講談社文芸文庫の検索結果

  • 日本文学史早わかり

    日本文学史早わかり

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    古来、日本人の教養は詩文にあった。だから歴代の天皇は詞華集を編ませ、それが宮廷文化を開花させ、日本の文化史を形づくってきたのだ。明治以降、西洋文学史の枠組に押し込まれて、わかりにくくなってしまった日本文学史を、詞華集にそって検討してみると、どのような流れが見えてくるのか? 日本文学史再考を通して試みる、文明批評の一冊。詞華集と宮廷文化の衰微を対照化させた早わかり表付。
  • やさしい女・白夜

    やさしい女・白夜

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,320円 (税込)
    小金にものを言わせ若い女を娶った質屋がその妻に窓から身投げされ、テーブルの上に安置された遺体を前に苦渋に満ちた結婚生活を回想する――。人を愛すること、その愛を持続することの困難さを描いたドストエフスキー後期の傑作「やさしい女」とヴィスコンティによる映画化で知られる初期の佳品「白夜」を読みやすい新訳で収録。
  • 花影

    花影

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,320円 (税込)
    女の盛りを過ぎようとしていたホステス葉子は、大学教師松崎との愛人生活に終止符を打ち、古巣の銀座のバーに戻った。無垢なこころを持ちながら、遊戯のように次々と空しい恋愛を繰り返し、やがて睡眠薬自殺を遂げる。その桜花の幻のようにはかない生に捧げられた鎮魂の曲。実在の人物をモデルとして、抑制の効いた筆致によって、純粋なロマネスクの結構に仕立てた現代文学屈指の名作。
  • 人称代名詞

    人称代名詞

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    養父たちを焦土で奪われた苛烈な体験を忘れることなく、ニセの"安寧・平穏"をきびしく峻拒する野性の魂。名作『火垂るの墓』の原点を、さらに抉りかえす、持続する"挑戦の精神"。野坂昭如の文学を代表する"もう1つの"秀作。
  • 舷燈

    舷燈

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,320円 (税込)
    海軍予備学生に志願し従軍した牧野の青春は敗戦とともに打ち砕かれた。心は萎えていた――身内に暗い苛立ちを棲みつかせ、世間に背を向け頑なに生きる男。短気で身勝手で、壮烈な暴力をふるう夫に戸惑い反撥しながらも、つき従う妻。典型的な夫婦像を描く作品の底に、亡き戦友への鎮魂の情を潜め、根源的な哀しみを鋭く突きつける傑作。
  • 五月巡歴

    五月巡歴

    小説・文芸
    -
    1巻1,309円 (税込)
    突然舞い込んだ「メーデー事件第二審の証人として法廷に出て頂きたくお願い申し上げる次第であります」との手紙。20年前の己れの遠い過去の甦りに、怯えを隠せぬ男の、同時に捲き込まれる現勤務先での一就業規則違反事件。昭和27年、高揚するメーデーのデモ隊に加わって、皇居前広場に乱入し逮捕された者、逃げ惑った学生らのその後の時間の重みと心の傷の襞を鮮烈に追う長篇力作。
  • 荒魂

    荒魂

    小説・文芸
    -
    1巻1,309円 (税込)
    荒ぶる魂、生まれながらにして、生と死を抱え持つ佐太。この存在を無気味な背景に展開される"変革"の劇。精神の逼塞の根に仕掛けられた爆薬のような強烈な"発条"。初期世界からの独自な精神の運動を持続し続けた、石川淳の『白頭吟』から『狂風記』の間を繁ぐ白眉の長篇。
  • 新編 物いう小箱

    新編 物いう小箱

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,298円 (税込)
    読むことと、書くことと――生涯をこの2つに凝集し、膨大な資料の渉猟と丹念な読み込みから、世に名高い森史学は生まれた。そのかたわら、資料から離れ、虚実の間に筆を遊ばせるかのような本書収載の珠玉の小品が書かれた。『怪談』を愛してやまなかった著者が、「八雲に聴かせたい」との思いで書き綴った怪異談、中国の説話に想を得た作品など、44篇を収める新編集の増補版。
  • ゴーギャンの世界

    ゴーギャンの世界

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻1,298円 (税込)
    なぜ、35歳の富裕な株式仲買人ポール・ゴーギャンが、突然、その職を投げ打って、画家をめざしたのか? 「野蛮人」たらんとした文明人、傲岸と繊細、多くの矛盾、多くの謎をはらんで、「悲劇」へと展開するゴーギャンの「世界」。著者の詩魂が、ゴーギャンの魂の孤独、純粋な情熱、内なる真実と交響する。文献を博渉し、若き日の「出遇」から深い愛情で育んだ、第一級の評伝文学。毎日出版文化賞受賞作。
  • あじさしの洲 骨王

    あじさしの洲 骨王

    小説・文芸
    -
    1巻1,298円 (税込)
    叔母の悲しみとそれに寄り添う少年の想いが原初的風景へと還元される名品「あじさしの洲」、旧約的世界を背景に、部族王の誕生とその最期を、心象の劇として描いた「骨王」、読売文学賞受賞作「ハシッシ・ギャング」等、初期作品から近作まで11篇を収録。簡勁な文体で人間の原質を彫琢し、影の暗示力が、生と死の流転の相を炙り出す。小川文学の魅力をあますところなく示す自選短篇集。
  • 湖畔 ハムレット 久生十蘭作品集

    湖畔 ハムレット 久生十蘭作品集

    小説・文芸
    4.2
    1巻1,298円 (税込)
    女装、泥酔、放火――、模範少年はなぜ一見、脈絡のない事件を起こしたのか? 少年の心理を過去現在の交錯する戦後空間に追い、母と息子の残酷極まりない愛の悲劇に至る傑作「母子像」(世界短編小説コンクール第一席)、黒田騒動に材を採り破滅に傾斜する人間像を描破した「鈴木主水」(直木賞)等、凝りに凝った小説技巧、変幻自在なストーリーテリングで「小説の魔術師」と評される十蘭の先駆性を示す代表的7篇。
  • 季節と詩心

    季節と詩心

    小説・文芸
    -
    1巻1,265円 (税込)
    外交官である父に伴われて、メキシコ、スペイン、ブラジルと大正期のほとんどを海外で過ごし、ベル・エポックの香気に触れた“雅び”の詩人・堀口大學。アポリネール、コクトーら、20世紀“新精神(エスプリ・ヌーヴォー)”詩人たちの息吹きを満載した訳詩集『月下の一群』は、洗練された機智と豊潤なエロスを薫風にのせて、わが国の湿潤な文学風土に送り込んだ。詩の子、恋の子、旅する子の面目躍如たる第一随想集。
  • 相撲記

    相撲記

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,265円 (税込)
    生家の筋向かいに、当時全盛を極めた「友綱部屋」があり、取的が出入りし、関取と並んでチャンコ鍋をつつくという幼少年期を過ごした著者は、戦後、横綱審議会委員となり、視力を失う最晩年まで務めるなど、文壇きっての相撲通として知られる。土俵、仕切り、行司の変遷、双葉山始め名力士の技倆の分析など、厖大な知識と熱意で綴る。迫り来る戦火に、相撲という伝統美を死守するの心意気で書かれた耽美派作家の異色の日本文化論。
  • 恋ごころ 里見弴短篇集

