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病院を「サービス業」と捉える佐々木記念病院で内科医を務める千晶は、日々、押し寄せる患者の診察に追われていた。そんな千晶の前に、嫌がらせを繰り返す患者・座間が現れた。座間はじめ、様々な患者たちのクレームに疲弊していく千晶の心の拠り所は先輩医師の陽子。しかし彼女は、大きな医療訴訟を抱えていて。現役医師による感動長編。
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「ディア・ペイシェント〜絆のカルテ〜」
2020年7月17日~ NHK総合 出演:貫地谷しほり、内田有紀、田中哲司
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Posted by ブクログ
座間という患者に対して、常にイライラしながら読んでいたが、裏に黒幕がいたことにさらに憤りを感じた。主人公の先輩医師が自殺した場面では、なぜ助けようと努力した側がここまで追い詰められなければいけないのかと思った。
現代の医療の問題点を指摘している小説。医療がサービスとなり、医師と患者の関係がいびつになっている。 クレーマーへの対応を考える視点でも読むことが出来る。医療に限らず、教育、保育などでも度を超えたクレーム問題になっている。過度なクレームにどのように対応すれば良いのか、考えさせられた。 相手の話には耳を...続きを読む傾けつつも、毅然とした態度を取る。一線は引かなければならない。
医師の現状。 町病院の経営とか、モンスターペイシェントの対応とか、医療従事者の闇が見える。 一つの病院の中で、いろんなトラブルに巻き込まれる主人公。 ためになったと思う。
こういう方はいる、そのような感じで読んでいくうちに、事例の積み重ねのようで読んでいると苦しくなってしまうような感じでしたが、更に読んでいくうちに、見えて来たものがある。情景が思い浮かぶ文章や気持ちの描写がとてもわかりやすく、大変印象に残る本でした。
忙しすぎる医療現場、モンスター患者、訴訟問題、信頼していた人の自殺、親の認知症、看取り、妹との確執…。重たい課題に対してロシア武術「システマ」の呼吸法を使いながら頑張る35歳女医さんの話。 行き場のない悲しみ、理解のない職場、頑張れば頑張るだけ気持ちが通じなかった時のダメージは大きく、ほんの小さな感...続きを読む謝の言葉を支えにまた頑張ろうとする健気さ。読みながら苦しくなりつつも、では私はどうする?どう進む?と自分の生き方も考えさせられた。 社会全体がギスギスしてみんなの行きづらさが根底にあるのだろうけれど、私はできるだけ感謝の言葉を周りの人に届けられるようになりたいと思った。
都市部の地域医療を支える市民病院の抱える問題や闇、医師の置かれた過酷な状況をリアルに感じさせる医療小説です。 主人公は大学病院から地域の市民病院へ転院してきた女性内科医。病院の方針は金融畑から転身してきた事務長が取り仕切っており、サービス業と化した医療は患者を『患者様』として過剰なまでに患者に...続きを読むへりくだり、おもねっている。デパートのように綺麗で明るい空間を演出した待合室は、毎日大挙して押し寄せてくる患者で座る場所もない。待ち時間が長くなればクレームにつながり、かといって一人一人の患者を手早く済ませようとすればきちんと話を聞いてくれないとクレームになる。医師は相手が医療を求める限りどのような相手も断ることができないと決められている。それは医療を受ける側を守るための法律だが、逆に言えばその法律では医師は守られない。様々な不満をぶつけてくる患者と、現場を鑑みない経営側の要求にすり減っていく日々を送っていた主人公は、とある男が接触してきたところから段々と恐怖を感じるようになっていく。 最終盤に至るまで、とても怖いお話でした。 空虚な悪意がリアルで、様々なクレームをつけてくる患者の様子を含めて人物描写がしっかりしていて、現実の地域病院を裏側も含めて眺めているような感覚になりました。私も似たような職場に勤めている人間なので、感じるものがありました。 どれだけ一生懸命に、全力で当たったとしても、病気だと診断されれば怒り出す人がいる。