越境

越境

小説・文芸
1,496円 (税込)

7pt

16歳のビリーは、家族の家畜を襲っていた牝狼を罠で捕らえた。いまや近隣で狼は珍しく、メキシコから越境してきたに違いない。ビリーは傷ついた牝狼の姿を見るうちに、故郷の山に帰してやりたいとの強い衝動を感じる。父の指示には反して、彼は家族には何も告げずに、牝狼を連れ国境を不法に越えた。その長い旅路の果てに底なしの哀しみが待ちうけているとは知らず――孤高の巨匠が描き上げる、美しく、残酷な青春小説

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    早川書房
  • 掲載誌・レーベル
    :
    ハヤカワepi文庫
  • タイトル
    :
    越境
  • タイトルID
    :
    1290933
  • ページ数
    :
    688ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年01月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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越境 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ページ数以上に濃い壮大な物語。道中出会う人々の哲学的な世界観に触れることでビリーの非情な運命にも救われる部分があっただろう。善も悪も木や石も全てに物語があるという〈物語〉の部分は再読が必要かも。

    0
    2026年09月22日

    Posted by ブクログ

    途中で出会う、主に三人の挿話や哲学パートあたりを読み進めるのにとても疲れたが、良い本だった。

    全体的に漂う物悲しい雰囲気、美しい情景の描写、孤独感。喪失。
    ビリーの涙に胸が締め付けられる。読後の余韻がしばらく抜けなかった。

    0
    2026年07月30日

    Posted by ブクログ

    著者の作品は、映画の脚本としては触れてきたが、小説は初めて読んだ。
    暗喩や挿話が多く、読み進めるのに体力が必要な文章。
    3度にわたる越境がビリーに大きな喪失をもたらすことになるが、成長や教訓のようなポジティブな要素を安易に提供してはくれない。
    アメリカと異なり、野生的な世界を感じさせるビリーから見たメキシコは観念的で、神話の世界のようでもある。

    3部作の1作目を読まずに本作を手に取ったが、全く問題なし。ただ、3作目は1作目の主人公とビリーが共演するようなので、1作目から読んでみたくなった。

    0
    2025年03月16日

    Posted by ブクログ

    は!コーマックマッカーシーの「越境」をだいぶ前に読み終わったのに読んだを書いていない。さらに前に読んだ「すべての美しい馬」も。読書中にかなり消耗したし読後は気持ちが昂っているから寝かそうとしているうちに時間が経っちゃった。でも今でもあんまり書けないな。好きな作家なんだな

    0
    2025年08月10日

    Posted by ブクログ

    コーマック・マッカーシー著作初読。

    感情をほとんど排除した、乾いた、粛々と綴られる文体は、
    アメリカ南部、メキシコの荒涼とした風景の写像そのものだ。
    文体が光景を生み、光景が文体を生み出す。

    そこには広大で荒涼とした光景がある。
    馬の蹄の音、風、雨等の自然音のみが反響する。
    17歳の青年は馬に跨り、冷然と過酷な旅路を行く。
    大人への階段、運命の旅。

    まるでアッバス・キアロスタミの映画を観ているようだ。
    素晴らしい作品。

    0
    2012年07月05日

    Posted by ブクログ

    読後しばらくしてから、じわじわと話が心に沁みてきた。
    細部を咀嚼し切れていないので、あくまで感覚的なものだけれど、無性に胸が詰まる。
    この作品(「すべての美しい馬」もそうだけれど)における「メキシコ」とは、“どこか別の場所”ってことなんだろう。自分が生まれ育った世界(=アメリカ)ではない、異世界。
    希望も絶望も、夢も血も暴力も、何もかもが混沌とした場所。
    ビリーは運命に流されて三回の越境をしているように見えるけど、ただ流されているのではなくて、そこには彼の意思があっての選択だったのだと思う。

    0
    2011年01月04日

    Posted by ブクログ

    コーマック・マッカーシー氏の国境三部作の第二作目。
    アメリカ南西部とメキシコを舞台に大自然と人々との関係を描く。雄大な自然と過酷な運命。出来事全てを等価に扱い、残酷さも慈愛も綯い交ぜにしてある意味で無関心かつ突き放す文体はとても哲学的。
    主人公である16歳のビリー・パーハムは内的な衝動で行動し、ビリーを襲う不条理な運命はまるで聖書のヨブのよう。それなのにビリーの心理描写や感情変化はほぼ描かれる、メキシコで出会う人々の剥き出しの人間性との繋がりのなかで読者に伝えられる。
    16歳にしてハードボイルドでタフガイ。しかし美しい情景が目に浮かぶ文章は詩的。魅力的な作品。

