鳥越碧のレビュー一覧

  • 秘恋 日野富子異聞
    この作者の日野富子の想い人は幼馴染で護衛として仕えている。側で見守り、見守られている関係はもどかしい。そのもどかしさ、伝えられない想いも含めてここかしこに表現されている。
    他作品では帝との恋に晩年は穏やかに語らいながら過ごす場面で終わっていたが今回は日野富子が亡くなるまで想いは伝えてはおらず、最期も...続きを読む
  • 萌がさね 藤原道長室明子相聞
    道長とその妻、倫子は有名だけれど。
    明子を主人公にした物語は珍しい。
    明子は既に父親が他界していたから、道長の後ろ盾になれず、影が薄いのか。
    また女の子は2人。
    4人の女の子全員東宮や帝の后となった倫子とは扱いが違うのか?
    明子に関してはぼやけていた印象が、この本のおかげでくっきりしてきました。
  • 漱石の妻
    お互いに気持ちがあっても
    どこかのポイントでボタンをかけ違ってしまって
    素直な気持ちが伝わらなくなるなら 本当に関係性は難しい。 漱石の妻は悪妻であったという通説も、こうして視点を変えて切り取ると、誰もが知る日本の誇る文豪としての伝記ではなく 不幸な生い立ちを乗り越えきれない男と、苦労知らずで育って...続きを読む
  • 漱石の妻
    ハセヒロさんの漱石と尾野真千子の妻、NHKのレベルの高い画、全部素晴らしい。大河ドラマのような濃厚なドラマでした。
  • 秘恋 日野富子異聞
    田村喬之介は、八代将軍足利義政の正室となる幼馴染日野富子の警護に一生を費やす。お互いの恋心を隠し続けて生きていく二人。その二人を取り巻く戦乱の時代と足利将軍たちの生き様の歴史絵巻。
  • めぐり逢い 新島八重回想記
    新島八重をモデルにしたNHKドラマが始まるせいか、関連の書物が目につく。鳥越碧のこの本は、2人のそれぞれの生いたちから出会いその後をわかりやすくまとめた内容で読みやすかった。
    それにしても反発の強いキリスト教を軸に据えて京都に学校を創設した新島襄の不屈の闘志と、彼に沿い共に歩んだ八重のパワーには圧倒...続きを読む
  • 一葉
    樋口一葉のその人となりが、「小説」ではあるけれども垣間みれたような気がする。
    もっと「儚い」人かと思ってたけど、結構したたかに生きた人なんだなぁ。
    お金に苦しんだ一葉が今、5000円札を飾ってるっていう…、
    本人が知ったらどう思うんだろう…。。
  • 波枕 おりょう秘抄
    龍馬の愛した女性の人生に興味が有り今回この作品を読んだ
    おりょうの立場からその人生を辿るとこんなにも悲しく、切ない物語になるのかと思った。
    龍馬がただ一人妻として愛した女性の生涯。
  • 萌がさね 藤原道長室明子相聞
    栄華を極めた藤原道長の系図を見た時、ふと気になってしまう女性。正室倫子に並び"ふたり妻"と呼ばれた道長の妻、源明子。あまり知られていない存在を、作者の自由な感性で主役として描きあげた、とっても読み応えのある小説でした。
    淡い初恋や男の片思いが切なく彩る、歴史恋愛小説ですね。
  • 一葉
    父と兄が相次いで亡くなり、15歳で一家の戸主となった夏子。
    病弱な夏子がお金を稼ぐには小説家になるしかなかった。
    貧困、借金、恋、病気-24歳で夭逝した樋口一葉生涯を描く。
  • 陶炎 古萩 李勺光秘聞
    今年の9月萩に行った際に坂高麗左衛門窯を訪問し、14代当主にもお会いすることができ、その歴史を知る上でも、本著を取り寄せた。
    史実としては、残されている者が少なく、この作品も創作の部分があるわけだが、ベースになる歴史の事実関係は学ぶことができる。
    萩焼の起源は、豊臣秀吉が起こした朝鮮出兵時に毛利輝元...続きを読む
  • 漱石の妻
    悪妻と謳われた夏目漱石の妻、夏目鏡子の物語。
    読んで、初めに思ったことは、ふたりとも子供だったのだなと言うこと。
    だが、時が経ちふたりとも徐々に寄り添うように成長していく。
    漱石は、神経病や胃潰瘍などで妻や子供たちに手を上げたことも数知れずあるらしい。
    だが、修善寺で倒れて無意識のうちに『妻は?』と...続きを読む
  • 漱石の妻
    男の嫉妬はタチが悪いということか?女性の集団がどうなのか今一つ判然としませんが、野郎の集まりはともすれば濃厚な関係が成立しますからな。
    どう見ても悪妻とは思えんのですけれど鏡子さんは、逆にちょっと可愛らしい感じを受けるからなおさらに。
  • 陶炎 古萩 李勺光秘聞
    夫を亡くし幼い息子と暮らしていた主人公は、藩のため、婚家と息子のもとを去り、半島から連れてこられた陶工のもとへ奉公することになる。
    藩のためと割り切っていたはずだが、その思いは簡単ではない。時代に翻弄された女と、遠い彼の地からやって来て、すべてを忘れるようにもの作りに精を出す男。不器用な二人の行方が...続きを読む
  • 波枕 おりょう秘抄
    今もなお多くの人に影響を与え続けている、魅力あふれる龍馬に出会ったおりょうのその後。
    長く寄り添った後の夫との暮らし、次第に酒に溺れる姿など哀れを誘う。
    早逝したがためになまじっかの人間ではたちうちできなかったのだろう。
    フィクションと史実の間が知りたいと思えた。
  • 建礼門院徳子
    德子が秘めた後白河院への思いが息苦しいほどだった。
    漱石、子規などの本はおもしろく読んだが、歴史物語における人物造詣のフィクション部分はどれほどの割合なのだろうか。 
    近代作家のものに本領を発揮する作家だという感が残った。
  • 波枕 おりょう秘抄
    坂本龍馬のおりょうということで読んで見た感じ。
    これまでの知識と相違があるが、最近の本であり、資料も豊富なのでこちらが正しいのか?
    創作であるので文句はないが、龍馬関連は知っていることなので気楽、おりょうに関してはこんなものか
  • 波枕 おりょう秘抄
    光輝く龍馬と過ごした日々はたった3年間だった。
    失った年月はなんと長いことか…
    龍馬の妻と呼ばれた、“おりょう”さんの長い物語。