作品一覧

  • 萌がさね 藤原道長室明子相聞
    4.0
    1巻1,045円 (税込)
    「己が時を汚すことなく生きていきたい」……左大臣家に生まれながら、心ならずも政敵・藤原道長へ嫁いだ、美貌の女・明子(めいし)。優しく儚(はかな)げながら、凛乎(りんこ)たる心を持つ彼女こそ、権勢を恣(ほしいまま)にした道長が、愛を得ることに苦悩した唯一の女だった。正妻・倫子(りんし)とともに「二人妻」として記憶される、明子の生涯を綴る、絢爛たる歴史絵巻。道長を懊悩(おうのう)させた美貌の女!
  • 陶炎 古萩 李勺光秘聞
    3.0
    1巻1,771円 (税込)
    後に萩焼の祖となる李勺光は、文禄の役で捕まり日本に連行された陶工だった。その身を預かることになった毛利家では、彼を特別な待遇で迎えた。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。夜伽も務めるその任に志絵は屈辱を覚えるが、武家の娘として従容と受け入れる。捕虜の陶工を志絵はどのように支えたのか。関ヶ原の合戦で時代は豊臣から徳川へ。激動の世を生き、一人の陶工に身を捧げた女の運命とは!
  • 秘恋 日野富子異聞
    4.5
    1巻1,881円 (税込)
    老人は峠に立つ墓標に語りかけた。「──真実は、その時代の権力者の思うがままに捏造されてしまいます。後の世の人々は、あたかもそれを事実と信じてしまい、まことに悔しい限りです。御台さまのことも希代の悪女と申す不心得者が出る始末で、何とも腹立たしくてなりませぬ」老人の名は喬之介。日野富子の幼なじみにして、信念に向かってまっすぐに歩んだ彼女の生涯を最後まで見守り続けた侍者だった──。
  • 花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記
    -
    1巻935円 (税込)
    文豪・谷崎潤一郎に愛され、当時世間の羨望の的になった、妻・松子。「春琴抄」や「細雪」のモデルにもなった彼女は、谷崎の理想の女性であり続けようとした。その生涯は、本当に幸せだったのだろうか?愛と芸術の狭間の煩悩を鋭く描く、恋愛小説。
  • 兄いもうと 子規庵日記
    -
    1巻880円 (税込)
    正岡子規の妹・律は、幼いころ「私は兄さまのお嫁さんになるんよ」が口癖だった。実際、二度結婚し、二度とも離婚して実家に戻る律。やがて、脊椎カリエスを病み、激痛にのたうちまわりながら仕事を続ける子規の闘病生活を、彼女は命を燃やすかのような献身的な看病で支える。壮絶な兄妹愛を描く傑作長編!
  • 雁金屋草紙
    -
    1巻550円 (税込)
    慕情を胸に異才尾形光琳を見つめる女の心裡。奈津が雁金屋の次男と出会ったのは光琳八歳、奈津十歳のときだった。早くも逸材の片鱗を見せる光琳に奈津は胸をときめかすが、それは果たせぬ恋の始まりだった。(講談社文庫)
  • 後朝
    4.0
    1巻743円 (税込)
    豊言いたげに光る瞳――美しい女人に成長した許子は、少女の頃から憧れていた皇子たちと恋におちる。幼い日の秘密が匂う甘い恋に始まる、「浮かれ女(め)」の華麗な恋の遍歴。夫や子供を持ちながら、恋人たちとの愛の姿を熱くうたいあげた官能の歌人、和泉式部の生涯を描く長編。(講談社文庫)
  • 一葉
    4.0
    1巻838円 (税込)
    15歳で戸主になり、貧しさゆえ作家になる決意をした樋口一葉。小説の師・半井桃水(なからいとうすい)への恋情、歌塾・萩の舎での屈託を抱え、極度の借金に追われながらも、わずか十数ヵ月で鴎外、露伴らから絶讃され近代文学の頂点に立つ。24年の生涯を全力で生ききった、稀有な天才作家の儚(はかな)くも美しい足跡を綴る、感動の長編小説。(講談社文庫)
  • あがの夕話
    4.0
    1巻1,309円 (税込)
    朝鮮人陶工・上野喜蔵尊楷と妻・可奈の一生豊前小倉細川藩の国窯を開いた上野喜蔵尊楷の陶芸にかける情熱と、現実の今にこだわる妻・可奈の夫婦愛と葛藤を流れるような筆致で描く。時代小説大賞受賞後第一作!
  • 建礼門院徳子
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    平清盛の娘、許されぬ愛の遊戯。「あなたがいたから、死ねなかったのです」。清盛の娘・徳子が、平家でただ一人生き残ったのは偶然ではなかった。禁忌を恐れず、憎むべき相手を愛してしまった女の懊悩とは――。後白河法皇の強さに惹かれた女の生涯。長編歴史ロマンス。
  • 波枕 おりょう秘抄
    3.3
    1巻1,771円 (税込)
    忘れえぬ龍馬の面影。残された妻・おりょうの怒濤の後半生とは。――おりょうらしく生きたい。松兵衛のために、自分のしてやれることをやり通そう。「それでこそ、おりょうや」と、龍馬が手を打って喜んでくれるよう。おりょうらしく生きてみよう。龍馬の人生をわが裡の規矩として。夜通し考えて、おりょうは1つの結論を得た。いや、考えたのではなく、心に熱く感じたのだ。
  • 百恋一首
    -
    1巻1,309円 (税込)
    王朝の時代とうた心を紹介するエッセイ集。恋に生き、愛をうたって詠みつがれてきた和歌の数々の中から24首をとりあげ、その読み人と恋の諸相をやさしく綴る。藤原道信、大海人皇子、小野小町等々。
  • 蔦かずら
    -
    1巻1,562円 (税込)
    ラスト・ラブ。この恋を失ったらもう二度と人を愛せない。自分を囲っていた男が危篤になったときに抱く熱い恋心、年若の同僚に躰をゆだねられない切なさ、夫の不義を許してしまった妻の寂しさ――。曲がり角で愛に揺れる女性達の心の襞を描いた、8つの連作集。
  • 想ひ草
    -
    1巻1,562円 (税込)
    老いを目の前にした女性が、自分の人生を生きはじめる、その瞬間を描いた8つの物語。人生を喪わないために、女たちは密やかな選択をする。――だれも知らないところで。
  • 漱石の妻
    3.5
    1巻902円 (税込)
    悪妻として知られる夏目漱石の妻・鏡子。潔癖症の漱石と、おおらかだが大雑把な鏡子の夫婦生活は、船出から食い違い、英国留学を経て重度の神経症を得た漱石との暮らしは大波に揺れる。鏡子はなぜ悪妻と呼ばれたのか? 二人はどうして別れなかったのか? 余人には窺い知れない夫婦の絆を妻の視点で描く。(講談社文庫)
  • めぐり逢い 新島八重回想記
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    天保14年、新島襄は上州安中藩江戸屋敷詰の祐筆の家に生まれる。尊皇攘夷運動の中、キリスト教精神に触れてアメリカへの密航を決意する。他方、八重は会津藩の砲術指南役の家に生まれる。藩主・松平容保が京都守護職に任ぜられ、鳥羽・伏見の戦いが勃発する。──単身渡米して西洋の精神を学ぼうとする襄。会津城で最後まで戦った八重。後にキリスト教精神の「良心」に基づく大学創設に結実するそれぞれの人生の軌跡とは!

