講談社文芸文庫の検索結果

  • 野いばらの衣

    野いばらの衣

    小説・文芸
    -
    1巻1,595円 (税込)
    小児麻痺で左足が不自由なカメラマンの「わたし」=郡司。彼が高校時代、憎悪を爆発させた体操教師・木宮。その娘で、郡司の憧憬と愛の対象、体操選手・とし子。偏執的人形師・英三三夫。左手に障害のある超能力者・亜矢……。人体の極限の美を追求する者と障害のある者――「わたし」は常に計り知れない距離と対峙する。二つの極を軸に、肉体と精神の微妙な領域を、“「わたし」の視点”で捉えた渾身の長篇力作。
  • どこか或る家 高橋たか子自選エッセイ集

    どこか或る家 高橋たか子自選エッセイ集

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,562円 (税込)
    すべて素顔の私。私らしい文章40篇を厳選――小説の中に表われる作家の分身……。自身そのように小説を書いてきたけれど、それは、<私>という人間そのものでは、決してない。おさない頃の京都の記憶、日々の生活を楽しんだ鎌倉、親しい友との旅、出会い、そしてパリでの霊的体験……。書きつづってきた文章の中から、40篇を選び出してみた、ほんとうの<私>をわかっていただくために。 ◎高橋たか子「今、人生の最終段階にいる私は、私という者が大体どういう者であったかを、すくなくとも、すでに書いたエッセイをざっと並べる形において、わかっていただきたい、と思う。大体、と書いたが、全体は神のみぞ知る。<「著者から読者へ」より>
  • 対談・文学と人生

    対談・文学と人生

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    独自の創作理論を打ち立てた、二大巨人による実践的文学論。文学の<現在>はここから始まる――独自の文学世界を打ち立てた二大巨人=小島信夫&森敦による長篇対談。昭和20年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の<現在>を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論など、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫る、スリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。 ◎小島信夫「この対話は色々の問題をもってきて、互いに論じるというようなものとは大分ちがう。問題も材料も互い自身である。これは息苦しいものであるし、空を切ることもあるので、ときどき散歩をすることもある。ときには、自分自身をダマす必要もある。(略)今月、悲劇、喜劇という言葉が出現して、私は刺戟をうけた。まどろみかけた目がひらいた思いがした。(略)今回のような談話の中での文脈の中でおどり出たのだから、これは生きた言葉である。生きた言葉であるだけに、今後何度も俎上にのぼり、たのしまなければならない。」<「第四回・追記」より>
  • 暗夜遍歴

    暗夜遍歴

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    月子の父親が陥れられることによって登場した小田村大助。奪われるようにして小田村と結ばれた月子。政治と実業の世界の鬼であった小田村は、また、奔放な性を生き、女性遍歴を重ねていく。運命にもてあそばれた月子は、短歌に道を見出すことで、傷を癒し、自らを支えようとする。――息子・由雄の眼を通し、母・月子、父・大助の愛憎の劇を冷徹に描いた自伝的作品。亡き母への痛切なる鎮魂歌。
  • 田村俊子

    田村俊子

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,562円 (税込)
    明治17年、浅草・蔵前に生まれ、昭和20年、上海の路上に死んだ作家・田村俊子。みずからを信ずるままに、奔騰する愛を生き書いた先駆者・田村俊子に、深い愛惜とただならぬ共感を寄せる著者が、故人を知る人を尋ね、俊子の足跡を辿り、知られざる生涯を掘り起こした、決定版評伝。「田村俊子補遺」及び「田村俊子年譜」を付す、瀬戸内晴美の文学的デビュー作。第1回田村俊子賞受賞作品。
  • 常識的文学論

    常識的文学論

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。 「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より)
  • 鳴滝日記・道 岡部伊都子随筆集

    鳴滝日記・道 岡部伊都子随筆集

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    「美の巡礼者」岡部伊都子の京を巡る随想集。いとはん育ちの著者は、婚約者を戦争に送った慚愧を胸に戦後を生き、暮しの細部に宿る美、哀歓を美しい言葉で綴った。土地の精霊との交感から生まれた清々しい初期随筆集! ――ふしぎなめざめにうながされて……、凍てつく土中から虫たちが這い出すように、女ひとり、戦後をつよく生きる想いを綴る「四季採譜」。大阪のこいさん育ちの著者が生涯の地・京に移り住み、暮らしの中から紡ぎ出す美しい言葉で古都の魅力を語り尽す「鳴滝日記」。古の道、ふるさとの道、露地の道を行き交う人の運命を哀切に描く「道」など4篇。豊かな感性と強靭な志の1冊。
  • 上海・ミッシェルの口紅 林京子中国小説集

    上海・ミッシェルの口紅 林京子中国小説集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    戦争の影迫る上海の街で、四人姉妹の3番目の「私」は、中国の風俗と生活の中で、思春期の扉をあけ成長してゆく。鮮烈な記憶をたどる7篇の連作小説「ミッシェルの口紅」と、戦後36年ぶりに中国を再訪した旅行の記「上海」。長崎で被爆して「原爆」の語り部となる決意をした著者が、幼時を過ごしたもう一つの文学の原点=中国。
  • 月夜の記憶

    月夜の記憶

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,562円 (税込)
    人間の根柢へ、文学の原理へ、深まりゆく作家精神の軌跡! 死を賭して受けた胸部手術、病室から見た月、隣室の線香の匂い、そして人間の業……。終戦からほどない、21歳の夏の一夜を描いた表題作をはじめ、人間の生と死を見据え、事実に肉迫する吉村昭の文学の原点を鮮やかに示す随筆集。自らの戦争体験、肉親の死、文学修業時代と愛する文学作品、旅と酒について、そして家族のことなど、ときに厳しく、ときにユーモラスに綴る。
  • 可能性としての「在日」

    可能性としての「在日」

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    在日2世作家として、少年期のサハリン越境の原体験をもとに、南北朝鮮の政治体制や日本のナショナリズム、さらにパレスチナ問題に対し、そのつど問題提起と行動をおこしてきた著者の、思想・文化・人間観が開示されている。21世紀を生きる「在日」の新しい可能性を追求した表題作ほか、単行本未収録の「韓国国籍取得の記」を含め、30余年の文学的営為を示す講演・エッセイを精選した。
  • 黙阿弥

    黙阿弥

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,562円 (税込)
    黙阿弥の真の姿と心の奥の風景を描く曾孫からの鎮魂の評伝。 ――坪内逍遙に“明治の近松、我国のシェークスピア”と称された河竹黙阿弥。その78年の生涯を、秘蔵の原稿や手記をもとに、曾孫にあたる著者が心をこめて描いた評伝。幕末から明治への激動の時代を生きた黙阿弥の作者魂と、江戸作者の矜持。それは現代にも通じるひとつの「生」の記録でもある。 ※本書の初出は、「別冊文藝春秋」(1991年夏~1992年秋)に「孤影の人」という題で発表され、単行本は、文藝春秋より1993年2月に『黙阿弥』と改題され刊行しました。底本は、文春文庫『黙阿弥』(1996年)を使用し、著者により若干の訂正をいたしました。
  • 箱庭

