さざなみの日記

さざなみの日記

1,254円 (税込)

6pt

4.3

平凡にひそやかに生きる女たちの心のさざ波……「明るく晴れている海だって始終さざ波はあるもの、それだから海はきらきらと光っている。」――手習いの師匠を営む母と年頃の娘、そのひっそりと平凡な女所帯の哀歓を、洗練された東京言葉の文体で、ユーモアをまじえて描きあげた小説集。明治の文豪・幸田露伴の娘として、父の最晩年の日常を綴った文章で世に出た著者が、一旦の断筆宣言ののち、父の思い出から離れて、初めて本格的に取り組んだ記念碑的作品。

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さざなみの日記 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2014年07月03日

    母と娘だが女と女。
    刻々と変化するものの中にこそ幸せや憐み、美しさを見出すことができる。

    幸田文とか、その作中の人って口数が少ないから好きだ。その分、奥の方で考えている量と質がすごい。表面にその中身がチョロッとしか出てこないから、一言一言がすごく効いてくる。

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    Posted by ブクログ 2018年05月27日

    昨夜は、『さざなみの日記』を読みながら寝落ちした。まあ「落ちる」というよりは「ふんわり着地」したかのような寝つきだったのだけれど。あれが、幸田文の文章のなせる技なのだろう。急かされることのない文章で、それはそれでありがたい。文庫本も十数冊入手済みで、死ぬまで「寝落ち本」を任せられる量だと思う。著者で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年02月07日

     つましいながらもささやかなゆとりのある、母子ふたりの家庭の情景。
     そんな暮らしのなかにも、表題どおり「さざなみ」のような出来事が降りかかるわけですが、自身の自伝のような他の作品に比べると、角がとれて胸の痛む事件はほとんどありません。
     淡々と、賢く堅実。道を踏み外さない日々がいいです。

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