李恢成の作品一覧
「李恢成」の「可能性としての「在日」」「砧をうつ女」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「李恢成」の「可能性としての「在日」」「砧をうつ女」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
李恢成は今年(2025年)1月に89歳で亡くなった。「砧をうつ女」によって1969年、外国籍の作家として初めて芥川賞を受賞した。1935年に日本占領下のサハリンで生まれ、戦後に函館の引揚者収容所などを経て札幌に移住したのち、上京。早稲田大学露文科に入学、在学中から朝鮮総連で仕事をし、のち朝鮮日報の記者を務めた。この時期に朝鮮語で小説を書き始めている。この本に収録された6編の作品(1964年から73年にかけて日本語で発表された)には、作者の在日2世としての生い立ちや経験が私小説風に描かれている。
「砧をうつ女」は早世した母の、「人面の大岩」は父のポルトレである。中編「半チョッパリ」は、国会議事
Posted by ブクログ
1972年に在日韓国朝鮮人として初めて芥川賞を受賞した李恢成さんの作品を初めて呼んで見た。「われら青春の途上にて」「青丘の宿」「死者の残したもの」の3編を収録。いずれも自身の身の回りのことに題材をとった私小説的なものだろう。
読みながら驚いたのは、1970年代にはここまで在日色の強い作品が読まれる素地があったのだということ。現代に至るまで在日作家の系譜は連綿と続いているけれど、最近は日本社会の狭量さの影響を受けてだろう、こんな濃さのある作品はなかなかお目にかかれない。しかも当時はまだ民団より総連のほうが日本社会にひいきされていたことがうかがええる内容も。50年たつと何と状況が変わることか。
3