海外ミステリー作品一覧

  • 鼓動
    3.8
    P分署近くに捨てられていた赤子の親を探して奔走する捜査班の刑事たち。だが事態は次第に思わぬ展開へ……イタリア発の人気警察小説、〈21世紀の87分署〉シリーズ最新刊!
  • 嵐にも負けず
    4.4
    新町長シーリア就任のせいで、シンフルの町はいまだ落ち着かない。長年、行方不明だったシーリアの怪しい夫も現われ、不穏さは増すばかり。そんななか、ハリケーンが襲来、困難な状況をあまたくぐり抜けてきたフォーチュンも、自然災害にはお手上げだ。なんとかやり過ごしてほっとしたのもつかの間、嵐はとんでもない置き土産を残していっていた……。今度は、偽札に殺人?! フォーチュンに公私ともども最大級の危機が迫る! 型破りすぎな老婦人ふたりの助けを借りて、フォーチュンは町と自分の窮地を救えるか? 好評〈ワニ町〉シリーズ第7弾!/解説=柿沼瑛子
  • ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎
    3.9
    ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジ。カレッジの学寮付き保健師(カレッジ・ナース)イモージェン・クワイの家に下宿する学生フランが、ある数学者の伝記を執筆することになった。今は亡きその数学者は立派な人物ではあったものの、生涯であげた目覚ましい業績はただひとつだけ。しかも、フランは伝記を手掛ける初めての人物ではなかった。伝記の執筆がこれまで途切れてきた原因は、数学者の経歴でどうしても詳細が不明な1978年の夏の数日間にありそうで……。好評『ウィンダム図書館の奇妙な事件』に続く、実力派作家によるシリーズ第2弾登場!/解説=古山裕樹
  • ナイフをひねれば
    4.0
    「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。翌週、ロンドンの劇場でわたしの戯曲『マインドゲーム』の公演が始まる。初日の夜、劇評家の酷評を目にして落胆するわたし。翌朝、その劇評家の死体が発見された。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!/解説=三橋曉
  • 幸運には逆らうな
    4.1
    独立記念日を迎えたシンフルの町。だがアイダ・ベルとガーティの宿敵シーリアが新町長の座につくなり、保安官を解任する暴挙に出たとあっては、フォーチュン含めた三人は祝賀ムードではいられない。そんなとき、湿地で爆発が発生。密造酒の製造所での事故かと思いきや、現場の建物で作られていたのは覚醒剤だと判明する。爆発の巻き添えで友人が負傷してしまい怒りに燃えるアイダ・ベルたちと手に手を取って、フォーチュンは悪党探しにまっしぐら……CIAスパイ&おばあちゃんズの活躍はますますヒートアップ! 〈ワニ町〉シリーズ第6弾!/解説=池澤春菜
  • 8つの完璧な殺人
    3.7
    雪嵐の日、ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年ほど前、もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。捜査官によると、そのリストの“完璧な殺人”の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従って殺しているのか? 著者のミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作長編!/解説=千街晶之
  • シャーロック・ホームズの誤謬 『バスカヴィル家の犬』再考
    3.5
    ホームズの推理は間違っている! 『アクロイド殺害事件』におけるポワロの推理に異を唱え、真相を暴いて話題を呼んだ推理批評家バイヤール。フランス論壇の雄たる彼が、今回はシャーロック・ホームズに挑んだ。長編『バスカヴィル家の犬』のホームズ推理の疑問点・矛盾点を鋭く指摘し、真犯人を炙り出す。/【目次】登場人物/ダートムアの荒地/捜査/第一章 ロンドンにて/第二章 荒地(ムーア)で/第三章 ホームズの手法/第四章 不完全性の原理/再捜査/第一章 推理批評とは何か?/第二章 複数の語り/第三章 犬のための口頭弁論/第四章 ステープルトンの弁護/幻想性/第一章 シャーロック・ホームズは存在するのか?/第二章 テクストへの移住者/第三章 テクストからの移住者/第四章 ホームズ・コンプレックス/現実/第一章 文学による殺人/第二章 見えない死/第三章 真実/第四章 そして真実のみを/バスカヴィル家の犬/訳者あとがき/解説=杉江松恋
  • 鉄の枷
    4.2
    資産家の老婦人、マチルダ・ギレスピーは、血で濁った浴槽の中で死んでいた。睡眠薬を服用した上で手首を切るというのは、よくある自殺の手口である。だが、現場の異様な光景が、その解釈に疑問を投げかけていた。野菊や刺草で飾られた禍々しい中世の鉄の拘束具が、死者の頭に被せられていたのだ。これは何を意味するのだろうか? 事件を背景に語られていくのは、秘められたギレスピー家の物語とマチルダの知られざる生涯。デビューと同時に絶賛を集めたウォルターズが、更なる飛躍を遂げた第三長編。英国推理作家協会ゴールドダガー賞受賞作。
  • 寒波
    3.6
    冷えこみの厳しい十一月の朝。P分署にはいった通報が、アパートの一室で起きた二重殺人を知らせる。被害者は部屋で同居していた兄妹。化学者の兄とモデルの妹、仲の良いふたりを誰がなぜ殺したのか。ロヤコーノ警部とディ・ナルド巡査長補は即時捜査を開始する。いっぽう、署を訪れた中学校教師に受け持ちの女子生徒が家族に虐待されているという疑念を打ち明けられ、ロマーノとアラゴーナは確認のため学校に赴くのだが……。ナポリの街で発生する事件を解決するため、型破りな刑事たちは悩み、怒り、走る! 21世紀の〈87分署〉シリーズ第3弾。/解説=三橋曉
  • メナハウス・ホテルの殺人
    3.7
    戦争で夫を亡くし若くして寡婦となったジェーンは、叔母の付き添いでエジプトのギザに建つメナハウス・ホテルに滞在していた。エキゾチックな異国の地での優雅なバカンス。だが、ホテルの客室で若い女性客が殺害され、偶然第一発見者となったジェーンは、地元警察に疑われる羽目になってしまう。疑いを晴らすべく、魅力的だがいまひとつ信用できかねる自称銀行員のレドヴァースの協力を得て真犯人を捜そうと奔走するが、さらに死体が増え……。エジプトの高級ホテルを舞台に巻き起こる殺人事件を描く、旅情溢れるミステリ。シリーズ第一弾!
