小説 - 光文社文庫作品一覧

  • 幸せスイッチ
    3.8
    両親が急死し、多額の遺産を相続した少女が恋をした。初めての恋が、彼女から財産も将来への希望も、何もかもを根こそぎ奪ってゆく。絶望の末に少女が出会った、すべての苦痛から解放してくれる「幸せスイッチ」とは?(表題作) 一刻を争う病状の幼女を搬送する救急隊員に、母親が無理難題を押しつけて翻弄する「診断」。鬼才が仕掛ける、邪悪で奇妙な6つの物語。
  • セピア色の凄惨
    3.8
    「親友を探してほしい」。探偵は、古ぼけた四枚の写真を手がかりに、一人の女性の行方を追い始める。写真に一緒に写っている人々を訪ねていくが、彼らの人生は、あまりにも捩くれた奇妙なものだった。病的な怠惰ゆえに、家族を破滅させてゆく女。極度の心配性から、おぞましい実験を繰り返す女……。求める女性はどこに? 強烈なビジョンが渦巻く、悪夢のような連作集。
  • 青鳥
    3.8
    「幸福(シンフウ)を見つけておいで」爺爺(イエイエ)の思いを胸に、台湾から日本に戻った小〓(シャオウェイ、〓は草冠に「威」)を待っていたのは、会社の理不尽さ、外資系企業ならではの多様な文化の渦。幸福には程遠い日々。そんな中、EトレードのCD‐ROM制作の仕事に就くことになるが、トラブルの嵐で……。はたして、シャオウェイの「青い鳥」は見つかるのか!? 笑いあり涙あり。切なくも胸躍る痛快小説。
  • 玩具店の英雄~座間味くんの推理~
    3.8
    津久井操は科学警察研究所の職員。実際に起きた事例をもとに、「警察は事件の発生を未然に防ぐことができるか」を研究している。難題を前に行き詰まった彼女に、大先輩の大迫警視正が紹介したのは、あの『月の扉』事件を解決した座間味くんだった。二人の警察官と酒と肴を前にして、座間味くんの超絶推理が繰り広げられ、事件の様相はまったく違うものになっていく!
  • スタート!
    3.8
    伝説的映画監督の大森が、新作『災厄の季節』を撮る! 若き助監督・宮藤映一も現場に臨むが、軽薄なプロデューサーや批判を繰り返す外部団体など周囲には難敵ばかり。軋轢に抗いながらの映画作りが進む中、スタジオで予期せぬ事故が発生! 暗雲立ち込める状況で、完成に漕ぎ着けられるのか――。映画への情熱と、どんでん返しの妙が織りなす、一気読み確実のミステリー!
  • 神様からひと言
    3.8
    大手広告代理店を辞め、「珠川(たまがわ)食品」に再就職した佐倉凉平(さくらりょうへい)。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや……。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。
  • 母親ウエスタン
    3.8
    いつも行く食堂で出会った女の名は、広美といった。気づけば死んだ妻に代わり、子供たちの面倒を見てくれるようになっていた広美。しかしまたある日突然、彼女は家族の前から消えてしまう。身体一つで、別の町へと去って行ったのだ――。家族から次の家族へ、全国をさすらう女。彼女は一体誰で、何が目的なのか? 痛快で爽快な、誰も読んだことのない女一代記。
  • 王を探せ
    3.8
    だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?――その亀取二郎は、2年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐えきれず、彼は憎き強請(ゆすり)屋・木牟田(きむた)を撲殺する……。警察がつかんだのは、犯人が「亀取二郎」という名前であること。だが、東京都近郊だけで同姓同名が40名。やっと絞りだした数人は、みなアリバイをもつ、亀取二郎ばかり。鬼貫・丹那のコンビが捜査するなか、犯人は次なる兇行に及ぼうとしていた!
  • 声を聴かせて
    3.8
    女手一つで娘の奈保子を育てた花江。その奈保子が出産のため里帰りしていた。かつて奈保子には弟がいたが、不慮の事故で亡くなっていた。過去の大きな喪失と、静かに向き合って生きてきた母娘の慟哭を、切なく繊細に描いた表題作。他に、幼稚園で他の子供とうまくやっていけない息子に苛立ち、人間関係に追いつめられていく母の孤独が胸に迫る「ちいさな甲羅」も収録。
  • やすらいまつり
    3.8
    「やすらい花や――」春の京都に響く踊り子たちの掛け声、囃子(はやし)と笛の音。玉村修(たまむらおさむ)はかつて過ごした地にやって来た。決して拭(ぬぐ)えぬ罪の意識を抱えながら。残酷なほどに運命を変えた女に再会するとも知らず……(「やすらいまつり」)。京都の祭りの裏側で激しく燃えさかる欲望の炎。京女の情念と男女の愛憎を、艶やかに優美な筆致で描いた表題作含む6編の官能短編集。
  • 祝山(いわいやま)
    3.8
    ホラー作家・鹿角南(かづのみなみ)のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「胆試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。ネタが拾えれば、と軽い思いで胆試しのメンバーに会った鹿角。それが彼女自身をも巻き込む戦慄の日々の始まりだった。一人は突然の死を迎え、他の者も狂気へと駆り立てられてゆく――。著者の実体験を元にした究極のリアルホラー!
  • アイルランドの薔薇
    3.8
    南北アイルランドの統一を謳(うた)う武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で何者かに殺された! 宿泊客は8人――そこには正体不明の殺し屋が紛(まぎ)れ込んでいた。やはり犯人は殺し屋なのか? それとも……。宿泊客の一人、日本人科学者・フジの推理が、「隠されていた殺意」をあぶり出してゆく! 本格推理界に衝撃を走らせた期待の超新星の処女長編!
  • 約束の地(上)
    3.8
    1~2巻770円 (税込)
    環境省技官の七倉航は、野生鳥獣保全管理センターの八ヶ岳支所に赴任してきた。昔気質の猟師や急進的な動物愛護団体との軋轢、娘・羽純への苛め……。七倉の悩みは尽きない。さらに、老夫婦が野生動物に襲われ死傷。地元猟師が巨大獣に食い殺される事件が! “稲妻”と呼ばれる巨グマの仕業なのか? だが、そこには、稲妻さえもが懼れる怪物の痕跡があった……。
