小説
ウッドハウス没後のファン作品
キリスト教やヨーロッパ史を知るほどに深く味わえる…気がする。
(主人公のバーティは英国貴族で、歴史に絡めてご先祖の栄光を語ったりする)
●p86 滞在先の館の主を評して
田舎の大建築物に一家言ある僕からすれば、サー・ヘンリーなるじいさんは当主として称賛すべ
...続きを読むき務めを果たしていると言わざるを得なかった。おそらくはアン女王の治世に建てられ、スペイン継承戦争といった利の大きな遠方での争いごとでせしめた品々が、かつら頭の先祖によりむやみに溜め込まれてきたのは容易に窺えた。
●p126 有能執事ジーヴズとのやりとり
「その時代にはもう、かのアイザック・ニュートンが偉業を成し遂げていたはずだよな?
「物理学の知識の普及は、著しく遅れていたのでありましょう
●p292
すでにトラピスト会士の年次総会 ーそんなものがほんとうにあればだがー をも凌ぐ静けさに包まれていたので、この場面での沈黙にはもうさほど驚きはしなかった。