  • だからダスティンは死んだ
    3.9
    そのふた組の夫婦は、よく晴れた風の強い日に、屋外パーティーで知り合った。――版画家のヘンは、夫のロイドとともにボストン郊外に越してきた。パーティーの翌週、ふたりは隣の夫婦マシューとマイラの家に招待される。だがマシューの書斎に入ったとき、ヘンは二年半前のダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯だと確信したヘンは彼について調べ、跡をつけるが……。複数視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!/解説=村上貴史
  • どこまでも食いついて
    4.3
    保安官助手カーターとの初デート成功に浮かれるフォーチュンのもとに、朝から凶報が届く。いまだ空席のシンフル町長の座に、アイダ・ベルやガーティの宿敵シーリアが立候補したのだ。彼女が当選したら、CIAのスパイという自分の正体が明るみに出かねない。三人が当選阻止に動こうとした矢先、カーターからSOSが飛びこんできたと知らされる。緊急捜索の果て、銃撃されて沈みゆくボートから間一髪救出するが、カーターはそのまま病院行きに。ブレーキ役不在の三人組が、犯人さがしのため町を史上最大の混乱に陥れる〈ワニ町〉シリーズ第5弾!/解説=穂井田直美
  • 魔術師の匣 上
    3.5
    スウェーデンで20万部突破! 北欧ミステリーの女王、新シリーズ開幕。 女性刑事と男性メンタリストが忌まわしい過去に端を発する奇術連続殺人に挑む。 女は箱に幽閉され、剣で貫かれて殺されていた。まるで失敗した奇術のように……ストックホルム警察の刑事ミーナは、メンタリストで奇術に造詣の深いヴィンセントに協力を依頼する。奇術に見立てた連続殺人が進行中なのだ……。スウェーデン・ミステリーの女王レックバリが一流メンタリストとコンビを組んで送り出した新シリーズ第1作。 60か国43言語で刊行され、売上は3000万部を突破。スウェーデン・ミステリーの女王カミラ・レックバリが長年の友人でもあったスウェーデン屈指のメンタリスト、ヘンリック・フェキセウスとタッグを組んだ新シリーズ第1作である本書は、人口900万人のスウェーデンで20万部を売り上げ、36か国での翻訳刊行が決定しています。
  • 長い別れ
    4.5
    酔っぱらい男、テリー・レノックスと友人になった私立探偵フィリップ・マーロウ。大富豪の娘との夫婦関係が破綻したテリーは、なんとか彼女と元の鞘に収まったようだったが、ある日、突然現われ、メキシコまで送ってほしいとマーロウに頼んできた。そして彼を送り届けて戻ったマーロウは勾留されてしまう。テリーには妻殺しの嫌疑がかっていたのだった。彼は自殺、マーロウには、ギムレットを飲んですべて忘れてほしい、という手紙が届く……。男の友情を描いたチャンドラー畢生の大作を、これ以上望むべくもない名手渾身の翻訳で贈る新訳決定版。/解説=杉江松恋
  • 悪い弁護士は死んだ 上
    3.0
    その日は犯罪捜査部のベックストレーム警部にとって、人生最良の日だった。マフィアお抱え弁護士として警察を悩ませてきたエリクソンが殺されたのだ。ベックストレームは部下を率いて捜査を開始。殺害場所は被害者の自宅らしく、死因は鈍器による殴打、部屋からは被害者が発射した銃弾の跡が発見された。だが奇妙なことに、主人が殺害された四時間後に、飼い犬が喉を掻き切られて殺されていたのだ。なぜ犯人はわざわざ引き返して犬を殺したのか。エリクソンを恨んでいた人物は多数いるはずだが……。CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作。
  • ビール職人の秘密と推理
    4.1
    冬のイルミネーションイベントが近づく、ビールで有名なアメリカの小さな町レブンワース。ビール職人のわたしは、ブルワリー〈ニトロ〉の新作ビールを醸造しながら、宿泊施設オープンに向けた二階の改装に精を出していた。そんな中、選挙を控えた市議会議員が殺されているのが見つかる。彼はビール産業の盛んなこのレブンワースで、こともあろうに禁酒政策を推し進めようとしていた。容疑者とされた人物から頼まれ、わたしは聞き込みを進めていくが……。おいしいビールと料理が満載のビール・ミステリ!
  • アリスが語らないことは
    3.6
    大学卒業を数日後に控えたある日、ハリーは父親が事故死したという知らせを受ける。急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。葬儀の翌日、ハリーは刑事から意外な話を聞かされる。父親は海辺の遊歩道から転落して死亡したが、その前に何者かに殴られていたという。しかしアリスは父の死について話したがらず、ハリーは疑いを抱く。――これは悲劇か、巧妙に仕組まれた殺人か? 過去と現在を行き来する2部構成の物語は、ある場面で、予想をはるかに超えた展開に! 『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、圧巻のサスペンス!/解説=吉野仁
  • 007/ロシアから愛をこめて【白石朗訳】
    -
    「恥辱を与えて殺害せよ」――ソ連国家保安省内の殺害実行機関SMERSH(スメルシュ)へ、死刑執行命令が下った。標的は英国秘密情報部の腕利きのスパイ、007のコードを持つジェームズ・ボンド。かつてソ連側に敗北をもたらした彼を陥れるために、SMERSHの作戦計画立案者が送りこんだのは、英国秘密情報部が飛びつくに違いない、魅力的な餌を抱えた国家保安省の美女だった。ヨーロッパとアジアが交わる混沌の都市イスタンブールやオリエント急行を舞台に、巧妙に張りめぐらされた二重三重の罠。最大の危機がボンドを襲う! 新訳で贈るシリーズ最高傑作。/解説=戸川安宣、小山正
  • 湖畔荘 上
    4.1
    ロンドン警視庁の女性刑事セイディは、女児を置き去りにして母親が失踪したネグレクト事件について本部と意見が対立、問題を起こし、謹慎処分となった。ロンドンを離れ、コーンウォールの祖父の家で日々を過ごすうちに、打ち捨てられた屋敷を偶然発見、そして70年前にそこで赤ん坊が消える事件があり、その生死も不明のまま迷宮入りになっていることを知る。彼女は謎に満ちたこの赤ん坊消失事件を調べ始めた。ミッドサマー・パーティの夜、そこで何があったのか? 仕事上の失敗と自分自身の抱える問題と70年前の事件が交錯し、謎は深まる!
  • ハートに火をつけないで
    4.4
    シンフルの町に身分を偽り潜伏中のスパイであるわたしフォーチュンは、いろいろあって保安官助手カーターとのディナーの日を迎えていた。ところが、そこにカフェの店員アリーの家が火事だと連絡が入る。幸い彼女は無事だったが、原因が放火と判明してはほうっておけない。アリーはこの町で初めてできた、大事な同年代の友人なのだから。けれど、誰からも恨まれそうにない彼女がなぜ? カーターの警告を無視して、わたしは町を知りつくした年上の友人ふたりアイダ・ベルとガーティとともに行動を開始する。大好評に応えて贈る〈ワニ町〉第4弾!/解説=♪akira
  • 見知らぬ人
    3.8
    これは怪奇短編小説の見立て殺人なのか?──イギリスの中等学校タルガース校の旧館は、かつてヴィクトリア朝時代の作家ホランドの邸宅だった。クレアは同校の英語教師をしながら、ホランドを研究している。10 月のある日、クレアの親友である同僚が殺害されてしまう。遺体のそばには“地獄はからだ”という謎のメモが。それはホランドの怪奇短編に繰り返し出てくる文章だった。事件を解決する鍵は作中作に? 英国推理作家協会賞受賞のベテラン作家が満を持して発表し、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞へと至った傑作ミステリ!/解説=大矢博子
  • ロックダウン
    3.6
    話題騒然の全英ベストセラー! 死亡率80%の新型ウイルスの流行で、都市封鎖されたロンドン。 その最中、肉を削ぎ落とされた人骨が発見され、第二、第三の殺人が―― 現在と驚くほど酷似する世界―― 2005年に出版を見送られた異色のミステリー! 「私は『ロックダウン』を脱稿した。しかしこの作品は出版に至らなかった。当時、英国の編集者たちは、H5N1型という見えない敵に包囲されたロンドンの描写は非現実的で、そんなこと起こるはずがないと思っていたのだ――」(本文・はじめにより) 死亡率80%の新型ウイルスが猛威をふるうロンドン。 数か月で死者50万人を超え、ロックダウンで街が恐怖に包囲されるなか、 仮設病院の建設現場で肉を削ぎ落とされた子供の骨が発見される。 人手不足で辞職前日に駆り出された刑事マクニールは身元の割り出しを急ぐが、 直後に愛する者の感染を知る。事件に没頭する彼を嘲笑うように次々と起こる殺人―― 絡み合う謎の先にある驚愕の真実とは!?
