遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)

小説・文芸
693円 (税込)

3pt

あの日、3月11日。三陸の港町釜石は海の底に沈んだ。安置所に運び込まれる多くの遺体。遺された者たちは懸命に身元確認作業にのぞむ。幼い我が子が眼前で津波にのまれた母親。冷たくなった友人……。悲しみの底に引きずり込まれそうになりながらも、犠牲者を家族のもとへ帰したい一心で現実を直視し、死者の尊厳を守り抜く。知られざる震災の真実を描いた渾身のルポルタージュ。

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遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    非常に重たい内容で、呼んだ後しばらく気分が落ち込みました。何度も読む手を止めようとしましたが、最後まで受け止めようと読みました。私は震災当時幼稚園児で、地震が起こった時のことをわずかに覚えている程度で、遠い東北の地で起こった大変な出来事といったようなことしかその当時は認識していませんでした。復興の裏側で大変な思いを自らもしながら誰かのために尽くす、そんな姿に胸を打たれました。二度とこんな大災害は起こってほしくはないですが、災害大国である日本に住んでいる限り常に覚悟をしておかなくてはならないと思いました。

    0
    2026年06月13日

    Posted by ブクログ

    東日本大震災発生後、とある遺体安置所の開設から閉鎖までを定点観測的に取材したルポルタージュ。カメラを通して見る出来事ではなく、その時そこにいた人間の目の前で何が起きていたのかについて詳しく書かれています。

    0
    2025年10月24日

    Posted by ブクログ

    ショッキングなタイトルですが、東日本大震災直後の遺体安置所を取り巻く人々を真摯に丁寧に描いた記録です。私自身も真摯な気持ちで読みましたし、人間の暖かさや強さを再認識しました。オススメ!

    0
    2021年10月28日

    Posted by ブクログ

    震災直後の岩手県釜石市の遺体安置所で様々な形で遺体と向き合った人々の記録。
    これほど読みながら胸が苦しくなるのは初めてかもしれない。途中で読むのをやめようかと思ったが、使命感のような気持ちで読み終えた。
    事実のみが淡々と綴られている。だからこそいかに壮絶な現場だったのかが伝わってくる。登場する人物はみな地元の住民であり、彼らもまた被災者なのだ。
    もっと早くに読むべきだったのかもしれないが、今更でも報道だけでは知ることができなかった事実に向き合えたことには価値があるはず。
    人の尊厳とは何かを示してくれる傑作ノンフィクション。

    0
    2020年06月30日

    Posted by ブクログ

    新型コロナが世界的に流行してるせいか、生死について考える時間も多くなり、長く積読していたこの本をようやく手に取ることが出来ました。

    釜石市の遺体安置所で、震災当初から奮闘していただいた様々な方々を時系列に、そしてリレー形式で書かれているので、非常に読みやすい本ではありました。

    私自身、母親であるので、やはり子が亡くなるケースは涙無しでは読み進めることができませんでした。
    私は被災者ではありません。だからこそ、当時の事を思うと軽々しく感想など言えません。
    ただ風化はさせてはいけないと、強く再認識させられました。

    0
    2020年05月06日

    Posted by ブクログ

    当時の状況はこういった本や話を聞くことからしかもうわからない。文章で綴られる当時の様子に、感情がかき乱されました。自分の中でも風化させないように、日本全体としても風化しないようにと思うばかりです。

    0
    2019年03月19日

    Posted by ブクログ

    本書は、2011年3月に発生した東日本大震災において大きな被害を受けた、釜石市の遺体安置所を舞台にしたルポ。あの日奪われた統計学的な数の命と、この世に残されたおびただしい数の遺体。それらは大きな混乱と悲しみの中で、被災者自身の手によって供養され、葬られた。このことは、大手メディアによって詳しく報道されることはなかった(と思う)。

    著者・石井光太は、震災後すぐ遺体安置所に入り、そのあまりに過酷な現実をつぶさに観察した。遺体回収にあたる自衛官や市職員、検体にあたる地元の開業医たち。もちろん彼らが顔見知りの変わり果てた姿に出会うこともしばしばだ。その悲しみは、想像することなど決してできない。

    遺体のほとんどは、津波の圧倒的な威力によっては破壊され、徐々に腐敗していく(津波火災による焼死体も多かった)。そんな中で遺体ひとつひとつに声をかけ、遺族に寄り添いつづけたある民生委員の行動は、悲劇の中にあって大きな救いとなった。

    関係者の献身的な行為の根っこには「今、自分のできる役割を果たす」という素朴だが、強い信念があった。はたしてその場において、なにができたか?問うほどにただ、胸が締めつけられる。

    自然災害によって、突然に命を奪われた人たちの無念ははかりしれない。同時に、残された遺族の悲しみと同化することも不可能だ。僕はあの時、ただ祈ることしかできなかった……。

    残念は「念が残る」で、無念は「念が無くなる」。死にゆく人間の想念は消えてしまうが、残された遺族にはさまざまな想いが残る。残念/無念という言葉は、死者とそれを見取る側の関係の相対性を浮かび上がらせる。普段何気なく使っている日本語にも、深い含蓄があるように感じた。

    人間は死に直面することではじめて、本当に大切なものを意識する。「メメント・モリ(死を思え)」は、常に死に意識的であることで物事の本質から目をそらしてはいけない、ということ。ある日突然訪れる死に対して、日々を後悔なく生きることは、はたして可能だろうか。

    先日、若くして亡くなった先輩の一周忌があった。彼自身、突然に自分の身に降りかかった死に、無念でならなかっただろう。そして残された僕らの心には大きな穴がぽっかりを空いたままだ。

    死からは決して、逃げることはできない。だからこそ、ひとつひとつ過ぎていく日常の時間を大切に……そんな当たり前のことを繰り返し、繰り返し、何度でも発見していきたいと願う。本書は、そんな気づきを与えてくれる稀有な書物だといえる。

    0
    2015年07月28日

    Posted by ブクログ

    東日本大震災でたくさんの方が津波被害で亡くなられたが、どのように発見され、身元特定され、火葬まで至ったのか。未曾有の災害で町のあちこちに遺体が散見し、市井の一般人が「遺体が至る所に転がっている」光景を目にするのは先の大戦以降なかったという。

    遺体安置所のキャパの問題、遺族の心のケア、混乱の中で誰が取り仕切るのか、弔いとは、身元不明の遺体は… 震災からある程度時間が経たないと語ることができなかったであろう内容。

    0
    2015年01月24日

    Posted by ブクログ

    テレビや新聞だけでは詳しく知ることができない釜石の方達の最期を知ることができました。

    遺体に触れるには、正直なところある程度の覚悟や心の準備がいると思うのです。
    ただ、あの震災の場では、それらを用意する間もなかったことがよくわかりました。

    人の死はたいがい突然やって来るのですが、あまりにも多過ぎました。感情のぶつけようもなかったのだろうと想像するしかありません。

    0
    2014年06月20日

    Posted by ブクログ

    単行本以来の、再読。
    やはり生々しい。石井さんの著作のなかでも、本気の一冊だと思う。被災地をこんなにも近くで見て、書いたものは、ほとんどないのでは。
    この本の執筆は、祈りというべき作業であった、と著者はいう。わたしはこんな石井さんの本気さが大好きです。

    0
    2014年05月20日

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