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Posted by ブクログ
一つ読んでは唸り、また一つ読んでは唸り…
唸りつくした1冊。見事としか言いようがない。
昨今の小説を読んでがっかりするくらいなら幸田文さんの作品を読んでいたい。間違いがないもの。
ちょっと自分にはついていけない…というような、細やかで独自の感じ方をされる方です。
その感性や鋭い観察力によって心がどんなふうに動いていったかを表現する文章がまたすごい。
名文のオンパレードで、心の中で「まいりました!」と平伏したくなることが何度あったか。
例えば、「道ばた」の出だし。
「茶の間は往来からたった六尺ほどひっこんでいるだけなので、外の物音や声は随分よく聞えてしまう。あまり何でもよく聞えるから、ときどき変な気もちにさせられる。からだが家のなかにいながら、眼だの耳だのが往来の物事のところへついて行ってしまう。そんなとき、茶の間が往来へ編入されているような気がするし、私が往来へ参加しているような錯覚も起きる。」
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特に好きだったのはこの「道ばた」、「廃園」「むしん」「包む」「菓子」「枇杷の花」など。
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読むうちにふっと堀江敏幸さんの随筆を思い出すことがあったのだけど、
堀江さんは幸田文さんが好きなのかしら。影響を受けているのかしら。
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