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Posted by ブクログ
国境三部作の完結編。『すべての美しい馬』のジョン・グレイディがふたたび登場し、『越境』のビリー・パーハムとともに物語を織り成す。前二作と比べると前半部分は退屈な感が否めないが、後半からぐっと物語は面白みを増す。
本作品は純愛物語であり、マグダレーナに対するジョンの破滅的な愛の物語であり、エドゥアルドの歪んだ愛の物語でもある。理不尽かつ原初的な情感が漂うメキシコで過酷ながらも美しい情景を紡ぐ。エピローグのビリーの物語はやや意外(唐突感?)なものだが、アウトローの終わりを告げる物語として相応しいものかもしれない。荒々しくもロマンティックな時代の終焉に浸れる傑作の三部作であった。
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国境三部作の完結編。
1作目『すべての美しい馬』の主人公ジョン・グレイディと2作目『越境』の主人公ビリーとが共演する。
物語は、二人が同じ牧場に勤めているところから始まる。気のいいオーナーの元、多くのカウボーイ仲間に囲まれて、ジョン・グレイディもビリーも平穏な生活を手に入れたかと思わせる。
しかし、彼らも仲間もどこか落ち着かない。本作でも三部作を通して描かれてきたテーマ、失われつつある西部がモチーフだからだ。彼ら自身、自分たちの生活はもう時代遅れになりつつあり長くは続かないだろうことを知っている。そこから生まれる何とも言えない悲哀が全体に漂っている。
話の本筋は、ジョン・グレイディが惚れた女のために、ナイフでの決闘を挑み、命を落とすという、それ自身ある意味大時代的な筋書きである。
徹頭徹尾、彼は前時代の人間であったのだ。
主人公たちの生活は失われる運命にあった。三部作を通して共通していたのは、その哀愁を、全く大衆迎合的にではなく描ききっているところであり、個人的にはそこがこの三部作の魅力であるように思う。
Posted by ブクログ
「すべての美しい馬」のジョン・グレイディ・コール、「越境」のビリーが「平原の町」では同じ牧場で働いている。
「越境」でのビリーは世捨て人のような、世界に背を向けようが何をしようが、お構いなし、という感じだったが、ここではジョンの兄貴分として、大人になっている。
「すべての美しい馬」のジョンはどう生きるべきなのか、世界にもまだ淡い期待を持っていたように見えた。ここでもそれは変わらない。
そしてジョンは娼婦に恋をする。意味を持つ世界を信じるジョンは娼婦に入れ込み、結婚を申し込む。
ビリーをはじめ、誰もが諦めるようにジョンを説得するが、ジョンは聞かない。
ジョンにはなんとかなる、という淡い期待がある。普通、これを”若さ”として描くのだろうが、マッカーシーは”狂ってる”若者として描く。
やがて、娼婦は殺され、ジョンは死ぬ。
これを単なる愛憎劇と見ることもできる。
だが、生き方を変えられない、自分の物語に縛り付けられた人間の姿にも見える。
過去も未来も、そして歴史の中でも、人は物語を作り続ける。
夢の中でも。
それが人間なのかもしれない。
だが、それを“生きている”と呼べるのかどうかはわからない。
人は人の言葉でしか世界を語れない。
それでも世界は動き続ける。
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