屍の街・半人間

屍の街・半人間

1,089円 (税込)

5pt

4.5

真夏の広島の街が、一瞬の閃光で死の街となる。累々たる屍の山。生きのび、河原で野宿する虚脱した人々。僕死にそうです、と言ってそのまま息絶える少年。原爆投下の瞬間と、街と村の直後の惨状を克明に記録して1度は占領軍により発禁となった幻の長篇「屍の街」。後遺症におびえ、狂気と妄想を孕んだ入院記「半人間」。被爆体験を記した大田洋子の“遺書”というべき代表作2篇。

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屍の街・半人間 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2024年04月17日

    原民喜『夏の花』においては壊れる勢いと衝撃が強かったのに対し,『半人間』では壊れた後の持続がいくらか書かれている。『屍の街』では,「急激に拡張する現実」に対しある種の使命感に駆られて書いたような感じだろうか。

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    Posted by ブクログ 2015年11月15日

    作者が強調する原爆の恐ろしさは、その破壊力や被爆だけはない。それは今までにない爆弾だった。人々の想像力を超えていた。そして突然の未知の力による破壊は、肉体のみならず人々の精神内部にまで及ぶ-

    まさに体験した者だけが言えることだが、原爆の最大の恐怖は、人々の気力を奪い去り、表情を消し、魂を蒼ざめさせ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年08月15日

     広島で被爆した作家の私小説。
     
     原爆小説としては井伏鱒二の『黒い雨』などが有名だが、この作品は描写が淡々としていて悲惨さを感じない。

     苦しいとか悲しいとか、そんな人間的な感情さえ、原爆という悪魔の兵器は破壊してしまったということがわかる。

     現代人の目から見れば作家が見ている情景はまさに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年11月08日

    原民喜とは対照的な仕方で、「屍の街」のありさまを凝視し、それをもたらしたものを突き止めようとする意志に貫かれた作品。併録された、生き残ることの苦しみと、苦しむ者たちに注がれる視線を内側から抉るように見据える「半人間」も印象深い。ただ、両者を貫く怒りのこもった意志は、被爆以前の大田においてそうだったよ...続きを読む

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