講談社文芸文庫の検索結果

  • 思い出す顔 戸板康二メモワール選

    思い出す顔 戸板康二メモワール選

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    昭和を代表する劇評家、推理作家、俳人の戸板康二はまた、歌舞伎、映画、雑誌など、幅広い世界で蒐集した「ちょっといい話」を絶妙な筆致で描く無類のユーモリストだった。数多の著書から60代に書かれた『回想の戦中戦後』『思い出す顔』の2作品23篇を抄録。師折口信夫も市井の無名の人も同じあたたかい目線で捉えたエスプリ溢れる文章は、読む者に幸福感を与えてやまない。時代と人への芳醇なメモワール。
  • 影について

    影について

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,463円 (税込)
    空襲、焼け跡のバラック生活など、敗戦前後の厳しい状況、さらに複雑な家庭環境のなか、少年らしい健気さ、腕白さをもって過ごした前橋での日々。この少年期の<原風景>を基点に、映画館の看板書きの助手時代、画家への修業と上京、そして現在へと至る自伝的連作短篇。色、光、形、影など、画家としての本領を発揮した構成で、記憶のなかの小さな風景がドラマとして動き出し、飄逸な味わいを生む傑作集。
  • 萩原朔太郎

    萩原朔太郎

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    昭和2年、萩原朔太郎の知遇を得て以来、昭和17年の死まで、常にその周辺にあり、さらには歿後、三度におよぶ全集の編集に携わるなど、三好達治にとって、朔太郎は生涯にわたる師であった。格調高い名文によって、朔太郎との交遊を振り返り、その面影をしのびつつ、同時に、作品の形成過程を緻密に辿る。朔太郎の詩の核心が、批評の美によって浮き上がるまさにライフワークとしての、師へのオマージュ。
  • 新編 疾走するモーツァルト

    新編 疾走するモーツァルト

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,463円 (税込)
    モーツァルトくらい、孤独と華麗、激情と蕩揺のあいだの距離の大きい音楽家はいなかった――。小林秀雄、河上徹太郎等、日本人のモーツァルト受容史を精緻に跡づけつつ、幼少期から今日迄その音楽を鍾愛し、聴き抜いたモーツァルティアン高橋英夫が、耳と心を研ぎ澄まし、変幻するモーツァルト像に迫る表題作に、「音楽的貴種流離譚」等モーツァルトをめぐるエッセイ14篇を加え新編とする。
  • もぐら随筆

    もぐら随筆

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    小田原の生家の物置小屋で、陋巷の隠者としてもぐらのように暮らしながらも大切に守り通した文学への情念の炎。抹香町の私娼窟へ通い、彼女達に馴染み、哀歓を共にし、白昼の光りには見えない底辺に生きる人間の真実を綴った。60歳にして得た若い妻との生活への純真な喜びが溢れる紀行随筆。宇野浩二、中山義秀、水上勉ら師友をめぐる思い出の記。川崎文学晩年の達成を予感させる好随筆集。
  • 日本風景論

    日本風景論

    常に斬新な批評を展開する著者が“風景”と呼ぶ微妙な位相。村上春樹の小説を中心に「まさか」と「やれやれ」論、坂口安吾、田中角栄、北一輝に共通性を見る「新潟の三角形」、“ディスカバー・ジャパン”と国木田独歩、志賀重昂を対比する「武蔵野の消滅」ほか、三島由紀夫、深沢七郎、吉本ばなな、大島弓子等、時代をとりまく日本的文化現象に焦点をあてた独創の8篇。著者の批評の資質と方向を示す初期評論集。(講談社文庫)
  • 日本廻国記 一宮巡歴

    日本廻国記 一宮巡歴

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    1978年、〈中世の語り物〉への興味から発起し、9年の歳月をかけて巡歴した、全国68ヵ所の一宮参拝。土地に結びついた神秘と交感したいという著者は、地方色に富んだ風景にとけこみ、神社の結構や佇いを詳細に描写し、記紀や民間伝承文芸等の叙述をふまえて、地神・外来神など、祭神の関係をつづる。人々と祭神の関わりのなかに、日本文化の根底を見すえる傑作紀行。
  • 京伝店の烟草入れ 井上ひさし江戸小説集

    京伝店の烟草入れ 井上ひさし江戸小説集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    井上文学の原点ともいうべき虚実皮膜の9篇。権力の弾圧を首の皮一枚で躱し、強かに生きる戯作者達。洒落や地口で技巧の限りを尽くし庶民の悲哀と反骨精神を活写。単行本未収録の表題作等、才気横溢の精選集。
  • 東京の三十年

    東京の三十年

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    明治初年幼くして上州館林から上京、丁稚奉公から始まる苦しい文学修行を経て『蒲団』『田舎教師』などを著し、日本自然主義文学の代表的作家となった著者の文壇回想記。島崎藤村、柳田国男、国木田独歩等との交友、明治から大正への激動する時代の新思潮、生、死を縦横に捉えて、自然主義文学の盛衰、文壇の側面、数十年に亘る〈東京〉の風俗・文化・市街風景の変遷変貌を生き生きと描く。
  • 鳥獣戯話 小説平家

    鳥獣戯話 小説平家

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    一等史料、正史とやらに隠蔽された人物たちを、周到な論理と、痛快・奔放な推理力を駆使して復権し、常に未来に向けての力強いメッセージとして語る、"本物のアバンギャルド"花田清輝の毎日出版文化賞受賞の『鳥獣戯話』、"平家作者考"とも言うべき異色の秀作『小説平家』を併録。
  • 樹影

    樹影

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,463円 (税込)
    被爆地長崎。敗戦後3年目の夏、華僑の女柳慶子と画家麻田晋は出遭った。原爆病に脅かされる2人はいたわり合い、自らの生を確かめるように愛し合い、10数年の苦痛の果てに死んで行った。著者の故郷長崎の、酷く理不尽な痛みを深い怒りと哀惜をこめて強靱に描く。原爆を告発した不朽の名作。野間文芸賞受賞。
  • オモチャ箱 狂人遺書

    オモチャ箱 狂人遺書

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    世間が顔をしかめる女たちが、安吾の前に頻出する。安吾はそれを"自然"だとし、その文学の中に析出する。安吾が析出した女たちは、40年の時空を超え、今、更に光を放ち、生き出し、動き出す。安吾が"予言者"であることを証明するかのように。敬愛する牧野信一の人と文学を語る秀作「オモチャ箱」、坂口安吾晩年の力作「狂人遺書」ほか8篇を収録。
  • 仮装人物

    仮装人物

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    仮装舞踏会で被せられたサンタクロオスの仮面の髯がマッチを摺るとめらめら燃えあがる、象徴的な小説の冒頭。妻を亡くした、著者を思わせる初老の作家稲村庸三は、"自己陶酔に似た"多情な気質の女、梢葉子の出現に心惹かれ、そして執拗な情痴の世界へとのめり込んでゆく。冷やかに己れのその愛欲体験を凝視する"別の自分"の眼。私小説の極致を示した昭和の名作。第1回菊池寛賞。
  • 澪標・落日の光景

    澪標・落日の光景

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    亡き妻への愛を吐露して哀切限りない「夢幻泡影」。読売文学賞受賞の名著、著者のヰ夕・セクスアリス「澪標」。夫婦ともにガン発病、迫り来る死とたたかう闘病生活の不思議な明るさと静寂感充ちる「落日の光景」「日を愛しむ」。愛する者の死。人生の不可思議。末期の眼。死へ向う透明な生。外村文学の鮮やかな達成4篇。
  • 白兎・苦いお茶・無門庵