    0
    2026年02月13日

    Posted by ブクログ

    舞台は1940年代のアメリカ・メキシコ国境地帯。主人公の少年は、三度び国境を越え、馬に乗ってメキシコの地を延々と放浪する。
    一度目は捉えた雌狼を生まれた地に送り届けに、二度目は盗まれた馬を取り戻すために、三度目は生き別れた弟を探しに。
    主人公は孤独な旅を逞しく続けるが、その過程であらゆるものを抗いがたい暴力によって喪失していく。
    壮大で厳格な喪失の物語である。

    文庫本で600ページを超える大作だが、最初の1、2ページを読んだところで、あまりの読みにくさに挫折しそうになった。
    独特な言葉遣いと長いセンテンス、詩的な情景描写、短い言葉を交わすだけのダイアログ、場面の切り替わりのわかりづらさ。
    心理描写は極力排除され、ただひたすら事物だけが描かれていく。
    特に、主人公が放浪の過程で出会う人物によって語られる挿話が長くて哲学的・宗教的で難解で、心が折れそうになるが、そこを乗り越えたときに頭で理解するのとは異なる、深淵な何かが確かに生じるのだ。
    主人公の旅に付き合うことで、時間感覚や地理感覚が拡張されていく感じ。

    先般(2023年6月)亡くなったコーマック・マッカーシーの「国境三部作」の2作目とされる。
    1作目の『すべての美しい馬』より先に読んでしまった。
    三部作すべてを読んでみたい気はするが、相当なスタミナが要求されそうだな…

    0
    2023年09月23日

    Posted by ブクログ

     1994年発表 、コーマック・ マッカーシー著。少年ビリーは家畜を襲っていた狼を捕らえた。狼を故郷の山に帰すためにメキシコへ一度目の越境するが次々に悲劇に見舞われる。そして弟のボイドとともに二度目の越境、更に三度目の越境と連なり、ビリーは全てを失ってしまう。読点を極力省いた息の長い文章、鉤括弧を使わない独特な文体。
     マッカシーらしい荒野を馬で旅するロードノベルといった小説だったが、かなり哲学描写に振り切っているため全体的に神話を読んでいるような印象があった。純粋に話として面白く美しいのは前半の狼を帰す一度目の越境だろう。狼の存在が気高くて生々しく、読んでいると泣きそうになってくる。しかし中盤以降に登場する「崩れかけの教会に住み神に議論を挑む男」「目玉を吸われ盲目になった元革命軍兵士」「墜落した飛行機を運ぶジプシー」の挿話も捨て難い魅力がある。三つとも一見シュールな状況なのだが語られる哲学的考察はあまりにシリアスで、それだけで一つの小説として成り立ちそうな密度がある。二度目・三度目の越境自体はやや冗長な気もするが(特に馬を取り返そうとするシーンは「すべての美しい馬」とかぶっている)、これらの挿話を挟むためには必要だったのだろう。
     それにしてもマッカーシーの小説を読んでいて感じるのは、獣・人間が荒野に均等に配列されているという印象だ(そして荒野の上空には「神」や「運命」がある)。おそらく心情描写を徹底的に排除しているせいなのだろう。本小説における狼の親近感はここに起因しているに違いない。つまり、人間特有の心情描写を切り取ってしまえば狼と人間の区別はつかなくなる、ということだ。

    0
    2014年02月25日

    Posted by ブクログ

    【ガンバとカワウソの冒険】みたいな話かと思いきや、中盤手前でえええええという展開に。黙して語らない巨大な暗黒の世界に問いを投げ続ける、ハードな哲学小説になっていく。

    0
    2012年09月11日

越境 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    早川書房
  • 掲載誌・レーベル
    :
    ハヤカワepi文庫
  • タイトル
    :
    越境
  • タイトルID
    :
    1290933
  • ページ数
    :
    688ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年01月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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