病気の診断がつかなければなんでわからないのだと怒鳴る人がいる。治療してくれないなら診察代は払わないと言い張る人がいる。そんな人ばかりではないと思っても、「ありがとう」の一言すら言ってもらえない中でひたすら人の負の感情にさらされがちな医師という職種の方たちは、本当に大変な状況で職務に向かっておられるのだと感じます。 実際、現実問題として長時間勤務や過重労働の問題はあると思います。そんな中に医療訴訟や異常行動と思われるリピート患者に相対し続けるということが、どれほどのストレスとなることか。そういう意味で、主人公の感じる恐怖は人間として当然であると思うのに、医師としてはそれを拒むことができない。 物語の最後、それでも医師をやめる方向ではなく、もっといい医者になろうと決意ができる主人公は、強くて優しい人なのだろうと思います。 負の感情を抱いている人の話を、本当の意味で傾聴するのは難しいことだと思っています。けれど、その難しいことをしようとしてくれる人がいることを忘れずにいたいです。日々頑張って踏ん張ってくれている医療従事者の方々に、ささやかな一言だとしても「ありがとう」が言える人間でいたいと思います。
あっ、NHKで観たやつ! と気づくまで時間がかからなかった。 患者を「お客様」扱いする病院サイド。そこに紛れ込んだ何人かのモンスターペイシェント。板挟みになる若き女医が、ロシア格闘技システマの呼吸法でもって応戦する様は見ていてこちらが苦しくなる。ドラマでは田中哲司さんの怪演ぷりがまた怖いのなんの。 ...続きを読む ホスピタリティとサービスの履き違えなのかな。 ただこれが私だったらと思うと、割と早めにメンタルやられてアパートに引きこもってるな〜。負ける。コロナ禍なんかまさにそうだけど、医療従事者の戦う力ってすごい。 ──過重労働、過重責任、承認欲求 作者の言う、医師の働き方を変革できない3つの壁。 誰が犯人なのかは、遠縁かもしれないけれどごくごく一部の悪意を切り取り報道というメガホンで煽る、まるでハーメルン気取りのマスコミなんじゃないかなーなんて思う。最近、何を読んでも煽られないように気をつけたい。という結論に落ち着く。 めちゃくちゃどうでもいいけど、副題いらないような気がするよ。。。ぼやけるんで。。
内容云々より、医療現場のリアルを当事者が世間に伝えるために書いたという点ですごく価値のある作品だと思いました。私自身も病院で「待ち時間長いなー」など思ったことは1度や2度ではありません。この作品を読んで医療現場の闇や医療従事者が命を削って命を救っていることを知り、いたく反省いたしました。この作品を通...続きを読むして、1人でも多くの人の病院に対する見方が変わればいいなと思います。
病院での医師と患者とのお話です。 面白くて一気に読み終えました。 でも流石に小説だからオーバーに書いているのだろうなと思っていたら解説を読んで現実に起きていることだと書かれていて驚きました。 病院もサービス業、患者は患者様となりより良くしていこうがそれに本当に救われた人もいるのかなと。 病院に限らず...続きを読む、どの仕事もサービスが皆をかえって苦しめているのではと改めて考えさせられます。
ここまでか?というくらいのモンスター・ペイシェントたち。 サービス業だからと、度を越した患者優先主義の病院。 読んでいて、胸がキュッとなるくらい、辛さを感じる。 これが病院の現実なんだよ。。 これは、大袈裟ではなくて、近いものが頻繁に転がっていると思うよ。。 読んでいて、本当に辛かった。 大昔、...続きを読む医療機関で少しだけ働いたが、あの時だって、「はい?」ってクレームをすごい浴びたなー。。 あの頃よりも、ひどくなっているかもしれない状態。 病院スタッフの方々が穏やかに働ける日が多くなることを祈る。。
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ディア・ペイシェント 絆のカルテ
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南杏子
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