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Posted by ブクログ 2014年03月23日
二人の韓国人の目に映った一人の在日朝鮮人の姿が半年間ともに暮らした家の中の様子や近所の景色、思い出話などの中から蘇ってくる。日本に帰ってしまった彼女がまるで亡霊のように浮かび上がる。
日本語を第一言語としている在日の彼女が韓国語に馴染めなかったのは、たんに韓国への嫌悪が原因ではないと主人公は考える。...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月16日
ゆひ から読み始める。
なにこの人の文章の透明感。頼りなさそうにみえたら守ってあげたいってなるのかな。
ナビタリョン 京都の旅館が印象的。ナビタリョンってなんの意味だろう。優しさってなんだろ。人種でなんで人は争うのだろう。
あにごぜ ここにも人種の壁。兄弟っていったって知らんことだらけだろうな。...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月10日
強烈な違和感の存在を心に留め置くことに
平成元年、しかも第100回の芥川賞受賞作。
平成になって1週間くらいで発表だったみたいですね。
冒頭ナビ・タリョンという作品が李さんの生き様を表す基本の作品。両親の離婚調停、長兄が医療ミスのような形で動けなくなり、次兄が突然死。
生まれも育ちも日本であ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
李良枝の処女作「ナビ・タリョン」、代表作の「由煕」などを収録した文庫。
これまで、在日女性の苦悩を描いた作品として読まれてきた。
恐らく金史良などに連なる抵抗文学としてもう一度読まれてもいいはず。
更にはリブやフェミニズムが提起した女が書くこと、
エクリチュールにおけるフェミニティの問題系としても読...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月06日
ようやく読めた、李良枝。そして、その世界の混沌感にびっくり。「ナビ・タリョン」「かずきめ」「あにごぜ」「由熙」のどれもに彼女や彼女の家族が色濃く投影されているんだろう。それを書いてしまう、あるいは書かずにいられないものは何だろうか。在日朝鮮人として生きてきたということも関係しているのだろうか。とにか...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年05月23日
収録作が何作かあるが段々とよくなる感じ、決して芥川賞に阿っている訳ではございません。
この作家を産み出してしまった日本社会・歴史について、考えを巡らさざるを得ない。それ位悲痛な声が聞こえてくる。
作品の出来からすれば、あまりに直接的で声高であったり、技巧に走り過ぎたりした面が、最終収録作で抑制が上手...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
多分その言葉を母語にしている人間には全然わからない感覚というのは存在していて、それによって生まれる溝を埋めようとして結局上手く行かない人間関係の話でした。
悲しい。たしかに溝は埋まらないのだけど、埋まらなくても大丈夫だよといえるところまで話が辿り着かなかったのが悲しかったです。
でもやっぱり...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年03月27日
圧倒的に優れていることは分かるんだけども、彼女が書く原動力は「在日」韓国人であることそれ一点から強烈に湧き上がってきていて、そのどこまでもただあふれ続ける様に気圧されてしまう。
読んでいて「本当に、それはあなたがそんなにも幸せになれないことに見合うだけのことなのか?」と思ってしまう…。
巻末の渡部直...続きを読む
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