【感想・ネタバレ】ディア・ペイシェント 絆のカルテのレビュー

あらすじ

病院を「サービス業」と捉える佐々木記念病院で内科医を務める千晶は、日々、押し寄せる患者の診察に追われていた。そんな千晶の前に、嫌がらせを繰り返す患者・座間が現れた。座間はじめ、様々な患者たちのクレームに疲弊していく千晶の心の拠り所は先輩医師の陽子。しかし彼女は、大きな医療訴訟を抱えていて。現役医師による感動長編。

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Posted by ブクログ

座間という患者に対して、常にイライラしながら読んでいたが、裏に黒幕がいたことにさらに憤りを感じた。主人公の先輩医師が自殺した場面では、なぜ助けようと努力した側がここまで追い詰められなければいけないのかと思った。

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2025年03月06日

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現代の医療の問題点を指摘している小説。医療がサービスとなり、医師と患者の関係がいびつになっている。
クレーマーへの対応を考える視点でも読むことが出来る。医療に限らず、教育、保育などでも度を超えたクレーム問題になっている。過度なクレームにどのように対応すれば良いのか、考えさせられた。
相手の話には耳を傾けつつも、毅然とした態度を取る。一線は引かなければならない。

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2023年03月05日

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医師の現状。
町病院の経営とか、モンスターペイシェントの対応とか、医療従事者の闇が見える。
一つの病院の中で、いろんなトラブルに巻き込まれる主人公。
ためになったと思う。

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2023年02月11日

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こういう方はいる、そのような感じで読んでいくうちに、事例の積み重ねのようで読んでいると苦しくなってしまうような感じでしたが、更に読んでいくうちに、見えて来たものがある。情景が思い浮かぶ文章や気持ちの描写がとてもわかりやすく、大変印象に残る本でした。

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2022年02月09日

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忙しすぎる医療現場、モンスター患者、訴訟問題、信頼していた人の自殺、親の認知症、看取り、妹との確執…。重たい課題に対してロシア武術「システマ」の呼吸法を使いながら頑張る35歳女医さんの話。
行き場のない悲しみ、理解のない職場、頑張れば頑張るだけ気持ちが通じなかった時のダメージは大きく、ほんの小さな感謝の言葉を支えにまた頑張ろうとする健気さ。読みながら苦しくなりつつも、では私はどうする?どう進む?と自分の生き方も考えさせられた。
社会全体がギスギスしてみんなの行きづらさが根底にあるのだろうけれど、私はできるだけ感謝の言葉を周りの人に届けられるようになりたいと思った。

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2021年06月19日

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 都市部の地域医療を支える市民病院の抱える問題や闇、医師の置かれた過酷な状況をリアルに感じさせる医療小説です。

 主人公は大学病院から地域の市民病院へ転院してきた女性内科医。病院の方針は金融畑から転身してきた事務長が取り仕切っており、サービス業と化した医療は患者を『患者様』として過剰なまでに患者にへりくだり、おもねっている。デパートのように綺麗で明るい空間を演出した待合室は、毎日大挙して押し寄せてくる患者で座る場所もない。待ち時間が長くなればクレームにつながり、かといって一人一人の患者を手早く済ませようとすればきちんと話を聞いてくれないとクレームになる。医師は相手が医療を求める限りどのような相手も断ることができないと決められている。それは医療を受ける側を守るための法律だが、逆に言えばその法律では医師は守られない。様々な不満をぶつけてくる患者と、現場を鑑みない経営側の要求にすり減っていく日々を送っていた主人公は、とある男が接触してきたところから段々と恐怖を感じるようになっていく。

 最終盤に至るまで、とても怖いお話でした。
 空虚な悪意がリアルで、様々なクレームをつけてくる患者の様子を含めて人物描写がしっかりしていて、現実の地域病院を裏側も含めて眺めているような感覚になりました。私も似たような職場に勤めている人間なので、感じるものがありました。
 どれだけ一生懸命に、全力で当たったとしても、病気だと診断されれば怒り出す人がいる。病気の診断がつかなければなんでわからないのだと怒鳴る人がいる。治療してくれないなら診察代は払わないと言い張る人がいる。そんな人ばかりではないと思っても、「ありがとう」の一言すら言ってもらえない中でひたすら人の負の感情にさらされがちな医師という職種の方たちは、本当に大変な状況で職務に向かっておられるのだと感じます。
 実際、現実問題として長時間勤務や過重労働の問題はあると思います。そんな中に医療訴訟や異常行動と思われるリピート患者に相対し続けるということが、どれほどのストレスとなることか。そういう意味で、主人公の感じる恐怖は人間として当然であると思うのに、医師としてはそれを拒むことができない。
 物語の最後、それでも医師をやめる方向ではなく、もっといい医者になろうと決意ができる主人公は、強くて優しい人なのだろうと思います。