    箱庭

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,562円 (税込)
    戦後20年、経済的にも物質的にも豊かになった日本社会。東京山の手を舞台に、一つの屋敷内に住む、父母、長男夫妻、次男夫妻の世代の異なる3カップルが繰り広げる悲喜劇。主人公の長男・木俣学と、弟・修の妻・百合子の情事をきっかけに、「箱庭のようにせまく、息苦しくそのくせ形だけはととのっている」家族が、ゆっくりと、静かに崩壊してゆく姿と、その荒涼とした心の風景を描く力作。幸福な「家族」の静かな崩壊を描く長篇小説。
  • 夜逃げ町長

    夜逃げ町長

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    出馬予定の県会議員選挙の前夜、町長が行方をくらました。地方の平和な田園風景の中にくりひろげられる滑稽な人間模様の数々! 事実に基づく題材を、鋭利で、しかも軽妙な文体で活写した、記録文学の傑作。他に不可抗力として著者を襲った「落第について」、「幻、夢、うつつ。」など8つの作品集。哄笑・傑作小説集。
  • 私の長崎地図

    私の長崎地図

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    生まれ育った町を振り返りながら書き綴った「私の長崎地図」を中心に、筆者の長崎へ対する思いが溢れる小説、随筆を編纂した作品集。――生まれ故郷・長崎。しかし、そこは再訪するのに四半世紀の時を必要とした地でもあった。強い郷愁と訪れることへの不安が、町の色や海の香に彩られた過去から、現在に至る心の風景を紡ぎ出す。長崎を舞台にした「私の長崎地図」「歴訪」「色のない画」などの小説や随筆を精選したこの作品集は、『私の東京地図』と対をなす著者の魂の彷徨である。※本書は『佐多稲子全集』(講談社・昭和52年11月~昭和54年6月刊)、『小さい山と椿の花』(講談社・昭和62年10月刊)、『思うどち』(講談社・平成元年6月刊)を底本としました。
  • 未成年・桃 阿部昭短篇選

    未成年・桃 阿部昭短篇選

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,562円 (税込)
    敗戦で失職した元海軍大佐の父。時代に背を向け不器用に生きた父と家族の「戦後」を、激情を内に秘めた簡潔な表現で描いた「未成年」(「父と子の連作」の一)。幼年期の記憶のヴェールに揺曳する一情景を、繊細な筆致で甦らせる「桃」。阿部文学の通奏低音である湘南の大自然と朽ちていく人の家を対比、早過ぎた晩年の心境を刻む「水にうつる雲」。澄明な文体と深いユーモアで人生の真実を描いた、短篇の名手の名篇10篇を精選。
  • 死の影の下に

    死の影の下に

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    無意識の記憶の突然の喚起をきっかけとして、主人公の城栄は、静岡県の田舎で伯母に育てられた牧歌的な日々の回想に誘いこまれる。早くも「喪失」の意味を知った少年は、伯母の死後、冒険的実業家の父親と暮らし始め、虚飾に満ちた社交界をつぶさに観察することになる。新しいヨーロッパ文学の方法をみごとに生かした、戦後文学に新たな地平を拓き、戦後文学を代表する、記念碑的長篇ロマン。
  • 現代詩人論

    現代詩人論

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    大正末期から戦後まで、混迷の時代の中で輝かしい光を放った詩人たち――西脇順三郎、金子光晴、中野重治、中原中也はじめ、「四季」の三好達治、立原道造、戦後「荒地派」の鮎川信夫、田村隆一さらに清岡卓行、谷川俊太郎に及ぶ、23人の魅力の源泉に迫る。「詩」と「批評」という二筋道を、一筋により合わせ得る道を自らの内に探求してきた著者の、刺激に満ちた詩人論。現代詩を語る上で、必読の詩人論が誕生した!
  • アメリカと私

    アメリカと私

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    著者20代最後の年、1962年より2年間のプリンストン滞在記。この間、公民権運動の高揚、キューバ危機、ケネディ暗殺など、激動期を迎えていたアメリカ社会の深部を見つめ、そこに横たわる自他の文化の異質性を身をもって体験する。アメリカという他者と向き合うことで、自らのアイデンティティの危機を乗り越え、その後の「国家」への関心、敗戦・占領期研究への契機ともなった、日本文化論の歴史的名著。
  • 濁った激流にかかる橋

    濁った激流にかかる橋

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。
  • 新東京文学散歩 漱石・一葉・荷風など

    新東京文学散歩 漱石・一葉・荷風など

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    東京をこよなく愛し、住んだ文人たち。近代文学の中心・東京は、先の戦争で焦土荒廃の地と化した。野田宇太郎は、消え失せたそこに文学者の影を求め東京を、やがて全国を「文学散歩」し始める。『新東京文学散歩 上野から麻布まで』の後篇を、戦後七十年を機に読者のもとに届けつつ、近代文学の香りと共に、改めて東京文学散歩へ誘う……。
  • 新東京文学散歩 上野から麻布まで

    新東京文学散歩 上野から麻布まで

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    「文学散歩」という言葉を創案したのは、野田宇太郎である。東京の文人の辿った跡を丹念に歩き尽くしたこの作品――東京は、近代文学史上に名を刻んだほとんどの文学者の私生活の場所でもあった……。近代文学の真実に触れる事、すなわち東京を知ることと考えた著者の、生涯をかけた仕事『新東京文学散歩』は、文学を愛する読者に献げた、文学案内の礎でもある。
  • 夜明けの家

    夜明けの家

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    「老耄が人の自然なら、長年の死者が日々に生者となってもどるのも、老耄の自然ではないか。」――主人公の「私」が、未明の池の端での老人との出会いの記憶に、病、戦争、夢、近親者の死への想いを絡ませ、生死の境が緩む夜明けの幻想を語った表題作をはじめ、「祈りのように」「島の日」「不軽」「山の日」など「老い」を自覚した人間の脆さや哀しみと、深まる生への執着を「日常」の中に見据えた連作短篇集。
  • スミヤキストQの冒険

    スミヤキストQの冒険

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,562円 (税込)
    そこは悪夢の島か、はたまたユートピアか。スミヤキ党員Qが工作のために潜り込んだ孤島の感化院の実態は、じつに常軌を逸したものだった。グロテスクな院長やドクトルに抗して、Qのドン・キホーテ的奮闘が始まる。乾いた風刺と奔放な比喩を駆使して、非日常の世界から日常の非条理を照射する。怖ろしくも愉しい長編小説。
  • 天安門

    天安門

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    アメリカ生まれの著者が、初めて訪れた中国。都市を離れて、中国の奥へ奥へ――そこには現代があった。国境、言語を越え、歴史を遡るアイデンティティの旅。自身に流れる血を通して、自己の存在を、「仮」と「真」の中で映し出そうとした衝撃の作品群。一人の越境者の魂の漂泊は、現代中国の真の姿を求める。伊藤整賞受賞作「仮の水」を含む、鮮烈の短篇五作。
  • わが美的洗脳 大岡昇平芸術エッセイ集

