鳥越碧のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この作者の日野富子の想い人は幼馴染で護衛として仕えている。側で見守り、見守られている関係はもどかしい。そのもどかしさ、伝えられない想いも含めてここかしこに表現されている。
他作品では帝との恋に晩年は穏やかに語らいながら過ごす場面で終わっていたが今回は日野富子が亡くなるまで想いは伝えてはおらず、最期も名前だけ読んで亡くなってしまう。男性はその後30年生きて日野富子が守りたかった鎌倉幕府の憂き目を生で観続けて独り生きる。悲しい話だった。
正義感の強い女性は男の不甲斐なさに自分が走り回って回らなくてはいけない焦燥感に陥入るのだろうか。強い女性も本当は正義感で動いているのかも知れない -
Posted by ブクログ
自分に正直に生きる。との心構えしつつも院に翻弄され、遊ばれていると思ったり、あの言葉は真実だったと揺れ動いて、また揺れ動く一生を送って最後は分かり合えるのかと思ったら徳子のプライドなのか訪ねてきた院に毅然とした態度で別れをいう。その実私の心の内をわかって欲しい、心通わせたのではないか?と胸の内で叫ぶが徳子も院の言葉を信用していないし分かっていないのだから言葉にしないと分からないではないかと一見切ない恋愛のように感じだが考えれば考えるほどわがままで自己中なのかと思えてくる。
人の事は言えないが何も言わず分かってくれはないだろう。でも言えないのは日本人の奥ゆかしさと礼節なんだろうなぁ。そんな遺伝子