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箱庭旅団
短篇の名手、朱川湊人の新境地アンソロジー! 雨が降ると訪ねてくるあの子の足音、夕凪の浜辺で聞こえるあの人の声……。思わず涙がこぼれる、出会いと別れの物語。現在、過去、未来、そして虚構の世界――それぞれを「箱庭」に見立てて紡がれた、涙あり、笑いあり、恐怖ありの珠玉の物語が一冊に。“出る”と噂の部屋に住んだホラー小説家、夜中に母を待つ男の子のもとを訪ねてきたカラスのような男、一冊しか本のない図書館に導かれた姉と弟、雨が降ると現れる亡くなった孫を待つ祖母など、16の物語世界を、少年は白馬とともに旅をする。切なくもどこか懐かしい連作短編集。 -
サロメ
現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。 このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。彼の名は、オーブリー・ビアズリー。 マクノイア曰く、「とにかく、世界は知ったわけだ。あのオスカー・ワイルドを蹴散らすほどの強烈な個性をもった若い画家が存在するということを」。 保険会社に勤める病弱な青年・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になるが、その後、肺結核のため25歳で早逝。 フランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。 退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
文豪たちの怪しい宴
討論会の帰り道、ふと立ち寄ったバー〈スリーバレー〉。そこでの女性バーテンダーとの会話から、彼女が以前から感じていた夏目漱石の『こころ』に関する疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、こんな場末のバーで講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで議論は白熱し……。太宰治『走れメロス』はセリヌンティウスの夢だった? 『銀河鉄道の夜』は宮沢賢治と父親の物語? 芥川龍之介『籔の中』の真犯人は誰? 文学談義4編で贈る、『邪馬台国はどこですか?』シリーズ第5弾! -
電車を止めるな! 呪いの6.4km
2019年夏、まさかの映画化! オリエンタルラジオ・中田敦彦氏、推薦! 銚子電鉄社長・非推薦!?(笑)「決して読まないでください!」本書は、廃線寸前の銚子電鉄を舞台にした、笑って泣けて、ちょっぴり怖い超C(銚子)級エンターテインメント作品です。倒産寸前の銚子電鉄が起死回生の心霊電車イベントを実施するが、ライブ配信中に社員によるヤラせが発覚し、ネットで大炎上してしまう。しかしその時、突然かかってきた携帯電話から、子供の幽霊の声が……!? そして運転士が倒れ、電車は暴走し始める。本物としか思えない心霊現象が次々と起きる中、このまま終着駅まで到着すると、大惨事は必至。乗客と銚子電鉄の運命は!? 本書の印税の一部は、著者の意向により、銚子電鉄へ寄付されます。ぜひ、本書を通じて、本当に電車が止まらないように銚子電鉄を応援していただけると幸いです。映画「電車を止めるな!」原作。 -
真実の10メートル手前
高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める。太刀洗はなにを考えているのか? 滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執――己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、土砂崩れの現場から救出された老夫婦との会話を通して太刀洗のジャーナリストとしての姿勢を描く「綱渡りの成功例」など粒揃いの6編。第155回直木賞候補作。/解説=宇田川拓也 ※本作品は 2018年3月22日まで販売しておりました単行本電子版『真実の10メートル手前』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。 -