    白兎・苦いお茶・無門庵

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    敵の戦車に人間爆弾となって廃兵が飛び込む訓練を繰り返す。そんな理不尽きわまる敗けいくさ。夫たちが徴兵され、著者がいみじくも名付けた半後家たちとの置き去りにされた生活。“一年が百年にも感じられる”流謫の生活の中でも、市井に生き続ける“在野”の精神を飄々たる詩魂で支え、正に“人生の歌”を歌った木山捷平、中期・晩年の代表的短篇。
  • 白い屋形船・ブロンズの首

    白い屋形船・ブロンズの首

    小説・文芸
    -
    1巻1,463円 (税込)
    脳溢血で、右半身、下半身不随、言語障害に遭いながら、不撓不屈の文学への執念で歩んだ私小説の大道。読売文学賞「白い屋形船」、川端賞「ブロンズの首」ほか、懐かしく優しい、肉親・知友、そして“ふるさと”の風景。故郷の四万十川のように、人知らずとも、汚れず流れる文学への愛が、それのみが創造した美事な“清流”。
  • 大いなる日 司令の休暇

    大いなる日 司令の休暇

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,463円 (税込)
    父をこよなく愛した幼、少年の日々。敗戦により海軍軍人であった父の失職の帰還。失意と家庭の不幸を耐えた父のストイシズム。人間の魂の高貴を平明、粉飾なき文体で描く秀作群。惜しまれて急逝した不朽の文学者魂・阿部昭の世界。
  • 蝸牛庵訪問記

    蝸牛庵訪問記

    小説・文芸
    4.7
    1巻1,463円 (税込)
    蝸牛庵・幸田露伴との若き日の出会いから、その凄絶、荘厳な終焉の日までの“日常”の比類なき記録。該博な知識、不羈の精神、巨大な文学空間を展開する“文豪”露伴の、慈父のごとき姿をあざやかに捉える、小林勇のエッセイ文学の名著『蝸牛庵訪問記』。
  • 木犀の日 古井由吉自選短篇集

    木犀の日 古井由吉自選短篇集

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,430円 (税込)
    〈都会とは恐ろしいところだ〉。5年間地方で暮らし、都会に戻った私は毎朝のラッシュに呆然とする。奇妙に保たれた〈秩序〉、神秘を鎮めた〈個と群れ〉の対比、生の深層を描出する「先導獣の話」のほか、表題作「木犀の日」、「椋鳥」「陽気な夜まわり」「夜はいま」「眉雨」「秋の日」「風邪の日」「髭の子」「背中ばかりが暮れ残る」の10篇。内向の世代の旗頭・古井由吉の傑作自選短篇集。
  • 震える舌

    震える舌

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,430円 (税込)
    その予感は娘の発作で始まった。極限の恐怖に誘われる衝撃の作品――平和な家庭での、いつもの風景の中に忍び込む、ある予兆。それは、幼い娘の、いつもと違う行動だった。やがて、その予感は、激しい発作として表れる。<破傷風>に罹った娘の想像を絶する病いと、疲労困憊し感染への恐怖に取りつかれる夫婦。平穏な日常から不条理な災厄に襲われた崇高な人間ドラマを、見事に描いた衝撃作。 ◎距離が伸びる時には父親として病気に向き合い、距離が縮む時、一人の人間として感染症の恐怖に怯える中で語られる心の葛藤は、医学小説のそれではなく、もちろん恐怖小説のものでもなく、強いて言うなら、極めて純粋な戦記文学を読んでいる印象です。確かに、今まで読んだ全ての小説の中で、病棟という「戦場」の真実がここまで正確に描かれた作品を知りません。<石黒達昌「解説」より>
  • 雪あかり 曽野綾子初期作品集

    雪あかり 曽野綾子初期作品集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    新鮮清澄、才気迸る源流の光景。初期の代表作7篇収録――進駐軍の接収ホテルで働く19歳の波子の眼をとおし、敗戦直後の日本人従業員と米国軍人らとの平穏な日常が淡々と描かれた、吉行淳之介の「驟雨」と芥川賞を競い、清澄で新鮮な作風と高く評価された出世作「遠来の客たち」をはじめ、「鸚哥とクリスマス」「海の御墓」「身欠きにしん」「蒼ざめた日曜日」「冬の油虫」、表題作「雪あかり」を収録。才気溢れ、知的で軽妙な文体の、初期の作品7篇を精選。 ◎「ここに集められた作品はすべて、壁の手前の若書きの作品である。この頃以来半世紀間、私は書き続けて来た。平均して一年間に二千枚、それより多い年も少ない年もあるけれど、多分トータルで十万枚は書いたように思う。十万枚、絵でも書でも書けば、どんな凡人でも一つの世界は作るだろう。源流の光景を見て頂くのは、申しわけないが、光栄である。」<「著者から読者へ」より>
  • 寵児

    寵児

    小説・文芸
    3.8
    1巻1,430円 (税込)
    ピアノ教室の講師をする女は、離婚して娘と暮している。娘は受験を口実に伯母の家に下宿して母親から離れようとしている。体調の変化から、ある日女は妊娠を確信する。戸惑う女が男たちとの過去を振返り自立を決意した時、妊娠は想像だと診断され、深い衝撃を受ける。自立する女の孤独な日常と危うい精神の深淵を〈想像妊娠〉を背景に鮮やかに描く傑作長篇小説。女流文学賞受賞作品。
  • 才市・簑笠の人

    才市・簑笠の人

    小説・文芸
    -
    1巻1,430円 (税込)
    念仏に生き、83歳で一生を終えた、下駄職人・浅原才市。下駄作りの際に出るかんな屑に書き残した、1万首に及ぶ信仰の歌……。「わしのこころわ わやわやで/くもともとれの/きりともとれの/かぜともとれの」……無名の庶民の営為に心惹かれて、その謎めく生涯を深く追究した、伝記小説「才市」。一所不住・清貧孤独に徹した良寛の境涯に迫る「蓑笠の人」。信仰を主題の力作2篇。
  • 回転どあ・東京と大阪と

    回転どあ・東京と大阪と

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    「いったい涼しげというのは、すっきりと線が立っている趣をいい、すっきりとは或る鋭さを含んでいるとおもう。……。げというのは力量である。」(『回転どあ』「あじさい」)――父・幸田露伴の思い出を綴った文章で世に出た著者は、東京下町・向島に生まれ育った。気性の激しさ、繊細鋭利な感性、強靱な文体で身辺を語り、日々の発見を精妙に記す。庶民生活を清新に描いた、単行本未収録エッセイ101篇。
  • つげ義春日記

    つげ義春日記

    小説・文芸
    3.9
    1巻1,430円 (税込)
    伝説の漫画家が私生活の苦闘を描いた幻の日記、待望の初文庫化。 昭和50年代、結婚し長男も誕生して一家をかまえた漫画家つげ義春は、寡作ながらも「ねじ式」「紅い花」など評価の高い作品群が次々と文庫化され、人気を博す。生活上の安定こそ得たが、新作の執筆は思うように進まず、将来への不安、育児の苦労、妻の闘病と自身の心身の不調など人生の尽きぬ悩みに向き合う日々を、私小説さながら赤裸々に、真率かつユーモア漂う筆致で描いた日記文学の名篇。解説・松田哲夫。
  • 黒い裾