    恋ごころ 里見弴短篇集

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,265円 (税込)
    14歳の夏休みに、養家の盛岡を訪れ、そこで知った親戚の少女に淡い恋心を抱いた思い出を語る表題作。家を出て、大阪での芸者との恋愛・結婚の経緯を清新に描いた「妻を買う経験」等、自伝とフィクションを綯い交ぜに、流暢な文体と精妙な会話で、人の心の機微を巧みに描いた名作5篇を収録。明治、大正、昭和の文芸界を悠々と生き抜いた「馬鹿正直」で「一徹」で「涙脆い」、白樺派最後の文士・里見弴の真骨頂。 人の生の営みの機微を描いた心温まる短篇集――“最後の文士”里見は、94歳の最期まで現役作家として活躍した。抒情的で穏やかな、哀愁を帯びた感動を与える私小説の世界。読売文学賞受賞の表題作他6篇。
  • 野鴨

    野鴨

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,265円 (税込)
    はかなく取りとめない日常の中に現代の至福を描き出す長篇小説。家族を愛し人生を慈しむ――丘の上に住む作家一家。息子たちは高校生・大学生になり、嫁いだ娘も赤ん坊を背負ってしばしばやってくる。ある時から作家は机の前に視点を定め、外に向いては木、花、野鳥など身近な自然の日々の移ろいを、内では、家族に生起する悲喜交々の小事件を、揺るぎない観察眼と無限の愛情を以て、時の流れの中に描き留めた。名作『夕べの雲』『絵合せ』に続く充実期の作家が、大いなる実験精神で取り組んだ長篇。 ◎庭に来る鳥や、庭の樹木から書き起こされる章が多いが、人の心が自然現象のなかに融け、照らし出されているように感じられる。八章には、「四十雀が飛び立ったあと、水盤の水に映った空が揺れている。」という小景描写があった。水面が揺れているのではなく空が揺れている。こんなところを読むと、今、見ているような気がする。昭和の小説には、このような豊かさがあった。<小池昌代「解説」より>
  • 室町記

    室町記

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,265円 (税込)
    日本文化の核を育み、社会の階層をかき回した、渾沌と沸騰の200年! 豊かな乱世の絢爛たる文化―― 日本の歴史の中でも室町時代の200年ほど、混乱の極みを見せた時代はなかった。が、一方では、その「豊かな乱世」は、生け花、茶の湯、連歌、水墨画、能・狂言、作庭など、今日の日本文化の核をなす偉大な趣味が創造された時代でもあり、まさに日本のルネサンスというべき様相を呈していた。史上に際立つ輝かしい乱世を、足利尊氏や織田信長らの多彩な人物像を活写しつつ、独自の視点で鮮やかに照射する。
  • 刻

    刻

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,265円 (税込)
    二つの国と二つの言語。夭逝した芥川賞作家の内面の葛藤を描く長篇小説――若くして亡くなった、在日韓国人女性作家。日本で生まれ育ち、韓国人の血にわだかまりつつも、日本人化している自分へのいらだちとコンプレックス。母国に留学し直面した、その国の理想と現実への想い。芥川賞作家の女の「生理」の時間の過程を熱く語る長篇と、「私にとっての母国と日本」という1990年にソウルで、元原稿は直接韓国語で書かれた講演を収録。 ◎アイデンティティを追求した李良枝の私小説は、「目に見えない」心のミステリーを解明しようとした鮮烈なテキストなのである。日本から、見知らぬ「母国」へやってきた「刻」の主人公は、だから、母語ではない母国語の文字の前で落ち着きを失う。その「私」の1日においては、だから、一刻一刻、親近感と距離感の間で心のゆらぎを覚えて、最終的には選ぶことができないのだろう。<リービ英雄「解説」より>
  • 湯葉・青磁砧

    湯葉・青磁砧

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    没落した幕臣の娘が、15歳で神田の湯葉商の養女となり、養父を助けその半生を捧げる名作「湯葉」。すぐれた陶器や陶芸家に魅せられる父と娘の、微妙な心の揺曳を抒情的に描く「青磁砧」(女流文学賞受賞作)。男に執着する娼婦上りの女の業に迫る「洲崎パラダイス」。「青果の市」で芥川賞を受賞した著者の、中期を代表する3篇を収録。
  • ロッテルダムの灯

    ロッテルダムの灯

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    戦地における命あるものの美しさと儚さ――作家・庄野潤三の兄で、数多くの児童文学作品を世に残した著者が、従軍した中国や東南アジアで胸に刻まれた命あるものの美しさ、尊さ、儚さを、異国情緒をまじえて綴った初めての随筆集。戦中の思い出と戦後の日本、欧州とが絡まり、作者自らが「何よりも愛着深い作品」と述懐した、エッセイストクラブ賞受賞の名作。児童文学の大家である著者が、従軍した際の経験をまとめた名随筆集にして、弟の庄野潤三をして「英ちゃんのいちばんの名作」と言わしめた作品。
  • 異邦人の立場から 現代日本のエッセイ

    異邦人の立場から 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,254円 (税込)
    「人間の存在的な渇望は現実以上に真実である」――我々の現代と西欧の現代、その背後に脈々と流れる、我々が「本能的」に持つ汎神的血液と西欧の一神的血液。生涯のテーマ「日本人でありカトリックであること」を追求する、著者の最初のエッセイ「神々と神と」をはじめ、遠藤文学を確立した昭和40年代までを新編成。文学と信仰の原点と決意を語る熱きエッセイ。
  • 実朝考 ホモ・レリギオーズスの文学

    実朝考 ホモ・レリギオーズスの文学

    宮廷文化に傾倒し、武芸軟弱を以て侮られた、鎌倉三代将軍・源実朝は、庶民に共感する単純強靱な歌を詠んだ。それなぜ生まれたのか。その実体に迫る過程で、著者が見たものは〈絶対的孤独者〉の魂だった。死と直面し、怨念を抱えて戦争の日々を生きぬいた著者が、自己を重ね、人間の在り方と時代背景を鋭く考察。時を越えて共有する問題点を、現代の視点で深く追究した、画期的第一評論。
  • 表現の風景

    表現の風景

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    「精度がよくて長もちする」ダッチワイフから論をはじめ、表層的な「ナルホドどまりを好む」時代の「惰性」を痛撃し、孤立して見える「尖端の表現」を集合し、強く呼応する――最も現代的な感性と思考に立つ富岡多恵子の、平明な論理と鋭い説得力を持つ、時代を撃つ第一級のエッセイ。
  • 美を求める心

    美を求める心

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,254円 (税込)
    沖縄戦での許嫁の死、生家の破産、離婚……。病弱な女ひとりの境涯を支えるため、細々とラジオに寄稿し始めて50年、一貫して無名の庶民の心性に寄り添い、魂の深部から響いてくる真実の言葉を刻み続ける。自然の風景に、仏像の佇まいに、平凡な暮らしの道具に、そして何より人の心の中に美を求める、珠玉の88篇が、厳しくもしなやかな半生の美への巡礼の足跡を指し示す。
  • 半日の放浪 高井有一自選短篇集