マッドファーザー
ホラーフリーゲームの大人気作『マッドファーザー』がついに小説化! 禁忌の研究に打ち込む父、夫を止められずに逝った母、そして、二人の血を受け継ぐ娘・アヤ――それは“愚かな家族の物語”。【あらすじ】ドイツ北部の郊外にたたずむ巨大な屋敷に住む少女・アヤ。1年前に母親を亡くした彼女は、研究者である父親とその助手のマリアの3人で暮らしていた。父親とマリアは、夜な夜な怪しげな研究に没頭しており、アヤを研究から遠ざけている。父を心から愛し、尊敬するアヤは、その研究が「禁忌」と言われるものと勘付きながらも目をそむけて過ごしていた。そうして迎えた母の一周忌の夜、アヤの耳に男の悲鳴が聞こえてきて――。 -
30ポイントで読み解く 吉田松陰『留魂録』
「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」の句で始まる吉田松陰の『留魂録』――。自身が処刑される直前、松下村塾の門下生に向けて書いた文字通りの“魂の遺書”だ。牢獄の中から愛弟子たちへ切々と最後の訓戒を述べ、死に直面して悟り得た「死生観」を書き記したその内容は格調高く、現代でも読む者の心を打たずにはおかない。事実、松陰が遺した『留魂録』は長州藩士を中心に回読され、志士たちのバイブルとなり、幕末維新の原動力ともなった。本書は、そうした凄まじい“感化力”を秘めた『留魂録』のエッセンスと後世に与えた影響を、「大和魂を伝承せよ」「誠を貫け」「後世の評価に委ねよ」「学問の力を信じよ」「志を継承せよ」「尊王攘夷を実現せよ」「京都に学校を創れ」「死を恐れず志を全うせよ」など、30ポイントに分けて解説していく。死して時代を動かした男の“魂のメッセージ”が現代に甦る! -
きみとの明日を消したい理由
「これからずっと、死ぬために生きるつもりなの?」 高校2年の祈里は、体調が優れず伯父が働くクリニックに行くと、あと数年しか生きられない病気だとわかる。 これまでの友人関係も、将来のために頑張っていた勉強も無駄になると絶望し、心の拠り所だったより江さんの家に向かう。 すると、なぜか去年同じクラスだった春日井くんがいて、より江さんは祖母であること、さらに亡くなったことを知らされる。 遺品整理を手伝ううち、どんどん彼に惹かれていくが、このまま好きでいていいのか、悩みは募るばかりで―。 『交換ウソ日記』、「世界は「」で」シリーズの著者が描く、号泣必至の青春恋愛小説。 -
よくがんばりました。
だんじりが駆けめぐる祭りの夜。 決して交わることのなかった 父と息子におとずれる奇跡。 著作累計100万部を突破した 小説家・喜多川泰が紡ぐ心の再生物語。 [あらすじ] 中学校の社会科教師として30年のキャリアをもつ石橋嘉人は、心が不安定な新米教師・山吹日奈の面倒をみながら、コロナ禍で大きく変化する教育現場や子どもたちの心情に憤りを感じていた。ある日、愛媛県警からの連絡で実父が亡くなったことを知る。父親とは38年前、逃げるように母親と家を飛び出してから会っていないうえに、自分の記憶からも消していた存在だった。時はちょうど「西条まつり」が行われる秋の10月。江戸時代から続く日本一のだんじり数を誇る祭りの高揚感が、唯一の父親との記憶を蘇らせた。義人は、生まれて初めて父親の実像と向き合う決心をする。それは、自分の心を癒す再生の時間でもあった。 [本文より] 自分に与えられた条件のなかで、起こることすべてを受け入れて、誰にもその苦しみを理解してもらえないままに、ひとつの旅を終えた人に対して湧いてくる言葉は、嘉人のなかではひとつしかなかった。 「よくがんばりました」 そしていつか自分も人生を終えるときに、誰かが、誰でもいい、たった一人でもいいから、自分に対してそう言ってくれたら、自分の人生は報われるんじゃないか。そう思えた。 人間の凄さっていうのは、 すべての人が、その人の人生を 懸命に生きているところにある。 -
