サイレント・ブレス 看取りのカルテ

サイレント・ブレス 看取りのカルテ

小説・文芸
742円 (税込)

3pt

誰もが避けては通れない、
愛する人の、
そして自分の「最期」について静かな答えをくれる、
各紙誌で絶賛された現役医師のデビュー作。
2018年6月21日のNHK「ラジオ深夜便」にて紹介され、話題沸騰中!


「生とは何か。死とは何か。答えの出ない問いへの灯りのような一冊」(書評家・吉田伸子さん)

「本書を読んで何よりも私は、救われた、と感じた」(書評家・藤田香織さん)


大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷”を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎”を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、大きな決断を下す。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか?

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    幻冬舎
  • 掲載誌・レーベル
    :
    幻冬舎文庫
  • タイトル
    :
    サイレント・ブレス 看取りのカルテ
  • タイトルID
    :
    533086
  • 電子版発売日
    :
    2018年07月11日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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サイレント・ブレス 看取りのカルテ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    最後を家で読んでて良かった。涙なしでは読めない。
    医療に「正解」は存在しない。
    患者へ「施した数」ではない。患者を「考え」た上での「施し」の大切さ。
    大切な人を失ったことへの後悔がある人に是非読んでもらいたい。きっと誰もが救われるはず。
    また、本書を現役医師の方が執筆されているというところにおいてもさらに説得力がある。

    0
    2026年09月14日

    Posted by ブクログ

    医療従事者として働いてるため、本書で描かれている終末期医療と在宅医療については読み進める中でいろいろと考えさせられた

    受け入れない自分を受け入れるってのは無知の知とも似てるなーなんて思ったり、
    それができるだけでも平穏さを保てるような気になったり

    26.08.22-24

    0
    2026年08月24日

    Posted by ブクログ

    現役医師で作家の南杏子さんのデビュー作。
    大学病院の総合診療科から、訪問看護のクリニックへ左遷された水戸倫子。人生の最後を迎えるための看取りの医療を施すクリニック。救う医療に燃えていただけに死を待つのみの患者への医療に波立つ。
    しかし、何人もの患者と接するうちに命を終えるときの医療の大切さに気付く。

    必ずやってくる大切な人の看取りのとき。

    0
    2026年07月19日

    Posted by ブクログ

    とても読みやすくするすると読破した。
    著者のバックグラウンドが存分に発揮された作品。
    主人公の成長物語や人柄というよりも、現代医療における終末期患者と患者を取り巻くその家族の事情にフォーカスが当てられた作品と感じた。5つほどの
    章は全て実際の医療従事者でないとわからない。

    上記ゆえに、人生の終わり方や、周りの方との関係性について考えるようになった作品だと感じる。
    終末期に情けなく縋るような人物はあまり描かれず、最後に人々は受け入れ、今を生きる。
    忘れてはいけないと感じた。

    0
    2026年06月07日

    Posted by ブクログ

    著者は社会人経験を経て医学部に学士編入後内科医となった経歴を持つ。2016年刊行の本書がデビュー作。深く考えずに手に取ったが、これは当たり本。
    在宅で最期を迎える患者専門の訪問クリニックへの勤務を、意に反して課せられた女性医師を主人公とするフィクション。大学病院の臨床とは全く異なる現場。誰もが迎える"死"に対して、患者、家族、そして医療従事者がそれぞれ抱える答えの出ない葛藤を言葉に紡ぐ。命の灯が消えそうな時に延命か自然に任せるか。どちらが正しいというわけではないが、患者が望む死に方に寄り添おうとする主人公の姿は、終末期医療専門病院で働いた経歴を持つ著者の表現によって、いっそう際立って映る。