  • たとえ天が墜ちようとも
    4.4
    高級住宅街の路地で女性の遺体が発見された。刑事マックスは、目撃者の証言から被害者の夫である刑事弁護士プルイットに殺人の疑いをかける。プルイットは、長年ともに働いた仲間である引退した弁護士ボーディに潔白を証明してくれと依頼した。ボーディは弁護を引き受けたが、それは命の恩人である親友のマックスと敵対することを意味していた。たとえ友情を失おうとも、正義を為すべく対決する、検察側の証人マックスと弁護人ボーディ。予想外の展開となる陪審裁判を制するのはどちらか? 『償いの雪が降る』の著者が描く、激動の法廷ミステリ!/解説=若林踏
  • その裁きは死
    3.9
    【ミステリランキング4冠! 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編・第1位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門・第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇・第1位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外編】実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。裁判の相手方だった人気作家が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査にふたたび引きずりこまれて──。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第2弾! 驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。/解説=大矢博子
  • ビール職人のレシピと推理
    3.7
    ビールで知られるアメリカの小さな町レブンワース。ドイツのバイエルン地方に似たこの町に、今年もオクトーバーフェストの開催が迫っていた。ビール職人のわたしは、別居中の夫と離婚するか悩みながらも、ブルワリー〈ニトロ〉で新作のビールの開発に精を出しているところ。そんな中、ビールをテーマにしたドキュメンタリー映画がレブンワースで撮影されることに。しかし、オクトーバーフェスト前日の夜、会場近くで映画の関係者が殺されているのが見つかって……。愉快でおいしいビール・ミステリ第2弾!
  • 汚れた雪
    3.5
    イタリア・アルプス山麓の美しい町アオスタに、ある事件がきっかけでローマからとばされてきた副警察長ロッコ・スキャヴォーネ。彼は、スキー場で圧雪車に轢かれた遺体発見との知らせを受ける。それは単なる事故ではなかった。ほとんどの住人が親戚どうしという小さな町で起きた殺人事件! 定年後は妻と南仏で暮らすのが夢だったロッコは、目的のためには犯罪にすら手を染める男だ、彼自身の信条に従って。女には手を出す、マリファナタバコは吸う……、だが警察官としての腕は誰もが認めざるを得ない、荒技も辞さないローマ男が難事件に挑む。
  • ごきげんいかが、ワトスン博士 上
    3.0
    1889年夏。アイリーン・アドラーと親友のペネロピーは、パリで意識を失った男性を助ける。偶然にも、彼はペネロピーが家庭教師をしていたときの知人クウェンティンだった。医師の診察により、昏倒したのは毒物が原因だと判明するが、彼は詳細を語らない。だが、アイリーンの家で療養中に狙撃されたことで事情を打ち明ける。かつて戦場で助けられた軍医に迫る危機を知らせるため、危険を承知で彼を捜しているというのだ。軍医の名はワトスン――。アイリーンたちはアフガニスタンに端を発する事件をめぐり、名探偵ホームズとまたもや相まみえる!
  • 秘密 上
    3.8
    1961年、少女ローレルは母が突然現われた男を刺殺するのを目撃した。男は近隣に出没していた不審者だったため、母の正当防衛は認められた。しかしローレルには警察には話せない秘密があった。男は母に「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と言ったのだ。二人は知り合いだった! 50年後、大女優となったローレルは死期の近い母の過去をさぐりはじめる。あの事件の真相は? そして母の本に挟まれていた写真の見知らぬ女性は誰か? 本に残された署名ヴィヴィアンとは? 『忘れられた花園』の著者が新たなる迷宮へと読者を誘う。傑作ミステリ。
  • チャイルド・ファインダー 雪の少女
    3.6
    周囲を雪と氷に覆われた山。両親の車から降りた5歳の少女は、次の瞬間深い森に消えていた。折しも降り始めた雪は吹雪となり少女の足跡を消して、捜索を困難にした。3年の月日がむなしく過ぎ、みな少女は死んでしまったものと考えた……少女の両親以外は。そして両親は、“子ども見つけ屋(チャイルド・ファインダー)”のナオミに最後の望みを託した。自らも過去に消すことのできない傷を負ったナオミは、行方不明の子どもを見つけ出すことに自分のすべてを捧げていた。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山のなか、ナオミの闘いが始まる。
  • これほど昏い場所に
    4.0
    自殺率の異常な増加、動機なき殺人、全米を“何か”が浸食している……。 《FBI捜査官ジェーン・ホーク#1》 スリラーの帝王、カムバック! 終盤の驚愕の展開に、さらなる驚きが待ち受ける。一気読み必至の一冊! ――『インディペンデント』 最強の敵に立ち向かう、したたかで魅力溢れるアンチ・ヒロインの登場! ――『カーカス・レビュー』 ユーモア、人情、ホラー、これぞクーンツの魅力が詰まっている。 ――『タイムズ』 “早く、早く死ななきゃならない”。海兵隊員の夫が、ナイフで自らの首を掻き切る前に書き遺した言葉。それは、FBI捜査官ジェーンの悪夢の始まりだった。調べを進めるうち明らかになる、全米の自殺率の異常な増加。夫同様、才気に溢れ幸せに見えた人々はなぜ発作的に死を選んだのか? やがてある研究所と会員制秘密クラブの存在が浮上し、ジェーンは想像を超えた戦慄の真実を知ることになる――
  • われら闇より天を見る 上
    4.0
    2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位 自称無法者の少女ダッチェスが住む町に帰ってきた30年前の事件の加害者。彼の帰還は、ダッチェスを苛烈な運命へ巻き込んでいく。
  • 暗殺者の屈辱 上
    4.4
    暗殺者グレイマンことコート・ジェントリーは、ターゲットになっているはずのCIAから依頼を受ける。自由と引き換えに、米露両国の極秘情報を収めたデータ端末を確保する任務に就くジェントリー。だが、セントルシア島でGRUの工作員マタドールに先を越され、あと一歩のところで任務に失敗してしまう。ジェントリーは汚名を晴らすべく、端末を追ってヨーロッパに渡るが……。冒険アクションの最高峰、シリーズ最新作
  • 月長石(上)
    -
    1868年に出版された本書は、現代ミステリの最初の試みと見なされている。T・S・エリオットは「英国で最初に発表された最も優れたミステリ長編」と書き、ドロシー・セイヤーズは「おそらくこれまでに書かれた最もすばらしいミステリだ」と記した。黄色のダイヤといわれたインドの秘宝「月長石」は、不思議な経緯をへてイギリスへ。ある晩、「月長石」は持ち主ヴェリンダー家から忽然と消失する。同家の依頼を受けたロンドン警視庁のカフ部長刑事は万全な体制で捜査にあたったが、手がかりは乏しい。果たして犯人はどこに? 意外性とサスペンスあふれる展開で読者を飽きさせない不朽の名作。コリンズはディケンズと互いに影響を与えあった。
  • ウィンター・ビート
    4.1
    従妹のペトラが働くナイトクラブは、前衛的なボディ・ペインティングのショーで人気の店だった。だが、店を訪れたわたしはそこに危険な空気を嗅ぎつける。不安は的中。常連客の女性が店の裏で射殺され、容疑者として帰還兵の若者が逮捕されたのだ。息子の無実を信じる父親の依頼で調査に乗り出すわたしは、知らないうちに底知れぬ闇に立ち向かうことに……負けるものか! 巨大な敵を前にしても挫けない! これぞV・I・ウォーショースキー!
