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Posted by ブクログ
都市部の地域医療を支える市民病院の抱える問題や闇、医師の置かれた過酷な状況をリアルに感じさせる医療小説です。
主人公は大学病院から地域の市民病院へ転院してきた女性内科医。病院の方針は金融畑から転身してきた事務長が取り仕切っており、サービス業と化した医療は患者を『患者様』として過剰なまでに患者にへりくだり、おもねっている。デパートのように綺麗で明るい空間を演出した待合室は、毎日大挙して押し寄せてくる患者で座る場所もない。待ち時間が長くなればクレームにつながり、かといって一人一人の患者を手早く済ませようとすればきちんと話を聞いてくれないとクレームになる。医師は相手が医療を求める限りどのような相手も断ることができないと決められている。それは医療を受ける側を守るための法律だが、逆に言えばその法律では医師は守られない。様々な不満をぶつけてくる患者と、現場を鑑みない経営側の要求にすり減っていく日々を送っていた主人公は、とある男が接触してきたところから段々と恐怖を感じるようになっていく。
最終盤に至るまで、とても怖いお話でした。
空虚な悪意がリアルで、様々なクレームをつけてくる患者の様子を含めて人物描写がしっかりしていて、現実の地域病院を裏側も含めて眺めているような感覚になりました。私も似たような職場に勤めている人間なので、感じるものがありました。
どれだけ一生懸命に、全力で当たったとしても、病気だと診断されれば怒り出す人がいる。病気の診断がつかなければなんでわからないのだと怒鳴る人がいる。治療してくれないなら診察代は払わないと言い張る人がいる。そんな人ばかりではないと思っても、「ありがとう」の一言すら言ってもらえない中でひたすら人の負の感情にさらされがちな医師という職種の方たちは、本当に大変な状況で職務に向かっておられるのだと感じます。
実際、現実問題として長時間勤務や過重労働の問題はあると思います。そんな中に医療訴訟や異常行動と思われるリピート患者に相対し続けるということが、どれほどのストレスとなることか。そういう意味で、主人公の感じる恐怖は人間として当然であると思うのに、医師としてはそれを拒むことができない。
物語の最後、それでも医師をやめる方向ではなく、もっといい医者になろうと決意ができる主人公は、強くて優しい人なのだろうと思います。
負の感情を抱いている人の話を、本当の意味で傾聴するのは難しいことだと思っています。けれど、その難しいことをしようとしてくれる人がいることを忘れずにいたいです。日々頑張って踏ん張ってくれている医療従事者の方々に、ささやかな一言だとしても「ありがとう」が言える人間でいたいと思います。
Posted by ブクログ
あっ、NHKで観たやつ!
と気づくまで時間がかからなかった。
患者を「お客様」扱いする病院サイド。そこに紛れ込んだ何人かのモンスターペイシェント。板挟みになる若き女医が、ロシア格闘技システマの呼吸法でもって応戦する様は見ていてこちらが苦しくなる。ドラマでは田中哲司さんの怪演ぷりがまた怖いのなんの。
ホスピタリティとサービスの履き違えなのかな。
ただこれが私だったらと思うと、割と早めにメンタルやられてアパートに引きこもってるな〜。負ける。コロナ禍なんかまさにそうだけど、医療従事者の戦う力ってすごい。
──過重労働、過重責任、承認欲求
作者の言う、医師の働き方を変革できない3つの壁。
誰が犯人なのかは、遠縁かもしれないけれどごくごく一部の悪意を切り取り報道というメガホンで煽る、まるでハーメルン気取りのマスコミなんじゃないかなーなんて思う。最近、何を読んでも煽られないように気をつけたい。という結論に落ち着く。
めちゃくちゃどうでもいいけど、副題いらないような気がするよ。。。ぼやけるんで。。
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