    わが美的洗脳 大岡昇平芸術エッセイ集

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    14歳、初めて聴いたベートーヴェン「第五」に一撃を喰らい、26歳、スタンダールの手引きで出合った「フィガロ」に震駭、熱烈なモーツァルティアンに。その音楽の魅力を音符にまで遡って究めんと50歳を過ぎてピアノと作曲法を学ぶ――。音楽は単なる趣味を超えて、その人生と文学に霊感を与え、更なる真摯な探求に彼を駆り立てた。音楽、映画、演劇等、芸術随想46篇に、武満徹、吉田秀和との対談を併録。
  • 成城だより 上

    成城だより

    小説・文芸
    -
    1~2巻1,562円 (税込)
    成城に越して来て11年、運動は駅まで15分の片道だけ。体力の衰えに抗しつつ、富永太郎全集に集中、中原中也「山羊の歌」の名の由来を追い、ニューミュージック、映画、テレビ、劇画、広汎な読書、文学賞選考会等、80年代前半の文化、文壇、世相を俎上に載せ、憤り、感動する。70歳にして若々しい好奇心と批評精神で「署名入り匿名批評」と話題を呼んだ日記体エッセイ。上下2巻。
  • 台風の眼

    台風の眼

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    悪性腫瘍の手術後、作家は最後になるかもしれない小説を書きはじめる。自分が確かに生きていたと思える、記憶に深く刻み込まれた情景をつなぎとめながら。世界というものをふいに感じた4歳の頃の東京・赤坂、小学時代を過ごした植民地・朝鮮の田舎町、京城の中学時代、焼け跡の中の旧制高校、特派員として赴いたソウル、そしてサイゴン。自伝と小説の間を往還するように描かれた、新しい試み。
  • 画家小出楢重の肖像

    画家小出楢重の肖像

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    画家小出楢重は、大阪生れの洋画家である。しかし、絵だけでなく名随筆家でもあった。彼の代表作である『Nの家族』『帽子を冠れる肖像』『蔬菜静物』『横たわる裸身』から、最後の作品『枯木のある風景』まで、楢重の生涯を、そして彼が離れられなかった関西の土地と文化を、大阪育ちの作家が見事に描きあげた平林たい子賞受賞作。
  • 哈爾濱詩集 大陸の琴

    哈爾濱詩集 大陸の琴

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    「きみは我が忘れもはてぬはるびんなりしか。はるびんよ……。昭和12年4月、旅行嫌いの犀星が、生涯でただ1度の海外(満洲)旅行に出かけた。「古き都」哈爾濱は、犀星の詩心を刺激し、後年『哈爾濱詩集』となる抒情詩の数々を産ませ、また、満洲で棄て子捜しをする男を中心に、船上で出逢った人々の荒唐無稽な人生を描いた小説『大陸の琴』を書かせた。本書は、随筆「駱駝行」他3篇を併録した<大陸もの>作品集。
  • 黄金伝説 雪のイヴ

    黄金伝説 雪のイヴ

    小説・文芸
    -
    1巻1,562円 (税込)
    常に時代と対峙し、辛辣な批判精神と強烈な抵抗精神で戦い続けた著者の、文学的出発期の作品「鬼火」「ある午後の風景」「長助の災難」「桑の木の話」。行方不明の女を捜し彷徨することで生を繋ぐ"わたし"が、娼婦となった女と再会――敗戦後の混乱を鋭く凝視し絶望を再生に転化させる新たな出発を示した「黄金伝説」、他に「無尽灯」「雅歌」「雪のイヴ」など収録10篇。
  • 高村光太郎

    高村光太郎

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    敗戦後の岩手の山中に、己を閉塞させた高村光太郎。彼の留学体験に、父・光雲への背反、西洋文化の了解不可能性を探り、閉塞の〈実体〉を解明する。著者の文学的出発の始めに衝きあたった巨大なる対象――その生涯、芸術、思想を論じ、高村光太郎の思想的破綻を自ら全戦争体験をかけ強靱な論理で刳り出す初期の代表的作家論。
  • むらぎも

    むらぎも

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,562円 (税込)
    金沢の旧制高校から東京帝大に入学した片口安吉の〈新人会〉での活動を核に、豊潤な感性で描く精神の軌跡。時代の終焉を告げる天皇の死。合同印刷ストライキ。激動の予感を孕みながら展かれてゆくプロレタリア運動。流されるままに流れる〈心〉の襞の光と影。『梨の花』『歌のわかれ』に続く自伝的長篇小説。毎日出版文化賞受賞。
  • 一色一生

    一色一生

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,540円 (税込)
    染織家・志村ふくみは、数十年、さまざまな植物の花、実、葉、幹、根を染めてきた。それらの植物から染まる色は、単なる色ではなく、色の背後にある植物の生命が、色をとおして映し出されているのではないか。それは、人と言葉と表現行為と、根本的に共通する。芸術と人生と自然の原点に佇んで思いめぐらす深い思索とわがいのちの焔を、詩的に細やかに語るエッセイ集。
  • 考えるよろこび

    考えるよろこび

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    江藤文学への最高の入門書。『漱石とその時代』執筆当時に行った、若き著者の知性とユーモア溢れる講演録。表題作の他「転換期の指導者像」「英語と私」など、全6編――アメリカから帰国し、名作『漱石とその時代』を準備中の、1968年から69年にかけて行われた若き日の6つの講演。現代における真の「英知」とは何か……歴史を探り、人物を語り、表現の謎に迫り、大学や国際化の意味を問う。軽妙なユーモアと明快な論理、臨場感あふれる語り口で、読者を一気に江藤文学の核心へといざなう。多くの復刊待望の応え、甦った歴史的名講演集。 ※本書は、講談社文庫『考えるよろこび』(1974年9月)を底本としました。
  • 金色の死

    金色の死

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,540円 (税込)
    潜在的な<妻殺し>を断罪 江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えたとされる怪奇的幻想小説「金色の死」、私立探偵を名乗る見知らぬ男に突然呼びとめられ、妻の死の顛末を問われ、たたみ掛ける様にその死を糾弾する探偵と、追い込まれる主人公の恐怖の心理を絶妙に描いて、日本の探偵小説の濫觴といわれた「途上」、ほかに「人面疽」「小さな王国」「母を恋ふる記」「青い花」など谷崎の多彩な個性が発揮される大正期の作品群7篇。 清水良典 『小さな王国』のような政治小説も、探偵小説も、怪奇幻想小説も、足フェチ小説も、母恋い小説も、みんな谷崎文学という偉大な大樹の、大正期の枝に生った果実である。昭和に入って谷崎文学は急速に日本の伝統に近づき、大家として飛躍的な成長を遂げた。(中略)谷崎の大正期は、決して失われた時代ではない。むしろ作家谷崎が、全力を傾けて拡大と成長に努めた時代だったのであり、その土台が彼を「大谷崎」へと押し上げたのである。――<「解説」より>
  • 幼年 その他