私はただ、「生きてる~!」って叫びたいだけだったんだ
月間ブログアクセス56万! 大人気ブロガーによる「生きてる実感」が手に入る、実用エンタメ小説。 寝たきりになった主人公が ベッドの上で見つけた半径0メートルの幸福論とは? 「生き方を変えるのに、一歩も必要ないから!」 エリート営業マンだった主人公が、 整骨で事故に遭い、ある日突然寝たきりに! そんな主人公の前に現れたのは、 自分そっくりな「もう1人の自分」でした。 しかし、性格は似ても似つかぬ、 超スパルタな自分だったのです。 彼女の正体は、主人公自身の魂とかで……。 なんでも寝たきりの主人公を ベッドから一歩も動かすことなく、 幸せに導くために目の前に現れたとか。 こうして寝たきりの主人公は、 スパルタな彼女のもとで、 強制的に「生きるとは何か」と 向き合わされることになったのでした。 これは、お金も、仕事も、恋愛だって それなりにうまくいっていたのに、 どこか虚しさを抱えながら生きていた主人公が、 「生きてる~!」と、 心の底から叫べるようになるまでの物語です。 【目次より】 第1章 「自分探し」って言うけど、その「自分」の正体って何? 第2章 己の魂をピカピカに磨く方法 第3章 私たちはなぜ、この世に生まれてきたのか? 第4章 ねえ、生きてる実感、欲しくない? -
ののぺディア 心の記憶
惜しまれつつも2020年末に解散したダンス&ボーカルグループE-girls。パフォーマーとして9年の歳月を全力疾走した山口乃々華が、1年10ヵ月(2019年3月~2020年12月)にわたり綴った初エッセイ。多感な日々から湧きあがった想い、発見、希望を「あ~わ」のキーワードに落とし込み、自身の気持ちと真摯に向き合って文字にした“心の事典"。「自分の心と素直に向き合っていくことが何より大切なのだと、書くことを通して、何度も痛感し、乗り越えることができました(あとがきより)――飾らず真っすぐに気持ちを表現した本著は、読者にステイポジティブなパワーを届けてくれる一冊。GINGER公式WEBサイトでの連載と、E-girlsでの日々を綴った書下ろし、撮り下ろしのビジュアルを収録。 -
スローバラード Slow ballad
連鎖する事件に蘇る絆 30年の歳月は誰を変えたのか―― 東京・北千住で珈琲店〈弓島珈琲〉を営むダイは53歳になる。中庭の桜が舞うある日、学生時代のバンド仲間・ヒトシの息子が家出したとの連絡が入る。同時にストーカー騒ぎも発生、学生時代をともにした仲間たちが〈弓島珈琲〉にふたたび集結。「あの頃」に封印した事件の真相も浮かび上がり……。青春のほろ苦さが心に響く珈琲店ミステリー! 『モーニング Mourning』『コーヒーブルース Coffee blues』『ビタースイートワルツ Bittersweet Waltz』に続く、〈ダイ〉シリーズ第4弾。 解説/藤田香織 -
ワルツを踊ろう
容疑者は村人全員! ? 20年ぶりに帰郷した了衛を迎えたのは、閉鎖的な村人たちの好奇の目だった。 愛するワルツの名曲〈美しく青きドナウ〉を通じ、荒廃した村を立て直そうとするが……。 雄大な調べがもたらすのは、天啓か、厄災か⁉ 著者史上最狂・最悪のどんでん返しミステリ! 「まっさらで読めば、滝川野菜のところで おりょ?と騙されます。 あーラッキーだなー自分。最高に楽しんじゃいました。」 新井見枝香(三省堂書店) ●あらすじ 金も仕事も住処も失った“元エリート”溝端了衛が帰った故郷は、7世帯9人の限界集落に成り果てていた。 携帯の電波は圏外。住民は曲者ぞろい。地域に溶け込もうと奮闘する了衛の身辺で、不審な出来事が起こりはじめ……。 -
レシピ泥棒
