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Posted by ブクログ
乱歩作品は地の文が紙芝居みたいに大げさなところが時代がかっていてとても好きです。「ああこれは一体どういうことであろうか!さてまた来週。」みたいに解決が焦らしまくられるのがもどかしくもあり、楽しくもあり。創元推理文庫版は連載当時の挿絵がついてるのですが、この挿絵がまた素晴らしい。
犯人は早々に検討がついたけど、唇のない男の不気味さとか、倭文子がじわじわといたぶられる様とかが鬼気迫るものがありぞくぞく来ました。風船を使った空の逃走劇も、明智小五郎の「実はこれこれこういう仕掛けがあったのだよ、ははは!」の一言であっさり解決してしまう謎も、THE・古き良き時代の探偵小説!という感じで、楽しめました。やっぱり乱歩は面白い。
この作品で小林少年初登場だそうです。文代さんは肝据わっててかっこいいな。
Posted by ブクログ
美貌の未亡人に迫る魔の手と対峙する名探偵・明智小五郎。
タイトルの吸血鬼は、人の生き血を啜るモンスターというよりは、
墓場から蘇るアンデッドのイメージで、復讐に執念を燃やす神出鬼没の怪人の意。
元々新聞連載だった作品ということで、
小刻みに山場を作ってアレコレてんこ盛りになっているため、
果たして細部の辻褄は合うのか、ちゃんと落着するのか――
などと、余計な心配と共に読み進めたが、
「二回転半ひねり」ぐらいで意外にきちんと着地していたので驚いた(笑)
というか、内容云々より、乱歩お得意の名(迷?)調子を堪能するが吉、
なんだろうな。
そして、岩田専太郎画伯の妖美な挿絵にウットリ。
ところで【自注自解】に、小林少年は初登場から時を経ても、
ずっと13~14歳で「少しも年をとらないのである」とあるのを読んで、
それこそ吸血鬼みたいじゃないか!
とツッコミ入れたのは私だけじゃない……よね??
Posted by ブクログ
乱歩と言えば、猟奇的な犯罪者やグロテスクな描写などが特徴とおも思えるが、現代小説の方がもっともっと過激となっている。それでも乱歩の魅力が衰えないのは、それ以外の何かがあるに違いない。
当時の雰囲気なのか、文体なのか。他の作家にはない乱歩ならでは魅力がある。
緻密なミステリを期待すると、違うと思うのだが、日本の推理小説界にとっては、やはり財産なのでは。
本作は、乱歩のもう一つの特徴である名探偵明智小五郎とその助手小林少年が登場することも魅力のひとつである。
世間を騒がす怪しい犯罪者との荒唐無稽とも思える大活劇。少年版の「怪人二十面相」シリーズに通じるものもあり、懐かしくもワクワクする部分も。
Posted by ブクログ
時代背景がとても古いので、今の時代では本当に有り得ない犯人のやり方・トリック。それが逆に趣があって面白かった。いかにも、昔の探偵小説という感じだろうか。また、今の推理小説やミステリと違って、何かと驚くほど大胆な気がする。展開もトリックなども、犯人の逃げ方とかも。そんな独特の世界観に、さらに大きな影響を与えてくれるのが妙にリアルな挿絵(というか劇画?)で、雰囲気を最高に良い具合に出してくれてる。そもそも、結構、グロテスクな雰囲気満載のお話なのだが、冒頭の「一人の女性を命がけで取り合う(つまり決闘)」いうなかなか無いようなすごいシーンから、一気に引き込まれていく作品だった。
読むことによって何かを感じることの出来るような作品ではないのだけど、 読み応えはとてもある。続きが気になってしまって、途中で読むのをやめることができなくなるような。なんともいえない気持ち悪さも、面白さを増すのだ。唇の無い不気味な男って。こんな登場人物とは、江戸川乱歩作品以外ではそうそうお目にかかれないではないか。そして、私はこの本で江戸川乱歩のファンになった。
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