    半日の放浪 高井有一自選短篇集

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,254円 (税込)
    疎開先で入水した母の遺骸を凝っと見つめる、少年の目。二世帯住宅にするため、明日は家を取り壊すという日、嬉々とする妻をよそに、街に彷徨い出た初老の男の目。――戦争と母の自死を鮮烈に描いて文学的出発を告げた、芥川賞受賞作「北の河」、人も街も変質する世情への微妙な違和感を描く「半日の放浪」など、透徹した観察眼で昭和という時代を丸ごと凝視し続ける、高井有一の自選7短篇。
  • 風俗小説論

    風俗小説論

    花袋『蒲団』を一刀両断。明晰な論理で描く日本近代リアリズム興亡史――「『破戒』から『蒲団』にいたる道は滅びにいたる大道であったと云えましょう」。日露戦争の直後に起こった文壇の新気運のなかで、その後の日本文学の流れを決定づける2作品が誕生した。日本の近代リアリズムはいかに発生し、崩壊したのか。自然主義から誕生した私小説が、日本文学史に与えた衝撃を鋭利な分析力で解明し、後々まで影響を与えた、古典的名著。
  • 夏の栞―中野重治をおくる―

    夏の栞―中野重治をおくる―

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    文学的友情で支え合った中野重治との永遠の別れ。熱く深い思いで綴る感動の名作。――1979年8月、作家中野重治が逝去した。中野重治に小説家として見出された佐多稲子は、この入院と臨終に至るまでの事実を、心をこめて描いた。そして50年にわたる、中野重治との緊密な交友、戦前、戦中、戦後と、強いきずなで結ばれた文学者同士の時間を、熱く、見事に表現した、死者に対する鎮魂の書。毎日芸術賞・朝日賞を受賞した、感動の文学作品。
  • 毒薬としての文学 倉橋由美子エッセイ選

    毒薬としての文学 倉橋由美子エッセイ選

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,254円 (税込)
    学生時代、マスメディアに劇的に登場、常に現代文学に挑戦し続ける著者の『わたしのなかのかれへ』『迷路の旅人』『磁石のない旅』『最後から二番目の毒想』『夢幻の宴』の全エッセイ集から、1.日常と文学の周辺、2.作家・詩人関係に集約編集。「性と文学」「文学的人間を排す」他、坂口安吾、澁澤龍彦、三島、埴谷等、35篇。独創的世界を展開する著者の文学観、発想の源流を示す文芸文庫版エッセイ集。
  • 石の話 黒井千次自選短篇集

    石の話 黒井千次自選短篇集

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,254円 (税込)
    夫婦の間に流れた時間の持つ意味の落差を象徴的に捉えた表題作「石の話」、上司との関係にしこりを生んだネクタイをめぐる騒動を追った「首にまく布」、隣家の庭に出現したプレハブの子供部屋の日ごとの変貌がもたらす波紋を綴った「庭の男」等、家庭や職場に紛れ込んでくる違和を妙趣あふれた筆致で描いた9作品を収録。初期作品から近作まで、著者の歩みを辿る自選短篇集。
  • 異域の人 幽鬼 井上靖歴史小説集

    異域の人 幽鬼 井上靖歴史小説集

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,254円 (税込)
    半生を西域に捧げた後漢の人・班超の苦難に満ちた道と孤独な魂の彷徨を追った「異域の人」、留学僧・行賀の在唐31年の軌跡と、入唐した日本人のさまざまな生の選択を描いた「僧行賀の涙」、謀反へと明智光秀を導く心の闇に巣くった亡者に迫る「幽鬼」など、歴史小説の名作8篇を収録。時代の激動を生きぬいた人間の姿を比類なき語りの力で描破する井上文学の魅力溢れる1冊。
  • 還暦の鯉

    還暦の鯉

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    太宰治の不可思議な人柄にふれて書かれた随筆「社交性」、旺盛な好奇心で体験を語る「私の動物誌」、「還暦の鯉」他。語尾の「が」や「しかし」に飽くまで拘わる文士気質や徹夜の仕事で書いた原稿を前に独り言をいう著者の癖など94歳の今日まで悠々たる歳月を歩みきった作家が還暦前の頃の充実した日々を、独特の含羞をうかべつつも寛いだ筆致の裡に見せる素顔の表情。身辺随想31篇。
  • 螢の河 源流へ 伊藤桂一作品集

    螢の河 源流へ 伊藤桂一作品集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    苛烈な戦場での日々に、死を凝視しつつ、なお友情、青春が息づく、その刻々を淡々と描いた、直木賞受賞作「螢の河」。堪え難い神経痛と耳鳴りに悩む“ぼく”が山奥での岩魚釣り中、不意に“生きてゆくこと”を深く認知する名作「源流へ」。「帽子と菜の花」「帰郷」「溯り鮒」「名のない犬」等、詩人の眼が捉えた、戦場、身辺、釣り、動物達との交歓。伊藤桂一の小説世界を開示する珠玉の名篇全10篇。
  • 私の文学放浪

    私の文学放浪

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    旧制高校に入学した頃の文学との出逢い、詩作、敗戦後の同人雑誌参加、大学中退、大衆雑誌記者時代、肺結核。芥川賞受賞までのエピソードや、父吉行エイスケのこと等著者の交友・文学の“核”を明晰な文体で瑞々しく回想。ほかに「拾遺・文学放浪」「註解および詩十二篇」を収める。
  • 悪い夏 花束 吉行淳之介短篇小説集

    悪い夏 花束 吉行淳之介短篇小説集

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    初期から最晩年まで、短篇小説で辿る吉行淳之介の世界。男女の心象風景を凝縮するイメージで描く散文詩風の「藁婚式」、少年の眼を通して恋愛の生理と心理を追う「悪い夏」、父エイスケとの屈折した関係を主題とした「電話と短刀」、親友の13回忌に訪れた男女の齟齬を描く「花束」等14篇を収録。明晰な文体と実験的手法で、人間の生と性の不条理を追究した著者の珠玉の作品集。
  • 随筆三国志

    随筆三国志

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,254円 (税込)
    流行りの梁父吟(ロカビリー)が大好きな諸葛孔明は当時のアプレ・ゲール! 強靱なレトリックと博覧強記で縦横に古典を論じ、同じく乱世の修羅にある現代の貌を浮き彫りにする花田流三国志論。戦争中に書かれた比類なき抵抗の書『復興期の精神』から最後の著作『日本のルネッサンス人』まで首尾一貫、転形期の人間像を描き続けた花田清輝が、三国志に託して今の世界を、さらに歴史の未来を透視する知的興奮に満ちた1冊。
  • 酩酊船 森敦初期作品集

    酩酊船 森敦初期作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    昭和9年、横光利一の推輓で新聞連載された、森敦22歳の文壇デビュー作「酩酊船」。小説を書きはじめようとする青年の思考を日記やノートで辿ることそれ自体が、その小説の実現を意味するという冒険的試みで、のちに独自の創作理論を打ち立てることとなる著者の資質がいかんなく発揮される。そのほか19歳の作「酉の日」から36歳の作「夏の朝」まで、貴重な初期作品5篇を精選。
  • 椋鳥日記