二ノ宮千佳。彼女は世界中のレストランやホテルの格付けを行う覆面調査員。ミシュランやゴ・エ・ミヨなど名立たるガイド誌から極秘裏に調査を依頼され、店の実態をつまびらかにするのが本来の仕事らしい。 第1話 星の魔力 依頼人はミシュラン本社のミシュランガイド担当幹部。フランスの星付きオーベルジュについての酷評のメールや投書が大量に編集部に届くという。味もサービスも、以前より格段にあがっているのに、なぜ? その真相とは。 第2話 カリスマ 依頼人は大手外食チェーンの開発担当。行列ができる人気ラーメン店<すずらん>の味の秘密を探ってくれという。果たして、その煮干しベースの醤油ラーメンの美味しさの秘密とは? 第3話 エトランジェ 依頼人は女性起業家。子供の頃に祖母が連れて行ってくれたお店で食べたフライのようなものをもう一度食べたい。揚げ物料理だけど、天ぷらやトンカツとは違う。洋食屋のフライのような、優しい味。あれは一体何だったのか? -
オネエ産婦人科
(あらすじ) 主人公は、人とのコミュニケーションが苦手だが、「胎児の声が聴こえる」という特殊能力をもった産婦人科医師・橘継生(32歳)。 勤めていた総合病院で、担当患者が“産後うつ”で自殺してしまったことをきっかけに、バーンアウトしてしまう。 心機一転、地方の小さなクリニック・尾音産婦人科でやり直すことになったものの、 そこは、人情味溢れる「オネエ」の助産師や筋肉マニアでノリの良いゲイの院長、とても男性だったとは思えない美人心理士など、 様々なジェンダーかつ強烈で愛すべき個性をもった人たちが働いているクリニックだった。 思いもよらない環境にショックを受ける継生だったが、自分の中に無意識にもっていた偏見に向き合いながらも、自身が抱えたトラウマを乗り越え、医師として、人間として成長していく……。そんな、たくさん笑えて、ホロリと泣ける“命と家族の物語”。 <カバー+本文&キャラクターのイラスト> 鈴ノ木ユウ(漫画『コウノドリ』作者) <推薦の言葉> ◎心の冷えた部分に、一枚、毛布をかけてもらえたような気持ちになれた。 ――放送作家 鈴木おさむ ◎そばに寄り添って、よく頑張ったねと言ってもらえれば、もっと泣くことができる。例えば、オネエ産婦人科で私が産んでいたとすれば、それはそれは力強いだろう。 ――歌手・作詞家 一青窈 -
サイレント・ブレス 看取りのカルテ
誰もが避けては通れない、 愛する人の、 そして自分の「最期」について静かな答えをくれる、 各紙誌で絶賛された現役医師のデビュー作。 2018年6月21日のNHK「ラジオ深夜便」にて紹介され、話題沸騰中! 「生とは何か。死とは何か。答えの出ない問いへの灯りのような一冊」(書評家・吉田伸子さん) 「本書を読んで何よりも私は、救われた、と感じた」(書評家・藤田香織さん) 大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷”を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎”を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、大きな決断を下す。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか? -
高原カフェ日誌
心の痛みに効く、とびっきりのカフェご飯! 東京の出版社をやめ、百合が原高原にカフェを開業した奈穂。 かつてペンションブームに沸いたが、今はやや寂びれ気味の高原にやってきたのは、離婚を承諾しないモラハラの夫に耐えかね、自分の生活を変えるためだった。 そんな背水の陣ではじめた奈穂のカフェには、さまざまな人が訪れる──。 離れた娘を思う父、農家の嫁に疲れた女性、昔の恋に思いを残した経済アドバイザー……。 「ひよこ牧場」のバターやソーセージ、「あおぞらベーカリー」の天然酵母のパンや地元の有機野菜など、滋味溢れる食材で作られた美味しいご飯は、そんな人々に、悩みや痛みに立ち向かう力を与えてくれる。 