ユーザーレビュー

  • 秘恋 日野富子異聞

    Posted by ブクログ

    この作者の日野富子の想い人は幼馴染で護衛として仕えている。側で見守り、見守られている関係はもどかしい。そのもどかしさ、伝えられない想いも含めてここかしこに表現されている。
    他作品では帝との恋に晩年は穏やかに語らいながら過ごす場面で終わっていたが今回は日野富子が亡くなるまで想いは伝えてはおらず、最期も名前だけ読んで亡くなってしまう。男性はその後30年生きて日野富子が守りたかった鎌倉幕府の憂き目を生で観続けて独り生きる。悲しい話だった。

    正義感の強い女性は男の不甲斐なさに自分が走り回って回らなくてはいけない焦燥感に陥入るのだろうか。強い女性も本当は正義感で動いているのかも知れない

    0
    2023年01月24日
  • 建礼門院徳子

    Posted by ブクログ

    自分に正直に生きる。との心構えしつつも院に翻弄され、遊ばれていると思ったり、あの言葉は真実だったと揺れ動いて、また揺れ動く一生を送って最後は分かり合えるのかと思ったら徳子のプライドなのか訪ねてきた院に毅然とした態度で別れをいう。その実私の心の内をわかって欲しい、心通わせたのではないか?と胸の内で叫ぶが徳子も院の言葉を信用していないし分かっていないのだから言葉にしないと分からないではないかと一見切ない恋愛のように感じだが考えれば考えるほどわがままで自己中なのかと思えてくる。
    人の事は言えないが何も言わず分かってくれはないだろう。でも言えないのは日本人の奥ゆかしさと礼節なんだろうなぁ。そんな遺伝子

    0
    2024年11月02日
  • 萌がさね 藤原道長室明子相聞

    Posted by ブクログ

    道長とその妻、倫子は有名だけれど。
    明子を主人公にした物語は珍しい。
    明子は既に父親が他界していたから、道長の後ろ盾になれず、影が薄いのか。
    また女の子は2人。
    4人の女の子全員東宮や帝の后となった倫子とは扱いが違うのか?
    明子に関してはぼやけていた印象が、この本のおかげでくっきりしてきました。

    0
    2024年01月16日
  • 漱石の妻

    Posted by ブクログ

    お互いに気持ちがあっても
    どこかのポイントでボタンをかけ違ってしまって
    素直な気持ちが伝わらなくなるなら 本当に関係性は難しい。 漱石の妻は悪妻であったという通説も、こうして視点を変えて切り取ると、誰もが知る日本の誇る文豪としての伝記ではなく 不幸な生い立ちを乗り越えきれない男と、苦労知らずで育って夫を理解できない妻が、それでもなんとか夫を理解して包み込もうと奮闘する不器用な者同士の切ない夫婦関係として胸に迫った。

    0
    2021年12月01日
  • 漱石の妻

    Posted by ブクログ

    ハセヒロさんの漱石と尾野真千子の妻、NHKのレベルの高い画、全部素晴らしい。大河ドラマのような濃厚なドラマでした。

    0
    2016年12月24日

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