    幼年 その他

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    「幼年」は、堀辰雄の『幼年時代』の影響の下に描かれ、福永武彦の「幼くして失った母」という原風景である。そして「母」は、はかなく淡い観念として、この作家に、美しくも深く悲しい旋律を奏でる。意識と無意識、現実と夢の境を行きつ戻りつ、ロマネスクな二重奏組曲。福永文学の輝ける魅力をたたえた、詩情豊かな10編の作品集。
  • 幕が下りてから

    幕が下りてから

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    「悪い仲間」「陰気な愉しみ」で芥川賞を受賞、「海辺の光景」で野間文芸賞、芸術選奨両賞を受賞した著者が、新たに挑戦した長篇秀作。敗戦による価値の混乱と青春の惑乱を共にした、一主人公の「やましさ」の根源を、底深く洗いただし、極めてモラリッシュな文学世界を創造した長篇。毎日出版文化賞受賞作品。
  • 愛国者たち

    愛国者たち

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    異能の私小説家の知られざる名作――昭和24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂事件=大津事件に関わった愛国者たち……。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にあつ人間を見つめた表題作、ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印した、独自の私小説風世界の魅力が横溢する作品集。平林たい子文学賞受賞作品。 ※本書は、『愛国者たち』(1973年11月、講談社刊)を底本としました。
  • 包む 現代日本のエッセイ

    包む 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    4.1
    1巻1,540円 (税込)
    季節と詩情が常に添う父・露伴の酒、その忘れられぬ興趣をなつかしむ「蜜柑の花まで」。命のもろさ、哀しさをさらりと綴る「鱸」、「紹介状」「包む」「結婚雑談」「歩く」「ち」「花」など、著者の細やかさと勁さが交錯する29篇。「何をお包みいたしましょう」。子供心にも浸みいったゆかしい言葉を思い出しつつ、包みきれない「わが心」を清々しく1冊に包む、珠玉のエッセイ集『包む』。
  • 祭りの場・ギヤマン ビードロ

    祭りの場・ギヤマン ビードロ

    小説・文芸
    4.1
    1巻1,540円 (税込)
    如何なれば膝ありてわれを接(うけ)しや──。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす、林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受賞の「祭りの場」、「空罐」を冒頭に置く連作「ギヤマン ビードロ」を併録。
  • 珍饌会 露伴の食

    珍饌会 露伴の食

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    博覧強記の文豪が描く、奇奇妙妙の「食」尽くし。露伴とその周辺の好事家たちをモデルに描く抱腹絶倒の戯曲「珍饌会」、河豚を愛した文人たちの漢詩を読み解く「桃花と河豚」、故事来歴から料理法まで網羅した「鱸」など随筆六篇を収録。稀代の碩学・露伴の「食」をめぐる蘊蓄と諧謔を味わう名篇集。南條竹則・編。
  • 恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ

    恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    『忠臣藏とは何か』『日本文学史早わかり』と並ぶ、丸谷才一の古典評論三部作。中国文学から振り返って、『源氏物語』『新古今和歌集』という日本の文学作品を検証した孤立無援の本居宣長の思考を蘇らせ、さらにはその視点で近代日本文学をも明確に論じる。女系家族的な考えから日本文学を俯瞰した「女の救はれ」を併録した『恋と女の日本文学』を発表時の題に戻し刊行。
  • 小さな部屋・明日泣く

    小さな部屋・明日泣く

    小説・文芸
    4.7
    1巻1,540円 (税込)
    朽ちかけた貸部屋に我物顔に出入りする猫、鼠、虫たち。いつしか青年は、凄まじい〈部屋〉を自分と同じ細胞をもつ存在と感じ熱愛し始める――没後10年目に発見された色川武大名義の幻の処女作「小さな部屋」、名曲「アイル・クライ・トゥモロウ」そのままの流転の人生を辿る女を陰影深く描く「明日泣く」など12篇。戦後の巷を常に無頼として生きながら、文学への志を性根にすえて書いた色川武大の原質とその変貌を示す精選集。
  • 美しい墓地からの眺め

    美しい墓地からの眺め

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    戦時下、大病で富士山の見える故郷・小田原の下曽我に帰った著者は、自然界の小さな虫の生態にも人間の生命を感じ、自然との調和のなかにやすらぎを見出す。本書は、文学への出発時の芥川賞受賞作「暢気眼鏡」から、最晩年の作品「日の沈む場所」にいたる14作品を収録。これらをたどることで著者の人生、ひいては人が生きることへの発見、喜びと慰めを読みとることが出来る、珠玉の作品集。
  • 北京飯店旧館にて

    北京飯店旧館にて

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    「きみは、人類という立場に立てますか?」日本占領下の北京で出会った中国の友は、謎の問いを残し戦地に消えた。またある友は、文化大革命で迫害を受け窮死。41年の歳月を経て、青春の地・北京に還った作家は、彼我を隔てる深い歴史の暗渠に立ち竦みつつ、その底になお輝きを放つ人間の真実を探してやまない。日中の狭間に生き、書いた中薗の深い想いが結晶した代表作。読売文学賞受賞作。
  • 生家へ

    生家へ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    生まれ育った生家へ、子どもの頃のままで帰りたい――戦時中、家の下に穴を掘り続けた退役軍人の父が、その後も無器用に居据っていたあの生家へ。世間になじめず、生きていることさえ恥ずかしく思う屈託した男が、生家に呪縛されながら、居場所を求めて放浪した青春の日々を、シュールレアリスム的な夢のイメージを交えながら回想する、連作11篇。虚実織り交ぜた独自の語りで、心弱き庶民の心情に迫った、戦後最後の無頼派の名作
  • 人と人影 現代日本のエッセイ

    人と人影 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    《白雲なびく駿河台……》自作の明治大学校歌をきいて涙滂沱の老詩人・児玉花外の深い悲しみ。対局前、将棋を放念し無心の散策をする大山康晴名人。窓辺の風に微かな音色を奏でる、太宰治の形見の琴。人生の途上で巡り合った人々の、心に残る鮮烈な記憶と忘れ難いその風貌を、温もりある自在の筆で綴る。井伏鱒二の文学の精髄を伝える、36篇の珠玉の名随筆。
  • 丸本歌舞伎

    丸本歌舞伎

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,540円 (税込)
    〈丸本歌舞伎〉という名称を創出し、研究と鑑賞を別扱いする従来の演劇学に異を唱え、義太夫狂言の神髄を衝き、戦後の歌舞伎批評の方向性を決定づけた、戸板氏の初期代表作で、今や古典的名著。「型とは何か」の追究から、歴代の演出家=俳優の才智・工夫を発見し、その魅力と真髄を明かしていく。「義経千本桜」など10作品を具体的に読み解く鑑賞編も圧巻。歌舞伎ファンのみならず広く演劇を志す者、必読の書。
  • 橇・豚群