  • 津和野殺人事件~〈日本の旅情×傑作トリック〉セレクション~
    3.8
    浅見光彦(あさみみつひこ)の母が東京・駒込の霊園で殺人事件の第一発見者となった! 被害者は、山陰の小京都・津和野で隠然たる勢力を誇る旧家・朱鷺(とき)一族の長老・勝蔵(かつぞう)だった。事件の真相を追って津和野に向かう光彦は、「赤いトンネル」の記憶に呼び寄せられて津和野を訪れた樋口(ひぐち)母娘とともに、連続殺人事件に巻き込まれてゆく! 歴史を背負った町の光と影を描く旅情推理の傑作!
  • ぶたぶたさん
    3.8
    ちっちゃな手につぶらな瞳。姿はかわいいぶたのぬいぐるみなのに、声が渋くて働き者で、妻と二人の子供もいるって……なに!? 心優しき中年男・山崎ぶたぶたが、ときにパティシエ、ときにボランティア、そしてときに一人の(?)父親として、人々の心をあたため、勇気づけてゆく――。笑って笑って、最後に静かな感動が残る。疲れた心に元気をくれる11の奇蹟の物語。
  • 再びのぶたぶた
    3.8
    小池信江(こいけのぶえ)は、亡き夫との思い出の公園を訪れていた。まさに桜が満開の季節。桜吹雪の中、つい眠り込んでしまった信江に話しかけてきたのは、可愛い点目のぶたのぬいぐるみだった。熱を出して倒れたことから、彼女と彼の不思議な同居生活が始まる……(「桜色七日」)。ほか、心優しきぶたぶたが人々に温かな波紋を拡げてゆく、ハートウォーミング・ストーリー全5編を収録。
  • ねずみ石
    3.8
    真ん中にひと文字「子」という漢字が入った灰色のすべすべとした楕円形の石。神支村の子どもたちが祭りの夜に探す「ねずみ石」は、願いをひとつだけ叶えてくれる――。中学1年生のサトは4年前の祭りの日、一時行方不明になった。その夜、村で起きた母娘殺人の犯人は未だに判明していない。親友セイとともに、祭りを調べていくうち、サトは事件の真相へと迫っていく。
  • はやく名探偵になりたい
    3.8
    人の神経を逆撫でする無神経な言動と、いいかげんに展開する華麗な(?)推理。鵜飼杜夫(うかいもりお)は、烏賊川市でも知る人ぞ知る自称「街いちばんの探偵」だ。身体だけは丈夫な助手の戸村流平(とむらりゅうへい)とともに、奇妙奇天烈な事件解決へと、愛車ルノーを走らせる。ふんだんに詰め込まれたギャグと、あっと驚く謎解きの数々。読めば読むほどクセになる「烏賊川市シリーズ」初の短編集。
  • アリバイ崩し~ベストミステリー短編集~
    3.8
    大阪・枚方のアパートで女性が殺害された。恋人が容疑者としてほぼ確定していたが、スクープを狙う新聞記者の私は、事件を追ううちに真犯人と思しき人物に辿りついた。しかし、彼には二重のアリバイが――。(「北の女」)。堅物刑事が鉄壁のアリバイに挑む「汚点」ほか凝縮された鮎川ミステリー短編五編。鮎川作品の面白さが倍増する未収録エッセイを特別収録。
  • 人を殺す、という仕事
    3.8
    僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。手紙のお陰で、今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが「殺人」を命じるまでは。従わなかった結果――母が死んだ。次は妻や娘たちの番だというのだ。あどけない少女、臨月の妊婦……僕は次々と手を血に染めていく。邪悪で美しい、傑作「暗黒小説」!
  • 四つの署名
    3.8
    月刊誌連載の前に書かれた長編第2作。事件のない退屈をコカイン注射で紛らすホームズという、ショッキングな幕開けから、ホームズの語る“推理の科学”、そしてメアリ・モースタン嬢の持ち込む不思議な事件へと、物語は興味深い展開をみせる。ベイカー街不正規隊(イレギュラーズ)の活躍、依頼人に惚れてしまうワトスン、アグラの財宝にまつわる話など、面白み満載。
  • 人それを情死と呼ぶ
    3.8
    警察は、河辺遼吉が浮気の果てに心中したと断定した。……しかし、ある点に注目した妻と妹だけは、偽装心中との疑念を抱いたのだった! 貝沼産業の販売部長だった遼吉は、A省の汚職事件に深く関与していた。彼は口を封じられたのではないか? そして、彼が死んでほくそ笑んだ人物なら二人いる。調べるほどに強固さを増すアリバイ。驚嘆のドンデン返し。美しい余韻を残す長編。
  • ぶたぶたと秘密のアップルパイ
    3.8
    イラストレーター・森泉風子は、不思議な会員制喫茶店への特別招待券を手に入れた。そこでは、誰にも話せない秘密をひとつ、店員に話さなくてはいけないというのだ。その店員というのが……見た目は可愛いぶたのぬいぐるみだが、中身は心優しき中年男・山崎ぶたぶただった。客たちはみな、ここで心の荷物を下ろし、新しい人生へと踏み出す勇気をもらってゆく――。
  • 終着駅(ターミナル)殺人事件~ミリオンセラー・シリーズ~
    3.8
    青森県F高校の男女七人の同窓生は、上野発の寝台特急「ゆうづる7号」で、卒業後七年ぶりに郷里に向かおうとしていた。しかし、上野駅構内で第一の殺人。その後、次々に仲間が殺されていく――。上野駅で偶然、事件に遭遇した亀井刑事は、十津川警部とともに捜査を開始した。累計一六〇万部の栄光! 第34回日本推理作家協会賞に輝く、愛と郷愁の国民的ミステリー!
  • 半熟AD
    3.8
    番組制作会社の元AD(アシスタント・ディレクター)で、今は無職の田野倉敦(たのくらあつし)、27歳。仕事先を探す中、同居人の先輩に強引に引き込まれ、敦は一般人相手の映像制作会社を手伝うハメに。不本意な仕事ばかり舞い込むが、ある日、天才的な歌声を持つ少女が彼らのもとに現われて――。読めば元気が出ること間違いなし! お仕事小説で話題の著者が贈る、人生賛歌に満ちた爽快エンタテインメント!
  • 変調二人羽織
    3.8
    東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。舞台となった密室にいたのはいずれも破鶴に恨みを抱く関係者ばかり。捜査で続々と発覚する新事実。そして、衝撃の真相は――。伝説的探偵小説雑誌・幻影城の第3回新人賞を受賞した初期の傑作「変調二人羽織」を含む、読者を唸らせる連城ミステリー傑作5編を収録した永久保存版。