  • ブラック・リスト
    4.1
    ジャーナリストの恋人モレルがアフガニスタンの危険な取材へと旅立ち、ヴィクは不安を募らせていた。心配を打ち消そうと仕事に打ち込むヴィクは、無人の屋敷に出入りする不法侵入者の正体を突き止めてほしいとの依頼を受ける。ヴィクは張り込みを開始するが、発見したのは屋敷内の池に沈んでいた黒人男性の死体だった……9・11以後の混迷するアメリカを舞台にヴィクの活躍を描く英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作
  • カーテンの陰の死
    5.0
    〈ツイスト博士〉殺人現場に偶然居合わせたマージョリーは、犯人と同じ服装をした謎の人物が自分の下宿に入ってくるのを目撃する。続けて密室殺人事件が発生するにおよび、ハースト警部らが乗り出すが、事件の状況は七十五年前にこの下宿屋で起きた迷宮入り事件とそっくり同じだった……
  • 赤い霧
    3.8
    “フランスのディクスン・カー”と評され、日本でも二年連続ベスト1に輝いた著者が、十九世紀末の英国を舞台に、十年前の密室殺人とロンドンの連続娼婦殺人事件を融合させた冒険小説大賞受賞作。
  • シャーロック・ホームズの事件録 悪魔の取り立て
    3.0
    ベイカー街に新たに飛び込んできたのは、 Aから名前順に殺される“アルファベット殺人事件”!? ホームズ×ワトスン、知られざるもうひとつの事件。 「近年書かれたホームズ・パスティーシュの中でも 最上位の作品だ」――マイケル・ダーダ(ピューリッツァー賞受賞作家) 1890年。ロンドンでは不可解な殺人事件が相次いでいた。そのひとつが富豪アンソン卿殺し─ベッドの上で寝間着のまま死んでいるのが見つかったが、死因は溺死だという。やがてホームズとワトスンは、殺害手口こそバラバラだが被害者は皆、とある慈善事業団体のメンバーだと突き止めた。そしてもうひとつ、どうやら殺人はアンソン卿の“A”に始まり、名前順に行われているようで……。
  • 赤髯王の呪い
    4.0
    〈ツイスト博士〉エチエンヌは兄から届いた手紙に驚愕した。ある晩、兄が物置小屋を窓から覗くと、そこには十六年前「赤髯王ごっこ」をしたために呪いで刺殺されたドイツ人少女の姿があったというのだ……『第四の扉』刊行以前に私家版として発表された幻のシリーズ第一作。ほかにシリーズ短篇三作を収録。
  • ブラック・フォン
    3.8
    イーサン・ホーク出演 『ブラック・フォン』映画化原作! 閉じこめられた地下室で鳴り響く黒電話。 それは“死者”からの電話だった―― あらゆる恐怖を蒐集したサイコ・スリラー短篇集。 【解説】大森望 誘拐された少年が閉じこめられた地下室で、黒電話が鳴り響く。それはこれまで攫われた“死者”からの電話だった――。 映画原作「ブラック・フォン」を始め、アンソロジストが謎の作家の自宅を訪ねて恐怖に直面する「年間ホラー傑作選」、“風船”の友人との奇妙で温かな友情物語「ポップ・アート」他、ブラム・ストーカー賞などを多数受賞した傑作短篇集『20世紀の幽霊たち』を改題・改稿した特別版! 【収録作品】 年間ホラー傑作選 白石 朗[訳] 二十世紀の幽霊 白石 朗[訳] ポップ・アート 大森 望[訳] 蝗の歌をきくがよい 白石 朗[訳] アブラハムの息子たち 安野 玲[訳] うちよりここのほうが 安野 玲[訳] ブラック・フォン 玉木 亨[訳] 挟殺 玉木 亨[訳] マント 白石 朗[訳] 末期 の吐息 白石 朗[訳] 死樹 安野 玲[訳] 寡婦の朝食 安野 玲[訳] ボビー・コンロイ、死者の国より帰る 白石 朗[訳] おとうさんの仮面 安野 玲[訳] 自発的入院 白石 朗[訳] 救われしもの 玉木 亨[訳] ブラック・フォン[削除部分] 玉木 亨[訳]
  • 天使の傷 上
    4.0
    半年前に退職した警視が死体で発見された。臨床心理士サイラスは現場の状況を心理面から分析し自殺ではないと警察に助言する。元警視は現役時に担当した児童連続誘拐殺害事件を今なお追っていたらしい。その犯人はすでに逮捕され、獄中で死亡しているにも関わらず……さらに捜査で発見されたメモには、サイラスがかつて出会った嘘を見破る能力を持つ少女イーヴィの異名「天使の顔(エンジェル・フェイス)」の文字が――シリーズの核心に迫る第二作
  • 黒き荒野の果て
    4.1
    2021年アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞、3冠! 「クライム文学の新星」デニス・ルヘイン 裏社会の元凄腕ドライバーが 家族のために引き受けた最後の仕事―― 米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。 裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。 だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。 金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。 それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。 ギャングの抗争に巻き込まれるまでは――。
  • クロス・ボーダー 上
    4.3
    小さな仕事をさばきながら、何とか糊口をしのいでいる探偵ヴィクのもとに、一本の電話がかかってくる。それは親友ロティの又甥が殺人容疑をかけられているというものだった。彼を助けるために調査を始めた彼女だったが、そこにまた別の事件が持ち込まれる。ヴィクの姪リノが失踪したというのだ。期せずして彼女はふたつの事件を同時に追うことになるが……弱きを助け強きを挫く、V・I・ウォーショースキー堂々の帰還!
  • 時計仕掛けの歪んだ罠
    3.6
    スウェーデン売上1位の傑作犯罪サスペンス。 15歳の少女3人の連続失踪事件を追うベリエル。目撃の通報を受けて急行するも、3度とも現場はもぬけの殻で、彼は苛立ちを募らせていた。事を荒立てたくない上司の警告をよそに、殺人事件だと確信し捜査に執念を見せるベリエルはやがて、それぞれの現場写真に映る不審な女に目をつける。緊迫の攻防、息を呑む逆転劇、衝撃の真相……。ここまで目を見張る取り調べシーンがかつてあっただろうか。ページをめくる手が止まらない、スウェーデンNo.1ベストセラーの傑作犯罪サスペンス!(2020年7月発行作品)
  • 天使と嘘 上
    3.9
    〈英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作〉臨床心理士のサイラスが施設で出会った少女イーヴィは嘘を見抜ける能力を持っていた。そして、彼らは警察の要請で女子スケートチャンピオン殺害事件の捜査に加わる。将来を期待されていた選手に、何が起こったのか――世界各国で激賞された傑作ミステリ 解説/吉野仁
  • 刑事失格
    3.3
    刑事マーシュは知人に頼まれ、ある男を殴って警告した。翌朝、殺人の報を受けたマーシュは驚く。被害者は自分が殴った男だったのだ。死亡推定時刻は彼が訪ねた時間とも重なり、記憶も曖昧だ。そのうえ彼はもう一つの事件も追うことに。逮捕される可能性に怯えながらも自らの正義を貫こうとする男を描く刑事小説
  • 雲をつかむ死〔新訳版〕
    3.7
    英仏間を飛ぶ飛行機内で、変死した老婦人が発見された。死因は蜂毒によるものか、それとも……名探偵ポアロが大空の密室に挑む!