    0
    2026年05月23日

    Posted by ブクログ

    大学病院から訪問診療クリニックに異動になった女医のお話


    ・ブレス1 スピリチュアル・ペイン
    乳がん末期の中年女性
    治療を放棄し、死ぬために家に戻ってきたという

    キューブラー・ロスが提唱した「死の受容の5段階」は何となくは知っていた
    ・否認と孤立 (Denial & Isolation)
    死の告知を信じられず、検査結果の間違いを疑うなど「まさか、自分が」という状態
    ・第2段階:怒り (Anger)
    「なぜ私が」という不公平感から、周囲の人々、医師、神などに怒りをぶつける
    ・第3段階:取引 (Bargaining)
    死の恐怖から逃れるため、宗教的な祈りや「病気が治るなら何でもする」と神や医師と取引を試みる
    ・第4段階:抑うつ (Depression)
    病気が治らない事実、悲しみ、絶望感により無口になり、何もする気力がなくなる
    ・第5段階:受容 (Acceptance)
    最終的に自分の死を静かに受け入れ、希望や穏やかな気持ちを持つ段階

    私の場合、否認や怒りはそんなにないような気がする
    取引も、差し出せるようなお金も精神性も持ち合わせてないので、すぐに終わりそう
    でも、読みたい本や続きが気になるマンガなんかは多数あるので、それが読めないという絶望による抑うつは大きいかもしれない


    ・ブレス2 イノバン
    ボランティアを募って介護体制を整えるあたりは「こんな夜更けにバナナかよ」を思い浮かべた
    あっちは、筋ジストロフィーだったかな?

    例え病気でも自分の行動を制限する事なく自由に生きて良いというメッセージを感じるけれども
    その傍らで、命がいつ途切れるかもわからない状態で看護する立場のプレッシャーも理解してしまう

    人工呼吸器がなければ生きていけない人の家の電気が止まるかもしれない状況を放置するのって、未必の故意に当たるのでは?とも思う
    だからと言って一概にその人を非難もできないなぁ


    ・ブレス3 エンバーミング
    疎遠だった兄がいきなり帰ってきて、治療方針に色々と口出しする状況
    「カリフォルニアから来た娘症候群」そのものですね

    それにしても、兄の行為は殺人じゃねぇの?と思うけど、それも含めての脂肪診断書の描写になってるのだろうな
    医師が看取ってるので、行政解剖も司法解剖も行われない
    場合によっては尊属殺人なんだけど、殺意はない過失致死ではありえる

    母親に永く生きていて欲しいと望む割に、生前から仏具を用意する行為に違和感を覚えたけど、なるほどそんな理由でしたか
    まぁ、結果的にそれが裏目に出た結末は若干溜飲が下がる
    祭祀財産というのは知っていたけど、生前に購入するのはいいのだろうか?


    ・ブレス4 ケシャンビョウ
    言葉を話せない身元不明の少女
    発見当時「オーロラ」と言った以降は何も話さない
    しかし、植物の知識に関しては詳しい
    そんな少女を一時的に保護した夫婦

    身元不明人の戸籍は作れるのだろうか?
    それができるなら、見た目が日本人っぽい人であればいくらでも戸籍を作れてしまうのではなかろうか?
    まぁ、色々なハードルはあるけど、実際問題として戸籍を作ることができれしまうんですよね

    ただ、外国の子を養子にするとなると、それはそれでもっと高いハードルがある気がする


    ・ブレス5 ロングターム・サバイバー
    がん治療の権威である教授が末期癌という状況
    そして治療と延命措置を一切拒否している
    しかし、とある見舞客が来た後に、疼痛治療だけは受け入れ、動けるうちに外出して会っていた人達とは?

    初期で見つからなかった癌のイメージとして、寛解はしても完治は中々難しいとと思っている
    ただ、長期間生存する人もいるのも知っている
    その違いって何なんですかね?

    印象に残ったセリフとしては
    「死は負けじゃない。安らかに看取れないことこそ、僕たちの敗北だからね」
    という言葉

    死が負けだとしたら、人間はいつか必ず死ぬんだし、負け確定だと思うのだけど
    そう思わない医師も多いのだろうか?