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  • 世界でいちばん長い写真
    3.8
    人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!? その日から、宏伸の日常がきらめき始める。ワクワクして胸にジンとくる、青春小説の新たな傑作!

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  • 痺れる
    3.8
    12年前、敬愛していた姑が失踪した。その日、何があったのか。老年を迎えつつある女性が、心の奥底にしまい続けてきた瞑い秘密を独白する「林檎曼荼羅」。別荘地で1人暮らす中年女性の家に、ある日迷い込んできた、息子のような歳の青年。彼女の心の中で次第に育ってゆく不穏な衝動を描く「ヤモリ」。いつまでも心に取り憑いて離れない、悪夢のような9編を収録。

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  • ここに死体を捨てないでください!
    3.8
    妹の春佳から突然かかってきた電話。それは殺人の告白だった。かわいい妹を守るため、有坂香織は、事件の隠蔽を決意。廃品回収業の金髪青年を強引にまき込んで、死体の捨て場所探しを手伝わせることに。さんざんさ迷った末、山奥の水底に車ごと沈めるが、あれ?帰る車がない!! 二人を待つ運命は? 探偵・鵜飼ら烏賊川市の面々が活躍する超人気シリーズ第5弾!

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  • 顔のない十字架 新装版~赤川次郎サスペンス劇場~
    3.8
    25歳のOL・宮川佐知子(みやがわさちこ)は両親を亡くし、弟の親代わりを務めてきた。その弟・秀一(しゅういち)が人をはねてしまった。死んだ男の所持品に「五千万用意しないと一週間過ぎれば娘の命はない」という宛名のない脅迫状(きょうはくじょう)が――。男の正体は? 人質の行方は? 真相を探る佐知子は、やがて殺し屋に心惹かれていく……。女性心理を描いたサスペンス・ミステリーが新装版として登場。

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  • 三毛猫ホームズの十字路
    3.8
    友人・絵美(えみ)の別れ話に立ち会った晴美(はるみ)。男は意趣(いしゅ)返しに絵美のアパートに爆弾を仕掛けた。巻き添えをくった晴美は目が見えなくなってしまう。片山(かたやま)は犯人の母親を尾行(びこう)し、団地に行き着く。そこでは、幼女を襲う犯罪が多発していた。団地をパトロール中の元刑事が、誤って無実の男を殺してしまう。さらに爆破犯の姉が死体で発見され……。様々に交錯する事件の結末は!?

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  • 三毛猫ホームズの歌劇場
    3.8
    美人からの熱烈なキスでウィーンに迎えられた片山ら三毛猫ホームズ一行。さっそく謎の日本人女性ピアニスト行方不明事件の相談をもちかけられてしまう。皆でオペラを楽しみに行けば、片山がボックス席に監禁されるし、その上奇妙な殺人事件に巻き込まれて……。

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  • 交換殺人には向かない夜
    3.8
    不倫調査のため、使用人を装い山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫(うかいもりお)。ガールフレンドに誘われ、彼女の友人の山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平(とむらりゅうへい)。寂(さび)れた商店街で起こった女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。無関係に見えた出来事の背後で、交換殺人は密(ひそ)やかに進行していた……。全編にちりばめられたギャグの裏に配された鮮やかな伏線! 傑作本格推理。

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  • 密室に向かって撃て!
    3.8
    烏賊川市警(いかがわしけい)の失態で持ち逃げされた拳銃が、次々と事件を引き起こす。ホームレス射殺事件、そして名門・十乗寺(じゅうじょうじ)家の屋敷では、娘・さくらの花婿(はなむこ)候補の一人が銃弾に倒れたのだ。花婿候補3人の調査を行っていた《名探偵》鵜飼(うかい)は、弟子の流平(りゅうへい)とともに、密室殺人の謎に挑む。ふんだんのギャグに織り込まれた周到な伏線。「お笑い本格ミステリー」の最高峰!

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  • 密室の鍵貸します
    3.8
    しがない貧乏学生・戸村流平(とむらりゅうへい)にとって、その日は厄日(やくび)そのものだった。彼を手ひどく振った恋人が、背中を刺され、4階から突き落とされて死亡。その夜、一緒だった先輩も、流平が気づかぬ間に、浴室で刺されて殺されていたのだ! かくして、二つの殺人事件の第一容疑者となった流平の運命やいかに? ユーモア本格ミステリの新鋭が放つ、面白過ぎるデビュー作!

