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名古屋の名家に代々伝わる「幽霊箪笥」の修理を依頼した男が、港の運河で殺された。さらにその箪笥修理の職人を訪ねた謎の男の死が、遠く奥松島で発覚する。真相究明を依頼された浅見光彦は、箪笥に隠されていた五言絶句と「在不等辺三角形之重心」という謎の一文に目を留めた。二つの死と漢詩を結ぶ接点とは!? 作家生活三十周年&講談社創業百周年記念書き下ろし作品。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
タイトルセンスが絶妙で気に入りました。
あくまで文系の自分にとって新鮮だったというだけで、不等辺三角形という言葉をきちんと理解している方にとってはどうってことないのかもしれないですが。
名探偵、浅見光彦シリーズの一冊。
名古屋にある名家、正岡家が所有する別荘「陽奇荘」に保管されていた曰くつきの古箪笥。
地元民から『幽霊箪笥』と呼ばれるそれの修理を依頼した男性が、数日後殺害される事件が発生した。
さらに、修理を依頼された職人の家を訪れた男もまた、不審な死を遂げていることが判明する。
事件の解決に協力を依頼された浅見は、箪笥に隠されていた漢詩と、「在不等辺三角形之重心」という謎の一分の書かれた紙に糸口を見出す。
これらが示す事件の真相とは一体なんなのか。
タイトルが気に入ったと書きましたが、不等辺三角形そのものにはあまり深い意味はありません。
やはり核となるのは『幽霊箪笥』とその所有者である女性でしょう。
細やかな情景や心情の描写によって、まるでドラマの映像を目にしているような説得力を感じることができます。
それでいて、主人公がひどくあっさりとした人格であるため、じとじとした湿っぽい人間関係の醜さのような感触は受け流されている箇所が多く感じました。
残念だったのは、設定の後だしが多くて、こちらで情報を基に推理する要素が少なかったことくらい。
それ以外は堅実なミステリー書籍だと感じました。
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