奈穂のご飯が奇跡を起こす6つの物語。 ジューシーなチキンのコンフィとモミジイチゴをのせたベビーリーフサラダ/ 高原野菜と鶏肉のチーズクリームシチュー/特製さくさくベーコンサンド/ “男前な口どけ”のイチゴ入り泡雪羹/5種類のお豆のカレー/ 蕪と水菜と胡桃のサラダ/百合根のポタージュ/薔薇のシロップに漬けたくずきり…etc. 女性を主人公に多くのベストセラーを輩出してきた著者が、自らレシピを試して「絶対においしいものだけ」がぎっしり詰まった連作集は、読者に栄養をたっぷり届けます。 解説は漫画家の野間美由紀さん。 ──人間の心の機微の中にはいつも謎が隠れている。そんな謎を優しい目線で描いたこの小説も、紛れもなく上質なミステリーなのである。(解説より) 料理研究家の高山かづえさんが作る高原カフェレシピも特別収録! -
あさま山荘銃撃戦の深層
親友が書きつくす赤軍幹部の素顔! 「あの事件の吉野と、私の知っている吉野のあいだには、あまりにも大きな落差があった」――1972年、日本中を震撼させた連合赤軍。その幹部に吉野雅邦という男がいた。小・中学校の同級生で、事件直前まで吉野と家族ぐるみで親交を深めていた著者が、事件後の往復書簡を含めて、その心の遍歴を辿りながら、裁判記録や関係者からの聞き取りを重ねて、かつてないアプローチで「あの事件」に迫る! <上下巻> ※本書は2003年4月、小学館より単行本として刊行されたものに、その後、新たに発掘された資料・インタビューなどを加筆、全面的に構成し直して上下に分冊したものです。 -
感染宣告 エイズウィルスに人生を変えられた人々の物語
感染を告げられたとき、妻は? 家族は? 恋人は? HIVという幻に翻弄される人々の絶望と希望。衝撃のノンフィクション! ――エイズが「死の病」ではなくなった現在も、日本人HIV感染者の大半は、人生を大きく狂わされ絶望のなかを生きている。恋愛、結婚、出産、家族関係……、決して語られることのない生と性の現実とは? 世界の奈落を追った気鋭の作家が、100名以上の感染者と家族に取材を敢行し世に問う、衝撃と感動のノンフィクション。 「エイズは男女にとって一番大切なところに忍び込み、彼らを極限の状態にまで追いつめます。弱さや醜さや高慢さといった負の内面をむき出しにし、人間性を試してくるのです。(中略)こんな底意地の悪い病気はありません。試された人間がボロボロになっていくのを眺めているのですから」(エイズ患者の妻)<本文より> -
I love letter アイラブレター
小学生からの殺害予告に引きこもり人間からの告発――。 文通会社に届くワケありの手紙には、手紙で立ち向かえ! 「ねぇ、まめに手紙をくれてた人と急に音信不通になるって、どんな場合だと思う?」 叔母さんが突然切り出した質問にたじろぐ、17歳の岳彦。 叔母さんのむぅちゃんは秘密裏に、ILL(I love letter)という会員制の文通会社をやっている。 年会費を納めると、会員は自分のペースでILLの社員宛てに手紙を書いて出す。 毎日でも、ひと月に一度でも構わないが、姓と住所は本物を明記しなくてはならない。 子供の頃、せっせと叔母さんに手紙を書いていた岳彦はその腕を見込まれ、ILLの臨時スタッフとして雇われることに。 二年間、ずっとILLと文通していた水元さんに何があったのか。 岳彦は叔母さんに変わり、水元さんに手紙を書き始めるが……。 「ぼくはママをころそうと思います」――八歳の少年からの殺害予告や、「どうしても、あの恋文を見つけたい」――大女優からの無茶な依頼などなどの難問に、自分自身の言葉を便箋に書き連ねて向き合う岳彦。 メールや電話では伝わらない想いがある――。 温かくて切なくて、ちょっと怖い六つの物語。 ※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
アンバランス