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  • 茜色のプロムナード ~杉原爽香三十歳の春~
    3.8
    〈G興産〉で新しい高齢者用ケア付きマンションの準備計画に加わり、爽香は多忙な毎日。 建設候補地に住む門倉矢市郎(かどくらやいちろう)は、定年後の静かな生活が一転、妻を脳出血で突然失う。更に、借金を抱える息子夫婦が、立ち退き料のつり上げを画策する……。一方、明男(あきお)に思いを寄せる三宅舞(みやけまい)にも危険な影が忍び寄る! 登場人物が読者とともに年齢(とし)を重ねる画期的シリーズ第16弾!

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  • 緋色の研究
    3.8
    ホームズとワトスンが初めて出会い、ベイカー街221Bに共同で部屋を借りた、記念すべき第1作。ワトスンへの第一声「あなた、アフガニスタンに行っていましたね?」は、ホームズが依頼人の過去を当てる推理のはしり。第一部はホームズたちの出会いから殺人事件解決まで。第二部は犯人の告白による物語で、米ユタ州からロンドンにいたる復讐劇。

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  • 小豆色のテーブル 杉原爽香二十四歳の春
    3.8
    杉原爽香、24歳の春。恋人の明男が殺人を犯した衝撃を乗り越え、高齢者向けケア付きマンションで働く爽香。担当になった元大女優・栗崎英子の子どもたちが財産目当てに計画した偽装誘拐事件に巻き込まれたうえに、爽香に共犯の疑いが! 一方、勾留中の明男に判決の時が近づいていた……。登場人物が読者とともに年齢を重ねる画期的シリーズ第10弾!

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  • 三毛猫ホームズの四季
    3.8
    「それで――誰が夏子姉さんを殺すの?」 警視庁の片山義太郎は、殺人事件の捜査のため、中華料理店の一室に張り込んでいた。隣りの部屋では、事件の参考人・笠倉真一とその姉妹たち――春子、秋代、冬美が大いにしゃべりあいながら食事中。その最中に飛び出したショッキングな発言! はたして、夏子の死体が発見されて……さあ、三毛猫ホームズの出番だ!