 負の感情を抱いている人の話を、本当の意味で傾聴するのは難しいことだと思っています。けれど、その難しいことをしようとしてくれる人がいることを忘れずにいたいです。日々頑張って踏ん張ってくれている医療従事者の方々に、ささやかな一言だとしても「ありがとう」が言える人間でいたいと思います。

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2024年12月08日

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あっ、NHKで観たやつ!
と気づくまで時間がかからなかった。
患者を「お客様」扱いする病院サイド。そこに紛れ込んだ何人かのモンスターペイシェント。板挟みになる若き女医が、ロシア格闘技システマの呼吸法でもって応戦する様は見ていてこちらが苦しくなる。ドラマでは田中哲司さんの怪演ぷりがまた怖いのなんの。

ホスピタリティとサービスの履き違えなのかな。
ただこれが私だったらと思うと、割と早めにメンタルやられてアパートに引きこもってるな〜。負ける。コロナ禍なんかまさにそうだけど、医療従事者の戦う力ってすごい。


──過重労働、過重責任、承認欲求


作者の言う、医師の働き方を変革できない3つの壁。
誰が犯人なのかは、遠縁かもしれないけれどごくごく一部の悪意を切り取り報道というメガホンで煽る、まるでハーメルン気取りのマスコミなんじゃないかなーなんて思う。最近、何を読んでも煽られないように気をつけたい。という結論に落ち着く。



めちゃくちゃどうでもいいけど、副題いらないような気がするよ。。。ぼやけるんで。。

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2024年07月31日

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内容云々より、医療現場のリアルを当事者が世間に伝えるために書いたという点ですごく価値のある作品だと思いました。私自身も病院で「待ち時間長いなー」など思ったことは1度や2度ではありません。この作品を読んで医療現場の闇や医療従事者が命を削って命を救っていることを知り、いたく反省いたしました。この作品を通して、1人でも多くの人の病院に対する見方が変わればいいなと思います。

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2024年04月21日

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病院での医師と患者とのお話です。
面白くて一気に読み終えました。
でも流石に小説だからオーバーに書いているのだろうなと思っていたら解説を読んで現実に起きていることだと書かれていて驚きました。
病院もサービス業、患者は患者様となりより良くしていこうがそれに本当に救われた人もいるのかなと。
病院に限らず、どの仕事もサービスが皆をかえって苦しめているのではと改めて考えさせられます。

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2024年03月21日

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ここまでか?というくらいのモンスター・ペイシェントたち。
サービス業だからと、度を越した患者優先主義の病院。

読んでいて、胸がキュッとなるくらい、辛さを感じる。
これが病院の現実なんだよ。。
これは、大袈裟ではなくて、近いものが頻繁に転がっていると思うよ。。
読んでいて、本当に辛かった。

大昔、医療機関で少しだけ働いたが、あの時だって、「はい?」ってクレームをすごい浴びたなー。。
あの頃よりも、ひどくなっているかもしれない状態。
病院スタッフの方々が穏やかに働ける日が多くなることを祈る。。

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2024年02月19日

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ネタバレ

お医者さんも大変なんだなぁと思った。
作者さん、元お医者さんなだけあって、色んな所でお医者さんしか分からないだろう事が出て来て、なるほどなぁとしみじみと思った。
モンスター患者の人(名前ひょと忘れ)も辛かっただろうな。
陽子先生、、、亡くなった後に報われてもね。ここはほんと悲しかった。

ドラマは途中でリタイアしたので、最後まで読めて良かった。

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2024年01月19日

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これでもかというくらい、医師の大変な状況が描かれている。そして、裏には病院の経営を陥れる策略が働いていた。悪意があれば病院に簡単に入って物を持ち出したりできるのだ。怖いと思った。同僚に起こる悲しい出来事を経験しながら、成長していく千晶。千晶の父の言葉は深い。