    黒い裾

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    千代は喪服を著(き)るごとに美しさが冴えた。……「葬式の時だけ男と女が出会う、これも日本の女の一時代を語るものと云うのだろうか」――16歳から中年に到る主人公・千代の半生を、喪服に託し哀感を込めて綴る「黒い裾」。向嶋蝸牛庵と周りに住む人々を、明るく生き生きと弾みのある筆致で描き出し、端然とした人間の営みを伝える「糞土の墻」ほか、「勲章」「姦声」「雛」など、人生の機微を清新な文体で描く、幸田文学の味わい深い佳品8篇を収録した第一創作集。
  • 深い河・辻火 田久保英夫作品集

    深い河・辻火 田久保英夫作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,430円 (税込)
    朝鮮戦争中の九州の兵站基地で、置きざりにされた徴用馬の世話をする青年の苦悩に迫る、芥川賞受賞作「深い河」。親戚の恋愛騒動を契機に訪れた、夏の下町の人間模様を描く、川端康成賞受賞作「辻火」。出生地の曖昧さに気づいた初老の男の地番を探す過去への旅を追った「生魄」。ほか、初期から晩年に至る7篇を収録。ストイシズムを底に秘め、気品ある世界を創った「短篇の名手」田久保英夫の、魅力溢れる代表作集。
  • 雨の音

    雨の音

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    初期の代表作「色ざんげ」、中期の代表作「おはん」など、数多い名作を生み続けた女性作家・宇野千代の、「ひとを愛しつくす女」を生き抜いた、激しく、美しい自伝小説の世界。名作「雨の音」、秀作「この白粉入れ」ほかを収録した、名作ばかりの中短篇集。
  • アブラハムの幕舎

    アブラハムの幕舎

    小説・文芸
    3.3
    1巻1,430円 (税込)
    主人公・田沢衿子は20代後半の独身女性。母親の言動に振りまわされ苦痛を感じているが、断ち切ることができない。ある日、彼女の15階だてのアパートで、祖母を殺した少年が投身自殺した。強者に支配される少年と自分とを重ね合せ、彼女は母親から逃れるため行動をおこす。〈イエスの方舟〉を背景にして、弱者の生き方を追究、魂の漂流をいきいきと描いた、著者の代表長篇小説。
  • 聖火

    聖火

    第一次大戦後の英国上流家庭。事故で半身不随となりながらも快活にふるまう長男が、ある朝、謎の死を遂げる。美しい妻、ハンサムな弟、謹厳な母、主治医、看護婦らが、真相を求めて語り合う。他殺か、自殺か。動機、方法は? 推理小説仕立ての戯曲は、人生と愛の真実を巡り急転する。二十世紀随一の物語作者が渾身の力を注ぎ、挑んだ問題劇。今なおイギリスで上演され続ける、普遍的名作。
  • 蒲生氏郷 武田信玄 今川義元

    蒲生氏郷 武田信玄 今川義元

    小説・文芸
    -
    1巻1,430円 (税込)
    「今があながち太平の世でも無い。それでも女房には化粧をさせたり、親父殿も晩酌の一杯ぐらいは楽んでいられて、ソーレ敵軍が押寄せて来たぞ、酷い目にあわぬ中に早く逃げろ、なぞということは無いが、永禄、元亀、天正の頃は、とても今の者が想像出来るような生優しい世では無かった――」脱線、蘊蓄、戯言あり。知の巨人が興の向くまま、平易な語り口で史料を読みとく「戦国放談」。後の司馬遼太郎へと連なる傑作評伝。
  • 鳴るは風鈴 木山捷平ユーモア小説選

    鳴るは風鈴 木山捷平ユーモア小説選

    小説・文芸
    3.7
    1巻1,430円 (税込)
    〈桜桃忌〉に出られなかった事から太宰治を回想する「玉川上水」、敗戦直後郷里に疎開した頃の日常を描き飄逸味を漂わせた「耳かき抄」。表題作をはじめ「逢びき」「下駄の腰掛」「山つつじ」「川風」「柚子」「御水取」など身辺の事柄を捉えて庶民のうら哀しくも善良でしたたかな生き方を綴った諧謔とペーソス溢れる木山文学の真骨頂、私小説的作品を中心に新編集した傑作11篇。
  • 東京小説

    東京小説

    小説・文芸
    2.8
    1巻1,430円 (税込)
    予言者、野坂昭如の東京昨日今日明日。うつつか幻か、郊外の小さな公園のベンチに坐る場所柄につかわしくない粧いの女、その数奇な身の上話に耳をかたむける、これもまた身をもてあまし気味の私。時は春。東京にはさまざまな世間があるのだ。「家庭篇」から始まり告白的「私篇」、そして巨大都市・東京の行末を暗示する「山椒媼」まで饒舌かつ猛スピードで語られる14の断章。
  • アポロンの島

    アポロンの島

    小説・文芸
    3.6
    1巻1,430円 (税込)
    地中海地方の溢れる光の中をひとりバイクで旅する青年が出会う人々や風景を、明晰なことばを積み重ねてくっきりと描き出した「アポロンの島」「大きな恵み」、キリスト教についての著者の基本的な考えがうかがえる「エリコへ下る道」、戦時中の重苦しい時代に土俗的な雰囲気の中で成長する少年を自伝的に描いた「動員時代」の4つの作品群からなる短篇集。読みつがれるべき“青春の書”の1冊。
  • 定家百首 雪月花(抄)

    定家百首 雪月花(抄)

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    戦後、リアリズム至上の伝統歌壇に激震を起した前衛歌人の中でも歌と評論両輪の異才で光芒を放つカリスマ塚本邦雄。非在の境に虚の美を幻視する塚本は自らの詩的血脈を遡行、心灼かれた唯一の存在として宿敵・藤原定家を見出す。選び抜いた秀歌100首に逐語訳を排した散文詞と評釈を対置、言葉を刃に真剣勝負を挑む「定家百首」に加え、『雪月花』から藤原良経の項を抄録。塚本邦雄の真髄を表す2評論。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 悲しいだけ 欣求浄土

    悲しいだけ 欣求浄土

    小説・文芸
    4.7
    1巻1,430円 (税込)
    緊張した透明度の高い硬質な文体。鋭角的に切り抉られた精神の軌跡。人間の底深い生の根源を鋭く問い続ける藤枝静男の名篇「欣求浄土」「一家団欒」を含む『欣求浄土』、藤枝文学の極北と称賛された感動の名作、野間文芸賞受賞の『悲しいだけ』を併録。
  • 走れトマホーク

    走れトマホーク

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    奇妙でユーモア溢れるアメリカ旅行記「走れトマホーク」。身辺私小説仕立ての「埋まる谷間」「ソウタと犬と」。中国の怪異小説家に材を取る「聊斎私異」など多彩な題材と設定で構成されながら、一貫する微妙な諧調――漂泊者の哀しみ、えたいの知れない空白感。短篇の名手の円熟した手腕が光る読売文学賞受賞作。表題作を含む9篇を収録。
  • 贋物・父の葬式

    贋物・父の葬式

    小説・文芸
    -
    1巻1,430円 (税込)
    私小説作家にして破綻者の著者。彼の死とともに、純文学の終わりとまで言われた。その作品群は哀愁と飄逸が漂い、また、著者の苛烈な生き方が漂う。(講談社文芸文庫)
  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

    蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    ある時は“コケティッシュ”な女、ある時は赤い三年子の金魚。犀星の理想の“女ひと”の結晶・変幻自在の金魚と老作家の会話で構築する艶やかな超現実主義的小説「蜜のあわれ」。凄絶なガン闘病記「われはうたえどもやぶれかぶれ」、自己の終焉をみつめた遺作詩「老いたるえびのうた」等、犀星の多面的文学世界全てを溶融した鮮やかな達成。生涯最高の活動期ともいうべき晩年の名作5篇を収録。
  • 野

    野

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    著者の故郷を舞台にそこに住む人々とその暮らしを描く。厳しい自然と対峙する強靱な生命力のしたたかさ。優しく哀しくユーモア滲む短篇の名手・三浦哲郎の瑞々しき豊饒の世界。「金色の朝」「がたくり馬車」「沈丁花」ほか〈故郷〉の匂い染み込む作品群16篇。新境地を拓いた著者ならではの短篇集。
  • 雪の下の蟹/男たちの円居

    雪の下の蟹/男たちの円居

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    谷崎賞受賞作『槿』をはじめ、70年代以後の現代文学を先導する、古井由吉の、既にして大いなる才幹を予告する初期秀作群、「雪の下の蟹」「子供たちの道」「男たちの円居」を収録。
  • 斗南先生・南島譚

    斗南先生・南島譚

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    漢学の家に育ち、幼時から深い素養を身につけ、該博細緻な知識の世界を生きて非凡な才を評価されながら夭折した中島敦。古代中国や南洋に材をとる作品のほか、苦悩の青春を綴る身辺小説など珠玉の傑作短篇集。伯父を描いた大学時代の創作「斗南先生」を始め、「過去帳」(「かめれおん日記」「狼疾記」)、「古譚」(「狐憑」「木乃伊」「山月記」「文字禍」)、「南島譚」、「環礁」を収録。
  • 鳳仙花

    鳳仙花

    小説・文芸
    3.7
    1巻1,430円 (税込)
    小田原の魚屋の息子に生まれたが、文学への夢が捨てきれず家督を弟に譲って上京するも、小説家として一本立ち出来ずに郷里に逃げ帰る。そんな前半生と売れない老残の作家の娼婦との交遊が、地べたを這うような低い視点からの一種の諧謔味をおびた川崎文学をつくりだす。本書は「鳳仙花」「乾いた河」などの代表作のほかに中山義秀との交友を描いた「忍び草」など7篇収録。
  • ひべるにあ島紀行

    ひべるにあ島紀行

    小説・文芸
    -
    1巻1,408円 (税込)
    冬の国(ひべるにあ)=アイルランド。スイフトの『ガリヴァー旅行記』に導かれ冬の国(ヒベルニア)=アイルランドを訪れた「わたし」。謎めいたスイフトの生涯を、一人の女性への「激しい友情」を核に読み解くタテ糸。「わたし」と妖精のような男たちとの「優しい性愛」を物語るヨコ糸。さらに、架空の国・ナパアイをガリヴァーのように旅する「わたし」が目にする、グロテスクな意匠。重層的な表現でタペストリのごとく織られた、富岡文学の達成。孤絶した魂が谺し合う交響詩! 野間文芸賞受賞作品。
  • ピアノの音

    ピアノの音

    小説・文芸
    -
    1巻1,408円 (税込)
    小高い丘の家に住まう晩年の夫婦の穏やかな生活。娘や息子たちは独立して家を去ったが、夫々家族を伴って“山の上”を訪れ、手紙や折々の到来物が心を通わせる。夜になれば、妻が弾くピアノに合わせ、私はハーモニカ……。自分の掌でなでさすった人生を書き綴る。師伊東静雄の言葉を小説作法の指針に書き続けてきた著者が、自らの家庭を素材に、明澄な文体で奏でる人生の嬉遊曲。
  • かかとを失くして 三人関係 文字移植
    値引きあり

    かかとを失くして 三人関係 文字移植

    小説・文芸
    3.6
    1巻1,386円 (税込)
    独特な作風と言語・文化への鋭く繊細な洞察から生まれる多和田ワールドの魅力が横溢する作品集。「かかとを失くして」「三人関係」「文字移植」
  • カレンダーの余白 現代日本のエッセイ

    カレンダーの余白 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻1,375円 (税込)
    四季おりおりの自然、自己とその周囲、今と昔、生の哀しみ、日常生活の襞。生粋の都会人の冷徹な目と繊細な詩人の感性横溢する、簡潔化されたエッセイの世界。「鴉」「天気予報」「桃の節句」「夜涼身辺」「歯のこと」「小唄」「酒について」「水のあと」ほか、短篇の名手・永井龍男が、多彩な題材で軽妙に描いた、82篇の名文。
  • 遠景・雀・復活 色川武大短篇集

    遠景・雀・復活 色川武大短篇集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,375円 (税込)
    父の末弟で、受験に何度も失敗し、自らの生を決めかね、悲しい結末を迎える若き叔父・御年。彼の書き残した父宛の手紙で構成した「遠景」をはじめとし、夢の手法をまじえて綴った「復活」ほか、生家をめぐる人々をモチーフとした作品を中心に、ギャンブル仲間であった一人の男の意外な出世と悲惨な転落を追った「虫喰仙次」など、全9篇を収録。戦後最後の無頼派作家の描く、はぐれ者たちの生と死、そして原点としての父と生家。
  • 作家は行動する

    作家は行動する

    小説・文芸
    -
    1巻1,375円 (税込)
    「人間の行動はすべて一種のことばである」ーー文体は書きあらわされた行動の過程、人間の行動の軌跡である。ニュー・クリティシズムやサルトルの想像力論の批判的摂取を媒介に、作家の主体的行為としての文体を論じた先駆的業績であり、著者自らの若々しい世代的立場を鮮烈に示した初期批評の代表作。石原慎太郎、大江健三郎らの同世代の文学と併走しつつ、文学の新たな可能性の地平を提示する。
  • 対談 文学の戦後

    対談 文学の戦後

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    「戦後文学」をどう評価するか? 敗戦後34年を経て、詩誌「荒地」時代からの友人である典型的な戦中派の二人が、社会と文学の動向を縦横に論じ、戦後文学史に新たな視座を提示した、衝撃の対談集――詩誌「荒地」に拠って、戦後現代詩を主導してきた鮎川信夫。詩人として、また文学と思想の新たな理論を展開し、現代をリードしてきた吉本隆明。戦中派の巨人ふたりが、敗戦の衝撃から、身を以て戦後文学史を生きてきた34年を振り返り、社会と文学の動向を鋭く問う。第一次戦後派の限界、江藤淳批判、ソルジェニツィン『収容所群島』の現代史的問題、現代文学の変質など、白熱の議論を交わした対談集。「戦後文学」との別離を告げた記念碑的作品。
  • 世俗の詩・民衆の歌 池田彌三郎エッセイ選