「彼女とセックスできる理由を話して」 性的不能だと信じていた夫の愛人は、醜く太った中年の女だった。 専業主婦の日奈子のもとへ、ある日、夫の愛人と名乗る、太った中年女性がやってくる。 夫のユキは長らく性的不能だったはずで、日奈子とはセックスレスの日々が続いていた。 いったいいつから、私たちの関係は、こんなにも不安定なものになってしまっていたのか――。 日奈子は、衝撃のなかで、ある行動に出る。 どんな夫婦にも訪れ得る、あやうい瞬間。 繊細な描写で、残酷なまでにむき出される心の機微を描く。 解説・東直子 ※この電子書籍は2016年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
獅子吼
稀代のストーリーテラーにして短篇の名手でもある浅田次郎の一球入魂の傑作短篇集。 時代に翻弄される名もなき人々の美しい魂を描いた、心ゆさぶる6篇。 「決して瞋るな。瞋れば命を失う」 父の訓えを守り、檻の中で運命を受け入れて暮らす彼が、太平洋戦争下の過酷に苦しむ人間たちを前に掟を破るとき――。 それぞれの哀切と尊厳が胸に迫る表題作ほか、「帰り道」「流離人(さすりびと)」「九泉閣へようこそ」「うきよご」「ブルー・ブルー・スカイ」を収録。 あの時、あの場所にいなければ降りかかってこなかったはずの過酷な運命に、彼らは勇気をもって立ち向かい、優しさをもって受け入れようとする――。 直球ど真ん中、華と涙の作品集です。 解説・吉川晃司 -
千石社シリーズ
入社2年目の女性編集者が週刊誌に配属された! 殺人事件に、アイドルのスキャンダルに、東奔西走のお仕事小説。 老舗出版社・千石社の入社2年目社員、信田日向子24歳。 体調を崩した同期社員のかわりに、急遽「週刊千石」編集部へ異動が決まる。 「絶対無理!」 怯える気持ちを押し隠し、未解決の殺人事件やアイドルのスキャンダル写真のたれ込みなど、ハードな取材に挑戦する日向子。 日向子は毀誉褒貶かまびすしい週刊誌の仕事に、自分なりの意義を見出していくことができるのか? 週刊文春編集部に徹底取材! 同じ千石社の女性誌編集部を舞台にした『プリティが多すぎる』が2018年10月からドラマ化! 話題のお仕事小説です。 解説・大矢博子 -
黄金の時
商社マンだった父は、かつてアメリカでプロ野球選手だった!? 1963年、カリフォルニアで野球に青春の全てを捧げた男の物語。 作家の本谷要は、亡くなった父親の遺品を整理中に意外なものを発見する。1963年に、マイナーリーグのサクラメント・ゴールドハンターズで野球をする若き日の父・総一郎が写った一枚の写真だった。野球が嫌いだったはずの彼に、いったい何があったのか。商社マンとして仕事一筋の謹厳な父は、作家という不安定な職業を選んだ要は折り合いが悪く、長年に渡って没交渉だった。要は父の過去を知るべく、渡米を決意する。 日本初のメジャーリーガー・村上雅則が誕生する前年に、米プロ野球界の底辺、1A北カリフォルニアリーグでたった3ヶ月間、己の青春の全てを野球に捧げた男の物語。 解説・宮田文久 -
静人日記 悼む人II
直木賞受賞作『悼む人』の感動ふたたび! 新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪する坂築静人。死者の周辺の人々から疎んじられ、罵声を浴びせられることもあるが、時には、あなたの行為で救われたと感謝されることもある――。 さまざまな死者や生者との、出会いと別れを繰り返す静人。やがて一人の女性との邂逅が、今度は静人の心にも波紋を生む……。 前書きに、「できるだけ一日に一度、就寝前の時間に〈静人〉となり、空と向き合う。〈静人〉として、星を、星を隠す雲を見上げ、心にわきたつものを書きとめる。」とある通り、直木賞受賞作『悼む人』の主人公の日記という体裁をとった異色の小説は、『悼む人』を読んだ方はもちろん、未読の方にもこの素晴らしい作品世界への格好のイントロダクションになるだろう。 -
ドルフィン・ソングを救え!