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  • 間者~鬼役(六)~
    続巻入荷
    3.7
    6~34巻660~770円 (税込)
    将軍の毒見役、鬼役の矢背蔵人介は、鈴振り谷で強盗に狙われた。難なく退治したあとに残された一枚の駕籠図。そして、一関藩の元藩士が殺害され、老中首座の水野出羽守は毒殺、中奥出入りの医師が斬られた。これらの線がつながったとき、幕府を巡る陰謀が明らかになる――。笑いと涙と爽快感の超一級時代小説。
  • 人参倶楽部
    3.7
    深夜営業の酒場、〈人参倶楽部〉。マスターの元には、それぞれに事情を抱えた客が夜ごと訪れる。不倫に疲れた女、すべてが冗談のような小説家、勤め帰りのホステス、来るはずのない女を待つ男……。人々はグラスを傾けながら、他愛のない言葉を交わし、人生を紡ぐ――。静謐な夜の帳で絡み合う、男と女の儚く哀しい恋愛模様を、透明な文体で描く連作短編。
  • コロナと潜水服
    3.7
    小さな救世主現る!? 5歳の息子は、新型コロナウイルスがいち早く感知できるらしい。この力を無駄にしてはいけない――。父親が取った思いがけない手立てとは? 「コロナと潜水服」(表題作) ほか人生の哀歓溢れる全5編を収録。愛と奇想の奥田マジックが光るファンタジー短編集。
  • 八州狩り~夏目影二郎始末旅(一)~
    3.7
    1~16巻792円 (税込)
    日本橋小伝馬町の牢から出された一人の男。名は夏目影二郎という。罪を犯し遠島となる直前、牢から出された影二郎を待ち受けていたのは、腐敗した八州廻りの大掃除という役目だった。大薙刀を鍛え直した名刀「法城寺佐常」と南蛮外衣で関八州に巣くう者どもに立ち向かう。佐伯泰英の原点の一つともいえるシリーズ第一作!
  • 結ぶ菊~上絵師 律の似面絵帖~
    3.7
    律に着物を注文してくれた裕福な後家の千代は、女の身ながら女郎を身請けするという。千代とともに吉原へと足を運んだ律は、女郎の足抜き騒ぎに巻き込まれてしまう。一方、料亭・尾上の娘で小町と評判の綾乃に上方の男との縁談が持ち上がり、粋人の雪永と長年の想い人、千恵との間もついに――。律の周りで様々な恋模様が動きだす、人気シリーズ第九弾!
  • 白銀の逃亡者
    3.7
    この温かさ、誰かに伝えてください。致死率95%、凶悪なウイルスの大流行が収束した世界。感染から生還した者らは、瞳が白銀色に変化する異能力者、ヴァリアントとなっていた。救急救命科で働く医師岬純也は、公安に追われるヴァリアントの少女悠から接触を受け、ある計画を打ち明けられる。そして純也は、彼らの生存をかけた闘いに巻き込まれてゆく――。読む手が止まらない最高のエンタメ長編!
  • 凡人田中圭史の大災難
    3.7
    田中圭史は64歳。メガバンク・みずなみ銀行のOBで、55歳で転籍した関連会社勤めもあと1年、つつがなく終わるはずだった。しかし、大学の同窓同ゼミで五菱銀行へ就職、合併後のみずなみ銀行で出世した中村が、田中の勤める会社の社長に就任したことから、田中の人生の歯車が狂い始める。「平凡」「無風」すら許されず、荒波には翻弄されるしか術がないサラリーマン人生の晩年を笑いとペーソスで描く。
  • 無縁坂~介錯人別所龍玄始末~
    3.7
    牢屋敷の首打役を務める別所龍玄二十二歳。介錯人・別所一門の名を背負い、切腹する侍の介錯を頼まれることもある。小柄で物静かな姿は童子のようでありながら、その介錯を知る者の間では凄腕と囁かれる。斬る者と斬られる者、その一瞬に生まれる心の働きだけが、ただそこにある――。不浄と呼ばれ、恐れられる首斬人の生き様と矜持。涙溢れるシリーズ第一作。
  • 友が消えた夏~終わらない探偵物語~
    3.7
    一級建築士で探偵の蜘蛛手啓司は、相棒の宮村達也からある事件の記録を渡される。名門大学演劇部の劇団員たちが、夏合宿中、一夜にして首なし白骨死体と化した衝撃的な事件。その詳細な記録が、連続窃盗犯の所持品から見つかったのだ。犯人と目された人物の死体も発見され、事件は一応の決着を見ていたのだが――。本格界の鬼才が剛腕から放つ前代未聞のトリック!
  • 鮫島の貌(かお) 新宿鮫短編集
    3.7
    新宿署に異動直後、上司となる桃井と鮫島との出会い。飛び降り自殺を図ろうとした少年と関わる晶。鮫島の宿敵・仙田、鑑識官の藪……。シリーズに登場する個性的な人物たちの意外なエピソードから、人気コミックの主人公である両津勘吉や冴羽との共演まで。孤高の刑事・鮫島の知られざる一面が垣間見える短編が勢揃い。「新宿鮫」にしかない魅力が凝縮された全10作品。
  • サイレント・ブルー
    3.7
    蛇口をひねれば天然水! そんな環境で暮らそうと秋津俊介は八ヶ岳南麓に移住した。病気がちだった息子も元気になり、開業したレストランの経営も順調だったが、ある日突然、井戸に異変が起こり、やがて水が出なくなってしまう。問題を解決しようと奔走するうち、秋津は“水”という自然からの贈り物の本当の価値に気づく――。骨太の社会派エンタテインメント!
  • ぶたぶたのお引っ越し
    3.7
    リタイア後、田舎に移住したいという夫と考えが合わず悩む成実の前に、移住アドバイザーとして登場したのは――(「あこがれの人」)。家賃の安い「告知事項あり物件」に引っ越すことになった詠斗は、挨拶に訪れた隣の部屋で、衝撃の出会いを果たす――(「告知事項あり」)。お引っ越しによる、出会いと別れ。その節目に、不思議なぬいぐるみと出会ったら。心震える3編を収録。
  • 秘密~異形コレクションLI~
    3.7
    〈秘密〉それは幻想怪奇と推理小説を産み出す源泉。今回のテーマは、私たちの最も身近な存在です。それは……秘密――。おそらく、私たちの誰にとっても、ひとつや、ふたつは、密かに持っているものでしょう。誰もが知っている〈秘密〉の味。だからこそ、〈秘密〉をめぐる物語は、魅力的です。あらゆるジャンルを超えた《異形コレクション》という秘密の隠れ家で語られる極上の物語。心ゆくまでご堪能ください。(編集序文より)
  • 廃墟の白墨(はくぼく)
    3.7
    和久井ミモザは、死の床にある父親に届いた薔薇の絵の写真と不可解な手紙に導かれ、大阪に赴く。指定された廃墟のようなビルにいたのは正体不明の三人の男。ここを「王国」と呼ぶ男たちは、父の過去を話し始める。かつて「王国」で起きた忌まわしい事件が語られるうち、ミモザ自身の真実もまた明らかになり――。愛と罪、贖罪が重なり合う、哀切と衝撃の傑作長編。
  • ミサイルマン
    3.7
    凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器……。〈顕現〉と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。愛娘を手に掛けたときに現れた究極の顕現とは?(「枷」) オンナをさらっては殺して埋めていた俺とシゲ。ある日、証拠回収のため掘り出した死体には、とんでもない罠が仕掛けられていた。(表題作) 魂を鷲掴みにされる、史上最凶の7編を収録。
