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邪険な扱いしかしなかった亡き妻に謝罪したい――一代で財を成した傑物・方城兵馬の願いを叶えるため、長男の直嗣が連れてきたのはなんと霊媒師。自宅で降霊会を開いて霊魂を呼び寄せようというのだ。霊媒のインチキを暴こうとする超常現象の研究者までもがやって来て、方城家に騒然とした空気が広がる中、兵馬が密室状態の離れで撲殺されてしまう。霊媒は方城家に悪霊が立ち籠めていると主張、かくて調伏のための降霊会が開かれるが、その席上で第二の惨劇が起きた――方城家を襲う奇怪な連続不可能殺人の謎に挑むのは、飄々とした名探偵・猫丸先輩! 著者初期を代表する傑作長編。/解説=巽昌章/新版刊行によせて=倉知淳
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Posted by ブクログ
猫丸という特異なキャラクターを登場させながらも、重厚な言葉選びの文章が小説全体の格調を保っている。心情描写(特に佐枝子の)が端的に言えばかなり文学的。途中は少しクサすぎるなとも思ったが、ラストシーンできれいに収まった。
作品全体としてオカルトと理性の対立が一つのテーマであるが、オカルトを最後まで否定しきらないのがよかった。それは次の猫丸のセリフに表れている。
『そういう信念の前じゃ、僕のちゃちな推理なんて霞んじまいますね』
あくまで論理的に犯人を指摘しながらも、フミの信念に基づいた行動を否定しない。この場面かなりいい。
トリックは佐枝子が盲目であるということを読者に明言しない叙述トリックに基づく人の取り違え(トリックというかほとんど偶然)。犯行全体も猫丸の言うように偶然うまくいったもの。
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小説・文芸
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