    椋鳥日記

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,254円 (税込)
    ライラックの蕾は膨らんでいても外套を着ている人が多い4月末のロンドンに着いた主人公は、赤い2階バスも通る道に面した家に落ち着く。朝早くの馬の蹄の音、酒屋の夫婦、なぜか懐かしい不思議な人物たち。娘や秋山君との外出。さりげない日常の一齣を取りあげ、巧まざるユーモアとペーソスで人生の陰翳を捉え直す、純乎たる感性と知性。ロンドンの街中の“小沼文学の世界”。平林たい子賞受賞。
  • わが切抜帖より 昔の東京

    わが切抜帖より 昔の東京

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    新聞・雑誌などの記事や文章の切抜き、それらへの感想、ささやかな集積が、やがて永井龍男の美学と結びつき、精妙な確かなある空間と人生を静かに形成して行く。読売文学賞受賞の「わが切抜帖より」と、著者がかぎりなく愛する“昔の”東京にかかわる随筆群を併せて収録する、“昔の”東京の“背骨”と呼ぶべき1巻。
  • 江戸文学掌記 現代日本のエッセイ

    江戸文学掌記 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    狂歌師・宿屋飯盛はその族籍を四民の外の「遊民」に区分けられたという。名称に潜む軽侮、対する反骨。文学の毒を練り風雅の妙を極めた「遊民」たる江戸文人たちの人、生活、作品を論じ、江戸文学の根幹に迫って精髄を伝える石川淳の真骨頂8篇。「山東京伝」「横井也有」「其角」「長嘯子雑記」ほか。読売文学賞受賞。
  • 安吾のいる風景 敗荷落日 現代日本のエッセイ

    安吾のいる風景 敗荷落日 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,254円 (税込)
    昭和34年、荷風散人逝く。享年79歳。時に夷斎石川淳、60歳、「一箇の老人が死んだ」に始まる苛烈極まる追悼文「敗荷落日」を記す。融通無碍の精神と和漢洋に亘る該博な知識とに裏打ちされた奔放自在な想像力、一貫する鋭い反逆精神。「安吾のいる風景」「三好達治」「京伝頓死」「秋成私論」「本居宣長」ほか中期評論エッセイ24篇。
  • 中原中也全訳詩集

    中原中也全訳詩集

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,254円 (税込)
    季節(とき)が流れる、城寨(おしろ)が見える、無疵な魂(もの)なぞ何処にあらう? (『ランボオ詩集』幸福)早熟な詩才・中原中也が、死の直前に刊行した『ランボオ詩集』。唯一の全訳詩集として流布し、同時代を激しく揺るがせた。生前の三冊の訳詩集に未定稿を加え、全翻訳詩を収録。
  • 点滴 釣鐘の音 現代日本のエッセイ

    点滴 釣鐘の音 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,254円 (税込)
    中学時代、朽木三助のペンネームで森鴎外に手紙を出し、"一ぱいくわした"つもりが文豪の大手腕に舌を巻く『悪戯』。宿の水道栓から滴る微妙な音へのこだわりを互いに競った太宰との思い出から、その"最期"への無念さの籠る『点滴』。『鮠つり』『掘出しもの』『猫』等。詩魂を秘めた繊細と放胆、前人未到の文学世界を創造していった著者の昭和6年から30年間の珠玉のエッセイ47篇。三浦哲郎新編。
  • あの夕陽 牧師館 日野啓三短篇小説集

    あの夕陽 牧師館 日野啓三短篇小説集

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,254円 (税込)
    最初の小説「向う側」から近作「示現」まで日野文学の精髄を示す8篇を収録。 ベトナム戦争中、失踪した記者の行方を追う著者初の小説「向う側」、自らの離婚体験を描いた芥川賞受賞作「あの夕陽」等初期作品から、都市の中のイノセンスを浮上させる〈都市幻想小説〉の系譜、さらには癌体験を契機に、生と死の往還、自然との霊的交感を主題化した「示現」まで8作品を収録。日野啓三の文学的歩みの精髄を1冊に凝縮。
  • 残光のなかで 山田稔作品選

    残光のなかで 山田稔作品選

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,254円 (税込)
    ゾラを偲ぶ旅で出会った老文学者の孤独な姿を描いた「残光のなかで」、パリの街とそこで勁くつましく暮らす人々をやさしく見つめる「メルシー」「シネマ支配人」等、フランス滞在に材を求めた作品群に、記憶のあわいの中でゆらめく生の光景を追った「糺の森」「リサ伯母さん」等、8篇を収録。ユーモアとペーソスの滲む澄明な文体で、ひそやかで端正な世界を創り出した山田稔の精選作品集。
  • 告別

    告別

    小説・文芸
    3.6
    1巻1,254円 (税込)
    告別への予感はその時もう生まれていた筈だ。しかしそれはもっと以前に、もっともっと遠い昔に既に生まれていたのかもしれない――異国で識り合った女・マチルダとの深い愛を諦め妻と2人の娘のいる家庭へ戻った上條慎吾。娘・夏子の自殺、上條の死、二つの死は響き合い世界は暗く展かれてゆく。福永武彦の代表的中篇小説「告別」、「形見分け」を併録。
  • 清貧の書/屋根裏の椅子

    清貧の書/屋根裏の椅子

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    母と義父とに連れられて幼い頃行商の旅に暮した体験を明るく牧歌的に描き切った短篇「風琴と魚の町」、つましく生活する一組の夫婦の愛情を謳う「清貧の書」、転機を求めてのパリ旅行を素材とした「屋根裏の椅子」、男と女の後姿に、あるが儘の人生を見る客観小説「牡蠣」等。名作『放浪記』を力に、作家はいかに飛躍をとげたか。〈宿命的放浪の作家〉林芙美子の代表的初期短篇7作。
  • 時に佇つ

    時に佇つ

    小説・文芸
    -
    1巻1,254円 (税込)
    昭和初年のプロレタリア文学運動。弾圧下の非合法活動。戦前・戦中・戦後を通し真摯に闘い続ける著者が、激動の時代の暗い淀みを清冽、強靱な“眼”で凝視し、「時」の歪みの底に沈む痛ましくも美しきものを描出する自伝的短篇連作12篇。窪川鶴次郎の死の周辺を綴った「その十一」の章で川端康成文学賞を受賞。
  • 一条の光・天井から降る哀しい音

    一条の光・天井から降る哀しい音

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,254円 (税込)
    脳軟化症の妻は“私”を認識できない。――何度目かに「御主人ですよ」と言われたとき、「そうかもしれない」と低いが、はっきりした声でいった。――50年余連れ添った老夫婦の終焉間近い困窮の日常生活。その哀感極まり浄福感充ちる生命の闘いを簡明に描く所謂“命終三部作”ほか、読売文学賞受賞『一条の光』、平林賞『この世に招かれてきた客』など耕治人の清澄の頂点6篇。
  • パルタイ・紅葉狩り 倉橋由美子短篇小説集

    パルタイ・紅葉狩り 倉橋由美子短篇小説集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた〈反世界〉が現れる。プロメテウスの罰を再現した「囚人」、白昼夢にたゆとう「夢のなかの街」等、初期作品から怪奇掌篇、寓意譚に至る9篇を収録し、著者の孤高なる文学的歩みをたどる。
  • ささやかな日本発掘