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2023年12月13日

Posted by ブクログ

読み始めた途端、テレビドラマで観た作品であることを思いだした。主人公役が誰だか忘れたが、陽子役と座間役が印象深く、記憶に残っている。
現役の医師による、過酷な医療現場の実態を小説化し、現代の医療を告発した作品と言えようか。
主人公千晶の先輩医師陽子が語る「良心に従って仕事するだけで精一杯です」に、先に読んだ夏川草介『神様のカルテ』の「良心に恥じぬということだけが、確かな報酬か」を連想した。
『神様・・・』が、過酷な医療の実態をオブラートに包んだ手法に対し、本書は肉体の限界を超える過酷な勤務や患者からの暴力、訴訟リスク等々をストレートに描き出している。
訴訟問題で命を絶った医師を惜しむ患者たちが語る場面では、涙腺を刺激されずにはいられない。
診療所に医者でもある千晶の父が語る言葉は、著者の思いでもあるだろう。
「ここでたくさんの人びとを看取ってきた。それでわかったのは、人はいつか必ず死ぬということだ。だから、治すための医療だけじゃなくて、幸せに生きるための医療を考えてきた。たとえ病気があっても、その病と共存して、最後まで心地よく生きられるような治療を誠実にやってきた。その先に死があっても、それは受け入れる」

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2022年12月26日

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そう言えば近所の病院も、そんな感じだ。建物はホテルのように美しい。ドクターは若くて、そして営業マンのように笑みを浮かべながら丁寧に説明をしてくれる。そして様々な検査を受けさせられる。入院しても大部屋が空いていないということで個室に入れられる。病院側の事情なのに、なにか一筆書かされて、個室料金を支払わされる。そう、金、金、金。新自由主義的な病院だ。裕福なら病室も綺麗だし、検査をいくらやってもらっても構わないけれど、貧乏人にはつらい。そんな病院のお話だった。ドクターも可哀想だ。

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2022年08月25日

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現実として、過酷で重労働の医療、そして医師の長時間労働、クレームの多い患者、人間的でない環境での労働は個人の価値観によって維持されていると思う。
主人公の女医はとても誠意があって、人間としても立派と思う。でも現実はこんな医師は少ない。

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2022年07月24日

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NHKドラマ見て原作も読みたいと手に取りました。
私も福祉関係の仕事をしてるいので、人の命を預かる責任の重さや、各所からの重圧等にしんどい思いすることもあるけど、やりがいもあるし嬉しいこともある。千晶先生のように強い気持ちを持って仕事していこうと思います。
そして改めて医療従事者の方に感謝したいと思います。

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2022年05月22日

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解説は中山先生でした。
「その労働環境もストレスも門外漢には理解できないから」
とあります。そういった意味でも、この本は少しで門外漢の理解に繋がれば、というとこでしょうか。
正直、私にはやはり異次元の世界であり、大変なんだな、とは思いました。
ただが私の業界も年に1ー2割のうつ疾患者が出ます。
ドクター並みのストレス社会なのかも??? ですよね?
門外漢には理解できない世界、というのはどこにでもある、ということなんだと思います。ストレスはよくないです。ほんと。
免疫革命を読みましょう!

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2022年04月11日

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貫地谷しほりさんが主演のドラマの原作だった。
病院内の陰謀や患者さんからの訴訟、家族との関わりなどの中で、患者さんに向き合う医師の姿を見た。

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2022年04月05日

Posted by ブクログ

またしても読んでいて苦しくなった…。解説で補完されている通り、この小説に出てくるクレーマー患者はほぼほぼ事実なんだろうなあ。

人間はいつか必ず死ぬ。
という事はいつも心に留めておきたい。
たとえ大切な人でも、いつかはこの世を去るのだ。
その時に狼狽えずにいる事ができるのか、自分には分からない。できれば狼狽えずにいたい。

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2022年04月04日

Posted by ブクログ

入院中に夜中一気に読破。いろいろ考えてしまう主人公に入り込んでしまいました。これからの医療在り方の難しさが、見えた気がします。

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2022年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とにかく座間さんがこわい。気持ち悪い。結果ああだったと分かったとしてもこわい。医者も患者も人間だからトラブルはあるんだろうけど、お互い思いやらないと治療は進まないと思った。

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2021年09月21日

Posted by ブクログ

医師の過酷さをひしひしと感じました。
患者の座間が、先日読んだホラー小説より余程怖かった。
中盤辺りから、物語が急速に進みだして、ハラハラ、ドキドキの連続でした。
これはドラマにしたら面白いんじゃないかな?と思ったら、もうドラマになってたんですね。
面白かったです。

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2021年05月26日

Posted by ブクログ

言ったもん勝ち、声を大きく荒げたものが勝ち、モンスターペイシェントが医療業界にも広がってきている。

ただ真っ当に医療に尽くしたい内科医の千晶だが、理不尽な要求をしてくる患者「様」に心も体も時間も奪われる。病院側は利益追求のため患者様ファーストであり、ドクターたちを助けてはくれない。
小説ということもあり過剰に描かれているのかと思ったが、他の方の感想を読むと思いのほかリアルなのだそう。
疲弊していくドクターや職員に胸が苦しくなる。