    橇・豚群

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    昭和初期に隆盛したプロレタリア文学運動の潮流の中で、写実的な文章と複眼的想像力による傑作短篇を立て続けに発表して一躍脚光を浴びながらも、肺病による喀血から郷里・小豆島での療養生活を余儀なくされた黒島伝治。官憲の横暴に対する農民の知恵がドラマを生む「豚群」、戦争の悲惨さと裏腹の滑稽な現実を鮮やかに描いた「橇」、「渦巻ける烏の群」など時代を超えた輝きを放つ代表作集。
  • 如何なる星の下に

    如何なる星の下に

    小説・文芸
    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    昭和十三年、自ら浅草に移り住み執筆をはじめた高見順。彼はぐうたらな空気と生存本能が交錯する刺激的な町をこよなく愛した。主人公である作家・倉橋の別れた妻への未練を通奏低音にして、少女に対する淡い「慕情」が謳い上げられるのだった。暗い時代へ突入する昭和初期、浅草に集う人々の一瞬の輝きを切り取り、伊藤整に「天才的」と賞賛された高見順の代表作にして傑作。
  • 山頭火随筆集

    山頭火随筆集

    小説・文芸
    4.8
    1巻1,540円 (税込)
    明治15年、近在屈指の大地主の長男として生まれ、9歳の時母自殺。以降徐々に家は没落、時代の傾斜と並ぶようにやがて不幸の淵に沈んでゆく。大正14年出家。大正15年4月、解くすべもない惑ひを背負うて、行乞流転の旅に出た。分け入っても分け入っても青い山(「俳句」大正15年)九州から東北まで漂泊托鉢。行乞生活を記録した句は数奇な生涯を凝縮。俳句、随筆、行乞記の3章でその真髄を纏める。
  • 蛇 愛の陰画

    蛇 愛の陰画

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    午睡中、大蛇が口から入りこみ、腹中に居すわられてしまった男。彼を<被害者>に見たて、運動に利用しようとする組織。卓抜な発想と辛辣な批評精神で、当時の世相を切りとった「蛇」。性と悪の問題に真正面から挑んだ「蠍たち」――。1960年、「パルタイ」で衝撃的なデビューを果たした著者の、その後の5年間の初期作品7篇を精選。イメージの氾濫する<反リアリズム>の鮮やかさを示す1冊。
  • ファウスト(上)

    ファウスト

    小説・文芸
    4.3
    1~2巻1,540~1,870円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (ファウスト)俺の喜びはただこの大地から生まれこの世の太陽だけが俺の悩みを照らすのだ。(メフィスト)それならためらうことはない。さあ契約だ。……地上にある限りの日々……人間がまだ見ぬものを見るのです。神ならぬ人間の身で世界のすべてを究めたい欲求に憑かれたファウストは、悪魔メフィスト―フェレスと契約を結ぶ。文豪ゲーテ畢生の対策が柴田翔の躍動する新訳で甦る。
  • 鮎の宿

    鮎の宿

    小説・文芸
    -
    1巻1,540円 (税込)
    志賀直哉門下の著者が師にまつわる様々な出来事を中心に綴った滋味溢れるエッセイ集。志賀の臨終を描いた「終焉の記」をはじめ、滝井孝作、尾崎一雄ら同門の作家や「白樺」同人の里見、梅原龍三郎のこと。志賀と前後して亡くなった三島由紀夫、川端康成、文壇仲間吉行淳之介、遠藤周作との交流、親しかった人々や食、旅をめぐる話などを清澄な文章で記した初期のエッセイ59篇。
  • 静かなノモンハン

    静かなノモンハン

    昭和14年5月、満蒙国境で始まった小競り合いは、関東軍、ソ蒙軍間の4ヵ月に亘る凄絶な戦闘に発展した。襲いかかる大戦車群に、徒手空拳の軽装備で対し、水さえない砂また砂の戦場に斃れた死者8千余。生還した3人の体験談をもとに戦場の実状と兵士達の生理と心理を克明に記録、抑制された描写が無告の兵士の悲しみを今に呼び返す。芸術選奨文部大臣賞、吉川英治文学賞受賞の戦争文学の傑作。
  • 折口信夫文芸論集

    折口信夫文芸論集

    釈迢空の別名を持ち、学者にして詩人、詩人にして学者という生涯を送った折口信夫は、古代から近代にいたる日本文化を貫く本質をとらえ、詩歌、小説、文学研究、民俗学研究と他の追随を許さない多岐にわたる業績を残した。源氏物語、隠者の文学、短歌の滅亡、近代文学など折口が関心を寄せた日本文学の諸相を多彩な切り口で整理し、批評家としての全体像に迫る画期的評論集。
  • 文学のプログラム

    文学のプログラム

    <書くこと>でいかに<戦争>と拮抗しうるのか――。小林秀雄、坂口安吾、保田與重郎の戦時下における著述を丹念に辿ることで、時局に追従する言説と彼らとの距離を明らかにし、保田の『万葉集の精神』を起点に、日本文を成立せしめた「訓読」というプログラムの分析へと遡行する。気鋭の批評家による<日本イデオロギー>の根底を撃つ画期的試み。群像新人文学賞受賞作を収めた第1評論集。
  • ソロモンの歌 一本の木

    ソロモンの歌 一本の木

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    戦後日本の音楽批評をリードしてきた吉田秀和は、青春期に吉田一穂に私淑、中原中也との交遊や小林秀雄の影響を通してポエジーの精髄に触れた。音楽はもとより、文学や美術を論じた著作によって、豊饒なる批評精神を構築してきた著者が、幼児期から詩との出会いまでを綴り、その批評の原点を明かす表題作をはじめ珠玉の随想12篇を収録。巻末の荷風論は、日本近代の宿命を巡る鋭い洞察に満ちた文明論である。
  • 厄除け詩集

    厄除け詩集

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,540円 (税込)
    そこはかとなきおかしみに幽愁を秘めた「なだれ」「つくだ煮の小魚」「歳末閑居」「寒夜母を思ふ」等の初期詩篇。"ハナニアラシノタトヘモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ"の名訳で知られる「勧酒」、「復愁」「静夜思」「田舎春望」等闊達自在、有情に充ちた漢詩訳。深遠な詩魂溢れる「黒い蝶」「蟻地獄(コンコンの唄)」等、魅了してやまぬ井伏鱒二の詩精神。4部構成の『厄除け詩集』。
  • 静かな生活

    静かな生活

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    精神の危機を感じて外国滞在を決意した作家の父に、妻が同行する。残された3人の兄弟妹の日常。脳に障害を持った長男のイーヨーは"ある性的事件"に巻き込まれるが、女子大生の妹の機転でピンチを脱出、心の平穏が甦る。家族の絆とはなんだろうか――。〈妹〉の視点で綴られた「家としての日記」の顛末に、静謐なユーモアが漂う。大江文学の深い祈り。
  • 西行論

    西行論

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    若年のある時、在俗の名門武士が不明の動機で出家遁世した。真言浄土の思想に動かされながら、同時代の捨て聖たちとは対照的な生きざまを辿り、詩歌を通じてしか、いっさいの思想を語らなかった――西行とは何ものであったか。豊潤な感性を強靱な論理で見事に展開する西行論。「僧形論」「武門論」「歌人論」の3部構成で西行の〈実像〉に鋭く迫る!
  • 暗室

