あらすじ
後に萩焼の祖となる李勺光は、文禄の役で捕まり日本に連行された陶工だった。その身を預かることになった毛利家では、彼を特別な待遇で迎えた。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。夜伽も務めるその任に志絵は屈辱を覚えるが、武家の娘として従容と受け入れる。捕虜の陶工を志絵はどのように支えたのか。関ヶ原の合戦で時代は豊臣から徳川へ。激動の世を生き、一人の陶工に身を捧げた女の運命とは!
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Posted by ブクログ
今年の9月萩に行った際に坂高麗左衛門窯を訪問し、14代当主にもお会いすることができ、その歴史を知る上でも、本著を取り寄せた。
史実としては、残されている者が少なく、この作品も創作の部分があるわけだが、ベースになる歴史の事実関係は学ぶことができる。
萩焼の起源は、豊臣秀吉が起こした朝鮮出兵時に毛利輝元が朝鮮から連れてきた陶工、李勺光兄弟にあたる。
この小説は、李勺光とそこに嫁ぐことになった武家の娘との恋愛物語。
母国の誇りを背負った李勺光は作品を極めようとし、自分を追い詰め、結末はハッとさせられる。