作品一覧 2023/08/18更新 作家の青春(フォルミカ選書) 値引きあり 試し読み フォロー 谷崎潤一郎論 試し読み フォロー 日本の近代小説 試し読み フォロー 風俗小説論 試し読み フォロー 二葉亭四迷伝 ある先駆者の生涯 試し読み フォロー ベラミ 試し読み フォロー ボヴァリイ夫人 試し読み フォロー 明治文学史 試し読み フォロー 吉田健一随筆集 試し読み フォロー 『わが性の白書』 試し読み フォロー 1~10件目 / 10件<<<1・・・・・・・・・>>> 中村光夫の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 日本の近代小説 中村光夫 初版1954年。 この本の近代は明治・大正期で、芥川竜之介が昭和2年に自死するまでの小説史が解説されている。 日本の近代小説の初期に重要な小説家は坪内逍遥で、それからさまざまな小説家が登場する。 著者の文章の流れが明解で、説明が詳しく面白いので勉強になる。 夏目漱石と芥川竜之介は近代小説の2大ス...続きを読むーパースター。芥川の師漱石は独自の文明観1つを全ての作品に貫き通し、純文学の枠を超えて読まれた。芥川は芸術性が神がかっている。漱石は自分の命を削ってまで作品を創る姿勢であったし、芥川は「ぼんやりした不安」があると言って自死した。 これから近現代小説を坪内逍遥から読んでみようと思う。古いのものの土台の上に成り立っているから、古いものを知らないとわからないこともあると思う。温故知新。 Posted by ブクログ 吉田健一随筆集 吉田健一 / 中村光夫 今まで著者の作品は旅と食のエッセイしか読んでいなかったので上流階級出身のおぼっちゃまかと思っていたが大間違い。 とんでもない文人だった。 西洋文学、歴史に関する深い教養に圧倒された。後半はいつもの食と酒の紀行文になったので安心した。本当の教養人とはこういう人だな。 Posted by ブクログ 日本の近代小説 中村光夫 あとがきに書かれていることが全てのような気がする。幾多の小説家がもがき苦しんで限界に挑みながら到達しようとした目標も、結局はその時代に翻弄されたことで生まれた虚像に過ぎず、従って当時の文学を読み直したところで現代に生きる我々が指針とすべきものは何ら見つからない。 産業革命を経て帝国主義化した西欧列強...続きを読むによる植民地化から身を躱す手段として自らが西欧列強に倣うことを選んだ当時の日本は、結局猿真似をしていただけで中身は何一つ変わらなかったばかりか、そのリバウンドが人々の生活に暗い影を落とし社会の様相が一変した。その影を今以てなおも引き摺っているのが現代人である我々であり、小説の発展に命を賭した文豪や小作家たちの夢はそういう意味ではまだ何一つ実現せられていない。 結局、小説を読み直すことは日本という一個の国がもがき苦しんできた過程を見つめ直すことに他ならず、今後日本をどう変えていくかはとどのつまり現代人の課題であるということ。気が重くなった。 Wikipediaでみたのかこの本でみたのか最早思い出せないが、小説は小編言説の略らしい。物語とは区別せらるべきものであると。 Posted by ブクログ 風俗小説論 中村光夫 近代リアリズムの発生、展開、変質、崩壊と章を分けて近代小説が論じられる。発生では、花袋の私小説が藤村に文壇での影響力で勝った様が述べられる。展開では私小説が、作家個人=作中の人物ということを、書き手だけでなく読み手も前提とせざるを得ないことを嘆く。芸術に作家個人のスキャンダル性などを透かすことを嫌悪...続きを読むしている。変質では、19世紀欧州の自然主義とそれを習った日本の自然主義が大きく乖離していることを批判する。最後の崩壊では、執筆当時の風俗小説の批判に至る。全体を通して見ると、小説の娯楽性を否定したいのかなと思う。高尚なものであってほしいのだろうなと。今ではすっかり純文と他ジャンルの垣根が見えなくなった。又吉が芥川賞を受賞したと知ったら、著者は発狂しかねない。 Posted by ブクログ 日本の近代小説 中村光夫 [ 内容 ] 小説は人びとの精神と生活のもっとも偽りのない鏡である。 本書は、成島柳北や仮名垣魯文の開化期から、森鴎外や夏目漱石を経て芥川竜之介の死にいたるまで、明治・大正期の作家とその代表的作品のすべてを網羅した近代小説入門。 円熟した批評家の深い洞察と鋭い批評は、作家たちの思想と作品の価値とをあ...続きを読むますところなく解明している。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ] Posted by ブクログ 中村光夫のレビューをもっと見る