    暗室

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカ――脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を解剖し、深層の孤独を抽出した吉行文学の真骨頂。「暗い部屋」の扉の向こうに在るものは……。
  • 抹香町 路傍

    抹香町 路傍

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    文学に憧れて家業の魚屋を放り出して上京するが、生活できずに故郷の小田原へと逃げ帰る。生家の海岸に近い物置小屋に住みこんで私娼窟へと通う、気ままながらの男女のしがらみを一種の哀感をもって描写、徳田秋声、宇野浩二に近づきを得、日本文学の一系譜を継承する。老年になって若い女と結婚した「ふっつ・とみうら」、「徳田秋声の周囲」なども収録。
  • 日和下駄 一名 東京散策記

    日和下駄 一名 東京散策記

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    「一名 東京散策記」の通り「江戸切図」を持った永井荷風が、思いのまま東京の裏町を歩き、横道に入り市中を散策する。「第一 日和下駄」「第二 淫祠」「第三 樹」「第四 地図」「第五 寺」「第六 水 附 渡船」「第七 路地」「第八 閑地」「第九 崖」「第十 坂」「第十一 夕陽 附 富士眺望」の11の章立てに、周囲を見る荷風の独特の視座が感じられる。消えゆく東京の町を記し、江戸の往時を偲ぶ荷風随筆の名作。
  • ボロ家の春秋

    ボロ家の春秋

    小説・文芸
    4.4
    1巻1,540円 (税込)
    「桜島」「日の果て」などの戦争小説の秀作をのこした梅崎春生のもう1つの作品系列、市井の日常を扱った作品群の中から、「蜆」「庭の眺め」「黄色い日日」「Sの背中」「ボロ家の春秋」「記憶」「凡人凡語」の計7篇を収録。諷刺、戯画、ユーモアをまじえた筆致で日常の根本をゆさぶる独特の作品世界。
  • 測量船

    測量船

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,540円 (税込)
    太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。無限のイメージを喚起するわずか二行の詩「雪」他を収録の第1詩集『測量船』。「乳母車」「甃のうへ」「鳥語」「獅子」等、日本古典の詩風と西欧象徴詩風が混然と融合し、魅了する全92篇(「測量船拾遺」を含む)。新詩の可能性を追究する若き詩人・達治が"現代抒情詩"を展開させた画期的詩集。
  • 女性作家が選ぶ太宰治

    女性作家が選ぶ太宰治

    「ほとんど奇跡のような成り立ち方をしている」(川上未映子選「古典風」)、「彼自身が、ひとつの作品」(桐野夏生選「思い出」)、「この甘やかさに浸らずにいられない」(松浦理英子選「秋風記」)――七人の女性作家がそれぞれの感性で選ぶ、未だかつてない太宰短篇選集。
  • 男性作家が選ぶ太宰治

    男性作家が選ぶ太宰治

    「この作品が自分は一番嫌いだ」(奥泉光選「道化の華」)、「不思議な明るさに包まれた怯えの百面相」(堀江敏幸選「富嶽百景」)、「『男性というものの秘密』を知っている作家」(松浦寿輝選「彼は昔の彼ならず」)――七人の男性作家がそれぞれの視点で選ぶ、他に類を見ない太宰短篇選集。
  • お供え

    お供え

    小説・文芸
    3.6
    1巻1,485円 (税込)
    毎朝、何者かに家の前の「カド」にお供えを置かれ、身に覚えのないまま神様に祀り上げられていく平凡な未亡人。山菜摘みで迷い込んだ死者たちの宴から帰れない女。平穏な日常生活が、ある一線を境にこの世ならぬ異界と交錯し、社会の規範も自我の輪郭さえも溶融した、人間存在の奥底に潜む極限の姿が浮かび上がる七作品。川端康成文学賞受賞。
  • 哀しき父 椎の若葉

    哀しき父 椎の若葉

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,485円 (税込)
    「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。
  • 1946・文学的考察

    1946・文学的考察

    ここにあるのは若気の過ちではなく、若気の夢、――軍国主義を呪い、詩を愛した日本の青年の知的な客気である。――<「あとがき三十年後」より>。1946年・敗戦翌年、<マチネ・ポエティク>のメンバー 加藤周一・中村真一郎・福永武彦の共同執筆により「世代」に連載された時評は、新しい時代の新しい文学を予告した。時代を超えた評論は日本近代文学史上必読の書となり、なお不動の地位にある。戦後日本文学はここに出発した。
  • 花に舞う・日本遊民伝 深沢七郎音楽小説選

    花に舞う・日本遊民伝 深沢七郎音楽小説選

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    時を越え人々の日常に寄りそうもの──。 「音」に着目し選びぬいた作品九篇。 演奏家でもあった著者の音楽を扱った小説集。「南京小僧」「浪曲風ポルカ」など気高い小品や「日本遊民伝」といった骨太作品も収録。 日劇ミュージックホールでの演奏など、ギタリストとしても活動した深沢七郎。エルビス・プレスリーを愛し、ジミ・ヘンドリクスを好んで聴いた彼の小説は音楽的と評されることも多い。その中から、俗謡、洋楽曲、楽団員といった、音楽を扱った作品を精選。著者の眼差しが見えてくる一冊。
  • 甲州子守唄

    甲州子守唄

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,463円 (税込)
    「笛吹川」の現代版 庶民の無常の世界を独特の語りで描いた世捨て人の文学 明治末から大正、昭和と三代にわたる日本近代の歩みが、笛吹川のそばに住む貧しいオカア一家を舞台に展開する一大ロマン。生糸の暴落と農村の貧窮、明治天皇の崩御、関東大震災、戦争と出征、空襲と食糧難、敗戦とヤミ商売――その間には息子・徳次郎の二十年近くのアメリカへの出稼ぎがあり、薄情者となって帰国した息子とその一家をオカアの眼差しから描く。土俗的な語りによる時代批判。
  • 転々私小説論

    転々私小説論

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    仏文学が専門の学者・評論家であり、遊びや風俗から日本文化を独自に見つめていた多田道太郎は、私小説をこよなく愛していた。孤高の域にある、その語り口は軽妙かつ深遠で、「葛西善蔵の妄想」「諧謔の宇野浩二」「飄逸の井伏鱒二」「飄飄太宰治」と題された圧巻の文学評論4篇で、新たな視点から日本の私小説の真髄に迫る。
  • 女ともだち

    女ともだち

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    二十歳前後の3人の女性たちが織りなす日常の風景――大学夜間部に通う主人公と、二人の女ともだち。私は、10代で書いた小説で賞を受け、嘘のような生活をしていたが、そこに高校の後輩・隆子が転がりこむ。若い女性たちの生々とした光と影を見事に描ききり、「海を感じる時」で衝撃的なデビューを飾った著者の豊かな感性が弾けた中篇小説。短篇「アジアンタム」も収録。
  • 天国が降ってくる