    世俗の詩・民衆の歌 池田彌三郎エッセイ選

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    懐かしの童謡、唱歌の世界。歌でたどる都市の風俗――折口信夫の高弟にして、日本芸能研究の重鎮である著者の歌と言葉をめぐる軽妙なエッセイの数々。小学生時代と重なる大正期、その時、口ずさんだ童謡や唱歌を記憶のなかから甦らせ、都市の風俗と言語生活の変遷をたどり、宝塚少女歌劇から戦後の歌謡曲まで、そこに息づく庶民の心を読み解く。軍歌の一方的排斥に異を唱え、歌詞のなかの言葉遣いへの辛辣な評言も著者ならでは。 ◎「文学の歴史の叙述にも、文学作品そのもの、あるいは作者の歴史に対して、読者の歴史が書かれなければならないように、歌の場合にも、それを聴き、習い、歌った、つまり与えられた側の歴史が書かれてもいいと、わたしはかねて思っていた。わたし達のまわりにあるものは、それを制作して与えてきた側の記述が多く、それを聴き、習い、歌った側の記述がほとんどないからである。それには、わたしはかなり不満であった。」<「あとがき」より>
  • 花づとめ

    花づとめ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    現代詩の前衛にして、加藤楸邨を師と仰ぐ俳人。また、芭蕉、蕪村、藤原定家の独創的評釈で知られる古典探究者。昭和46年から48年、芭蕉の連句評釈に心魂を傾ける傍ら、二巡りする四季に寄せて万葉から現代俳句まで、秘愛の歌へのオマージュを「季節のうた」として書き続けた。俗解を斥け、鍛えぬかれた言葉で読み解く103篇の短章は、正に「秋水一閃」の達人の技を思わせる。
  • 或る年の冬 或る年の夏

    或る年の冬 或る年の夏

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    性と思想に切り裂かれる青春を、頑なまでに潔癖に生き、後年の著者の、厳しく深い文学と人生を予感させる青春像。昭和初期に青春を生きた知識人が不可避だった「思想」問題、それを自らに苛酷に課した著者の苦闘、家族への深い愛。時代と自分の良心を誠実・厳格に生きた、著者の青春自伝。
  • 終着駅

    終着駅

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    敗戦直後の焼け跡・東京で、ウニ三という正体不明の男が、どぶにはまって変死。その位牌は、まるで死のバトンの如く引き受けた男たちに、つぎつぎと無造作な死を招き寄せる。絶対的価値が崩壊した後、庶民はいかに生き、いかに死んでいったのか? 独白体、落語体、書簡体など、章ごとに文体を変え、虚無と希望の交錯する時代を活写。『軍旗はためく下に』の戦争テーマを深化した、純度高い傑作。焼け跡闇市に生き、死んだ、無名の人たちへの哀歌! 吉川英治文学賞受賞作品。
  • プレオー8の夜明け 古山高麗雄作品選

    プレオー8の夜明け 古山高麗雄作品選

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,353円 (税込)
    「生きていればこんなめにもあう」。理不尽なことも呑み込まなければ「普通の人間」は生きていかれない。22歳で召集、フィリピン、ビルマ、カンボジアなどを転戦、ラオスの俘虜収容所に転属され敗戦となり戦犯容疑で拘留。著者の冷徹な眼が見た人間のありようは、苛烈な体験を核に、清澄なユーモアと哀感で描かれた。芥川賞受賞の表題作ほか「白い田圃」「蟻の自由」「七ヶ宿村」など代表作9篇。
  • 新編 石川啄木

    新編 石川啄木

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,353円 (税込)
    10代で夭逝した天才歌人・石川啄木と、同郷の先輩で親友、言語学者として大成した著者は、啄木の才能を惜しんで、時に生活を共にし、陰に陽に物心両面で彼を支えた。後年、折にふれて綴った啄木追慕の文章は、人間啄木の素顔を活写し、『定本 石川啄木』として本に纏まった。本書は、『定本 石川啄木』に「啄木の追慕」「啄木の終焉」など5編を増補し、新たに編集したものである。
  • 評伝 長谷川時雨

    評伝 長谷川時雨

    「女流文壇の大御所」といわれた、美しき作家・長谷川時雨。明治末期、歌舞伎界初の女性作家として華々しくデビュー。至福と修羅に揺れた、流行作家・三上於菟吉との生活。昭和初年代、女性のための雑誌「女人芸術」創刊、輝ク会結成、林芙美子・円地文子・佐多稲子ら多くの女性たちを支援、育成した偉大な業績。著者は関係者を訪ね、資料を博渉し、そのドラマティックな生涯を浮彫りにする。新田次郎文学賞受賞作品。
  • 壺坂幻想

    壺坂幻想

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    盲目で死んだ祖母への鎮魂に、作家は壺坂寺に詣でた。山道を辿ると、みかん水を売って祖母を大切にした叔父の悲運、生きている母の姿など、親族の誰彼もの不幸が思い浮かんでくるのであった……。『雁の寺』『越前竹人形』『飢餓海峡』の著者が、作家生活20年にして初めて、書かずにはいられないテーマに突き当たった。水上文学晩年の陰翳に満ちた豊かな文学世界の到来を約束する、家族を巡る追想の連作短篇集。生きるとは、私とは、何か?
  • 老いた体操教師・瀧子其他 小林多喜二初期作品集 曾根博義編

    老いた体操教師・瀧子其他 小林多喜二初期作品集 曾根博義編

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    大正から昭和初め、働きつつ学ぶ青年・多喜二は、文学への熱情、人間を抑圧する社会への怒り、知り初めた恋の苦しみを、ノートに書きつけ雑誌に投稿した。虐げられる弱き者への優しい眼差しと、苦の根源への鋭い問いを秘めた、これら初期作品群こそは、29歳で権力に虐殺されたプロレタリア作家の多感な青春の碑である。86年ぶりに発掘された最初期の「老いた体操教師」、秀作「瀧子其他」を含む16篇を精選。
  • 一族再会

    一族再会

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    早く死に別れた生母を思い求めることに始まり、一族のさまざまな生き方、在り方を、時代、社会、歴史とのかかわりにおいて捉え、言葉の、高い緊張の世界に、鮮やかに凝集した、江藤淳渾身の力作。深い感動を呼びおこす名篇。
  • せみと蓮の花・昨日の恥 坪田譲治作品集

    せみと蓮の花・昨日の恥 坪田譲治作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    「人間はみな死ぬる。解り切ったことである。然し誰しも直ぐ死ぬるようには考えていない。」(「せみと蓮の花」)ーー老境の童話作家が、過ぎ去った起伏の多い人生と、なつかしい人々への愛憎こもごもを、昔語りにも似た闊達自在さで描いた10篇。幼少期の思い出、肉親との葛藤、師の鈴木三重吉、小川未明のことなど、〈童心の文学〉といわれた譲治の心の陰影が、ユーモアに包まれて独得の味わいを醸し出す。
  • 森の宿

    森の宿

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    大学生時代、東京と郷里広島との往き返り、尾道を通るのはいつも眼の楽しみであった。船と海が好きだったせいもあるけれど、その頃私は志賀直哉の作品を耽読していて、汽車が尾道にかかると、「暗夜行路」に描かれている通りの風景が車窓にあらわれて来る。対岸は向島、島と本土の間が潮の流れのきつい河のような狭水路になっていて、釣舟がいる、渡しがいる……――<本文より> 愛してやまない鉄道・空・船の旅をめぐる名随筆
  • 草のいのちを 高見順短篇名作集

    草のいのちを 高見順短篇名作集

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    自らの出生の秘密を語る「私生児」、左翼体験の暗部を飄々とした筆致で描く「嗚呼いやなことだ」など戦前4作品と、敗戦後の荒廃からの精神の甦りを高らかに謳い上げる表題作、リベラリズムの内に潜む頽廃を一知識人に戯画化する「あるリベラリスト」など戦後4作品を収める。ユーモア溢れる文体から生まれる批評精神を1冊に凝縮。
  • 神屋宗湛の残した日記