  • その手を離すのは、私
    3.5
    英米各紙で超話題の傑作スリラーが登場!  母親と二人で暮らす5歳の少年がひき逃げ事件で命を奪われた。小さな男の子の無念を晴らそうと、ブリストル署の警察官レイは部下のケイトらと共に事件を追うが、犯人は杳として見つからず、捜査の打ち切りを迫られていた。  一方、海辺の町に現れ身を隠すように暮らしていた謎の女性ジェナは、獣医師のパトリックと惹かれ合う。  それぞれのドラマが交錯し、事件解決が見えたその時、あまりにもおぞましい真実が浮かび上がる。  NYタイムズ、サンデータイほか英米各紙のベストセラーリスト入りをした超話題作が、満を持して登場。読み出したら止められない、傑作スリラー。
  • 一抹の真実 ~A GRAIN OF TRUTH~
    3.8
    ポーランド発怪作ミステリーシリーズ第2作。 古都サンドミエシュのシナゴーグで見つかった女性の遺体。咽喉元を幾重にも切り開かれ、体中の血を抜かれて不自然なほどに真っ白になった「名士の妻」の無残な姿に、町の人々は騒然とする。独り身となりワルシャワから新天地に赴任した傷心の検察官シャツキは、久しぶりの大きな事件に腕を鳴らすが、やがて第2の遺体が発見され……。 欧州一ボヤく男、中年検察官シャツキが殺人事件の謎を追う「地獄めぐりの旅」。第3作『怒り』、第1作『もつれ』で日本のミステリーファンを驚かせた「ポーランドのルメートル」による怪作シリーズ、衝撃の第2作。
  • ホームズと推理小説の時代
    4.0
    舞台はヴィクトリア朝のロンドン、拡大鏡を片手に元軍医のワトソンとともに活躍した鷲のような鋭い目、細身で寡黙な探偵。そう、彼の名前はシャーロック・ホームズ。登場以来時代を超え全世界を魅了し続けてきたのは、なぜか? その疑問をもとに推理小説がどのように誕生し、黄金時代を迎えていったのかをホームズを起点に丹念に辿る。本書はその歴史、基礎知識を交えながら、イギリス、アメリカ、そして日本の推理小説を概観し、正当な評価を与えるべく英文学者、愛好家の視点から考察する。推理小説を愛する多くの読者に捧げる一冊。書き下ろしオリジナル作品。
  • 死刑囚
    4.1
    スウェーデンで逮捕されたその男は、アメリカで六年前に死んだはずの死刑囚だった!? 大好評、グレーンス警部シリーズ第三弾。
  • サイレント・スクリーム
    4.1
    寂れた郊外の街を震撼させる連続殺人事件に型破りな警部キム・ストーンが挑む。イギリスのベストセラー警察小説シリーズ第一弾!
  • ダーク・マター
    3.6
    見知らぬ男に殴り倒され、気を失ったジェイソン・デッセン。目覚めると、彼の人生は一変していた……。ソニ・ピクチャーズ映画化
  • 大いなる眠り
    3.8
    私立探偵フィリップ・マーロウ。三十三歳。独身。命令への不服従にはいささか実績のある男。ある午後、彼は資産家の将軍に呼び出された。将軍は娘が賭場で作った借金をネタに強請られているという。解決を約束したマーロウは、犯人らしき男が経営する古書店を調べ始めた。表看板とは別にいかがわしい商売が営まれているようだ。やがて男の住処を突き止めるが、周辺を探るうちに三発の銃声が……。シリーズ第一作の新訳版
  • 北海に消えた少女
    3.3
    行方不明の少女を調べる記者のノラ。調査は服役中の連続殺人犯に辿り着く。二つの事件の繋がりは? 真相を追う彼女に危険が迫る!
  • ハティの最期の舞台
    3.9
    演劇の才能に恵まれ、誰からも愛されていたはずの少女は、なぜ命を落としたのか。保安官が突き止めたあまりにも切ない真相とは?
  • 死を告げられた女
    4.0
    アフガニスタンから生還し、パリでプロのボディガードを営む元・外人部隊兵のラースは、女性活動家ハイコの警護を依頼される。彼女は過激派にリクルートされる子女を奪回する活動を行ない、そのために過激派から死刑を宣告されたのだ。だがハイコはラースの警護を嫌い、身の危険を顧みようとしない。自信に満ちた彼女に惹かれながらも苛立つラース。やがてハイコの活動に重大な疑惑が生じ、マスコミや世間を揺るがす事態に……テロの悲劇を描く慟哭のサスペンス。
  • 無実
    4.0
    盲目の私立探偵のシリーズを細々と書き継いできた作家のウルリクソンは、これまでベストセラーとは無縁だった。だが、車椅子生活の妻と幼い娘との日々を描いた自叙伝が思いもかけないヒットとなり一躍時の人に。そんなウルリクソンのもとに一通の封書が届く。それはかつて関係を持った女性の娘が、彼の実の娘だとの法的申し立てなのだが……。堕ちていく作家の葛藤と家族の固い絆を描き、全米を論争に巻き込んだ問題作!
  • ターゲット・アメリカ
    4.0
    映画化決定! 『アメリカン・スナイパー』の共著者が放つ冒険アクション・シリーズ第2弾! アメリカ国内に仕掛けられた核爆弾を捜し出せ! スナイパーのギルは、精鋭を集めた極秘チームを率いて困難な任務に命を懸ける。
  • 皮膚の下の頭蓋骨
    4.2
    二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。主演女優クラリッサの義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵コーデリア・グレイもそのひとりだった。頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえるクラリッサの身辺警護のためである。狷介な女優とそれぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女――不吉な雰囲気の漂うなか、開演を目前に、自室で顔を叩き潰されたクラリッサの惨殺体が発見された! ミステリの新女王が現代本格ミステリに新たな地平を拓いた大作。
  • 調教部屋
    4.0
    タイトスカートにハイヒール、体にぴったりした襟ぐりの深いブラウスを着た上級秘書――彼女はそれが男性を惹きつけ、同時に会社で高い地位に引きあげてもらえることも確信していた。が、それが破滅を招く――拉致され、監禁され、言葉につくせぬ行為を強要されるとは……イギリス全土で起きた若い女性の不可解な失踪。その数は38件にものぼっていた。国家犯罪局のヘックは果敢に捜査を行い、淫らで下劣な悪と対峙する。
  • スナイパー・エリート
    3.8
    アフガニスタンでアメリカ軍が演習中、イスラム過激派に襲撃され、ヘリ・パイロットのサンドラが捕虜になった。残虐な仕打ちを受ける彼女を収めたビデオがアメリカに送られ、高額の身代金が要求される。政府は対策を模索するが、極秘特殊部隊DEVGRU(旧SEALチーム6)の精鋭ギル・シャノンは、空軍パイロットである彼女の夫らとともに無許可で救出に向かう! 『アメリカン・スナイパー』の共著者が放つ迫真の冒険アクション!
  • 忘れゆく男
    3.8
    ここはどこだ、なぜ自分は家ではなくここにいる? 重度の認知症のケアをする施設に入ったトーモッド。孤独な彼のもとを元刑事フィンが訪れる。フィンはトーモッドの娘の元恋人だった。その頃、泥炭地からは身元不明の遺体が発見されていた。被害者はトーモッドの血縁関係者だという。フィンは事件を調べ始めるが、明らかになったのは、家族も知らないトーモッドの秘密だった……忘れゆく男の記憶と想いをめぐるミステリ。
  • 三つの棺〔新訳版〕
    3.7
    ロンドンの町に静かに雪が降り積もる夜、グリモー教授のもとを、コートと帽子で身を包み、仮面をつけた長身の謎の男が訪れる。やがて二人が入った書斎から、銃声が響く。居合わせたフェル博士たちがドアを破ると、絨毯の上には胸を撃たれて瀕死の教授が倒れていた! しかも密室状態の部屋から謎の男の姿は完全に消え失せていたのだ!