    天国が降ってくる

    小説・文芸
    4.6
    1巻1,463円 (税込)
    主人公・葦原真理男は、九州の没落した旧家の末裔。新聞社に勤める父親の転勤によりロシアに暮すが、高校受験のために単身で帰国。父の友人の若い大学助教授・中之島妙子の家に寄寓し、異国からの転校生として特異な日常が始まる。高速回転する真理男の精神は、やがて晩年の感覚を所有し、自己昇華をめざす。パロディを駆使し、自意識を追究した、島田文学の初期集大成。
  • 希望

    希望

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    1945年8月9日、長崎に投下された原爆によって、絶望が始まった。しかし、長い時間の末に、被爆者たちにも、一筋の光が見えた。もう悲劇を繰り返さないように。祈りの短篇集。 ――8月9日、長崎で被爆した人たちの苦悩が始まった。生と死の狭間を体験し、未来への絶望との闘いの日々に、彼らは、時の流れで癒されていったのであろうか。自らの足跡を確かめ、振りかえり見つめ続けた著者が、いつかその運命を希望へと繋げていく……。3月11日を経験した、すべての日本の人々に捧げる、林京子の願いと祈りを込めた、短篇集。 ※本書は、『谷間』(講談社刊 1988年1月)『希望』(講談社刊 2005年3月)を底本としました。
  • 鮎・母の日・妻 丹羽文雄短篇集

    鮎・母の日・妻 丹羽文雄短篇集

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    幼くして生母と離別し、母への思慕と追憶は、作家・丹羽文雄の原点ともなった。処女作「秋」から出世作「鮎」、後年の「妻」に至る、丹羽文学の核となる作品群。時に肉親の熱いまなざしで、時に非情な冷徹さで眺める作家の<眼>は、人間の煩悩を鮮烈に浮かび上がらせる。執拗に描かれる生母への愛憎、老残の母への醜悪感……。思慕と愛憎と非情な<眼>による、「贅肉」「母の日」「うなずく」「悔いの色」ほか10篇。
  • うるわしきあさも 阪田寛夫短篇集

    うるわしきあさも 阪田寛夫短篇集

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,463円 (税込)
    「サッちゃん」「ねこふんじゃった」などで、世代を超えて愛される童謡詩人・阪田寛夫は、また、片隅のささやかな人生をあえかな情感と上質のユーモアで描く稀有なる小説家でもあった。脳溢血で倒れた作曲家の叔父の滅びゆく肉体を凝視しつつ、その内で鳴り続ける最後の音楽を哀惜こめて書き留めた表題作、ほか9篇。初期作「平城山」から遺稿「鬱の髄から天井のぞく」まで、「含羞の詩人」の知られざるペーソス溢れる、デビュー作から遺稿まで50年に亘る名品を精選。
  • 墓碑銘

    墓碑銘

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    アメリカ人の父親と日本人の母親の許に生まれた、トーマス・アンダーソンこと浜仲富夫。日米開戦を機に、日本人として生きることを強いられる。坊主頭で国民服を着て、剣道を習い、国策映画では悪役アメリカ人を演ずる。そして入営。青い眼の初年兵は、異父妹への想いを支えに、軍隊生活のつらさに耐える。だが、山西省から米兵と対峙するレイテ島に転進。極限状況の中でアイデンティティを問う、戦争文学の白眉。異色の戦争文学……日米混血の日本兵、その壮絶な自己喪失の過程を描く。
  • 時の潮

    時の潮

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    今日、昭和が終った。天皇崩御のニュースをきいて、近くの御用邸に記帳に出かけた。昭和に生まれた私は、私の時代が終わってしまったような気がした。元新聞記者の私は、10歳年下の共同生活者・真子と葉山に暮らし、四季を楽しんでいる。しかし、さまざまに形をかえて潮だまりが出現するように、二人の間にわだかまりがないわけではない。戦時下に生まれ、戦後を生きる男と女を静かに描く、野間文芸賞受賞作。
  • 単線の駅

    単線の駅

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    昭和50年、野間文芸賞を受賞した回想記『あの日この日』に収めることのできなかった、とっておきのエピソードをまとめた「こぼれ話」を中心に、小田原・下曾我の自宅周辺の草木の観察から、公害問題や文明観への言及、また、尾崎士郎、檀一雄、浅見淵、大岡昇平、木山捷平ら文学者の思い出など、随筆57篇を収録。身近な自然を愛し、老いの日々を淡々と生きる著者晩年の、深い人生観照にもとづく滋味深い一冊。
  • 日本の文学論

    日本の文学論

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    歌論、俳論というのは、日本の古典文学論ではあるが、それは古今集や新古今集の序文に見られ、また歌合の判詞などにも納得の行く形で表現されている。歌の心と詞、日本的美意識については、西洋の論理ですべて割り切れるものではない。明晰を越えた直観、それを著者は新たな批評の言葉として提起している。従来の日本語の批評言語を読み直すことで、日本文学の豊かさを示唆する画期的文学論。
  • 内部の人間の犯罪 秋山駿評論集

    内部の人間の犯罪 秋山駿評論集

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,463円 (税込)
    「犯罪」とは――。都市の空虚なビル、そのコンクリートの壁の上に、簡単な1本の線で描かれる「人間」の形である。少年による「理由なき殺人」の嚆矢、小松川女高生殺人事件。犯人の少年の獄中書簡に強く心を衝たれた著者は、動機の周りを低回する世間の言説に抗し、爆発的な自己表現を求めた内部の「私」の犯罪であるとする文学の言葉を屹立させた。他、永山則夫、金嬉老など、犯罪を論じた評論17篇を精選。
  • さして重要でない一日

    さして重要でない一日

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,463円 (税込)
    未知の空間、会社という迷路を彷徨う主人公。トラブル、時間、おしゃべり、女の子、コピー機。著者独特の上品なユーモアの漂う、なにか、もの哀しくも爽やかな空気の残像。会社員の日常を鮮やかに切り取った、野間文芸新人賞受賞作。サラリーマンの恋と噂と人間関係、奇妙で虚しくて、それでも魅力的な「星の見えない夜」も所収。
  • 一日 夢の柵

    一日 夢の柵

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    日常の内奥にひそむ光と闇。――人々が暮らしてゆく、生々しい奇妙な現実。生きることの本質と豊穣。著者60代半ばから70代半ばにかけて書かれた短篇群、野間文芸賞受賞の12の人生の断片。「夢の柵」「影の家」「眼」「浅いつきあい」「電車の中で」「隣家」「丸の内」「記録」「一日」「危うい日」「久介の歳」「要蔵の夜」収録。
  • 群棲

    群棲

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    向う三軒両隣ならぬ“向う二軒片隣”の四軒の家を舞台とし、現代の近郊の都市居住者の日常を鋭く鮮かに描き出す。著者の最高傑作と評され、谷崎潤一郎賞も受賞した“現代文学”の秀作。
  • 流域へ 上

