コーマックマッカーシーの作品一覧

「コーマックマッカーシー」の「悪の法則」「越境」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ステラ・マリス
    4.0
    1巻3,080円 (税込)
    1972年。二十歳の数学者アリシアは、自ら望んで精神科病棟へ入院した。医師に問われるままに彼女は語りはじめる――数学と死に魅せられた自身の人生、原爆の開発チームにいた父、早世した母、そして最愛の兄ボビー。静かな対話から、孤高の魂の痛みが浮かび上がる。『通り過ぎゆく者』の裏面を描く異色の対話篇
  • 通り過ぎゆく者
    3.5
    1巻4,180円 (税込)
    1980年、ミシシッピ州。サルベージダイバーのボビーは深海に沈んだ飛行機に潜るが、それ以降、周囲に不穏な影が見え隠れしはじめる。亡き妹への思いを心の奥底に抱えたまま、彼は広大で無情な世界をさまようが……。アメリカ文学の巨匠が描く喪失と受容の物語。『ザ・ロード』の巨匠コーマック・マッカーシー最後の二部作登場
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン
    4.3
    1巻1,650円 (税込)
    コーエン兄弟監督映画「ノーカントリー」原作 ヴェトナム帰還兵モスがメキシコ国境付近で発見した死体と大金が、更なる殺戮を呼ぶ。〈国境三部作〉後の衝撃作。解説/佐藤究
  • ザ・ロード
    4.0
    1巻880円 (税込)
    空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとして――。世界は本当に終わってしまったのか? 現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長篇。ピュリッツァー賞受賞作。
  • 平原の町
    4.1
    1巻1,166円 (税込)
    19歳になったジョン・グレイディ・コールは国境近くの牧場で働いていた。メキシコ人の幼い娼婦と激しい恋に落ちた彼は、愛馬や租父の遺品を売り払ってでも彼女と結婚しようと固く心に決めた。同僚のビリーは当初、ジョン・グレイディの計画に反対だった。だがやがて、その直情に負け、娼婦の身請けに力を貸す約束をする。運命の恋に突き進む若者の鮮烈な青春を、失われゆく西部を舞台に謳い上げる、国境三部作の完結篇。
  • すべての美しい馬
    4.0
    1巻1,166円 (税込)
    1949年。祖父が死に、愛する牧場が人手に渡ることを知った16歳のジョン・グレイディは、自分の人生を選びとるために親友と愛馬と共にメキシコへ越境した。途中で年下の少年を一人、道連れに加え、三人は予想だにしない運命の渦中へと踏みこんでいく。至高の恋と苛烈な暴力を鮮烈に描く永遠のアメリカ青春小説。
  • ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤
    4.2
    1巻1,320円 (税込)
    19世紀半ばのアメリカ。14歳で家出した少年は、放浪の末にインディアン討伐隊に加わった。異形の大男ホールデン判事とともに、一行は荒野をわたり、暴虐の限りをつくす旅をつづけるが。美しく情け容赦のない世界と、そこで生きる人々の生と死を冷徹な筆致で描き上げたマッカーシー初期の代表作
  • 越境
    4.1
    1巻1,496円 (税込)
    16歳のビリーは、家族の家畜を襲っていた牝狼を罠で捕らえた。いまや近隣で狼は珍しく、メキシコから越境してきたに違いない。ビリーは傷ついた牝狼の姿を見るうちに、故郷の山に帰してやりたいとの強い衝動を感じる。父の指示には反して、彼は家族には何も告げずに、牝狼を連れ国境を不法に越えた。その長い旅路の果てに底なしの哀しみが待ちうけているとは知らず――孤高の巨匠が描き上げる、美しく、残酷な青春小説
  • 悪の法則
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    麻薬取引に手を染めた弁護士の男。一度儲ければそれでおしまいのはずだった。しかし、彼は自分がいつの間にか断崖の縁に追い込まれていることに気づく。そして彼にも、彼の周囲にも容赦のない暴力が襲いかかる――ピュリッツァー賞を受賞したアメリカの巨匠が描く傑作クライムサスペンス。リドリー・スコット監督、マイケル・ファスベンダー主演映画化。
  • チャイルド・オブ・ゴッド
    4.1
    1巻2,200円 (税込)
    1960年代のテネシー。孤独で暴力的な若者レスター・バラードは、凄惨な連続殺人に手を染める。ピュリッツァー賞受賞作家が1973年に著した、死と暴力と性に彩られた問題作がついに邦訳!

