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感染を告げられたとき、妻は? 家族は? 恋人は? HIVという幻に翻弄される人々の絶望と希望。衝撃のノンフィクション! ――エイズが「死の病」ではなくなった現在も、日本人HIV感染者の大半は、人生を大きく狂わされ絶望のなかを生きている。恋愛、結婚、出産、家族関係……、決して語られることのない生と性の現実とは? 世界の奈落を追った気鋭の作家が、100名以上の感染者と家族に取材を敢行し世に問う、衝撃と感動のノンフィクション。
「エイズは男女にとって一番大切なところに忍び込み、彼らを極限の状態にまで追いつめます。弱さや醜さや高慢さといった負の内面をむき出しにし、人間性を試してくるのです。(中略)こんな底意地の悪い病気はありません。試された人間がボロボロになっていくのを眺めているのですから」(エイズ患者の妻)<本文より>
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Posted by ブクログ
ここに取り上げられているのは、日本国内におけるHIVキャリアの人々のセックスと愛です。このほとの本は全て読んでいますが、初の国内ものです。読んでいただければわかるんですが、重いです。
いま、HIVは治療さえきちんとすれば、死に至る病ではなくなったとはいえ、かならずしも根治しない、と言うのが現代の基本的な知識でしたがいやはや…。毎度のことながらこの作者の書くノンフィクションは衝撃的なものが多いんですが、今回この本で取り上げられている話題は、国内におけるHIV感染者における性愛がテーマです。
実は、この記事を書いている今も、内容が自分の中で整理ができてないです。最初はエイズにかかった同性愛者同士での話に始まって、HIVにかかった人と結婚を決意する女性、パートナーの自殺。HIVに罹患した人に対する偏見、差別がこれでもかといわんばかりに抉り出されてきます。その中である人が言っていたその中でも特に「HIVは私たちのことを試している。」と言う箇所があって、
「エイズは男女にとっていちばん大切なところに忍び込み、彼らを極限の状態にまで追いつめます。弱さや醜さや高慢さといった負の内面をむき出しにし、人間性を試してくるのです。殴ったり、蔑んだり、嫉妬したりして、それでも二人がやっていけるかを冷淡に観察するのです。こんな底意地の悪い病気はありません。試された人間がボロボロになっていくのを眺めているのですから」
と言う言葉の中に、この本の全てが集約されています。そして、僕がいちばん好きな話は、仮名で亜里沙と健太郎と言う一組の男女の話でした、亜里沙は高校時代に援助交際、大学には新宿歌舞伎町でファッションヘルスをやっていて…。彼女がHIVに感染をして…。と言うくだりなのですが。パートナーの健太郎が下した決断には…。自分に思わず問いかけました。
「もし自分がこの状況に置かれたとしたら、はたして彼と同じ結論が出せるだろうか!?」と。
この人の本はここで何回も紹介しておいてこういうことを言うのもなんですが、まず万人ウケはしません。しかし、「愛」と言うものと「性」と言うものに関して、一度じっくりとお考えいただくには格好のテキストであると、固く信じております。
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