    医師の役割って、昔は治療が第一と思われていたけど
    治療も大事だけど、患者のQOLも大事という考えが20年以上前から根付き出したように感じている

    それぞれの人生を、どう過ごすのかは、それぞれの患者さん毎に違うわけで
    そんな個々人の希望に沿った医療を受けられるようになって欲しいなぁ


    ・ブレス6 サイレント・ブレス
    倫子先生の父の看取り
    脳梗塞で寝たきりになり、意思疎通もできない状態で長年経っている父と、恢復の望みを捨てない母
    医師であるが故に、父の状態と今後がわかってしまう倫子



    全編通して、一番心に残ったのは
    「死は『負け』ではなく『ゴール』」という言葉

    前述の通り、死が負けなら全人類皆負けは確定してしまうわけで
    負けではなく「ゴール」ならば、そのゴールに向けてどう生きるか、生きたかを考える事ができるようになる

    私自身の死生観としては
    他の本を読んだときにも書いたけど
    両親が終末期を迎えたら本人の意思を尊重したいし
    でも他の家族が違う主張をしたなら、反対意見は言うけど、結局は判断を他の人に委ねると思う

    もし自分が終末期や困難な病気になったら
    両親が生きているなら逆縁はよくなかろうと思って治療する気がする
    でも、もし両親が既に亡くなっているなら、そのまま死を受け入れるかもしれない
    できれば、周囲の人に感謝し、笑って死んでいければいいなぁとは思うけど、病気になってからそうなるためには普段からそうあらねばならないのでしょうね

    もし自分が意思表示できる状態であれば、人工呼吸器、胃瘻その他諸々の延命措置は拒否したいけど
    こればっかりは実際になってみないとわからないからなぁ

    とりあえず、私のQOLの基準としては、本を読めなくなったり、アニメや映画などの映像作品を楽しめなくなるような状態だったら治療を拒否というスタンスだろうか


    ところで、何よりの疑問なんだけど
    ケイちゃんは何故変な料理を作るのか?

    -------------------
    「死んでいく患者も、愛してあげてよ」
    命の終りを真摯に見つめる現役医師による、感涙のデビューミステリ。
    現代の終末期医療の在り方を問う、渾身の書き下ろし。

    大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷"を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎"を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、静かな決断を下す――。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか……?

    「サイレント・ブレス」とは
    静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージする言葉です。多くの方の死を見届けてきた私は、患者や家族に寄り添う医療とは何か、自分が受けたい医療とはどんなものかを考え続けてきました。人生の最終末を大切にするための医療は、ひとりひとりのサイレント・ブレスを守る医療だと思うのです。 著者


    6人の患者に秘められた、切なすぎる謎とは―??

    ブレス1 スピリチュアル・ペイン 知守綾子(45歳) 乳癌末期
    延命治療を頑に拒否する綾子の元を頻繁に訪れる謎のスキンヘッドの男。家族が誰も知らないその男に綾子が託した思いが、彼女が死を迎えるとき明らかになる。

    ブレス2 イノバン 天野保(22歳) 筋ジストロフィー
    介護が必要な息子を置いて、母親は家を出てしまった。自分で介護のボランティアを募り、楽しく生活していた保だが、なぜ、最期の夜だけ誰も呼ばなかったのか?

    ブレス3 エンバーミング 古賀芙美江(84歳) 老衰
    一度は胃瘻を拒否し、穏やかな最期を選んだ芙美江だが、息子の懇願で翻意する。しかしその胃瘻がもとで苦しんで逝ってしまう。そして、彼女の遺体が消えたが、それは息子の企みだった。

    ブレス4 ケシャンビョウ 高尾花子(推定10歳) 言語障害
    高尾山に捨てられていた美少女・花子。土産物店の初老夫妻が面倒を見るが、一切、言葉を話さない。ある日、花子は突然卓上の料理を投げ捨て逃げ出し、妻はその後、急激に体調を崩し緊急搬送されてしまう。

    ブレス5 ロングターム・サバイバー 権藤勲(72歳) 膵臓癌
    消化器癌の権威・権藤教授が末期の膵臓癌に侵されたが、積極的な延命治療を拒絶した。そして、競馬場、巣鴨、動物園……と謎の外出を繰り返す。癌治療の名医が人生の最期に知りたかったこととは?

