を失い、怒りも悲しみも感じない「情無」たちが集う屋敷で、なぜ殺人事件は起こったのか? 現役医師であり、ミステリーズ!新人賞受賞作家である著者が相棒・眞庵と共作した、本格犯人当て長編。
  • ジョン・ディクスン・カーの最終定理
    3.7
    J・D・カー生誕百周年の記念祭に伴い日本に上陸した幻の本――とある未解決犯罪実録集に、カーが解決を示唆する走り書きを残したことによって『カーの設問詩集』と呼ばれている一冊だ。そこには、巨匠は真相に至ったものの、なぜか未解決のままとなっている「ジョン・ディクスン・カーの最終定理」と呼ばれる不可能犯罪の概要が載っていた。この書物を持ち主から借り受けた大学生・友坂は、所属するゼミの教授や友人たちを別荘に集めて推理合戦を楽しむが、彼らは想像しえない“不可能犯罪”の渦中に巻き込まれる。短編「ジョン・D・カーの最終定理」を完全改稿のうえ長編化した傑作ミステリ。/解説=宇田川拓也
  • 神保町の怪人
    3.0
    百貨店の催事で古書展覧会が行なわれるようになった昭和42年春。詩集のコレクターである大沢から、古書収集の極意は「殺意」と聞かされた喜多は、彼が本を借りてはそのまま私物化しているという噂を耳にする。その後大沢が居合わせた展覧会で、稀覯書が忽然と消え失せた……本を手に入れるためなら手段は選ばない収集家の闇を描く「展覧会の客」、古書オークション開催者に翻弄される喜多が最後に意外な真相に辿り着く「『憂鬱な愛人』事件」、古書店で起きた盗難事件と、図書館での司書強殺。「電網恢々事件」の三編を収録する。/【目次】第一話 展覧会の客/第二話 『憂鬱な愛人』事件/第三話 電網恢々事件/あとがき/文庫版刊行にあたって/解説=北原尚彦
  • 過ぎ行く風はみどり色
    4.2
    邪険な扱いしかしなかった亡き妻に謝罪したい――一代で財を成した傑物・方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのはなんと霊媒師。自宅で降霊会を開いて霊魂を呼び寄せようというのだ。霊媒のインチキを暴こうとする超常現象の研究者までもがやって来て、方城家に騒然とした空気が広がる中、兵馬が密室状態の離れで撲殺されてしまう。霊媒は方城家に悪霊が立ち籠めていると主張、かくて調伏のための降霊会が開かれるが、その席上で第二の惨劇が起きた――方城家を襲う奇怪な連続不可能殺人の謎に挑むのは、飄々とした名探偵・猫丸先輩! 著者初期を代表する傑作長編。/解説=巽昌章/新版刊行によせて=倉知淳
  • スチームオペラ 蒸気都市探偵譚
    3.3
    蒸気機関を主な動力源とするメトロポリスに暮らす少女エマは、空中船《極光号》の船長である父を迎えるため港への道を急いでいた。船内の一室で、ガラス張りの“繭”に封じられた少年を発見し、解放してしまったエマは、彼と共に、その場に居合わせた名探偵ムーリエに弟子入りして都市で頻発する不可能犯罪を調べることになり……。夢溢れる空想科学世界を舞台に贈る傑作本格ミステリ!/解説=辻真先
  • 砂の城の殺人 美波の事件簿3
    3.6
    父が行方不明になってから五年が経った冬。高校一年生のわたし・倉西美波は、不可抗力により「二日で五万円」という超破格のバイトをすることになった。山奥に踏み込んでは廃墟を撮影するというカメラマンの助手を請け負うことになったのだけれど、向かった先は危険だらけ。やっぱり楽には稼げないと落胆するも、なんと、ボロボロの屋敷でミイラ化した死体を発見してしまった! しかもそれが十二年もの間行方が知れなかった、カメラマンの母親だというからさらに驚いてしまって……。降りしきる雨の中、閉ざされた廃墟で次々と人が死んでいく。清新な筆致と、大胆なトリックで贈る、注目のシリーズ第三作。

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  • スペース
    3.8
    前作『魔法飛行』で生涯最大の冒険を経験した入江駒子は、その余波で風邪をひきクリスマスを寝て過ごすことに。けれど日頃の精進ゆえか間もなく軽快し、買い物に出かけた大晦日のデパートで思いがけない人と再会を果たす。勢いで「読んでいただきたい手紙があるんです」と告げる駒子。十数通の手紙に秘められた謎、そして書かれなかった“ある物語”とは? 手紙をめぐる《不思議》にラブストーリーの彩りが花を添える連作長編ミステリ。伸びやかなデビュー作『ななつのこ』に始まる、駒子シリーズ第三作。/解説=光原百合
