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Posted by ブクログ
自分に中立的な歴史的知識欠けているからか、戦争文学は苦手だ。
ただこの墓碑銘は戦争を題材にしながらも、自己同一性を問うのが主題となっている。
「戦争反対」とか「平和」なんていう面倒な主張はない。
多少日本人の描かれ方が気になるかもしれないが、これはこの世代の作家のデフォルト設定とも言えるのであまり気にしないのがいいと思う。
日米のハーフとして生まれたトミイ・アンダーソンこと浜仲富夫が日本兵になり、自己の存在を見つめる物語。
浜仲自身の心境は非常に分かり易く描かれていると思ったのだが、小説としては凡庸。
映画の話も後々大きな意味を持ってくるかと思いきや、あっさりと使われただけで終わってしまったし、他にも濃厚に描写してもいい場面が多くあったのに、軽く流しているような気がしてならなかった。
朝丸・沢村・森・・・など印象深いキャラクターも徐々に存在感をなくてしまい、ラストも何だか駆足で終わってしまう。
また裏テーマとして異父妹との近親愛があるのだが、いまいち上手く物語に絡めていなかった。
やり方次第では大長編になったであろうが、この作品としては消化不良。
ただ何でも「寓話」というタイトルで続編があるらしく、それは非常に気になる。
近親愛の結末など消化不良に終わった部分が読みたいと素直に思える作品ではあった。
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小説・文芸
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