  • 本日、サービスデー
    3.7
    しがないサラリーマンの鶴ヶ崎のもとに、ある日、女の姿をした悪魔が現れた。今日は神さまがくれた、一生に一度の「サービスデー」。どんな願い事も叶う一日だというのだが……。この大チャンスを、彼はどう生かすのか?(表題作) アパートに現れる女性の右手首だけの幽霊と住人の、不思議で心温まる交流(「あおぞら怪談」)。短編の名手が贈る、心に元気をくれる傑作集。
  • 熟れた月
    3.7
    がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。陸上部のエース阿久津先輩に憧れる高校生の結。生まれてから車椅子の生活しか知らない身体の不自由な博。それぞれの運命が絡み合ったとき、人生は思いがけない方向へ……。2017年『愚者の毒』で日本推理作家協会賞を受賞した著者が、底辺で生きる人間たちの業と、不思議な縁を描く。
  • 雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール
    3.7
    雛口依子は、金髪の葵ちゃんからある依頼を受ける。葵の兄が犯人とされ、依子が被害者となった三年前の猟銃乱射事件のルポを共に書こうというのだ。依子と葵、理不尽な世間に押し潰されてきた二人は、取材のためかつて依子が住んでいた「三角屋根の家」を訪ね、「あの事件」の奈落に向き合うが……。暴力と不幸の果て、運命をぶっ壊す女二人の反撃と覚醒の物語。
  • 殺人カルテ~臨床心理士・月島繭子~
    3.7
    誰もが振り返る美貌と豊かな知性。クライエントへの真摯な姿勢。精神科医の資格も持つ月島繭子は、どこから見ても完璧な臨床心理士だ。だが、彼女にはもうひとつの貌があった――。今日のクライエントは目の前で恋人に死なれた若い女性だ。打ちひしがれた彼女が語るありふれた身の上話は、やがて異様な熱を帯び始め……。人の心の奥底を抉るダーク・サスペンス。
  • 鎮憎師
    3.7
    大学時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた八人の同窓生。3年前のある事件以来疎遠になっていた熊木夏蓮と再会し、翌日も集まることになった。しかしその日、夏蓮は死体で発見される。犯人は八人の中に!? メンバーの赤垣真穂は、叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される。事件を上手に終わらせてくれる人だという――。斬新な設定に唸る本格ミステリー!
  • 俺たちはそれを奇跡と呼ぶのかもしれない
    3.7
    「俺」はいったい誰なんだ? 目覚めるたびに別人に成り代わる。年齢も性別もバラバラで、脈絡があるのかどうかもわからない。そんな状況で目にした「カップル連続惨殺犯」の文字に「俺」は強い衝撃を受ける。この不可解な現象は、この事件に関係している? まさか、「俺」が犯人なのか!? どこに連れて行かれるかわからない、一気読み必至の徹夜本!
  • ボーダレス
    3.7
    〈教室の片隅で密かに小説を書く女子高生と、彼女に興味を惹かれる同級生〉〈事故で失明した妹と、彼女を気遣い支える姉〉〈音大入試に挫折して実家の喫茶店を手伝う姉と、彼女に反発する妹〉〈年上の女性に熱い思慕を抱く令嬢〉交わらないはずの彼女たちの人生が一つに繋がるとき、待ち受ける運命とは!? 4つの物語(ストーリー)が交錯し、スリリングに展開する青春ミステリー。
  • 少女を殺す100の方法
    3.7
    「死んでる? 誰が?」「みんなです」とある女子中学校で二年A組の生徒全員が殺された。教頭のクサカベは警察より先に犯人を見つけ出そうとするが……。(「少女教室」) ミロが夏休みを過ごすことになったウラ地区では、年に一度、空から少女が降ってくるという……。(「少女が町に降ってくる」) グロテスクなのにロジカル。本格ミステリ界の鬼才が贈る「少女の大量死」全8編!
  • ヤコブの梯子~警視庁行動科学課~
    3.7
    父親に殺意をもって首を吊し上げられた30歳の息子は、親に寄生する中年パラサイトだった。彼は、精神刺激薬リタリンを服用していた。処方箋があれば入手可能な、この薬の出どころを追うと……。老人が次々死亡する病院、住宅の隠し金庫で金塊とともに保管されていたリタリン――。犯人像作成のプロ・麗子と美人検屍官・清香。二人は深い闇へと導かれていく。
  • 難事件カフェ
    3.7
    1~2巻715~770円 (税込)
    洋菓子が美味しい喫茶店プリエールは、店主の兄・季と、元警官でパティシエ役の弟・智が切り盛りする隠れ家的お店だ。優秀な警官だった智を連れ戻そうと店に詰め掛けるのは、県警秘書室の直ちゃん。彼女が持ち込む未解決事件を、兄弟で捜査することになって――。4つの奇妙な殺人事件を、名探偵の兄弟の絆と甘いケーキが解決に導く。ほろ苦く切ない傑作ミステリー。
  • うなぎ女子
    3.7
    お不動さんの参道にあるうなぎ屋「まつむら」。そこにはとある一人の男に縁深い、五人の女たちが集う。売れない俳優と同棲する女、大学教授と見合いをする女、ベストセラーを夢見る女、「太るから」うなぎが嫌いな女――。人生の決断を迫られた彼女たちのそばにはいつもうなぎがあった。甘くてしょっぱい、うなぎのように濃厚な連作5編を収録!
  • 新選組颯爽録
    3.7
    池田屋に踏み込むも、なぜか敵を斬ろうとしない新選組隊長・近藤勇。その胸中にあった切実な願望とは――。(「戦いを避ける」) 新選組について語られる史実の隙間を覗けば、隊士らの心理や葛藤がにじみ出る。近藤・土方らの意外な一面や、馬術師範・安富才助、密偵・村山謙吉、文吏・尾形俊太郎らにも光を当て、歴史小説の名手が、鮮烈にして新しい新選組像を描き出す。
  • 帝国の女
    3.7
    「帝国テレビジョン」で働く女たちの日々は、世間の認識とは裏腹に、華やかさから程遠い。倒れるまで奮闘する宣伝部・松国、仕事以外はまるでダメなプロデューサー・脇坂、倦怠に沈む脚本家・大島、刺青持ちのマネージャー・片倉、憧れの人と出会う日を夢見るテレビ誌記者・山浦。ままならないことばかり。それでも私たちはこの仕事が好きだ。5人の切実さが胸に迫る連作短編集。
  • だからあなたは殺される
    3.7
    兄の名前は汐崎正義、妹の名前は持田優羽。とある事情から苗字の違う兄妹が同居を始めたちょうどその頃、優羽と同い齢の読者モデル・紫苑が殺される事件が発生。残虐なこの事件を解決すれば昇進できるとあり、兄の正義は一心不乱に捜査を進める。一方、独自の情報網と行動力で妹の優羽は兄に協力するが――。二人の兄妹が辿り着く、驚きの結末とは!?
  • 黄土(こうど)の奔流
    3.7
    中国に渡って15年、破産した紅真吾(くれないしんご)は、危機から救った大手商社の支店長・沢井(さわい)から、儲け話に誘われる。揚子江を重慶まで溯り、豚毛を買い集めて帰ってくればぼろ儲けできるのだという。だが流域の治安は劣悪で、命の保証はない。一攫千金を狙う真吾は、短剣投げの名手・葉村宗明(はむらむねあき)ら素性の知れない八人の猛者と出立する――。手に汗握る傑作冒険小説。