  • 青春探偵ハルヤ
    4.0
    【2015年10月より、Kis-My-Ft2の玉森裕太さん主演で連続ドラマ化!(読売テレビ・日本テレビ系全国ネット)】浅木晴也は、アルバイトで生活費を稼ぎながら大学に通う貧乏青年。彼の許にある日、悪友の和臣が報酬付きの相談事を持ちかけてくる。仕方なく引き受けたストーカー撃退の依頼だったが、いざ待ち伏せして捕えた不審者は人違い。事情を聞くと、一人暮らしの妹と連絡がつかなくて、心配で様子を見にきていたらしい。妹思いの男が放っておけず、晴也は女の子の捜索も請け負うことに。脅迫者との交渉、女子寮の盗撮犯捜しと、次から次へと芋づる式に厄介事は増えていく……。トラブル解決に奔走する青年の慌ただしい日々を、軽快な筆致で描いた青春小説。
  • 世界記憶コンクール
    4.0
    ある日、萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。昔から見た物を瞬時に覚えてしまう力に長けた博一は、養父の勧めもあって募集に応じ、見事採用となった。高い給金を受け取りながら、大学教授から記憶力の訓練を受けていた博一だが、あるときから教授と全く連絡が取れなくなり、友人の高広に相談を持ちかけたところ――(表題作)。明治の世に生きる心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年の出会いをはじめ、明治の世に生きる人々の姿を人情味豊かに描いた5篇を収録した作品集。〈帝都探偵絵図〉シリーズ第2弾。

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  • 切断
    3.9
    1巻550円 (税込)
    《黒川博行警察小説コレクション》 病室で殺された被害者は、耳を切り取られ、さらに別人の小指を耳の穴に差されていた。続いて、舌を切られ前の被害者の耳を咥えた死体が見つかり、猟奇的な連続殺人事件に警察は色めき立つ。見えない犯人像、はたして次に狙われるのは誰か? 被害者同士にどんな繋がりがあるのか? 大阪府警捜査一課海部班の久松刑事を中心とした地道な捜査は実を結ぶのか? 犯人側と捜査側、過去と現在の視点が複雑に交わりつつ、事件の全貌が明らかにされていく――。これまでの警察小説コレクションとは一線を画す、ノワール趣向の強い著者渾身の初期作品。 ※本作品は東京創元社、KADOKAWA / 角川書店で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。

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  • 刹那の夏
    3.6
    1巻2,200円 (税込)
    災害により甚大な被害を受けた地にボランティアとして訪れた女性二人組。宿の娘は、生涯独身を貫いた伯父の遺品であるミニチュアの文机と本が入れられたボトルを彼女たちに見せる。ボトルの中の本の開けない頁に記されているはずの言葉をみつけるため、三人は伯父が少年時代の夏の追憶を綴ったノートから、隠された秘密を探っていく――表題作ほか、通り魔殺人が連続して起きている北の果ての町で、アパートの隣室同士になった孤独な男女の交流が思わぬ展開を遂げる「地の涯て(ランズ・エンド)」など五編を収録する。〈七海学園シリーズ〉の名手が満を持して贈る、技巧と叙情が紡ぐミステリ短編集。/【目次】刹那の夏/魔法のエプロン/千夜行/わたしとわたしの妹/地の涯て(ランズ・エンド)
  • 蝉かえる
    3.9