本書では最後多少の光が見えはしたが、現実ではこんな日々が続いているのかと思うと、この先医療が崩壊しないのかと不安になった。

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2025年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

モンペばっかりで楽しくはなかった。
病院にいた時の嫌な記憶が蘇る。
陽子先生が居なくなったのが悲しい。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

病院をサービス業として位置付ける経営方針の中、クレーマー達の理不尽な要求に疲弊していく若い女性医師の物語。
医療現場の崩壊を見ているようです。

こういうのは嫌い(笑)
現状の医療現場、その辛さを伝えたい物語なのだと思います。しかし、読んでいて辛く、いやーな気持ちになります。

まずは、患者を患者様というサービス業にとらえる経営方針。なんだかな。
今でもお客様は神様ですとか言って、理不尽な要求をするような風潮がありますが、それを医療の現場で振りかざすのはかなり嫌な気分になります。
この経営方針そのものが気に入りません。

患者への責任、さらに、経営への責任と医師にここまでの事を背負わせる考え方が気にりません。
そんな中で、追い詰められていく女性医師の千晶。
ある意味、彼女、弱すぎ..
そして、彼女を支えていた先輩医師の陽子。しかし、その陽子も...

最後明らかになるクレーマーの座間の正体。
その背景にあったもの。
もう、腐っているとしか言いようがありません。

読んでて、とても辛い物語でした。

病院の待ち時間、確かに長すぎ!
それを長くしてしまっているのも自分たち、とくに老人たち。
医師は消耗品ではありません。
みんなで、医療の在り方、医師への接し方、スタッフへの接し方、考えましょう!

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2023年04月30日

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04月-12。3.0点。
実家は富士山の麓で診療所を営む、女医の主人公。川崎市の中規模病院で勤務する。激務、ストーカーのような患者、強引な事務長など、問題山積み。。。

読みやすい。勤務医の大変さがよくわかった。
ラストがちょっと駆け足な感じだった。

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2023年04月20日

Posted by ブクログ

読み進むにつれ不愉快になり期待外れでした。クレーマーにつきまとわれても支援体制は整っているし、保険もある。高所得で、望めば優雅な生活ができる医者は全然まし。同業者間の競争だって、病院なんてまだまだ甘いと思う。医者の思い上がりや傲慢さはよく描けていたかも。唯一、お父さんだけは好感が持てました。

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

これまで読んだ本とは違ったタッチで書かれた医療小説だった。医師は人の命を預かる尊敬されるイメージがあったが全くイメージが変わったように感じる。訴訟と言うリスクを抱えながら患者と向き合う仕事でもある。
サスペンス的な部分もあり、読み応えはあったが気分はすっきりしなかった。

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2021年09月29日

Posted by ブクログ

民間病院の医師が、患者様プライオリティを掲げる経営方針と、理不尽な要求や悪態をつく患者の狭間で疲弊する医療現場が描かれた物語。

第一作のサイレント・ブレスより連読。
前作は緩和ケアがテーマで、私も穏やかな気持ちで読めたが、本作品はモンスターペイシェント・医療訴訟・コンビニ受診問題など、医療現場の限界が辛いほど描かれていて、読み進めるほどにとても疲れを伴う作品だった。

脚色が濃いフィクションと願いたい一方で、著者が現職医師であり、解説の中山裕次郎氏も描写はリアルであると述べられていたことからも、本作を医療従事者からのSOSメッセージと受け取った。

私も定期的に通院している患者の身。
待ち時間にイライラしたり、短過ぎる診療時間に不誠実さを感じたこともある。
本作品を通じて自戒の念が芽生えたことは、正に読書の産物であった。

そして、本作の最後に綴られた主人公のメッセージが、キラキラと私のハアトを照らしてくれたので記しておく。

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治療の場を、争いや対立の場にしたくない。そのためには自分がまず受容する存在になることだ。患者の声を聞こう。誠実であり続けよう。あたたかい言葉で満たそう。ここがいつまでも癒しの場でありますように。
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2021年07月04日

Posted by ブクログ

医療現場の過酷さが前面に出ていて、読んでいる間ずっとストレスを感じたけれど、著者の伝えたいメッセージ性も明確なのかなと感じた。
ただ、座間の行動についての最後の分析は、私としてはやっぱり腑に落ちず、ミステリーやサスペンスの要素を盛り込んだとしたら、その点についてはイマイチなのかなと。

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2021年06月11日

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