    神屋宗湛の残した日記

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    闊達自在な老耄の境地を示す井伏文学の真髄。豊臣秀吉に寵愛された、博多の豪商茶人神屋宗湛の日記から、秀吉の茶会の人間模様を浮き彫りにした表題作他「うなぎ」「質流れの島」「雷鳥」など七作品を収録。
  • ひとつの文壇史

    ひとつの文壇史

    一葉研究の第一人者であり、晩年『接木の台』『暗い流れ』など、人間の業を見つめ、味わい深い世界を描いた作家・和田芳恵の出発は、編集者であった。昭和6年、新潮社に入社、大衆雑誌「日の出」の編集に携わり、菊池寛、吉川英治、尾崎士郎、小島政二郎ら多くの作家とつき合い、小説の純化のために奔走した。「その時の目撃者として、生き証人になることを心がけ」綴った回想録は、当時の貴重な文壇人物誌となった。
  • 『徒然草』を読む

    『徒然草』を読む

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    京の町衆の家に生まれ育ち、当代きっての文人学者として、東西文学を自在に往還し続ける著者が、随筆史上、最大の古典『徒然草』を読み解く――。鎌倉時代末の乱世を出家遁世し、歌人であることを隠れ蓑に、反時代的に生きた兼好のざわめく心、色好み、もののあはれ、無常の世の処し方、有職故実の世界への思いなど、その人間性の複雑さと心の深層からの言葉を探る。兼好の筆触に迫る随筆仕立ての名著。
  • 半日半夜 杉本秀太郎エッセイ集

    半日半夜 杉本秀太郎エッセイ集

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    よりすぐりの随筆をよむそのここちよさは 蜂蜜の甘い滴りにも似て――冬至を控えて宿り木を採りに山に入る。赤い紐で根本を結び天井から逆さに吊るすのだ。昔、年末のパリの街かどで宿り木を求め孤独な年越をして以来、クリスマスの頃になると、こうして飾ることにしている。耳をひそめてしぐれをきき、目をこらして面影を追う日々――。洛中に生まれ育ちパリにすごした歳月の軌跡を描く重厚だが洒脱なエッセイから29篇を厳選。
  • おらんだ帽子

    おらんだ帽子

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,353円 (税込)
    たばこのヤニから作る“おふくろ”の妙薬。奇病から髪の毛を失った母親へ、オランダで買った帽子。重なる心痛を耐え生き抜いて来た老母や肉親を描き、生きてあることの哀しみの源へ、真にあたたかな光を送る、短篇の名手・三浦哲郎の珠玉の名短篇集。
  • 私の戦旅歌

    私の戦旅歌

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    昭和14年、騎兵として中国山西省に出動した若き兵士は、果てしない黄土高原の風景、生死を一瞬に分かつ戦の実状と兵士の死生観、帰還しなかった軍馬達への哀惜を歌に詠んだ。旅嚢の底に秘め辛々持ち帰った手帖に記された歌に回想を加えた本書には、戦争体験者の真情と詩心が溢れ返っている。
  • 愛撫 静物 庄野潤三初期作品集

    愛撫 静物 庄野潤三初期作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    妻の小さな過去の秘密を執拗に問い質す夫と、夫の影の如き存在になってしまった自分を心許なく思う妻。結婚3年目の若い夫婦の心理の翳りを瑞々しく鮮烈に描いた「愛撫」。幼い子供達との牧歌的な生活のディテールを繊細な手付きで切り取りつつ、人生の光陰を一幅の絵に定着させた「静物」。実質的な文壇へのデビュー作「愛撫」から、出世作「静物」まで、庄野文学の静かなる成熟の道程を明かす秀作7篇。
  • 長春五馬路

    長春五馬路

    小説・文芸
    2.3
    1巻1,353円 (税込)
    ひたすら、淡々と、生きる、長春で。敗戦後、木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。飄々として掴みどころなく生きながら、強靭な怒りにささえられた庶民の反骨の心情は揺るがない。深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる。想像を絶する圧倒的現実を形象化した木山文学の真骨頂。著者最後の傑作中篇小説。
  • 口福無限

    口福無限

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    「人間共通の口福に対する貪欲がなくならない限り、食愛による発明は無限に続くだろう。そして大きく展けるだろう。」梔子や薔薇や牡丹の二杯酢<花肴>、胡麻油粥に金木犀の花びらをふりかけた<心平粥>、鶏卵の黄身の味噌漬け<満月>、海老のしっぽや魚の骨へのこだわり……。酒と美味を愛した昭和の大詩人・草野心平が、生活の折々に親しみ味わった珍味美肴の数々を詩情で掬って綴る、滋味溢れるエッセイ集。
  • 日の果てから

    日の果てから

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    1945年4月、アメリカ軍沖縄本島に上陸。凄絶な地上戦の〈地獄絵〉の中、逃げ惑う住民。刑務所も遊廓も、そこに縛られる人々も何もかも、沖縄は死の渦のなかで回転しやがて敗戦とともに浄化される。神女殿内(のろどんち)の家柄である神屋家を絡め、文化、歴史、風土を背景に太平洋戦争末期の沖縄戦を神話的世界にまで昇華させた傑作長篇。平林たい子賞受賞。
  • あめりか物語

    あめりか物語

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,353円 (税込)
    明治36年荷風24歳から明治40年28歳まで4年間のアメリカ見聞記を24篇の小説に収める。渡航中の情景を描いた「船房夜話」、癲狂院に収容された日本人出稼ぎ労働者の無惨な話「牧場の道」など。異国の風物に対峙した荷風の孤独感、鋭い感性と批評精神溢れる新鮮な感慨は、閉塞した時代に憧憬と衝撃を与えた。『ふらんす物語』と併称される初期代表作。
  • 堀辰雄覚書 サド伝

    堀辰雄覚書 サド伝

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    日本人にとってキリスト教信仰はいかに可能か、という問題意識のもと、戦時下より親交のあった堀辰雄の作品を対象に、その純粋性から宗教性へ、さらには古典的汎神論の世界へと考察を深めた最初期の評論「堀辰雄覚書」、また、リベルタンとしての歩みを進めることで、キリスト教規範と闘い、性と自由の先見的な思想を掴んだサドを赤裸に描いた「サド伝」を収録。著者の表現の根幹を知るための貴重な一書。
  • 漂民宇三郎

    漂民宇三郎

    小説・文芸
    2.3
    1巻1,353円 (税込)
    天保9年、金六、宇三郎兄弟は、松前を出帆、江戸に回航途中、西風に遭い、漂流6ヵ月、天保10年、米捕鯨船に救助され、ハワイ群島オワフ島に着く。兄と仲間3人を失った宇三郎達生残りは、ロシア領カムチャツカ、オホーツク、シトカを経て、エトロフに送られ、天保14年9月上旬、宇三郎をのぞいて、松前城下に着いた。"自選全集"版未収録の芸術院賞受賞の鏤骨の名品。
  • 晩春の旅 山の宿 現代日本のエッセイ

    晩春の旅 山の宿 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,353円 (税込)
    瀬戸内の大三島、九州・日向の高千穂への旅路。爆心地近くの城島の宿で独りきいた「平和の鐘」。茜色に暮れなずむ富士山を見る御坂峠の茶屋の宿。伊豆の河津川や、栃代川、笛吹川、富士川での川釣。旅と釣がこよなく好きな作家の眼が、出会った人々、その土地土地の歴史の跡と人情の温もりをあたたかな筆づかいで活写する、懐かしい旅の回想。
  • 鞄の中身