時は2019年。 45歳、結婚経験なし、子どもなしのフリーター・トリコが、 人生に絶望して、睡眠薬をまるごとひと瓶飲んで自殺をはかる……。 意識を取り戻した先は、昭和の終わり、バブル期まっただ中の1989年の渋谷。 30年前にタイムスリップしたトリコは、 青春時代に好きだったバンド「ドルフィン・ソング」の解散を阻止すべく、奔走する! トリコはドルフィン・ソング、島本田恋と三沢夢二のふたりを救えるのか?! 時代は彼女に、何をさせようとしているのか? そして、最終的にトリコが行き着く先はいったい、どこなのだろうか? BRUTUSで話題沸騰。 樋口毅宏の連載小説、待望の書籍化! カバーイラストは岡崎京子。 <本書の推薦コメント> 林真理子さん(作家) 「めちゃくちゃの面白さ。私たちの80年代をこんなにもてあそんでいいのか! この天才野郎!」 -
村上宗隆 ブレイクスルーを起こす84のメッセージ
2026年シーズン、MLBのシカゴ・ホワイトソックスへ移籍した村上宗隆の「自分の殻を破って成長するメソッド」を本人のコメントから読み解く1冊。臨床スポーツ心理学者として数多くの選手のメンタルカウンセラーを務めてきた著者が「村神様」のメンタルに迫る! 本書で紹介した村上の考えは、あなたの夢をかなえるヒントになるはずだ。 ※本作品は2023年3月に刊行された単行本『突出力 村上宗隆に学ぶ 「自分の限界」の超え方』を文庫化に際し、加筆、改筆、改題したものです。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
佐々木事務所シリーズ
失敗続きの就職浪人生・島本笑美。 原因は分かっている。彼女は物心ついた時から生きている人間とそうでないものの区別がつかないのだ。 街に溢れ返った異形のモノたちは、自分の姿が見えていると分かるや否や、笑美に纏わり付いてくる……。 ある日、ダメ元で受けた大手食品会社「モリヤ食品」の面接で、笑美はヤンと名乗る青年社長と出会う。 出会ったその瞬間から、何故か自分に惚れ込んでいるヤンに心奪われ、笑美はそのままモリヤに就職することを決める。 しかし「研修」という名のもと、ヤンに伴われて笑美が見たのは、「ケエエェェェエコオオォォオオ」と奇声をあげながら這い回る人々だった――。 一方、笑美の様子を心配した兄・陽太は、心霊案件を専門とする佐々木事務所へ相談に訪れ……。 ページを開いた瞬間、あなたももう「取り込まれて」いる。 カクヨム発の「ほねがらみ」がTwitterでバズり大反響! ネット民を恐怖の底に叩き落とした驚異の新人作家が放つ、民俗学カルトホラー! -
龍の贄嫁
「ああ、やっと見つけた。俺の唯一の“番”」 神世と呼ばれる特区に十二の神々とその眷属が暮らす現代日本。彼らは穢れの多い現世で堕ち神とならないよう、ひとりの巫女を選ぶ。 名家に生まれながら「無能な名無し」と虐げられた鈴は、異母妹の使用人として巫女見習いが集う女学院に通っていた。しかし、巫女選定の儀で冷酷無慈悲と名高い十二神将がひとり〈青龍〉に、何故か巫女以上の存在である“番”として選ばれてしまい――。 これは、不遇な少女が奪われた大切なものを取り戻し、幸せを掴む和風シンデレラ物語。 -
犬を拾った、はずだった。
ボロボロに傷ついた犬を拾ったマリスは自宅で一緒に生活することに。そんな中、ある事件をきっかけにマリスの犬がなんと失踪中の「救国の英雄」ゼレク・ウィンザーコートだということが判明する! 普段は無口で無関心なゼレクがマリスにだけは独占欲を露わにしていることに周囲は驚きを隠せずにいたが、マリスは別の意味で驚いていた。 「私にはどこからどう見ても犬なんですけど!?」 摩訶不思議な二人の関係は、やがて王家の伝説にまつわる一大事件に発展していき――!?
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