寂兮寥兮

寂兮寥兮

1,144円 (税込)

5pt

3.4

幼なじみの万有子と泊は、ごっこ遊びの延長の如き微妙な愛情関係にあったが、それぞれの夫と妻の裏切りの死を契機に……。ふたりを軸に三世代の織りなす人間模様は、過去と今、夢とうつつが混じり合い、愛も性もアモラルな自他の境なき幽明に帰してゆく。デビュー以来、西欧への違和を表現してきた著者が親炙する老子の思想に触発され、生と性の不可解さを前衛的手法で描いた谷崎潤一郎賞受賞作。

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寂兮寥兮 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2014年02月12日

    老荘思想や神話の世界観などが引き合いに出されるが、あまりそういうものにとらわれないで読んだほうがいいかもしれない。隣同士の家に住む幼なじみの男女が互いの連れ合いを交通事故でなくすのだが、実は死んだ者たちが不倫関係にあったことがわかり、当の彼らもその関係を反復するように性愛の仲になってゆく。筋は単線的...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    夢を見ているような気分になるくらい,すーっと入っていく感じ。まさに本全部が「寂兮寥兮」で,寂寥感とか靄がかかっているような匂いがあると思いました。素敵な一冊です。

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    Posted by ブクログ 2021年05月11日

    あの頃(1980年代)の雰囲気が漂う小説ですね、女性たちが「妻」であることに憤懣や、やるせなさを思いながら、思い切っての飛翔は怖いとグラグラふにゃふにゃしている。つまり「妻たちの思秋期」や「翔ぶのが怖い」という言葉が流行りましたね。

    そのことを上品に(おぼろげに)かつ果敢に表したファンタジー小説か...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年04月30日

    女ってぐにゃぐにゃしたものだな、と思った。
    大体、そういう話を読むと、自己嫌悪に落ち入るのだけれど、この本はそうじゃなかった。
    説教くさくもなく、罪悪感をあおることもなく、女のぐにゃぐにゃさを描いていると思った。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    大庭みな子『寂兮寥兮』を読む。
    はじまりも終わりもなく、登場人物たちの顔もないように感じられる小説。
    書かれていることが結婚式なのかお葬式なのかもわからなかったりする。
    夢で猫になったりもする。
    面白いところはあったから、もう一冊くらい読んでみたい。

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