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Posted by ブクログ
2021/06/17
これを読んだのは2回目。初めて読んだ時には文章のキレの良さにページをめくる手が止まらなかった。こんなに自由な小説があってもいいのか、と感動していた。しかし、それより先には進めず、この本で著者が言わんとしていることはまったくわからなかった。内田樹による解説を読んでも、あまりピンと来なかった。この小説の魅力に取り憑かれはしたが、それは言葉とか形式の面でだけであって、内容に関してはわからずじまいだった。
今日、改めて読むと、それが少し見えてきたような気がする。が、なんというか、やっぱりまだ距離があるような気もする。内田樹の解説によれば、この小説の主題の一つは「暴力的なもの=邪悪なもの」なのだが、いまの私はそれをあまりよく知らないか、あるいは直視していないからなのだと思う。それに、内田樹が解説で提示していた、その時代の空気みたいなものを私はまったく知らない、というのもある。でもまあ、それでも著者のいう「むき出しの憎しみや怒り」といったものの一端は見ることができたように思う。ぜひともまた読みたい。
Posted by ブクログ
高橋源一郎、幻のデビュー作。
第一作として群像新人文学賞に応募して落選した『すばらしい日本の戦争』を少し書きかえて発表したもの。
僕個人的には『さようなら、ギャングたち』の方が完成度が高い気がするが、この作品も充分に素晴らしい。
『さようなら、ギャングたち』に劣るとは言えど、これは彼のデビュー作だ。
それを考えると、こんな作品をデビュー作でかける高橋源一郎はやっぱり天才だと思う。
『ギャングたち』にせよ、この作品にせよ、一度読んだだけでは完全に理解することは出来ないし、味わうことも出来ない。
『ギャングたち』の場合は、読み進めながら、加藤典洋の解説を読んで、読み進めて、理解して、味わって、もう一回解説を読んで、もう一回読み直す。それでもまだ足りないし、味わいきれない。
今回は内田樹が解説を書いているが、今回も同様に、本文読んで、解説読んで、本文読む。
それによって、面白さも、感動も、美しさも倍になる。
『ギャングたち』にせよ、『ジョンレノン対火星人』にせよ、アレゴリーっぷりが半端なく、そのアレゴリーっぷりを少しずつ理解し、紐解いていくとやっぱり、どう考えても、究極の私小説だなって思う。
内田樹も書いているが、学生運動(全共闘)のリアルな生き残り(実際高橋は学生運動で逮捕され、拘留中され、その時に失語症に陥っている)としての高橋源一郎による、もはや宿命的な作品であると言える。
彼がいかに小説(文学)を愛し、言葉を愛し、そして、愛するがゆえに苦悩し、苦闘して出来上がった『さようなら、ギャングたち』と『ジョン・レノン対火星人』。
これを読まずして、「小説を読んだ」とは言えない。
てか、言わせない。
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