  • 窓際のスパイ
    3.9
    〈泥沼の家〉と呼ばれるその部署は、英国情報部の最下層だ。不祥事を起こした部員はここに送り込まれ、飼い殺しにされるのだ。若き部員カートライトも訓練中のミスのせいでここに放り込まれ、連日ゴミ漁りのような仕事をさせられていた。もう俺に明日はないのか? ところが英国全土を揺るがす大事件で、状況は一変した。一か八か、返り咲きを賭けて〈泥沼の家〉が動き出す!
  • 秘密資産
    3.5
    巨額の投資詐欺容疑で逮捕された著名な銀行家ウィリアム・フォン・ベッカーが拘置所で死んだ。元花形トレーダーのジェイスンは、知り合いを介し、遺族から亡き父の隠し資産を探し出してほしいと依頼される。好条件の報酬を得るため、いまだに定職のないジェイスンは引き受ける。だがやがてウィリアムが麻薬カルテルと関わりのあることが判明、そして彼の家族に危機が迫る! 親子の感動的な絆を絡めて描く金融サスペンス。
  • 駄作
    3.5
    世界的ベストセラー作家だった親友が死んだ。追悼式に出席した売れない作家プフェファコーンは、親友の手になる未発表の新作原稿を発見。秘かにその原稿を持ち出し、自作と偽って刊行すると、思惑通りの大ヒットとなったが……ベストセラー作家を両親に持つ著者が、その才能を開花させた驚天動地の傑作スリラー/掲出の書影は底本のものです
  • 暗殺者の鎮魂
    4.2
    CIAをはじめ幾多の勢力から追われる身となった、“グレイマン(人目につかない男)”と呼ばれる暗殺者ジェントリー。彼はアマゾンの奥地に潜伏していたが、密かに追跡していた男が居所を突き止め、戦闘チームに襲撃させた。グレイマンは反撃する。その後彼はメキシコ湾岸へ向かうが、途上で命の恩人の死を知り、メキシコの町に墓参に訪れる。だがそこで、麻薬カルテルと戦うことに! 迫力溢れる出色の冒険アクション。
  • 空中庭園の魔術師
    4.5
    〈ロンドン警視庁特殊犯罪課4〉 魔術に魅せられた建築家が設計したスカイガーデン・タワーに隠された、驚くべき秘密!? きっかけはロンドン郊外で起きた交通事故だった。車内にあった謎の血痕から、やがて顔を散弾でつぶされた女性の死体が森の中で発見される。そして都市計画を担当する役人の不可解な投身自殺に、身体を内側から焼かれたプロの金庫破りの死体……すべての事件に“顔のない男”の魔手が見てとれた。事件を追ううちに、ピーターとレスリーはドイツから亡命した高名な建築家が設計した高層住宅“空中庭園(スカイガーデン)”へと行き着くが……/掲出の書影は底本のものです
  • ようこそグリニッジ警察へ
    -
    パツィは、問題刑事の吹きだまりグリニッジ署に飛ばされた。少女レイプ犯に過剰な暴力をふるったせいだ。いやそもそも、華麗なる一族に生まれ、金にも不倫相手にもぜんぜん不自由せず、上司の言うことをロクにきかない彼女が煙たがられていたのかも。そして着任早々、火葬される死体が別人のものにすり替えられて灰になるという奇妙な事件が発生した!
  • 六人目の少女
    3.9
    森のなかで見つかった六本の左腕。それは、世間を騒がせる連続少女誘拐事件の被害者たちのものだと判明する。しかし、誘拐された少女は五人だった。六人目の被害者は誰なのか。失踪人捜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケス捜査官は、高名な犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともに特別捜査班に加わることになる。だが、警察の懸命の捜査を嘲笑うかのように、犯人は少女の遺体を次々と発見させて……。 バンカレッラ賞、フランス国鉄ミステリ大賞、マッサローザ文学賞、カマイオーレ推理小説賞、ベルギー推理小説賞など数々のミステリ賞に輝いた息もつかせぬ傑作サイコサスペンス!
  • ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕
    4.2
    英国情報部〈サーカス〉の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーは、困難な任務を託された。二重スパイはかつての仇敵、ソ連情報部のカーラが操っているという。スマイリーは膨大な記録を調べ、関係者の証言を集めて核心に迫る。やがて明かされる裏切者の正体は? スマイリーとカーラの宿命の対決を描き、スパイ小説の頂点を極めた三部作の第一弾。著者の序文を付した決定版電子書籍化
  • さらば愛しき女よ
    4.0
    前科者大鹿マロイは、出所したその足で以前別れた女を捜し始めたが、またもや殺人を犯してしまった。たまたま居合せた私立探偵マーロウは、警察に調べられる。その後彼はある事件を依頼された……。全篇に流れるリリシズムとスリルと非情な眼は、既に探偵小説の域を超え独自の世界を創り上げている。
  • 満潮に乗って
    3.7
    大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死し、莫大な財産は若き未亡人が相続した。戦後、クロード家の人々はまとまった金の必要に迫られながら、後ろ盾のゴードンを失くし窮地に立たされる。“あの未亡人さえいなければ”一族の思いが憎しみへと変わった時……戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。

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  • 謎のクィン氏
    4.1
    窓に映る幽霊の影が目撃したもの。事件当日にメイドが大空に見た不吉な兆候。カジノのルーレット係の奇怪な振る舞い。一枚の絵が語る自殺の真相──事件の陰にドラマあり。神秘の探偵ハーリ・クィン氏と、人生の観察者サタースウェイト氏の名コンビ登場。幻想的な連作短篇十二篇。

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  • 青列車の秘密
    3.8
    走行中の豪華列車内で起きた陰惨な強盗殺人。警察は被害者の別居中の夫を逮捕した。必至に弁明する夫だが、妻の客室に入るところを目撃されているのだ。だが、偶然同じ列車にのりあわせたことから、事件の調査を依頼されたポアロが示した犯人は意外な人物だった! 初期の意欲作が登場。

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  • ファイアーウォール 上
    3.8
    19歳と14歳の少女がタクシー運転手を襲う事件が発生。19歳のソニャがハンマーで殴り、14歳のエヴァがナイフで刺した。逮捕された少女たちは金ほしさの犯行だと自供、反省の色はない。ヴァランダーには彼女たちが理解できなかった。あまりにふてぶてしい二人の態度。尋問の席で母親を罵倒し殴ったエヴァに腹を立てたヴァランダーは、思わず彼女に平手打ちを食らわせてしまう。ところがまさにその瞬間の写真を新聞に掲載されてしまった。味方だと信じていた署長への不信、孤立感に苛まれるヴァランダー。北欧ミステリの巨匠の傑作シリーズ。
  • 背後の足音 上
    4.4
    夏至前夜、三人の若者が自然保護地区の公園でパーティーを開いていた。18世紀の服装、音楽、美味しい料理、ワイン。物陰から彼らをうかがう目があるとも知らず……。イースタ警察署に一人の若者の母親から、娘を捜してくれという訴えがあった。夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ。旅先からの絵はがきは偽物らしい。捜査会議を招集したが、刑事のひとりが無断で欠席した。几帳面な人物が、なぜ?不審に思ってアパートを訪ねたヴァランダーの目の前に、信じられない光景が。CWAゴールドダガー賞受賞シリーズ。
  • 五番目の女 上
    4.1
    父親と二人のローマ旅行は、予想外に楽しいものになった。その素晴らしい一週間が終わり、イースタ警察署に戻ったヴァランダーを待ち受けていたのは、花屋の家宅侵入の通報だった。店主は旅行中で盗まれたものはない。その次には一人暮らしの老人が失踪した疑いがあるとの訴え。一見事件性のなさそうな二件のできごと。だが、老人が濠の中で串刺しの死体となって発見されるに至り、事態は恐るべき様相を見せはじめる……。ヴァランダーを、そしてイースタ署の面々の心胆を寒からしめた奇怪な事件。CWAゴールドダガー受賞作シリーズ。
  • 怪盗ニック全仕事1
    4.0
    ニック・ヴェルヴェットは当代きってのプロの泥棒である。つねに依頼を受けて動く彼が盗むのは、価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないものだけ。報酬は一件につき二万ドル。そんな型破りな条件にもかかわらず、彼のもとには依頼が次々に舞い込んでくる。ターゲットはプールの水、おもちゃのネズミ、プロ野球チーム、使い古しのカレンダー等……それらをニックはどうやって盗む? そして依頼者はなぜ盗ませようとする? 短編の名手ホックが創造した唯一無二の怪盗ニック、その全仕事を発表順に配して贈る全集第1弾、全15編収録。
  • 償いの雪が降る
    4.0
    母子家庭で育ったジョーは実家を出て念願の大学進学を果たす。授業で身近な年長者の伝記を書くことになり、祖父母も父親もいないため介護施設を訪れたところ、末期がん患者のカールを紹介される。カールは三十数年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、病気のため仮釈放され、施設で最後の時を過ごしていた。カールは臨終の供述をしたいとジョーのインタビューに応じる。話を聴き、裁判記録を読むうちにジョーは事件に疑問を抱くようになり、真相を探り始めるが……。バリー賞など三冠、エドガー賞最優秀新人賞最終候補となった衝撃のデビュー作!