    鞄の中身

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,353円 (税込)
    自分の死体を鞄に詰めて持ち歩く男の話。びっしりついた茄子の実を、悉く穴に埋めてしまう女の話。得体の知れぬものを体の中に住みつかせた哀しく無気味な登場人物たち。その日常にひそむ不安・倦怠・死……「百メートルの樹木」「三人の警官」ほか初刊7篇を含め純度を高めて再編成する『鞄の中身』短篇19。読売文学賞受賞。
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女

    白痴 青鬼の褌を洗う女

    小説・文芸
    4.6
    1巻1,353円 (税込)
    戯作者の精神を激しく新たに生き直し、俗世の贋の価値観に痛烈な風穴をあける坂口安吾の世界。「堕落論」と通底する「白痴」「青鬼の褌を洗う女」等を収録。奔放不羈な精神と鋭い透視に析出された"肉体"の共存――可能性を探る時代の補助線――感性の贅肉をとる力業。
  • 桜 愛と青春と生活

    桜 愛と青春と生活

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    六尺二十貫、ロス五輪、ボートの日本代表選手・田中英光。太宰治を敬愛すること深く、太宰の逝った翌年、文化の日、三鷹禅林寺の太宰の墓前にて自裁。巨大な体躯をもてあますような傷つきやすい魂を持ち、純粋に、戦中・戦後を生きようとして果てた著者の初期秀作「桜」、また、結婚までの青春の錯綜を描く「愛と青春と生活」。
  • 愛、理性及び勇気 現代日本のエッセイ

    愛、理性及び勇気 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,353円 (税込)
    女性の自覚、人間性の重視を基に現実を見据え、女性・教育・時事ほか多岐にわたる問題に鋭い批判を展開。「婦人と自尊」「女子と高等教育」「婦人より観たる日本の政治」「女子理性の恢復」「婦人の実行的勇気」など"近代女性史"の始祖的存在ともいえる『みだれ髪』の作者与謝野晶子の、体験を踏まえ内外の見聞に立つ諸論81篇を収録するエッセイ集。
  • 極楽 大祭 皇帝 笙野頼子初期作品集

    極楽 大祭 皇帝 笙野頼子初期作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    群像新人賞「極楽」を含む最初期の作品三篇。地獄絵を描くことを人生の究極の目的とした男の心象を追求した「極楽」、現実からの脱出を願う七歳の子供の話「大祭」、初期の代表作「皇帝」。著者の原点三篇を収録。(講談社文芸文庫)
  • 暗い流れ

    暗い流れ

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,353円 (税込)
    ハレー彗星が地球に大接近し、湯河原で幸徳秋水が逮捕された明治43(1910)年、著者5歳から書き起こし、関東大震災の翌年、田舎の代用教員を辞し東京に出て地元の有力者の書生となった大正13年20歳を目前にする頃までを、北海道の原野を背景に描く自伝小説。抗し難い性の欲望に衝き動かされた青春の日々を独得の語り口で淡々と綴る傑作長篇。日本文学大賞受賞。
  • 五勺の酒・萩のもんかきや

    五勺の酒・萩のもんかきや

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,353円 (税込)
    たった5勺の酒に酔う老教師の口舌の裡に、天皇制を批判する勢力の既にして硬直し始めた在り方を、痛罵し、昭和20年代の良心としての存在を確立した名篇「五勺の酒」をはじめ、萩の街の中で、見出した戦争の傷跡を鮮烈に描き出した「萩のもんかきや」など12の名篇。中野重治の詩魂と精神の結晶とも呼ぶべき中短篇集。
  • 供述調書 佐木隆三作品集

    供述調書 佐木隆三作品集

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    ジャンケンで決めるという奇抜な発想で、企業の首切りを痛烈に諷刺した「ジャンケンポン協定」(新日本文学賞)、ダム建設に反対し一人で国家権力と闘った男がモデルの実録的小説「大将とわたし」、著者の沖縄生活が生んだ基地の街の男女の生態を描く「シャワー・ルーム」等、作家の軌跡の節々の作品に、犯罪を主題に現代の若者の精神の崩れを衝く「供述調書」を加えた代表作5篇。
  • 木枯の酒倉から・風博士

    木枯の酒倉から・風博士

    小説・文芸
    3.0
    1巻1,353円 (税込)
    はたから見ると何をしているのか、と疑われるような青春。内部では、いかに壁を破れるか、と深く呻吟している青春。人生的に、文学的に必要以上の重荷を敢えて背負い、全人生的、全文学的な苦吟の果て、初期坂口安吾は誕生する。苦吟の果ての哄笑、ファルス。「木枯の酒倉から」「風博士」「黒谷村」「竹藪の家」等、初期安吾を代表する秀作を収録。
  • 木山捷平全詩集

    木山捷平全詩集

    小説・文芸
    3.7
    1巻1,353円 (税込)
    心やさしく、なつかしい、暖かな世界・木山捷平詩。常に、弱きものたち、めぐまれることすくないものたちへ、心からの手をさしのべ、暖かな声援を送る、市井の人、木山捷平の第1詩集『野』、第2詩集『メクラとチンバ』、第3詩集『木山捷平詩集』と、生前未刊行の詩、短歌、俳句を、木山みさを夫人が心をこめて編んだ“人生の歌”全詩集!
  • 埴輪の馬

    埴輪の馬

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    滑稽というより、生活の事実を淡々と書きながら、思わず笑ってしまうといった味わいで、文学の師である井伏鱒二や友人たちとの交友を描く。表題作「埴輪の馬」では、埴輪様式の土器の馬を購入のため、師井伏鱒二や友人と出かける。地方都市の駅には先方のお迎えの車が、それも消防自動車が来ていて、それに乗車することの困惑。他10篇収録。
  • 哀歌

    哀歌

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    肉体の恐怖の前には精神など全く意味を失ってしまう。臆病に生き臆病に埋もれて、自分がどんなに卑怯なのか、どんなに弱いのか、たっぷり承知している――弱者。弱者を凝視して聖書とキリストの意味を追究し、「沈黙」への展開を示唆した注目すべき短篇集。人間の深層によどむ(哀しみの歌)を表題に据え、「その前日」「四十歳の男」「大部屋」「雲仙」など12篇を収める。
  • 或る一人の女の話/刺す

    或る一人の女の話/刺す

    小説・文芸
    -
    1巻1,353円 (税込)
    他の介入を許さず気儘に生きた〈放蕩無頼〉の人生。雪の上で夥しい血を吐き、狂い死した父は、娘に〈真っとう〉に生きろと教えた。しかし娘は、父の道をなぞるように更に鮮烈に生きた。70を越した女が、この世に生れ過した不思議を恬淡と語りかける「或る一人の女の話」。「刺す」を併録。自伝的傑作2篇。
  • 淀川にちかい町から

    淀川にちかい町から

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,353円 (税込)
    清冽な抒情と透明な詩心を持つ新進女流詩人として出発。昭和61年『ミモザの林を』で野間文芸新人賞、次いで平成4年評伝『画家小出楢重の肖像』で平林たい子賞受賞。人生の機微を深く鮮やかに彫り彩る独自の散文世界を構築、『淀川にちかい町から』で芸術選奨文部大臣賞・紫式部文学賞両賞受賞。こころ暖かく、こころ鎮まる、爽やかな散文の小説世界。
  • 逆髪

