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2016年、大阪市に日本初の民間小児ホスピス「TSURUMIこどもホスピス」が誕生した。ここは死を看取る場所ではない。難病の子供に苦しい治療を強いるのではなく、短い時間であっても治療から離れ、家族や友人と笑い合って生涯忘れえぬ思い出を作る手助けをする施設なのだ。設立に向けて奮闘した医師、看護師、保育士たち。そして自分の人生を守り生きるために声を上げた子供たちの感動の記録。
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Posted by ブクログ
初めての民間子どもホスピスを作った関係者の行動力と、子どもの尊厳を優先に考えた大人たちの数々のエピソードに胸を打たれた。高校生の頃Helen& Douglas houseのチャリティーショップで買い物をしたことがありましたが、ホスピス関連のチャリティーショップだったんですね。運営に関するエピ...続きを読むソードも驚きの発見でした。 悲しい話も盛りだくさんでしたが、限りある命を大切に過ごす手助けをする、あたたかいお話でした。
生きたくても、生きられない。 死にたくないのに、言われなくても死が近づいてることがわかってしまう。 この本に書かれている子どもたちはみんな生きて、家族の笑顔を見たいのに、どうしようもない自分の身体に絶望や不安を感じながらも、それでも希望は失わないどころか、周りを気にする優しさを持っている。 親は...続きを読む延命治療をすべきか、残された時間で生まれてきた意味を感じる時間を作るべきか。この子は何のために生まれてきたのか、悩みながらも後悔しないように、最良の選択をしようと頑張っている。 子供の立場、親の立場の両方がわかる今、その選択は難しいが、それぞれの親の選択を合ってる間違ってると言う権利は誰も持っていない。神でさえも。我々ができることは、その親の選択をそのまま受け入れ、そのままが良いと感じるだけだと思う。 私がその立場なら、どちらを選択したとしても後悔するとはわかっている。それでも、後悔しない方を選びたいというように、今の僕には何ができるか、とても考えさせられる本でした。 人それぞれ、色々な経験をしますが、見失ったらいけないことが何か、今の自分にできることはないのか、この本に書かれている人たちみたいな立派なことができなくてもいいから、一歩踏み出せることがあるはずです。 熱い人間だとよく言われて、浮くこともありますが、どうせ人間死ねば野辺の石ころ同様の精神で、できることから始めます。
重い病の子供たちにたとえ短くとも、深く生きてもらえる場を作った方々が「白い巨塔」の舞台である阪大医学部をルーツとしていることが驚きだ。 幸い私の子供たちは、今のところ健康に過ごしているが、この本を読んで年老いた両親に優しくしたいと思った。
子供の不治の病は子供の未来はもちろん いままでの努力までも奪い理不尽である また子供も幼くて病気が理解できなかったり 両親の希望で病名告知されずに なんで辛い治療をしないといけないか 家族や医療従事者に不満をぶつける 少しでもこのような施設が増え 子供、ご家族の心のケアができる事を祈ります
こんなふうに死を前にして懸命に生きている、私と同じくらいの子や、それよりも下の子供たちがいることは理解しているつもりでしたが、まったくもって分かっていなかったんだとこの本を読んで思いました。 辛い日々を過ごしながら生きる子供たちのその姿が、鮮明に描かれる度に泣いてしまいました。 定まってしまった死の...続きを読む前にその子ども達をできる限り幸せにしようと、そのために動く大人がこんなにも沢山いたんだと、そのために努力をしているひとびとがいるんだと、本当にありがたいような気持ちになりました。
タイトルに「奇跡」とあるが、「軌跡」としたほうがふさわしいと思われる。本書は日本で初めてのこどもホスピスの設立に携わった医師、看護師、保育士、患者家族らの記録である。 通常の成人用のホスピスは、終末期の患者を看取る場である。子どものホスピスの場合は、難病の子どもたちが短い期間であっても治療の場...続きを読むから離れ、家族や友人たちと笑い合い、障害忘れえぬ思い出をつくるための「家」としての場である。 話の展開上、治療の甲斐なく亡くなった子どもたちのエピソードが出てくる。読んでいて涙が止まらなくなってしまった。 特に、冒頭で登場する中学生の女の子と、その初恋の相手の高校生の少年の話は胸が詰まる。二人とも阪大病院に入院していたので、ちょっと「愛と死を見つめて」を思い起こしたりした。(古いですが) 高校生の少年は、成績優勝で剣道をやっていて明るくて気配りができ、リーダーシップもあり皆に慕われていた。病棟で中高生の会を作ったり、入院中の高校生への学習支援を訴え、市長に手紙を出したりもした。医学部進学を目指し、勉学に励んでいた。センター試験は、文字通り最後の力を振り絞って挑んだ 。しかし10日後帰らぬ人となる。通夜だけでも千人の弔問客が訪れたという。 少女は少年の制服の第2ボタンを約束をしていた。彼の母親はボタンを渡すときに言った。「これで、うちは姑やわ。… 頑張って生きてな」 そしてまもなく、ポスピス設立のプロジェクトが始動した。 百年生きても人生。十年生きても人生。「人生」に変わりなしだ
何年か前に40日間入院した時、中庭で3〜4人の幼児がカートの乗せられ、楽しそうに散歩してる姿を何度も見た。大人でも我慢できない辛さがあるのに、あんなに小さな子達も闘病してるんだなと思うと涙が出た。この本に登場する子供達の強い意志には驚かされる。私にも何か出来る事はないか、改めて考えさせられる1冊。
心が震える、というのはこういうことなんだなと、随所で感じられた一冊。「感動」などという言葉では軽過ぎる。 どんなに手を尽くしても亡くなってしまう幼い命。 患者や遺族から向けられる無念の思い。 どれだけのプレッシャー・ストレスを背負いながらの仕事なのだろうと、ただただ頭が下がる思い。 そしてその...続きを読む重みに負けず、理想とする小児医療の実現に向けて、様々な困難をひとつひとつクリアしていく。 使命感・責任感・真摯さ・優しさ、あらゆる面で尊敬の念しかない。 彼らの歩んできた道のりを読んで、自分がどれだけ甘えた考えで日々の仕事に取り組んでいたのか、反省。 今日と同じような明日が来ることは当たり前じゃない。 今元気でも、いつ病気や事故に見舞われるか誰もわからない。 だから、日々を一生懸命に、他人に優しく、仮にいつ死んだとしても、後悔の少ない生き方を心がけようと思った。 今年、間違いなく出会えてよかった一冊。
大阪に こどもホスピスが、在るとは知らなく 幼い子供達の健気な様子と家族 それを取り巻く色々な人々の交流 本当に 子ども達に優しい社会に 弱者に優しい社会になって欲しい。全国に拡がっていってほしい。機会があれば ボランティアで関われたらと思いました。
誰かの力になれる大人たちが、人生を終える子どもたちの手を取る。奇跡なような優しさだけど、それを世界中で続けている人たちがいる。それがとても嬉しい
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こどもホスピスの奇跡(新潮文庫)
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