ユーザーレビュー

  • すべての美しい馬

    Posted by ブクログ

    イアン・マキューアンを読んで以来、現代海外文学の面白さに気づき、いろいろ読んでみたくなった。で、コーマック・マッカーシーを手に取ってみた。
    本作はメキシコが舞台の辺境3部作の一冊。

    いや〜面白かった。なんだろう。久しぶりの感覚。起承転結ありの正統派小説。血生臭くてグロくてあまりにも残酷な成長物語。

    馬と暮らしたい、牧場で働きたいとの漠然とした気持ちからグレイディは友達のロリンズと馬に乗り、テキサス州からメキシコへ国境を越えて行く。野宿をし銃で狩った兎をバラして食べ、川の水を飲み行く宛を探しながら旅をする。命の危険と隣合わせの旅。途中で見ず知らずの少年に会う。この少年も銃と立派な馬を持ってい

    0
    2025年09月30日
  • 平原の町

    Posted by ブクログ

    国境三部作のうち、すべての美しい馬と越境には幾度も目を通していたものの、この平原の町は未読のままだった。前二作が余りに素晴らしかったためその続編たる本作には何となく期待を裏切られそうな気もしてずっと手を出さなかったのだ。だが流石はマッカーシーいざ目を通してみればその心配は杞憂に終わった

    ジョンに起きた悲劇はキリスト教では邪悪な生き物とされる山犬(ジャッカル)の仔犬を彼が助けたことでもたらされた災いのように思えてならない

    0
    2025年07月04日
  • ザ・ロード

    Posted by ブクログ

    ハーラン・エリスンの「少年と犬」と並び、私のなかでは2大ディストピア小説。大好きだ。荒廃した世界で生きるために静かに移動し続ける父と息子。何度も読んでいるせいか時々断片的に夢に見る。

    0
    2025年06月13日
  • 越境

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大まかなストーリーは背表紙に、捕まえた狼を故郷のメキシコへ越境して連れて行くと書いてありましたが、3分の1過ぎて予想外の展開に。

    前作よりストーリーのスケールは越境のほうが大きいと思いました。

    プリマ・ドンナや元老兵士そしてジプシー?や旅人が、様々な世界のあり方や捉え方を予言のごとく語ります。彼らにはビリーをどう見ていたのかどう映っていたのか。

    コーマックマッカーシーの本は時と場所を選んで静かに読みたいと思いました。

    0
    2025年04月19日
  • すべての美しい馬

    Posted by ブクログ

    全米図書賞と全米批評家協会賞受賞。映画化されている本作は、後の『越境』と『平原の町』を合わせて〈国境三部作〉と呼ばれる一作目。過酷な運命に翻弄される少年の成長を描く、ロードムービー的冒険譚の名作だと思います。

    あらすじ:
    16歳のジョン・グレイディ・コールは、祖父の死とともに牧場を失うと、一つ上の親友レイシー・ロリンズを誘って旅にでます。それは、高速道路に車が走る時代に、愛馬に乗って自らの居場所を求める越境の旅でした。途中、荒涼とした大地を旅するうちに、後に彼らの運命を翻弄することになる年下の少年と出会い、連れ立って旅を続けた一向に待ち受けていたものとは……。

    翻訳がいいのか、クセのある濃

    0
    2025年04月01日

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