    ささやかな日本発掘

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,254円 (税込)
    東京日本橋の地下鉄ストアで見つけた乾山の5枚の中皿。古道具屋で掘り出した光琳の肖像画。浜名湖畔の小川で、食器を洗っていた老婆から譲り受けた1枚の石皿。その近くの村の、農家の庭先にころがっていた平安朝の自然釉壺……。美しいものとの邂逅が、瑞々しく生々と描かれる名随筆26篇。読売文学賞受賞。
  • わがスタンダール

    わがスタンダール

    小説・文芸
    -
    1巻1,210円 (税込)
    ファブリスを中心にみれば、『パルムの僧院』は宛然一個の冒険小説である。―――スタンダールに魅了され、それを終生問い続けた当代屈指のスタンダリアン=大岡昇平。綿密な探究と思考、対象を徹底的に見極めようとするダイナミックな意志。鮮明な自己認識の大いなる軌跡を示す〈スタンダール論〉34篇を収録した決定版。
  • 抱擁家族

    抱擁家族

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,210円 (税込)
    妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し、次第に自己を喪失する。不気味に音もなく解けて行く家庭の絆。現実に潜む危うさの暗示。時代を超え現代に迫る問題作、「抱擁家族」とは何か。<谷崎潤一郎賞受賞作品>
  • 眼の皮膚・遊園地にて

    眼の皮膚・遊園地にて

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,210円 (税込)
    なにげない夫婦と子どもの、幸せな光景の背後に忍び寄る、得体の知れぬ不安と戦きを衝いた、短篇小説「眼の皮膚」。ふと外へ歩き出した団地住まいの妻が、サーカスを見ての帰り、若者に誘われた、白昼夢的な現実「象のいないサーカス」。日常誰もが心の裡に抱え込んでしまった、平凡な現代人を理由もなく突発的に襲う、空虚感や精神の崩れを描いて、先駆的都市小説となった、著書の60年代の代表作6篇。
  • 雲・山・太陽 串田孫一随想集

    雲・山・太陽 串田孫一随想集

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,210円 (税込)
    哲学、文学、音楽、美術など、多方面のジャンルにわたる厖大な著作から、山行と旅に関わる芳醇なエッセイを収録。さりげなく、平易、明晰な言葉で語る、人と自然との関係・対話、深い思索と瞑想、その豊かな叡知の世界。「春の富士」「北穂高岳」「遠い未来の山人に」「風光る日」など、若き日から60年を越える、独創的山の文学の精髄。哲学者・詩人・希有な登山家・串田孫一の、山と旅の随想集。
  • 忠臣藏とは何か

    忠臣藏とは何か

    なぜ忠臣藏は人気があるのか。『たった一人の反乱』の作者が、あのたった47人の反乱の謎を解明し、忠臣藏論のパラダイムを変革した、文芸評論の名作。野間文芸賞受賞作。
  • 板散華 現代日本のエッセイ

    板散華 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻1,210円 (税込)
    原始美術の力強さを示し、民芸的特質を持ち日本美の原点を探る独特の〈板画〉世界を展いた、棟方志功。強烈なエネルギー漲る初期エッセイ集『板散華』を中心に、『板画の肌』を抄録。「板画の持つ真性は、東洋の美意識に真実を重ねる」とする「板血脈」をはじめ、「河井寛次郎先生」「板画道」「万暦赤絵」「富岡鉄斎」「麻蒸風物」「哀母記」「串もち」のほか「哀父記」を加えた35篇。
  • 白鳥の歌・貝の音

    白鳥の歌・貝の音

    小説・文芸
    -
    1巻1,210円 (税込)
    女形の旅役者の悲哀をチェーホフの同名の戯曲の哀愁に重ね、二日酔の「私」の気分を巧みに描く「白鳥の歌」。近視の武士の苦衷を、武張った信玄、謙信の姿とともに描く、哀しくもおかしい「貝の音」。ほかに「下足番」「開墾村の与作」など。殉死の弊風、封建の桎梏、人間の嗜好・執着、浮世の儚さ――人の世の悲喜劇への、常に変らぬ確かな眼差と限りない愛情が醸す、井伏鱒二の豊穣の世界。追随を許さぬ精妙な文体の名作集。
  • 白頭吟

    白頭吟

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,210円 (税込)
    原敬により、院外団から、代議士、党幹部に引立てられ、拓殖会社の理事として辷り込む父・尾花晋作。3年前病死した正妻のあとになおった27歳の三輪子。洋行志望する前妻の子、主人公20歳の学生・尾花晋一。俗物・まがいもの行き交う、愛あり恋あり不倫あり、裏切り、謀略なんでもありの巷のなかで、昂然として、高貴なるものの光芒一閃。石川淳を代表する傑作。
  • 夫婦善哉

    夫婦善哉

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,210円 (税込)
    しっかり者の新地の芸者蝶子は若旦那柳吉と駈落して所帯を持ち、甲斐性なしの夫を支えて奮闘する──大阪の庶民の人情を自在な語り口で描いて新進作家の地位を確立した「夫婦善哉」のほか、「放浪」「勧善懲悪」「六白金星」「アド・バルーン」、評論「可能性の文学」。作家生活僅か7年、裏町人生のニュアンスに富んだ諸相を書き続けて急逝した織田作之助の代表作6篇を収録。
  • 七・錯乱の論理・二つの世界

    七・錯乱の論理・二つの世界

    小説・文芸
    -
    1巻1,210円 (税込)
    常に世界に開かれている透徹したリアルな眼。文学・思想の至高を終生求めつづけた強靱な芸術家魂。ブリリアントな論理と秀抜この上ないレトリック。真の前衛・花田清輝の初期小説・「七」「悲劇について」、「復興期の精神」と比肩する初期エッセイ集「錯乱の論理」、「沙漠について」「動物・鉱物・植物」等の名篇を含む「二つの世界」を合わせて収録。
  • 啼く鳥の

    啼く鳥の

    小説・文芸
    -
    1巻1,210円 (税込)
    『三匹の蟹』で「群像新人賞」「芥川賞」両賞を受賞し、戦後日本文学史の中でも異例の衝撃的デビューをした大庭みな子の、作家活動20年の頂点を示す、深い人間理解と鋭い人生凝視の力作『啼く鳥の』。野間文芸賞受賞。
  • 仕事部屋

    仕事部屋

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    《芸術の友よ。御身に捧ぐるに今この美しい言葉の花束を以てする。是こそ新興芸術派の巨匠・井伏鱒二の心の贈物である》(春陽堂、昭和6年刊『仕事部屋』広告文)。全集等未収録の幻の名作というべき「仕事部屋」を始め、「丹下氏邸」他初刊本の全14篇をそのままに収録。昭和初年代のモダニズム、都市小説の新風俗が描かれて、井伏鱒二の文学に新たな光を当てる真の芸術の友への贈物。
  • 鶏肋集/半生記