    全国各地を旅する昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていた――。16年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか? エリ沢が意外な真相を語る「蝉かえる」。交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件のつながりを解き明かす、第73回日本推理作家協会賞候補作「コマチグモ」など5編を収録。注目の若手実力派・ミステリーズ!新人賞作家が贈る、第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞を受賞した、ミステリ連作短編集第2弾。/【目次】蝉かえる/コマチグモ/彼方の甲虫/ホタル計画/サブサハラの蠅/単行本版あとがき/文庫版あとがき/解説=法月綸太郎
  • 戦時大捜査網
    3.5
    1巻2,200円 (税込)
    国民服を着た、丸刈りの女の死体。なぜ男装していたのか、殺害現場はどこなのか、そしてこの女は何者なのか。一切が五里霧中のまま、同じ方法で殺害された別の死体が発見された……。1944年、戦争のため5名にまで人員を削減された警視庁特別捜査隊は、特高や軍、果ては空襲に邪魔されながら、真実を求めて懸命に捜査を続ける。特捜隊隊長、仙谷が最後に目の当たりにした異形の真相とは? 実力派が贈る戦時下警察小説の傑作、登場。
  • 双頭のバビロン 上
    4.3
    爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。ある秘密のため引き離されて育てられた、オーストリア貴族の血を引く双子――ゲオルクとユリアン。ゲオルクは名家の跡取りとして陸軍学校へ行くが、決闘騒ぎを起こし放逐されたあげく、新大陸に渡って映画制作に携わる。出生自体を否定された片割れのユリアンは、ボヘミアにある廃城〈芸術家の家〉で、謎めいた少年ツヴェンゲルと共に高度な教育を受けて育つ。双子はそれぞれ全く異なる道を歩むかに見えたが……現代文学の最高峰を極めた名手が魔術的筆致で描く傑作ミステリ。
  • そして誰もいなくなるのか
    3.6
    1巻1,799円 (税込)
    ミステリ作家デビューを夢見る小松立人は、学生時代にとある犯罪に手を染めた。家庭教師先のタンス預金二千万円を、知人同士四人でこっそり盗み出したのだ。ほとぼりの冷めた十年後、盗んだ金を掘り起こすために集まった小松たちは、崖崩れに巻き込まれて命を落とした。――はずなのに彼らは、死神から一週間の猶予期間を申し渡され、事故の七日前に戻る。期間中は仲間を殺害することで相手の残りの寿命を奪うことも可能だという。死までの一週間、小松はこの奇妙な出来事を小説に仕立てて新人賞への投稿を目指すことに。しかし、仲間たちは次々と……。独特な感性で描く、“特殊設定×サスペンス”長編。
  • その絆は対角線
    3.4
    内気な性格に悩む中学生の千鶴は、自身を変えるための新しい挑戦として、“憧れの国”と呼ばれる四谷のカルチャーセンターに通い始める。そこで出会ったのは、性格も学校も異なるがそれぞれに悩みを抱える同い年の、桃、真紀、公子。なぜかいつも講座でささやかな謎に遭遇する彼女たちは、時にぶつかり合い、時に支え合いながら、事件を通して自分の内面を見つめ直していく。創作講座で絶賛された作者不明の原稿、経済学講座を担当するカリスマ講師を巡る盗難事件。それらの謎を解き明かした時に、少女たちは成長していく。温かな青春ミステリ。
  • その時鐘は鳴り響く
    3.9
    東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。赤羽署初の女性刑事・黒光亜樹は、本庁から来た癖の強い先輩刑事とコンビを組まされ、彼と対立しながらも懸命に捜査を続けるが、なかなか容疑者は浮かんでこない。同じ頃、松山大学マンドリンクラブのOG・国見冴子は、仲間二人と母校の取り壊し予定の部室棟を訪れていた。すると部室の黒板に、三十年前に失踪したクラブのメンバー・高木圭一郎が最近書き残したと思しき「その時鐘は鳴り響く」を見つけて驚く。それは四年生の夏合宿で事故死した篠塚瞳を含め、五人の間で頻繁に言い交わしていた言葉だった。瞳の死後に失踪した高木は、なぜ今になって部室を訪れ、この言葉を残したのか? 冴子たちは当時の事故について調べ始めるが……。日本推理作家協会賞受賞作家の新境地、慟哭と郷愁のミステリ。
  • 算盤が恋を語る話
    3.8