    流域へ

    小説・文芸
    -
    1~2巻1,463~1,562円 (税込)
    共産党一党独裁が終焉を迎えつつあった1989年夏のソ連、在日朝鮮人の小説家・林春洙とルポライター・姜昌鎬は中央アジアを当局の招待で旅している。スターリン体制下の1937年、極東沿海州を追われ中央アジアに強制移住させられた「高麗人」たちを訪ねるのが目的である。2人は故国喪失者の哀切の日々を知る――日本語文学として、世界的視野での表現への挑戦が始まる。
  • 桃の宿

    桃の宿

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    阿川弘之「私の履歴書」を中心に、熟成した観察眼と達意の文章。今は亡き、交流のあった文士の先輩作家を語り、101歳の天寿を完うした土屋文明氏から、若くして台湾で散った向田邦子氏を思う。また、第3の新人として、共に同時代を過した吉行淳之介、遠藤周作両氏への別れを綴る名随筆集。
  • 新編 歴史小説の周囲

    新編 歴史小説の周囲

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    遠い日、夜の砂丘で青年の目を射た流星の一条の光――遥か西域への憧れを胚胎した井上文学誕生の瞬間を描く「砂丘と私」始め、『天平の甍』『敦煌』『風濤』など歴史小説の名作を点綴、その発想の源泉と想像力を刺激してやまぬ歴史の魅力を語る。『蒼き狼』をめぐり大岡昇平と闘わせた論争への真摯な反論、80歳の作家を駆り立てた『孔子』への情熱――など、井上靖の凛とした詩魂がほとばしる歴史随筆24篇。
  • 桂春団治

    桂春団治

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    独創的話術と奇行で知られ一世を風靡した奇才桂春団治。〈微妙猥雑〉な上方弁を駆使し落語界を席巻、上方落語の全盛期を築いた春団治の一代記を、出生から57歳の死まで、詳細綿密な調査と多彩な資料で裏付け書下ろした傑作評伝。「桂春団治年譜」「上方落語年表」などを付すほか「紅梅亭界隈」「東松トミの半生――桂春団治外伝の一つ」を併録。毎日出版文化賞受賞。
  • 家族会議

    家族会議

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    東京の兜町で株式売買をする重住高之は、大阪の北浜の株のやり手仁礼文七の娘泰子に心惹かれている。だが、――文七はあくまで高之に熾烈な仕手戦をしかけて止まない。金の絡みと高揚する恋愛の最中、悲劇は連続して起こる。資本が人を動かし個人が脅かされる現代に人間の危機を見、「純粋小説論」を提唱実践した横光利一が、その人間崩壊を東と西の両家の息づまる対立を軸に描いた家庭小説の傑作。
  • おろおろ草紙

    おろおろ草紙

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    天明の大飢饉に見舞われた奥州八戸藩での凄惨な人肉食を鉄砲隊足軽小十郎の日録を追いながら苛烈に描写。飢饉による死者たちの嘆き、生に執着する人々の業を直視し、人間存在の根本に迫る代表作「おろおろ草紙」。ほかに、「暁闇の海」「北の砦」「海村異聞」の歴史小説3篇を収録。著者の郷里に材を得、庶民の強靱な生きざまを鮮やかに描いた傑作小説集。
  • 詩とダダと私と

    詩とダダと私と

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    吉行文学の抑えた描写に垣間見える詩情――学生時代、萩原朔太郎に影響を受けての詩作が、その文学的出発となった作家の、生涯変わらぬ本質の現れであった。若き日に書いた詩の数々、苦悩の中で文学を志した戦中戦後の回想、昭和初期文壇で異彩を放った父エイスケの詩篇、恩師が翻訳した「ダダの歴史」をあわせて収録。吉行淳之介の全体像把握に必須のユニークな詩文集。
  • 野菜讃歌

    野菜讃歌

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    丘の上の家に移り住んで幾十年が経ち、“禿山”だった庭には木々や草花が育ち、鳥達が訪れる。巣立った子供や身近な人々の間を手作りや到来の品が行き交い、礼状に温かく心が通い合う。「野菜が好き」と語り出す食べ物の話、父母や師友への追懐、自作の周辺等、繰り返しとみえてその実同じではあり得ない日常を、細やかな観察眼と掌で撫でさする慈しみを以て描き静かな感動を誘う随筆43篇に、中篇「私の履歴書」を併録。
  • 街角の煙草屋までの旅 吉行淳之介エッセイ選

    街角の煙草屋までの旅 吉行淳之介エッセイ選

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,463円 (税込)
    坂の上の角の煙草屋まで行くのも旅だと考え、自分の住んでいる都会の中を動くことに、旅の意味を見出す表題作。小説作品のモチーフになった色彩体験を原風景に遡って検証する「石膏色と赤」ほか、心に残る幼年時代の思い出、交遊、文学観、なにげない日常の暮らしや社会への思いなど、犀利な感性と豊かな想像力を通して綴る「人生の達人」の珠玉のエッセイ選。吉行文学の創造の秘密が詰まった47篇。
  • 自分の羽根

    自分の羽根

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,463円 (税込)
    小学生の娘と羽根つきをした微笑ましいエピソードに続けて、「私の羽根でないものは、打たない」、私の感情に切実にふれることだけを書いていく、と瑞々しい文学への初心を明かす表題作を始め、暮らしと文学をテーマに綴られた90篇。多摩丘陵の“山の上”に移り住んだ40歳を挟んだ数年、充実期の作家が深い洞察力と温雅なユーモアをもって醸す人生の喜び。名作『夕べの雲』と表裏をなす第一随筆集。
  • 朱を奪うもの

    朱を奪うもの

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    女性としての自立、性・喪失・生を描く現代女性必読の名作。女性としての喪失感に荒寥とした思いをする主人公。幼児から祖母の物語の世界に生きた滋子の人生の歩みは、やがて青春期にかけて、家を出て自立したいという強い思いへと変っていく。結婚さえも、人生のスプリングボードとして考え、自分らしく生きようとする女性を描いた、円地文子の代表作。谷崎賞受賞作『朱を奪うもの』3部作の第1部。
  • 江戸文学問わず語り

    江戸文学問わず語り

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    父方の祖母が生きた江戸の末期。文学・演劇・音曲等々……。幼い頃から様々な話をとりとめなく聞いて育った著者の心に染み込んだ鮮烈な感覚は、滝沢馬琴、河竹黙阿弥、上田秋成、近松門左衛門等を語るその語り口に彷彿とする。殊に秋成の<夢幻と現>の間を描写する文体への言及は、円地文学の根源に呼応。祖母から聞き覚えた沢山の話を鏤め、愛情込めて綴る絶品の江戸文学案内書。
  • なまみこ物語 源氏物語私見

    なまみこ物語 源氏物語私見

    小説・文芸
    4.2
    1巻1,463円 (税込)
    贋招人(にせよりまし)姉妹によるいつわりの生霊騒動等、時の権力者・藤原道長の様々な追い落とし策謀に抗する、中宮定子の誇り高き愛を描いた女流文学賞受賞作「なまみこ物語」、『源氏物語』の現代語訳の過程で生まれた創見に満ちた随想「源氏物語私見」の二作を収録。円地文子の王朝文学への深い造詣と幼い頃からの親和に、現代作家としての卓抜な構想力が融合した二大傑作。

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