    鶏肋集/半生記

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    子守り男に背負われて見た、花の下での葬式の光景。保養先の鞆ノ津で、初めて海を見た瞬間の驚きと感動。福山中学卒業と、京都の画家橋本関雪への入門志願。早稲田大学中退前後の、文学修業と恋の懊悩。陸軍徴用の地マレー半島で知った苛酷な戦争の実態。明治31年福山に生れ、円熟の作家が心込めて綴った若き日々・故郷肉親への回想の記。
  • 波うつ土地・芻狗

    波うつ土地・芻狗

    小説・文芸
    3.3
    1巻1,155円 (税込)
    さりげなく見える“日常”の底に、人間の“生と性”の深層を鋭く抉り、苛烈にして鮮烈な洞察の世界を描き出す、時代の尖端に立つ富岡多恵子の鮮やかな達成――。話題作『波うつ土地』『芻狗』の二著を収録。
  • 動物の葬禮・はつむかし 富岡多惠子自選短篇集

    動物の葬禮・はつむかし 富岡多惠子自選短篇集

    小説・文芸
    -
    1巻1,155円 (税込)
    二十代に詩を書き始め、三十代で「うた」と訣れ小説家に。生まれ育った大阪の言葉がもつ軽妙さと批評性を武器に、家族、愛、性の幻想から「人間という生き物」を解き放ちつつ現代文学の尖端でラジカルな表現を続ける。孤独な青年の死を周囲のドタバタ騒ぎに映して鮮やかに浮き彫りにする「動物の葬禮」、親を殺し子を捨てる男の衝動を実存の闇として描く「末黒野」など、著者自選の九篇。
  • 西鶴の感情

    西鶴の感情

    商都大坂、銀(かね)が銀(かね)を生む世の実相と、色と欲に翻弄される人たちの生態をリアルに描いた井原西鶴。伝記もなく、ほとんど知られざるその実像を、作品の行間から、また同時代の遊女評判記などから鮮やかな手付きで攫みだし、西鶴が生きた「時代」と「場所」を臨場感たっぷりに現前させる。中勘助、釋迢空など、評伝に新境地を拓いた作者の批評精神が最高度に発揮され、伊藤整文学賞、大佛次郎賞両賞を受賞した傑作。 西鶴は俳諧師から身を起し、後に浮世草子の作家になったという通説を見事に覆し、西鶴が生きた時代と場所を臨場感溢れる描写で追体験。評伝に新境地を拓く傑作!
  • 悉皆屋康吉

    悉皆屋康吉

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    呉服についての便利屋であり、染色の仲介業者でもある「悉皆屋」の康吉は、職人としての良心に徹することで、自らを芸術家と恃むようになる。大衆の消費生活が拡大する大正モダニズム期には、華美で軽佻な嗜好を嫌い、ニ・ニ六事件の近づく昭和前期には、時代の黒い影を誰よりも逸早く捉える男でもあった。著者が戦時下に書き継ぎ、芸術的良心を守った昭和文学史上の金字塔と評される名作。
  • 骨の肉・最後の時・砂の檻

    骨の肉・最後の時・砂の檻

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,155円 (税込)
    生の深奥を抉る明晰な衝撃。河野文学の中期秀作群――初期作品「美少女」「幼児狩り」、芥川賞受賞作「蟹」から、話題の『みらい採り猟奇譚』まで、著者の誠実な文学的展開の中で、中期と呼ぶべき中・短篇群。特に世評高い名篇「骨の肉」ほか、女流文学賞受賞の「最後の時」、更に「砂の檻」ほか4篇収録。男と女の関係、特に子供のいない女・妻と男・夫の関係を描き、抉り出されてくる生の深奥の類例のない明晰な衝撃。
  • 本郷

    本郷

    小説・文芸
    -
    1巻1,155円 (税込)
    本郷に生れ今も住む著者の半世。わが内なる本郷――鴎外、漱石をはじめ、本郷に住んだ文人たちや伯父・佐々醒雪、父母のこと、個人的な体験など、本郷を中軸に据え、そこにかかわる様々を語りながら、時代を生き生きと甦らせ、半生を映し出して行く。私が本郷を所有するのか、本郷が私を組み込むのか。本郷に染着する文化を見事に描ききる、『夕鶴』の作者の限りなき本郷愛着の記。
  • 路地

    路地

    小説・文芸
    -
    1巻1,155円 (税込)
    名刹が点在し、高級住宅地が広がる古都・鎌倉。 だが、そんな町にも、様々な人生が交錯する「路地」がある。古書店主、観光人力車を曳く男、図書館勤めの小市民……、市井の7人それぞれが、過去に秘めている罪や愛が、彼らの平穏な日常を波立たせる一瞬を犀利に捉え、人生の細やかな真実を温もりとともに掬いあげる短編連作。谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 三匹の蟹

    三匹の蟹

    小説・文芸
    3.3
    1巻1,155円 (税込)
    『大型新人」として登場以来25年、文学的成熟を深めて来た大庭みな子の、あらためてその先駆性を刻印する初期世界。群像新人賞・芥川賞両賞を圧倒的支持で獲得した衝撃作「三匹の蟹」をはじめ、「火草」「幽霊達の復活祭」「桟橋にて」「首のない鹿」「青い狐」など、初期作品を新編成した7作品群。
  • 夜ふけと梅の花 山椒魚

    夜ふけと梅の花 山椒魚

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,155円 (税込)
    「ああ、寒いほど独りぼっちだ!」。内心の深い想いを岩屋に潜む小動物に托した短篇「山椒魚」。新興芸術派叢書の1冊として、昭和5年4月に刊行された『夜ふけと梅の花』収録15篇に、同人誌『世紀』掲載の「山椒魚」の原型でもあった著者の処女作「幽閉」を併録。さまざまな文学的潮流が拮抗した昭和初年代の雰囲気を鮮やかに刻印し、著者の文学的出発をも告げた画期的作品群。
  • 上海

    上海

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,155円 (税込)
    1925年、中国・上海で起きた反日民族運動を背景に、そこに住み、浮遊し彷徨する1人の日本人の苦悩を描く。死を想う日々、ダンスホールの踊子や湯女との接触。中国共産党の女性闘士芳秋蘭との劇的な邂逅と別れ。視覚・心理両面から作中人物を追う斬新な文体により不穏な戦争前夜の国際都市上海の深い息づかいを伝える。昭和初期新感覚派文学を代表する、先駆的都会小説。
  • 一個 秋その他

    一個 秋その他

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    野間文芸賞、芸術院賞両賞受賞の短篇集『一個その他』から、世評高い作品集『カレンダーの余白』『青梅雨その他』『雀の卵その他』、そして川端賞受賞の『秋その他』に至る短篇の名手・永井龍男。その晩年の短篇集の中から、「一個」「蜜柑」「杉林そのほか」「冬の日」「青梅雨」「雀の卵」そして名品中の名品「秋」など14篇の短篇の冴えを集成。
  • 文学の運命 現代日本のエッセイ

    文学の運命 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻1,144円 (税込)
    「目がくらむような出会い」と交遊――小林秀雄、中原中也、三好達治、桑原武夫、そして「スタンダール」との邂逅。混沌とした青春の放浪時代を出発点に、戦争・戦場・俘虜という「経験と意味」を確認すべく、図らずも小説家として世に出た文学的生涯。常に、文学・政治などすべてに閃めく大岡昇平の鮮烈な「眼」。著者の小説・評論の原点と「志」を語る名エッセイの数々。小説家にして優れた批評家でもあった大岡昇平、珠玉のエッセイ集!
  • 母よ