    “乱歩の前に乱歩なく、乱歩のあとに乱歩なし”と称される巨星が、こよなく愛した純粋本格に果敢なアプローチを試みた佳品「一枚の切符」を始め、「黒手組」「日記帳」「盗難」「夢遊病者の死」など執筆活動最初期の試行錯誤を通して生み出した色とりどりの短編十編を収録。

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  • 太鼓叩きはなぜ笑う
    3.9
    数寄屋橋近くの三番館ビル六階にバー〈三番館〉がある。落ち着いた雰囲気の、いい店だ。少し早い時間に行くと、達磨大師然としたバーテンがひとりグラスを磨いている。常連の私立探偵は、依頼された仕事を持て余すたび、雑学の大家であるこのバーテンに知恵を借りに来る。どんな事件も、たちどころに解き明かしてくれるのだから!本格ミステリの巨匠が生んだ安楽椅子探偵、ここに登場。最終行の切れ味が素晴らしい「竜王氏の不吉な旅」など5編を収録。収録作品=春の驟雨/新ファントム・レディ/竜王氏の不吉な旅/白い手黒い手/太鼓叩きはなぜ笑う/解説=白峰良介
  • 退職刑事5
    3.5
    父が状況を聞いて事件を再構成する力に、私は幾度舌を巻いたか知れない。硬骨の刑事魂は、退職したところで一向錆びつきはしないのだ。私の現職刑事ぶりが気になって、足繁く団地へ話しに来るのもわかる。しかし「わたしが俳句に凝ったりしたら、お前が困るだろう、事件の解決が長びいて」などと言われると立つ瀬がなくなってしまう……。退職刑事若かりし頃の事件「凧たこあがれ」や、何とも皮肉な結末に問題発言が飛び出す「Xの喜劇」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第5集。/【収録作】「落葉の墓」/「凧たこあがれ」/「プールの底」/「五七五ばやり」/「闇汁会」/「遅れた犯行」/「あくまで白」/「Xの喜劇」/解説=津田裕城
  • 退職刑事4
    4.0
    推理作家の椿正雄さんには、元刑事の父が何かとお世話になっている。ダイイング・メッセージだの殺人予告だの、父の衰えを知らない好奇心を満たすような話の相手も、少なからず務めてくれているらしい。その椿さんがわざわざ一席もうけるという。非番の日を見繕って現職刑事である私まで招ぶからには、魂胆ありと見たが……。現職退職両刑事と推理作家が故人の梗概(ミステリ)を巡って文殊の智慧を絞る「あらなんともな」など、退職刑事の健在ぶりを示す8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第4集。/【収録作】「連想試験」/「夢うらない」/「殺人予告」/「あらなんともな」/「転居先不明」/「改造拳銃」/「著者サイン本」/「線香花火」/解説=田中博
  • 退職刑事6
    4.0
    私が概略を話すと、父は目を閉じて首を垂れる。ややあって顔を上げたときには、まず事件は解決したと思っていい。父のお蔭で迷宮入りを免れた事件もかなりの数になり、老いてなお旺んな好奇心と推理力には脱帽するしかない。推理作家の椿氏も、父の安楽椅子ならぬ炬燵探偵ぶり、窓がまち探偵ぶりに惚れ込んでいる。退職刑事が調べて現職刑事が寝台探偵を務めるという逆の構図で描かれる「拳銃と毒薬」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第6集。/【収録作】「つまらぬ事件」/「桜並木の一本の桜」/「死は木馬にのって」/「拳銃と毒薬」/「耳からの殺人」/「馬の背」/「針のない時計」/「昔の顔」/あとがき=都筑道夫/解説=西澤保彦
  • 太陽が死んだ夜
    4.0
    ニュージーランドの全寮制女子校に、親友のバーニィと共に編入してきたジュリアン。彼女は同校を卒業した祖母が遺した手記と、古い手紙を携えていた。手記には、第二次大戦中に同校の教会堂で起こった残虐な殺人事件が、手紙には復讐をにおわせる不吉な一文が書かれていた。教会堂にお籠もりするという伝統行事の夜、ジュリアンと6人の同級生に、過去の事件と酷似した状況で悲劇がふりかかる……。これは41年前の事件の再現なのか? 少女たちを脅かす封印された謎とは? 第20回鮎川哲也賞受賞作。

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