    逆髪

    小説・文芸
    -
    1巻1,320円 (税込)
    漂流する現代家族をラディカルに描く傑作長篇!――かつて姉妹漫才で鳴らした鈴子・鈴江。今はカンペキ主婦に身をやつす姉と、独身の物書きとして芸界の周辺に生きる妹。正反対のようで同じ血縁という強烈な磁力に搦めとられて彷徨う二人の日常の背後に、狂女逆髪と盲人の琵琶法師の姉弟が織りなす謡曲「蝉丸」の悽愴な光景を幻視、富岡節ともいうべき強靭な語りの文体で活写。『冥途の家族』『芻狗』など、家族や性をテーマに書き続けてきた著者の到達点とされる傑作。 ※本書は、『富岡多惠子集6 小説5』(1999年6月、筑摩書房刊)を底本として使用しました。著者の一閲を得て誤植を正し、振り仮名を多少増やすなどしましたが、原則として底本に従いました。
  • へっぽこ先生その他

    へっぽこ先生その他

    小説・文芸
    -
    1巻1,320円 (税込)
    東京下町の思い出、四季折々変化する鎌倉の風物、昭和文士たちとの友情、懐かしさ溢れる名随筆の数々――作家としての早熟な才能を示した東京・神田育ちの青年は、菊池寛に誘われ文藝春秋社で編集者となった。しかし敗戦後は社を去り、以後筆一本の暮らしに入る……。人生の断片を印象鮮やかに描き出す短篇小説の達人が、横光利一、小林秀雄、井伏鱒二ら文学者との深い交流や、さりげなくも捨てがたい日常・身辺の雑事を、透徹した視線と達意の文章で綴った、珠玉の名随筆59篇。 ◎「自分の小さかった時のことを思い出してみて、夜なべに針仕事をする母のすぐ脇に、寝床を寄せて眼をつむっていると、なに一つ言葉を交わすのでもないのに、うれしくてうれしくて、眠ったふりをしながら、いつまでも眠らずにこうしていたいと思ったことがあったし、銭湯の帰り道、父と二人並んで歩いていると、まっくらな中で、これが自分と父なのだという、きわめて自然な血のつながりを感じたこともあった。」
  • 陽気なクラウン・オフィス・ロウ

    陽気なクラウン・オフィス・ロウ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    こよなく愛したC・ラムを巡る英国への旅。香り高き紀行文学――英国の名文家として知られ、今もなお読み継がれているチャールズ・ラム(1775~1834)をこよなく愛した著者が、ロンドンを中心に、ラムゆかりの地を訪れた旅行記。時代を超えた瞑想が、ラムへの深い想いを伝え、英国の食文化や店内の鮮やかな描写、華やかなる舞台、夫人とのなにげない散歩が、我々を旅へと誘ってくれる。豊かな時間の流れは、滞在記を香り高い「紀行文学」へ。 ◎「この『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』では、作者がいわばロンドンの空気の中に丸ごと溶け込み、心ゆくまでロンドンという大都会の古びた湯船にゆったりと身を横たえ、ラムへの尽きぬ思いに浸っているということだろう。この滞在記にただよう一種沁み沁みとした哀感は、ここに由来する。」<井内雄四郎「解説」より>
  • 草の花 現代日本のエッセイ

    草の花 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    5.0
    1巻1,320円 (税込)
    基督教系の女子学院で、級友に「あなたは感情が強いのよ。そして正直なのよ、いゝ人なのよ」と言われた著者。継母との間も円満にいった思春期の幸福な一時の後に、やがて「わがまゝな父、負けていないはゝ、短気でおこりっぽい弟、決して平和とはいえない」日常が来る。後年の幸田文の資質と文学の原形が鮮やかに描き取られた回想の記「草の花」に、「身近にあるすきま」ほかを併録。
  • 猿のこしかけ

    猿のこしかけ

    小説・文芸
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    「あれはいったい何だったろう」かと、淡いかなしみと共に想い出しつつ、いいものだと思う娘と父の深い係わりを描く「平ったい期間」。各々手応えのある人生を感じさせた「三人のじいさん」。ほかに「葉ざくら」「晩夏」「捨てた男のよさ」など。父・露伴が逝ってからの「十年の長短」を思いはかる著者が、再び父と暮らした日々や娘時代の忘れ難い思いをまとめた「猿のこしかけ」に、同時期の5篇を加えた珠玉の随筆集。
  • さざなみの日記

    さざなみの日記

    小説・文芸
    4.3
    1巻1,320円 (税込)
    平凡にひそやかに生きる女たちの心のさざ波……「明るく晴れている海だって始終さざ波はあるもの、それだから海はきらきらと光っている。」――手習いの師匠を営む母と年頃の娘、そのひっそりと平凡な女所帯の哀歓を、洗練された東京言葉の文体で、ユーモアをまじえて描きあげた小説集。明治の文豪・幸田露伴の娘として、父の最晩年の日常を綴った文章で世に出た著者が、一旦の断筆宣言ののち、父の思い出から離れて、初めて本格的に取り組んだ記念碑的作品。
  • 長い時間をかけた人間の経験

    長い時間をかけた人間の経験

    小説・文芸
    4.5
    1巻1,320円 (税込)
    圧倒的事実の<生と死>――8月9日に、すでに壊された<私>。死と共存する<私>は、古希を目前にして遍路の旅に出る。<私>の半生とは、いったい何であったのか……。生の意味を問う表題作のほか、1945年7月、世界最初の核実験が行われた場所・ニューメキシコ州トリニティ。グランド・ゼロの地点に立ち《人間の原点》を見た著者の苦渋に満ちた想いを刻す「トリニティからトリニティへ」を併録。野間文芸賞受賞作品。 ◎林京子――私は立ちすくんだ。地平線まで見渡せる荒野には風もない。風にそよぐ草もない。虫の音もない静まった荒野は自然でありながら、これほど不自然に硬直した自然はなかった。荒野は、原子爆弾の閃光をあびた日以来、沈黙し、君臨していたガラガラ蛇の生さえ受けつけなかった。大地は病んでいたのである。<「著者から読者へ」より>
  • 百日の後 坂上弘自選短篇集

    百日の後 坂上弘自選短篇集

    小説・文芸
    -
    1巻1,320円 (税込)
    「第三の新人」世代に続く、「内向の世代」グループの一人である坂上弘は、「第三の新人」とは違った意味で、生活者の視点から小説世界をつくり上げてきた。文学が特別な社会を対象としたものでなく、日々の暮しのなかでのサラリーマンであり、同人雑誌仲間との交友でありと、一見、平凡な日常のうちに、ニュアンスを含んだ人生を見出す。表題作ほか著者自選の5篇を収録。
  • 月の宴 現代日本のエッセイ

    月の宴 現代日本のエッセイ

    小説・文芸
    -
    1巻1,320円 (税込)
    雪の残る屋根の向うに、赤くきらきら光る新月の背後から、80年の人生の重みをかけた一齣一齣は現われ、身内に鮮烈な記憶をよび起す。「雪景色の上の新月」ほか「月の宴」「親子の旅」「『たけくらべ』解釈への一つの疑問」「中野重治」「芥川龍之介」など、激しい体験をくぐりぬけた著者が、折々に出会った文学者・知己との思い出を静謐に語る、エッセイ49篇。波乱の人生、折々の思い出……。読売文学賞受賞作品。

最近チェックした作品からのおすすめ