  • 七夕しぐれ
    3.7
    新緑まぶしい春。小学5年生の和也は県内の小さな町から憧れの仙台市に引っ越してきた。隣家に住む同級生ユキヒロとナオミと友達になろうとする和也に対して彼らは冷たい態度を取る。二人がクラスで浮いた存在で、江戸時代から続く因習がその原因であることを和也は知る。偏見にとらわれない子供たちの無垢な姿と、昭和の時代背景をノスタルジックに描いた傑作。
  • 探偵は女手ひとつ~シングルマザー探偵の事件日誌~
    3.7
    山形市で探偵業を営む椎名留美は、元刑事にして小学生の娘を持つシングルマザー。パチンコ店の並び代行や繁忙期の農家の手伝いなど、仕事の多くは便利屋としてのものだ。そんなある日、元上司の警察署長から、さくらんぼ窃盗犯を突き止めてほしいと頼まれるのだが……。(「紅い宝石」) まったく新しいタイプのヒロインが胸のすく活躍を見せる連作ミステリー!
  • 因業探偵 リターンズ~新藤礼都の冒険~
    3.7
    抜群の頭脳と美貌、そして最悪な性格を併せ持つ女探偵・新藤礼都が、よりブラックにパワーアップして還ってきた! ナンパ教室講師やマルチ商法会員、鶯嬢など、相変わらず怪し気なバイトを掛け持つ礼都。その先々で、傲岸不遜な発言と驚異の推理力で隠された真実を容赦なく暴き出していく――。厄介なヒロインの奇妙な活躍を描く異色の連作ミステリー第2弾。
  • すずらん通り ベルサイユ書房
    3.7
    1~2巻660~715円 (税込)
    ミステリ作家を目指す日比谷研介は神保町すずらん通りの「ベルサイユ書房」でアルバイトを始めた。そこは男装の麗人・剣崎瑠璃子店長、“カリスマポップ職人”の美月美玲など、濃いキャラの書店員ばかりが働いていた。しかも穏やかなバイト生活と思っていた研介の前で、次々と不可思議な事件が発生し……。気鋭のミステリ作家が贈る破天荒にして新たなる書店ミステリ!
  • 居酒屋ぶたぶた
    3.7
    寒い冬の夜。商店街の一角に気になる店が。覗いてみると、温かな雰囲気に心が躍る。ああ、入ってみたい、そんなとき。もし、店の隅にピンクのぶたのぬいぐるみが転がっていたら、それは「味に間違いない店」の目印かも。見た目はぬいぐるみ、中身は心優しい中年男性。山崎ぶたぶたが、いろんなタイプの飲み屋さんで、美味しい料理とともにあなたを待っています。
  • 雨のなまえ
    3.7
    女は小さな声で、マリモ、と言った――。家具ショップで働き、妊娠中の妻と何不自由のない生活を送る悠太郎。ある日店に訪れた女性客と二度目に会った時、彼は関係を持ち、その名を知る。妻の出産が迫るほど、現実から逃げるように、マリモとの情事に溺れていくが……。(「雨のなまえ」)答えのない「現代」を生きることの困難と希望。降りそそぐ雨のように心を穿つ5編の短編集。
  • オレンジの壺(上)
    3.7
    1~2巻550円 (税込)
    佐和子、25歳――とりたてて不幸なことなど何もない、しかし決して幸福ではない。ある日、亡き祖父から残された日記帳を読んだ佐和子は、重大な秘密を知る。パリへ旅立ち、祖父の本当の姿を探し求める彼女は、いつしか大切な何かを追い求めている。平凡な自分に何ができるのか? 佐和子が見つける答えは――。女性のひたむきな成長を描く宮本文学の傑作!
  • 彼女の家計簿
    3.7
    シングルマザーの里里の元へ、疎遠にしている母親からぶ厚い封筒が届く。五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたという家計簿だ。備考欄に書かれた日記のような独白に引き込まれ読み進めるうち、加寿とは、男と駆け落ち自殺したと聞く自分の祖母ではないかと考え始める。妻、母、娘。転機を迎えた3世代の女たちが家計簿に導かれて、新しい一歩を踏み出す。
  • 警視庁極秘捜査班
    3.7
    1~4巻605~660円 (税込)
    代々木公園に女性の全裸絞殺死体が! 被害者の体に残された精液は、10日前に新宿・花園神社で起きた殺人事件のものと同じで、11年前の強姦事件の証拠とも一致した。だが容疑者には鉄壁のアリバイがあり、ついに極秘捜査班が出動する。彼らは初動捜査で解決できない殺人事件を専門とするチームだ。組織の主流から外れながらも矜持を失わない4人の捜査が始まった!
  • 一年四組の窓から
    3.7
    中学1年の夏に引っ越すことになった井嶋杏里。転校でなじめない中学の校舎で、使われなくなった教室『1-4』に入った杏里は、市居一真と出会う。杏里に出会った一真は、杏里に絵のモデルになって欲しいと頼む。そこから物語は始まった――。杏里、一真、そして、かけがえのない友だちと家族。悩みながらも成長する14歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
  • 離婚男子
    3.7
    長距離トラックでの仕事を終えて、健二が帰宅すると、マンションの部屋はスッカラカン。妻の香織が家財道具一式を引き払って出て行ったのだ。健二の実家に二歳半のひとり娘を預け、消えた妻。大型タンクローリーの助手席に乗せた愛娘とともに、仕事をこなしながらの妻探し。香織が出て行った事情とは!? 愛しの妻と復縁は出来るのか!? 笑って笑って、泣ける一冊。
  • 届け物はまだ手の中に
    3.7
    楡井和樹は恩師の仇である江藤を殺した。しかし裏切り者であるかつての親友・設楽宏一にこの事実を突きつけなければ、復讐は完結しない。設楽邸を訪れた楡井は、設楽の妻、妹、秘書から歓待を受ける。だが息子の誕生パーティーだというのに設楽は書斎に籠もり、姿を見せない。書斎で何が起きているのか……。3人の美女との探り合いの果て明らかになる、驚愕の事実とは!?
  • 父娘(おやこ)の絆~三世代警察医物語~
    3.7
    東京の大学病院に勤めていた内科医の望月美並は、長野県大町市で祖父のあとを継いで警察嘱託医を務めることとなった。ある日、美並に警察から検死要請がくる。遺体は、北アルプスで滑落死したと思われる男性だった。検死が終わり、死体検案書を作成する段階になって、事態は一変、事件の可能性が出てきた。いったい死因は何か。著者渾身のシリーズ、待望の第2弾。
  • ぶたぶたの本屋さん
    3.7
    ブックス・カフェやまざきは、本が読めるカフェスペースが人気の、商店街の憩いのスポットだ。店主の山崎ぶたぶたは、コミュニティFMで毎週オススメの本を紹介している。その声に誘われて、今日も悩める男女が、運命の一冊を求めて店を訪れるのだが――。見た目はピンクのぬいぐるみ、中身は中年男性。おなじみのぶたぶたが活躍する、ハートウォーミングな物語。
  • 天使などいない
    3.7
    いつも他人のものばかり欲しがる幼なじみに悩まされ続けたOLが、最後に打った手は……? 恋にも仕事にも疲れ果てた女性が、地下鉄で見かけた華やかなビジネスウーマンの後をつけ、見てしまった“素顔”とは……? 天使なんかじゃない、等身大の女性たちが、ふとしたことから事件に巻き込まれ、意外な人間性の断面をのぞかせる。鮮やかな描写が心を抉(えぐ)る9つの物語。
  • 光