    母よ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,144円 (税込)
    母よ、あなたの素顔を見たい、どのような顔をしていたのでしょう。現存している写真はたったの1枚、「ひんやりとした感じの、きれいな人だったのよ」と、少年のぼくに語ってくれた姉。──実母への切実な想いと、別居している理英との間に生まれた保育園にかよう男の子の成長ぶりを、清澄なことばで綴った秀作。第43回読売文学賞受賞作。
  • 寂兮寥兮

    寂兮寥兮

    小説・文芸
    3.4
    1巻1,144円 (税込)
    幼なじみの万有子と泊は、ごっこ遊びの延長の如き微妙な愛情関係にあったが、それぞれの夫と妻の裏切りの死を契機に……。ふたりを軸に三世代の織りなす人間模様は、過去と今、夢とうつつが混じり合い、愛も性もアモラルな自他の境なき幽明に帰してゆく。デビュー以来、西欧への違和を表現してきた著者が親炙する老子の思想に触発され、生と性の不可解さを前衛的手法で描いた谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 虹の彼方に

    虹の彼方に

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,144円 (税込)
    1973年夏、東京拘置所。『カール・マルクス』『ウルトラマン』等、夢見る囚人達と所長『ハンプティ・D』の間で演じられる可笑しくも悲痛な思想劇。『さようなら、ギャングたち』『ジョン・レノン対火星人』と並び著者の原点を示す秀作。
  • 星条旗の聞こえない部屋

    星条旗の聞こえない部屋

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,144円 (税込)
    横浜の領事館で暮らす17歳のベン・アイザック。父を捨て、アメリカを捨て、新宿に向かう。1960年代末の街の喧騒を背景に、言葉、文化、制度の差を超え、人間が直接に向き合える場所を求めてさすらう柔らかな精神を描く野間文芸新人賞受賞の連作3篇。「日本人の血を一滴も持たない」アメリカ生まれの著者が、母語を離れ、日本語で書いた鮮烈なデビュー作。
  • 灰色の午後

    灰色の午後

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,144円 (税込)
    「何と云われようと、知らないことは知らないんだから、僕はそう云うしかないんですよ」とあくまで居直る惣吉。突然に出現した女の存在に崩解し出した作家夫婦の危機。反動化し戦争に向う困難な時代に、共に立ち向うはずの折江の夫が、逆に女で家を出ようとする。取り乱し、媚び、たじろぐ女としての自己の崩れを見据る作家佐多稲子の文学世界の最高の達成点。
  • 絵合せ

    絵合せ

    小説・文芸
    3.7
    1巻1,144円 (税込)
    グリム童話が不思議に交叉する丘の上の家。"姉がひとり、弟が二人とその両親"――嫁ぐ日間近な長女を囲み、毎夜、絵合せに興じる5人――日常の一齣一齣を、限りなく深い愛しみの心でつづる、野間文芸賞受賞の名作「絵合せ」。「丘の明り」「尺取虫」「小えびの群れ」など全10篇収録。
  • シベリヤ物語

    シベリヤ物語

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,144円 (税込)
    逃亡兵が闇の中で射殺され横たわる「小さな礼拝堂」。凍てつく酷寒の町に一人出されて道路掃除する「掃除人」。シベリヤの捕虜収容所体験をもつ作家の冷静な眼は、己を凝視し、大仰な言挙げとは無縁の視座から出会った人々、兵士、ロシヤの民衆の生活を淡々と物語る。「舞踏会」「ナスンボ」「勲章」「犬殺し」等11篇により、人間の赤裸に生きる始原の姿を綴る現代戦争文学の名著。
  • 反悲劇

    反悲劇

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,111円 (税込)
    本来反小説な神々や英雄の悲劇の世界を、現代小説に直接「移植」する試みのなかで、古代ギリシャ人の行動様式や神話的モチーフは、そのグロテスクな陰惨さのままに、今もわれわれの内に息づき生き延びているのではないかということを問いかける。「向日葵の家」「酔郷にて」「白い髪の童女」「河口に死す」「神神がいた頃の話」の5篇から成る連作集。
  • 紋章

    紋章

    小説・文芸
    -
    1巻1,111円 (税込)
    自意識の分裂に悩み戸惑う知識人の久内と、狂気のような熱情をこめて醸造技術の発明に没頭する一途な男雁金。ふたりの対照的な成り行きに、近代の合理的な人間認識と"日本精神というもの"との相剋を見る。漱石、芥川以来の「西欧的近代と向き合う人間」というテーマを内包しつつ、"第四人称"の「私」という独自のスタイルで物語る。晩年の『旅愁』へと向う前の著者中頃の代表的長篇小説。
  • 井伏鱒二 弥次郎兵衛 ななかまど

    井伏鱒二 弥次郎兵衛 ななかまど

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,111円 (税込)
    日本の"親爺"木山捷平最晩年の飄々短篇集。常に市井の人として一貫し、独特の詩情溢れる飄々たる人生世界を描出した木山捷平最晩年の珠玉短篇。敬愛する井伏鱒二の秀抜な素描、若き太宰治の真摯な青春像。
  • 時間

    時間

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,111円 (税込)
    或る日突然変貌し、異常なまでに猛烈に働き出す男。会社を欠勤し自宅の庭の地中深く穴を掘り始める男。企業の枠を越え、生甲斐を見出そうとする男。高度成長時代に抗して、労働とは何かを問い失われてゆく〈生〉の手応を切実に希求する第1創作集。著者の校訂を経て「花を、我等に」「赤い樹木」を加えた新版・6篇。芸術選奨新人賞受賞。
  • 二重壁・なまけもの 開高健初期作品集

    二重壁・なまけもの 開高健初期作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    食うや食わずの苦学生、堀内と沢田。様々なアルバイトの末に、意にそわぬ選挙活動を手伝うことに……。敗戦後の闇市を舞台に、混沌たる世相とそこで生きぬく若い世代を、濃密な文体で描破した「なまけもの」。企業の空しい宣伝合戦の顛末記「巨人と玩具」など、小説3篇に、東京の街のスケッチ、ヴェトナム戦争をめぐるエッセイを併録。リアリズムの新たな可能性を拓いた<行動する作家>の初期作品を精選。
  • 初舞台・彼岸花 里見弴作品選

    初舞台・彼岸花 里見弴作品選

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    娘の自立していく姿に思い悩む、旧制高校同窓の男達の友情を追った表題作「彼岸花」、女主人の嘘が許せず自らの片腕を切り落とす「銀二郎の片腕」、上官の夫人を伴った戦地からの引揚げの悲惨な旅の中で育つ奇妙な愛情を描く「みごとな醜聞」等、初期から戦後作まで8篇を精選。巧みな会話運びで人情の機微をとらえ、「名人芸」と声価の高い、里見弴の人間観察の妙趣を味わう名作集。
  • ピクニック、その他の短篇
    値引きあり