    ブレス6 サイレント・ブレス 水戸慎一(78歳) 脳梗塞
    倫子の父・慎一は、8年前に脳梗塞で寝たきりになり、今は一切意思の疎通が図れない。父はこの状況を望んでいたのか? 几帳面な父が、なぜ「遺志」を残していなかったのか疑問に思う倫子は、母の行動に疑いを持つ。
    -------------------

    0
    2026年03月19日

    Posted by ブクログ

    自分の最期くらい自分に決めさせて欲しいと思うけれど、自分の最期って自分のことではあるけれど自分だけのものではない。
    自分が自分の事をコントロールできなくなってしまった後も、この世を去った後も日常を続けていく人がもちろんいて、その人と自分の願う最期が違うなんて事は往々にしてあるのだと現実を突きつけられました。

    自分の最期を自分の望んだ形にするためにはきっとたくさんのやり取りが必要だろうし、大切な人の最期が本人の思う形であるためにはそれを受け止める自分のエゴと戦わなければいけないことも珍しいことではないのだろうと思います。

    0
    2026年01月12日

    Posted by ブクログ

    南杏子さんの作品を読むのは2冊めです。一部異なりますが、終末期医療が主なテーマです。
    長く生きることが難しいと告知された状態、もしくは一人では何もすることができない状態で、延命のための治療を望むか望まないかを家族に判断させるのは酷だなと感じます。理想は生きているうちに自分自身で望む方針を残すことかと思いますが、それも中々難しいことです。
    自分の生き方で最後を迎えたいという終末期の患者に寄り添う、これから先益々必要になる大切な医療であると思いました。

    0
    2026年01月12日

    Posted by ブクログ

    サイレント ブレス
    静けさに満ちた日常の中で、穏やかな終末期を迎えることをイメージする言葉。

    ブレス1 自分の介護で義妹の貴重な時間を使わせたくない、弱みを見せず人生の最後を「生きるため」自宅を選んだ綾子。
    ブレス 2 筋ジストロフィー患者の22歳 保。明るく行動力がある。母親が戻ってくると願っていたクリスマスイブの夜、、、
    ブレス 3 延命処置を拒む本人 1日でも長く生きてほしいと望む息子。財産分与、遺産相続問題
    ブレス 4 身元不明の女の子、寒い中保護され優しい夫婦と幸せな時間。P222千夏さんが目を覚ましたという情報が入り喜ぶ二人。本当 良かった。
    ブレス 6 母親のお父さんと別れたくない気持ちが辛い。意思疎通できない状態の父、お母さんにとってはかけがえのないパートナー。感想を書きながらも泣けてきます

    考えたくないけど、いつかは訪れる最期、

    0
    2025年11月14日

    Posted by ブクログ

    終末期訪問医療の看取りを描いた連作。南杏子さんのデビュー作。        最後の章では実父を看取る医師倫子。
    南杏子さんが祖父を看取った時の出来事が着想になっているとのこと。リアルなだけに、私の母の最期と重なった。

    人はひとりひとり違っていて
    家族や環境も違っていて
    死に対する考えも
    死に至る病も
    100人いたら100通り。
    最期の在り方は本人の希望に従うのが一番だが、意思表示できるとも限らない。

    両親を看取ってから、次は自分だなと、強く自覚するようになった。
    どう生きるのか、どう死を迎えるのか、
    そのための貯蓄はあるか、子供達は自立できているか、常に頭の片隅にある。

    離れて住んでいる義母の最期は、どうしようか。認知症が進んでいる今、本人の意思は確認するのが難しい。倫子のように、
    仕事を休んで家で看取るのが理想かもしれないが、実際は簡単なことではない。
    いろいろ考えさせられた。

    南杏子さんは大学家政科を出た後、結婚し、海外出産をし、お子様が小学生のとき医学部に入り直して医師となった。

    文体から知性と優しさを感じる。
    地に足のついた考え方が伝わる。
    尊敬に値する素晴らしい作家さんだと
    改めて思った。

    0
    2025年05月31日

サイレント・ブレス 看取りのカルテ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    幻冬舎
  • 掲載誌・レーベル
    :
    幻冬舎文庫
  • タイトル
    :
    サイレント・ブレス 看取りのカルテ
  • タイトルID
    :
    533086
  • 電子版発売日
    :
    2018年07月11日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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