講談社文芸文庫の検索結果
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風前雨後 現代日本のエッセイ
蘆花を終生苦しめた重圧の背後にあるもの、スコットの人類冒険史上最大の運命悲劇、江藤新平、川路聖謨、シェイクスピアの世界、──人間への旺盛な興味と探究。不遇の運命とその背後の社会・国家への鋭い考察。英文学、社会評論、翻訳、評伝、社会運動など、その枠を超え、屹立する、比類なき知性と実行力をもつ著者の、精神の動向を闊達自在に展開する「蘇峰と蘆花」「諷刺文学序説」「怒りの花束」ほか収録。ジャンルを超えて思考する豊穣強靱な精神世界! -
雪あかり 曽野綾子初期作品集
新鮮清澄、才気迸る源流の光景。初期の代表作7篇収録――進駐軍の接収ホテルで働く19歳の波子の眼をとおし、敗戦直後の日本人従業員と米国軍人らとの平穏な日常が淡々と描かれた、吉行淳之介の「驟雨」と芥川賞を競い、清澄で新鮮な作風と高く評価された出世作「遠来の客たち」をはじめ、「鸚哥とクリスマス」「海の御墓」「身欠きにしん」「蒼ざめた日曜日」「冬の油虫」、表題作「雪あかり」を収録。才気溢れ、知的で軽妙な文体の、初期の作品7篇を精選。 ◎「ここに集められた作品はすべて、壁の手前の若書きの作品である。この頃以来半世紀間、私は書き続けて来た。平均して一年間に二千枚、それより多い年も少ない年もあるけれど、多分トータルで十万枚は書いたように思う。十万枚、絵でも書でも書けば、どんな凡人でも一つの世界は作るだろう。源流の光景を見て頂くのは、申しわけないが、光栄である。」<「著者から読者へ」より> -
神秘の人びと
かつてムージルの大作『特性のない男』日本語訳に取り組んでいたころから気になっていたマルティン・ブーバーの編著。それは古今東西の神秘体験を集めたものだった。1990年代初めに大病を得た著者は長い入院で重厚な書物を力を抜いて読むという淡い読書の良さを知る。病に向き合うときに、無限にも向き合うという恐ろしさを感じるが、その無限は病が癒えはじめて日常を回復するにつれ、その日常が無限をいったんバリヤのように遮断し、やがて和らげ、ついには無限への媒介をしてくれるような心持ちになっていたという。 その後、そのマルティン・ブーバーの編著を入手し、小説の連載が控えているなか繰りはじめることになる。 神秘体験を次々読みすすめるうちに、神秘体験を告白することと近代の短篇小説を書くこととの間には、どこか共通するものがあることがわかってきたのだった。 ヨーロッパ中世の人びとの神秘体験の告白の読解をつづけることが、近代以降の自意識で書かれた散文表現に通じるものを炙り出すことにつながっていく――読者の想像力を刺激し、心を深いところまで揺さぶられる、文学的エッセイの精華。