  • モリアーティ秘録 上
    3.5
    20世紀前半にロンドンの大銀行の貸し金庫に預けられた謎の回想録。その執筆者はセバスチャン・モラン大佐――ジョワキ戦役の英雄で賭博狂の大物ハンター、そして犯罪王モリアーティの右腕として活躍した傑物であった。犯罪商会(ザ・フアーム)の首魁として様々な犯罪のコンサルティングをこなすジェイムズ・モリアーティが相対してきた個性豊かな犯罪者たちと怪事件。世紀の悪党たちの知られざる活躍を、大胆な発想と魅力的なキャラクターをもって描いた、〈ドラキュラ紀元〉クロニクルで熱狂的支持を受ける博覧強記の著者による破格のホームズ・パスティーシュ。
  • 謀略空港
    3.3
    9・11テロで妹を失ったことをきっかけに、航空保安警備の道に進んだケネディ。卓越したコンサルタントとして、世界各地を一年中飛び回る多忙な彼だが、ある日その飛び抜けた知識と能力に目をつけたCIAから対テロ対策チームへスカウトされる――民間人にもかかわらず、リーダーとして。神出鬼没の冷酷なテロリストが、かつてないテロを計画しているというのだ。ネットワークスペシャリストや元ネイビー・シールズの工作員など、一癖も二癖もあるメンバーを率いて、ケネディはその謀略を阻止できるのか? 面白さ無類のエンターテインメント!
  • 書店猫ハムレットの挨拶
    3.6
    実験的に始めた稀覯本のオンラインショップや、新設したコーヒー・バーなどが順調で、それなりに繁盛しているニューヨークの書店。オーナーのダーラは、書き入れどきの感謝祭を目のまえにして張り切っていた。片や書店のマスコットの黒猫ハムレットは相変わらず気ままに昼寝をしたり、シャーと威嚇したり。大変なのは、友達以上恋人未満の関係だった刑事リースの婚約者につきあわされることくらいという日々を送っていたダーラだが、近所でとんでもない事件が発生して……。黒猫名探偵シリーズ完結編!
  • 誰かが嘘をついている
    4.2
    放課後の理科室で、5人の高校生がルール違反の罰として教師に作文を書かされていた。そのなかの1人、サイモンが突然苦しみだし、病院搬送後に死亡してしまう。死因はアレルギーのアナフィラキシーショックで、警察は事件性があると判断した。サイモンは生徒たちのゴシップを暴露するアプリを運営しており、現場にいた4人の生徒は全員が彼のアレルギーを知っていたうえ、さまざまな秘密を握られていたのだった。4人は一人称で、順繰りに事件について語っていく。いったい、誰が何を隠しているのか。巧みな構成が光る必読の謎解きミステリ!/解説=若林踏
  • 天国通り殺人事件
    3.0
    刑事時代、逃走する犯人の車輛の前に立ちはだかったことから、集団自殺するというネズミにちなんで“レミング”と呼ばれているヴァリシュ。ある日、カフェで見知らぬ男に絡まれる。店を出て路地に逃げ込むと、そこには白い手袋をつけピストルを握った男がいた。白手袋の男は、カフェから“レミング”を追ってきた男の頭を撃ち、“レミング”にピストルを渡して立ち去った。このままでは殺人犯にされてしまう! 真相を突き止めるため、“レミング”は被害者が勤めていた療養所に患者として潜入するが……。ブルグドルファー・ミステリ大賞受賞作。
  • 悪女
    3.0
    20世紀初頭のバルセロナ。町では幼い子どもが何人も失踪し、子どもをさらって貪る化け物の仕業だという噂が立つ。そして今日また一人、新たな子どもが姿を消し、さらに頸動脈を噛みちぎられた男の死体まで発見された。血に飢えたその化け物の名は、エンリケタ・マルティ。人間の魂を刈り取る「私」という全知の存在が、失踪事件を追う刑事たちやエンリケタの手下、家族などさまざまな人物の視点で、「吸血鬼」と呼ばれた稀代の悪女の恐ろしさとおぞましさを語り尽くす。犯罪捜査官である著者が、犯罪者の実話に材を得て描いた戦慄の物語。
  • 蝶のいた庭
    3.9
    FBI特別捜査官のヴィクターは、若い女性の事情聴取に取りかかった。彼女は〈庭師〉と呼ばれる男に拉致された10名以上の女性とともに警察に保護された。滝や小川があり、蝶が飛びかう楽園のような〈ガーデン〉――完全防音で随所に監視カメラが設置され、外界から隔離された秘密の温室に、彼女たちはコレクションとして軟禁されていたのだ。女性の口からじわじわと明かされていく事件の全貌に、恐ろしい犯罪に慣れているはずの捜査官たちが戦慄する。おぞましくも美しいこの地獄でいったい何が起きたのか。一気読み必至、究極のサスペンス!