    ピクニック、その他の短篇

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,100円 (税込)
    感覚的、幻想的イメージ、風刺と暗喩の交錯する詩的文体。時間と空間を否定した特異の作品世界を築き、「桃の園」に描かれる記憶の不明をはじめ、作品の底に澱のように淀む家族の影は、現実の不安を描出する。表題作「ピクニック」のほか、「競争者」「窓」「木の箱」「月」「既視の街」「くずれる水」「豚」「鎮静剤」「家族アルバム」「あかるい部屋のなかで」の12篇を収める短篇集。
  • 悩ましき土地

    悩ましき土地

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    対象との距離を微妙にはかりながら、すれすれのところで作品として成立させる、吉行淳之介の短篇集。作者自身の幅を反映して、対象は読者から、バーの女給、エロ雑誌の編集者、棟梁、作者とおぼしき主人公の周辺に登場する諸人物は、いずれも一癖あるが、それを冷静に、ときには諷刺をまじえて、面白さをひきだす。表題作のほか、「青い映画の話」など12篇収録。
  • 私の人生頑固作法 高橋義孝エッセイ選

    私の人生頑固作法 高橋義孝エッセイ選

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    Yシャツは何十年来、白の木綿のものしか着ない。色物、縞物は着たことがない。Yシャツを着始めて以来、白一色で通している(「私の人生頑固作法」)。独文学者であり趣味人で知られる、名エッセイスト・高橋義孝。知恵に溢れた含蓄ある辛口の随想は、人生論、文学論、能や相撲などの趣味のほか、様々に及ぶ。「老いぬれば」「美しいことば」など30篇を収める精選エッセイ集。名エッセイストのユーモア溢れる辛口随筆。
  • 菓子祭・夢の車輪

    菓子祭・夢の車輪

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    単行本『赤い歳月』から2篇、『菓子祭』から13篇、さらに、文庫初収録の名篇『夢の車輪』から全12篇、計27篇の秀作集。現実と夢の壁を、あたかもなきがごとく自在に行きかい、男と女との「関係」などを、鋭く透写する硬質な作家の「眼」が、内から硬質の光を鋭く放つ! 『砂の上の植物群』、『暗室』、『鞄の中身』の達成の上に立つ、短篇の名手・吉行淳之介の、冴えわたる短篇群の「かがやき」。
  • ボードレールの世界

    ボードレールの世界

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    敗戦まもない北の地・帯広で、深く結核に冒されながら、初めて上梓した魂の書『ボードレールの世界』。愛と孤独と死の意識を追求し、全精神、全人生の精髄としての風景をボードレールに見た、心の深みを凝視し続ける福永武彦の文学の原点。秀作「詩人としてのボードレール」「ボードレール的人生」「ボードレール年譜」を併録。青春の原点を示す代表的評論。
  • 父たちの肖像 現代日本のエッセイ

    父たちの肖像 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    名篇「自転車」「人生の一日」や「司令の休暇」「千年」を持つ、惜しまれて逝った著者の、初期から昭和52年までの全随筆から、海を愛し、読書を愛し、先輩・知友を想い、父と子を辿る、真摯にして豊饒な人間理解を追尋する、自選エッセイ集。自然であることを大切に考えた、著者の秀れた人間考察がここにある。
  • 海にゆらぐ糸・石を積む

    海にゆらぐ糸・石を積む

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    「時」の制約のうちに生きる人間の命が、白く灼く炎ときらめく、その刹那の輝きの一瞬に、小説のありかをさぐる、大庭みな子。時間の変幻と永遠相が、虹のプリズムを通して綾なすさまを、旧知との交遊のはざまに見出して詩的に定着した『海にゆらぐ糸』川端康成賞受賞の連作と、人の命の収斂するときをいとおしんで描く短篇一作と、放送劇とを収録。
  • 千年・あの夏

    千年・あの夏

    小説・文芸
    4.4
    1巻1,100円 (税込)
    鋭く周密な観察で幼年期をつづる「千年」、漠然として白く燃え上り、落着の悪い記憶の断片にまとわる不安・恐怖・なつかしさを語る「桃」、心弱い父が美しく描かれ、父と子の屈折した心情あふれる「父と子の夜」など、仄暗く深い記憶の彼方の幼年時代を、瑞々しく精緻に描出する、阿部昭の秀作群。毎日出版文化賞受賞短篇集『千年』に「あの夏」「贈り物」を併録。
  • 女の日記 現代日本のエッセイ

    女の日記 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    尾崎士郎、東郷青児、北原武夫、梶井基次郎、三好達治、小林秀雄、青山二郎ほか、著者が愛してやまなかった人々との思い出、自分のこと、周囲のことなどを、起伏多い人生の軌跡に重ね、端麗、強靱な文体と円熟した瑞々しい感性で軽快に綴る。『女の日記』『親しい仲』『恋は愉しいか』などから、新たに編み直した名品44篇。第一級のエッセイ群。
  • 風貌・姿勢 現代日本のエッセイ

    風貌・姿勢 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻1,100円 (税込)
    文学に精進しつつ95歳の天寿をまっとうした作家が、その生涯に敬愛し、私淑した文士たちの風貌と姿勢を生き生きと描出する。鴎外、漱石、志賀直哉から小林秀雄、田中貢太郎、太宰治、中野重治ら30余名。講談社名著シリーズ版『風貌・姿勢』に拠る、作家・文士の風貌と個性を見事に活写した随筆集。
  • 戦艦大和ノ最期

    戦艦大和ノ最期

    小説・文芸
    4.2
    1巻1,100円 (税込)
    昭和20年3月29日、世界最大の不沈戦艦と誇った「大和」は、必敗の作戦へと呉軍港を出港した。吉田満は前年東大法科を繰り上げ卒業、海軍少尉、副電測士として「大和」に乗り組んでいた。「徳之島ノ北西洋上、「大和」轟沈シテ巨体四裂ス 今ナオ埋没スル三千の骸(ムクロ) 彼ラ終焉ノ胸中果シテ如何」戦後半世紀、いよいよ光芒を放つ名作の「決定稿」。
  • ある女の遠景
    値引きあり

    ある女の遠景

    小説・文芸
    -
    1巻1,093円 (税込)
    愛慕する年若い叔母・伊勢子の、自裁の謎を追ううちに、維子は、不実な男・泉中紋哉との官能の罠に、みずから墜ちていく。性愛に囚われた維子の現在、ミステリアスな伊勢子の過去、さらに情熱の歌人・和泉式部の生きた遠い昔……時空を隔てた3人の女人像を、巧緻な遠近法でとらえ、王朝文化と戦後風俗という「聖」と「俗」のあわいに、独得の官能美の世界を現出させた、筆者晩年の傑作。毎日芸術賞受賞作品。
  • 教祖の文学 不良少年とキリスト

    教祖の文学 不良少年とキリスト

    小説・文芸
    4.7
    1巻1,089円 (税込)
    “人間は悲しいものだ。切ないものだ。苦しいものだ。……”“それでも、とにかく、生きるほかに手はない。……”“生きる以上は、悪より、良く生きなければならぬ。”孤独を“わがふるさと”として生き、混沌を混沌のまま生き、その坩堝の中から決然と掬いとった生き続けるための精髄。21世紀を生き抜くための強力な精神賦活の弾機!

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