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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界の貧困現場を取材してきたノンフィクション作家石井光太が、ストリートチルドレンの生活と現実を物語化。貧困の中で、子どもたちはどのように生きているのか?
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Posted by ブクログ
スラム街で暮らすストリートチルドレン・トトの物語。 章ごとに事実に基づくスラム街や世界のデータが、お話の最初にあって、 それに関連したトトの物語が始まる。 櫻井さんの絵が可愛いのですらすら読めるけど 内容はすごく重たい。 でも絵のおかげで心で受け止めることができるような気がします。 世界には、ト...続きを読むトのような子どもがたくさんいる。 どうしていけばいいんだろう。
世界で数千万人いるといわれる路上で暮らすストリート・チルドレンと呼ばれる子供たち。主人公のトトはその一人です。かわいいタッチで描かれていますが内容は厳然たるもので、私たちに重い現実を突きつけられます。 僕はこの本の原作を書かれた石井光太さんの本はすべて読んでいて、そのディープな世界に魅了されていま...続きを読むすが、今回の本は彼が初めて手がける絵本だということで大変楽しみにしておりました。 主人公のトトは作者の石井光太さんがアジアの最貧国で出会った少年のイメージが組み合わさってできたものなんでしょうね。これは、絵本なのでほかの石井光太作品で特徴的などぎつい話は一切出てきません。しかし、ここに書かれているエピソードの一つ一つは今、この間にも路上で生活をしているストリートチルドレンたちの「今」に他ならないわけです。 初めてこの作品のモチーフとなったエピソードをほかの作品で見たときはあまりのショックに茫然自失としましたが、その中でも特にトトが死んだ仲間の遺体を引きずって町を練り歩き、「死体乞食」として、お金をもらうという話があって、物語ではそれを哀れに思った元マフィアのボスがトトにお金を渡すのですが、トトは「悪いやつのお金なんか要らない」と突っ返します。 ですが、現実にはそんなことはありえません。一種のファンタジーなんでしょう。ここに書かれている絵はかわいいのですが、改めてどうしようもないものを僕に突きつけられました。トトは同じく路上で出逢ったリンリンと結ばれてハッピーエンドになるわけです。しかし、路上生活を送る少年たちの人生で、このような結末になることはほとんどといっていいほどありません。 ですが、このラストに、悲惨な現実を見続けてきた作者の祈りであるということを僕は勝手ながら思ってしまうのです。
「知って、じゃああなたは何をする?」と、一貫して語りかけている良作。 やさしい語りかけにやさしい色合いの絵が調和していて、残酷なリアルなのに、きっと小さな子どもにでも最後まで読ませてくれる。 『おかえり、またあえたね ストリートチルドレン・トトのものがたり』は、とてもおそろしい本だった。 帯に偽...続きを読むりはない。 「絶対貧困」という、途方もなく、世界中の誰もまだ解決できていない残酷な現実に対してリアルで、 けれど希望を残してくれた作品だった。 「知って、じゃああなたは何をする?」と、一貫して語りかけている良作だ。 「絶対貧困」の世界に暮らす、トトというひとりのストリートチルドレンを主人公にした物語だけれど 「絶対貧困」の周りには、お金ももちろん、お金だけではない様々な困難やトピックがあって、 そのひとつひとつを、丁寧に書いている。 それなのに、この本は優しい。 語り口も当然のこと、紙質やサイズに至るまでを丁寧に考えて作られた作品であるから、というのもあるだろうけれど、 この本なら、安心して子どもに届けることができる。 私がそう考えた最大のポイントは「ストリートチルドレンたちをバカにしていない」ということだ。 バカにしていない、という表現を「可哀想な子ども、という枠にはめ込んでいない」という表現に変えた方が、もしかしたら適切かもしれない。 何らかの手助けを必要としている子どもを、無力だったり可哀想だったりと言った枠にはめるのが、私は嫌いだ。 彼・彼女らには力があって、それを全力で使って生きている子が、たくさんいる。それを「可哀想」で「無力」とくくってしまうなんて、ひどく彼・彼女らをバカにした話だと思うからだ。 気になったことをあげるとすれば「恵まれた日本」との比較が多かったことだ。 日本にも「家出少年・少女」という言葉で囲まれてしまった、 ストリートでなければ暮らせなくなってしまった子どもたちは確実にいて、 トトと同じような困難も抱えていて、 けれどその姿は、新聞やワイドショーではなかなか出て来ない。 「遠い海外のこと」として海外の子どもに無関心でいることと同じくらいに、 もしくはそれ以上に日本人は、日本のストリートで暮らす子どもたちに無関心だと思う。 それをヘタしたら助長してしまうような「海外と日本との比較」があふれていて、それが残念。 また、もし「少女」が主人公になっていたとしたら、トト以上の困難が待っていたことは想像に固くない。 女の身体を持ってストリートチルドレンとして生きていくことは、男の子以上に困難だ。 この本に出てくるストリートチルドレンの少女リンリンの扱われ方にも、気になるポイントがいくつかある。 逆説的だけれど、女でも安心してストリートチルドレンをできる社会が、日本にも世界にもあればいいのに、という考えは、やはり変わらない。 いずれにしても、誰かにオススメできる良書であることには間違いはない。
石井光太さんの本。絵本になっていて、とても読みやすい。 絵本なので、全体的な雰囲気としてはやわらかいが、詰まっているメッセージとしてはかなり重いもの。貧困地域のスラムを取り巻くさまざまな問題を突きつけてくる。 ひとつひとつに想像力を働かせながら読めば、本書を存分に活かすことができていると思います。
小さな命がいとも簡単に失われていくなんて…。 世界中にストリート・チルドレンがいることを、子どもたちに知ってもらいたくて、最近図書室にこの本を入れました。 このお話はラストで、ストリート・チルドレンの子ども同士が結婚し、新しい命を迎えることによって、一筋の光がみえる―だから、救われる思いがしました。
物語の章と章の間にある事実が辛い。 次に会ったらこう言ってあげな。 「おかえり、またあえたね」 優しい言葉です。
石井光太さんが書いたストリートチルドレンの話・子ども用。 子ども用なので絵がかわいい。 まだ、小学生のうちから自分が住んでいる場所以外で日常にどんなことが起こっているのか。どんな生活をしているのか。知っていてほしい。
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おかえり、またあえたね
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石井光太
櫻井敦子
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