  • クリスマスに少女は還る
    4.0
    クリスマスも近いある日、二人の少女が町から姿を消した。州副知事の娘と、その親友でホラーマニアの問題児だ。誘拐か? 刑事ルージュにとって、これは悪夢の再開だった。十五年前のこの季節に誘拐され殺されたもう一人の少女――双子の妹。だが、あのときの犯人はいまも刑務所の中だ。まさか……。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れて言う。「わたしはあなたの過去を知っている」。一方、何者かに監禁された少女たちは、奇妙な地下室に潜み、力を合わせて脱出のチャンスをうかがっていた……。一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻をきわめたプロットに唸る。では、新鋭が放つ超絶の問題作をどうぞ!/解説=萩原香※紙書籍版とはカバー画像が異なります。
  • レイチェル
    4.0
    従兄アンブローズ――両親を亡くしたわたしにとって、彼は父でもあり兄でもある、いやそれ以上の存在だった。彼がフィレンツェで結婚したと聞いたとき、わたしは孤独を感じた。そして急逝したときには、妻となったレイチェルを、顔も知らぬまま恨んだ。が、彼女がコーンウォールを訪れたとき、わたしはその美しさに心を奪われる。二十五歳になり財産を相続したら、彼女を妻に迎えよう。しかし、遺されたアンブローズの手紙が、想いに影を落とす。彼は殺されたのか? レイチェルの結婚は財産めあてか? せめぎあう愛と疑惑のなか、わたしが選んだ答えは……もうひとつの『レベッカ』として世評高い傑作。
  • 死のオブジェ
    3.7
    画廊で殺されたアーティスト。胸の上には一枚のカードがタイトルのように「死」と告げていた。NY市警には、同じオーナーの画廊で12年前に起きた猟奇殺人事件との関連を示唆する手紙が届く。切り刻まれ、オブジェとして展示されたアーティストとダンサーの死体。捜査を担当したマーコヴィッツは、容疑者の自白を信じていなかった。マロリーの再捜査は関係者たちの秘密を容赦なく暴き、閉ざされた過去をこじ開ける。娘の死と同時に失踪した画家の行方は? 膨大に遺されたマーコヴィッツのメモが指し示す真犯人は? 伏魔殿のようなアート業界に踏み込んだマロリーに、市警を牛耳る何者かの捜査妨害が……シリーズ第3弾!/解説=穂井田直美
  • アマンダの影
    3.6
    マロリーが殺された? 部下の報告で検視局に駆けつけたライカーが見たのは、彼女の名前の入ったブレザーを着た別人の死体だった。身元を突き止めたマロリーとライカーは、被害者アマンダ・ボッシュの住居を調査する。くまなく掃除された部屋。消去された名簿ファイル。彼女自身のことを書いたと思われる小説原稿。そして猫――唯一の目撃者? マロリーは復元した名簿を手がかりに高級コンドミニアムに潜入し、容疑者たちに仮借ない捜査の手を伸ばす。上流階級の虚飾の下に澱む策謀と欲望。ひとりの女を死に追いこんだ「嘘つき」は誰なのか? 善悪の彼岸に立つ、非情にして無垢なヒロインの活躍を描く、シリーズ第2弾!/解説=川出正樹
  • 氷の天使
    3.7
    キャシー・マロリー。ニューヨーク市警巡査部長。主にコンピュータ・ハッキングで発揮される天才的な頭脳と、張り込みや尾行ができないほどの鮮烈な美貌の持ち主。盗みと逃走に明け暮れ、孤独を友とした幼年時代ゆえに心に深い傷を持ち、感情を他人に見せることはない。彼女には善も悪もない。あるのは目的の遂行だけ。里親である刑事マーコヴィッツが捜査中に殺され、勝手に捜査を引き継いだ彼女は、裕福な老婦人ばかりを狙う連続殺人鬼を追いはじめる。怪しい霊媒、大魔術師の未亡人、自閉的なチェスの天才児……奇矯な人物の絡み合いに隠された真実は? ミステリ史上最もクールなヒロインの活躍を描くシリーズ第1弾!/解説=豊崎由美
  • 愛おしい骨
    3.9
    【第1位『このミステリーがすごい!2011年版』海外編】十七歳の兄と十五歳の弟。ふたりは森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。家政婦ハンナに乞われ二十年ぶりに帰郷したオーレンを迎えたのは、過去を再現するかのように、偏執的に保たれた家だった。夜明けに何者かが玄関先に、死んだ弟の骨をひとつひとつ置いてゆく。一見変わりなく元気そうな父は、眠りのなかで歩き、死んだ母と会話している。これだけの年月を経て、いったい何が起きているのか? 半ば強制的に保安官の捜査に協力させられたオーレンの前に、町の人々の秘められた顔が、次第に明らかになってゆく。迫力のストーリーテリングと卓越した人物造形。著者渾身の大作。/解説=川出正樹
  • コードネーム・ヴェリティ
    3.7
    第二次世界大戦中、ナチ占領下のフランスでイギリス特殊作戦執行部員の若い女性がスパイとして捕虜になった。彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制され、インクと紙、そして二週間を与えられる。その手記には、親友である補助航空部隊の女性飛行士マディの戦場の日々が、まるで小説のように綴られていた。彼女はなぜ物語風の手記を書いたのか? さまざまな謎がちりばめられた第一部の手記。驚愕の真実が判明する第二部の手記。そして慟哭の結末。最後の最後まで読者を翻弄する圧倒的な物語!
  • 書店猫ハムレットの休日
    4.0
    ハムレットは、ダーラが経営するニューヨークの書店の気むずかしいマスコット猫。空手大会に出場したダーラの動きを真似る動画がネットで拡散し、ハムレットは空手キャットとして一躍人気猫に。全米キャット・ショーに特別ゲストとして招かれたのもそのためだ。凍えるニューヨークから、快適な気候のフロリダへ旅立ったダーラたち一行。意外にもショーの来場者から注目されるのにまんざらでもない様子のハムレットだったが、一大事件が勃発! 書店を飛び出した書店猫が大活躍のコージー・ミステリ第3弾。
  • 秘密だらけの危険なトリック
    4.0
    ブレットキャッチ――それは、銃から撃たれた弾丸を口で受けとめるという究極のマジック。かつてそのパフォーマンス中に死亡したという著名なマジシャンの生涯を描く映画が撮影中だが、あまり売りがなくて、ヒットは見込めそうにない。ただし撮影中、現実のように死者が出れば話は別だけど……誰かが自分を殺そうとしているのではと怯える主演男優から、同窓生のよしみで助けを求められたマジシャンのイーライ。赴いた撮影現場はなるほど事件が起きそうな雰囲気で……。楽しく、お洒落なユーモア・ミステリ!
  • 領主館の花嫁たち
    3.5
    1840年、当主の妻を若くして失ったその領主館は、悲しみに沈んでいた。そして、愛らしい双子の姉妹の家庭教師として館を訪れたテティことテターマンもまた、癒しがたい傷を負う身であった。屈託なく懐いてくる、瓜二つの双子の姉妹に、徐々に生きる希望を取り戻していくテティ。しかし、館に頻発する怪異が、テティと双子の姉妹の運命を容赦なく翻弄していく……。一族の恐ろしくも美しい秘密とは? 巨匠ブランドが持てる技巧のすべてをつぎ込んで紡ぎあげた、予測不能、美麗にして凄絶なるゴシック小説!/解説=戸川安宣
  • 死体は笑みを招く
    3.6
    ドイツ、2006年6月。オペル動物園で左腕と左足が切断された死体が発見される。首席警部オリヴァーと相棒のピア、そして捜査課のメンバーたちが乗り出し、死んでいたのは高校教師で環境保護活動家のパウリーだと判明する。彼はたくさんの生徒たちから慕われていたが、同時に動物園付近の道路建設による環境破壊や動物園の動物虐待を批判し、さまざまな人間に憎まれていた。捜査が進めば進むほど、パウリーを殺す動機を持つ者が浮上する。さらにピアに危険が迫り……。謎また謎の展開と緻密極まる見事な伏線。リーダビリティに溢れた傑作警察小説!
  • 北京から来た男 上
    4.5
    凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの小さな谷間の村に足を踏み入れた写真家は、信じられない光景を目にする。ほぼすべての村人が惨殺されていたのだ。ほとんどが老人ばかりの過疎の村が、なぜ。休暇中のヘルシングボリの女性裁判官ビルギッタは、亡くなった母親が事件の村の出身であったことを知り、一人現場に向かう。事件現場に落ちていた赤いリボン、防犯ビデオに映っていた謎の人影……。事件はビルギッタを世界の反対側、そして過去へ導く。刑事ヴァランダー・シリーズで人気の北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルの集大成的大作。

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