    3.7
    利一が小学生だった頃、仲間といれば毎日が冒険だった。真っ赤に染まった川の謎と、湖の人魚伝説。偽化石づくりの大作戦と、洞窟に潜む殺意との対決。心に芽生えた小さな恋は、誰にも言えなかった。懐かしいあの頃の記憶は、心からあふれ出し、大切な人に受け渡される――。子どもがもつ特別な時間と空間を描き出し、記憶と夢を揺さぶる、切なく眩い傑作長編小説。
  • 霧のソレア
    3.7
    テロリストが仕掛けた時限爆弾によって、太平洋上を飛行中のボーイング747が大破。機長を失うが、女性副操縦士の奮闘で、成田空港へと向かっていた。しかし、通信機器が突然使用不能に! 米政府、CIA、日本政府、そして北朝鮮――。国家間の暗闘に翻弄される747の運命は? 第11回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝く、興奮と迫真の航空パニック小説!
  • 煙とサクランボ
    3.7
    兼業漫画家の晴奈のなじみのバーは、ビルの地下にある小さな店。常連の自称早期退職者・炭津は、晴奈の話に的確で親身な助言をしてくれる素敵な紳士だ。店主の柳井の話では、名探偵でもあるらしい。そんな彼が実は幽霊だということは、柳井だけが知る秘密だ。晴奈は、幼い頃に起きたある事件を炭津に語り始めるのだが……。温かく切ない余韻を残す大人のミステリー。
  • ハートブレイク・レストラン
    3.7
    1~2巻550~660円 (税込)
    フリーライターの寺坂真以(てらさかまい)が仕事場代わりにしているファミリーレストランには、名探偵がいた。店の常連・ハルお婆ちゃんは、客たちが話す「不思議な話」を聞くと、真以を呼び寄せ、たちどころに謎を解いて見せるのだ。そんなお婆ちゃんにも、ある秘密があったのだが……。可愛くって心優しいお婆ちゃん探偵が活躍する、ハートウォーミングな連作ミステリー!
  • レストア~オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿~
    3.7
    雪永鋼は、腕のいいオルゴール修復師。限られた仕事のみを受け、傷ついた心を抱えながら愛犬ステラと静かに暮らす日々だ。そんな彼の前に現れた一人の女性。父の形見のオルゴールが奏でる曲が、なぜか昔とは全く違うものになってしまったというのだが……(「夏の名残のバラ」)。オルゴールを巡る謎と人の心の不思議を解き明かしてゆく、切なくも優しい連作ミステリー。
  • 呪縛の家 新装版
    3.7
    〈今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし〉紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。だがそれは、呪われた一族に襲い来る悲劇の序章に過ぎなかった……。教祖を大伯父に持つ旧友の鬼気迫る依頼で、教団本部に出向いた松下研三だったが、ついに神津恭介に救援を求めた。名探偵は、恐るべき凶事の連鎖を止めることができるのか!?
  • 身も心も
    3.7
    妻に先立たれ、毎日を無気力に過ごす礼二郎。彼を変えたのは、絵画同好会での幸子との出会いだった。やがて2人は恋に落ち、喜びも悲しみも分かち合いながら愛を育む。たとえ周囲の人間に後ろ指をさされようとも。だが、礼二郎は不意の病に蝕まれて……。ときめきを忘れかけていた男女が、限られた時の中で紡ぐ切実な恋愛模様を、まばゆいほどに美しく描く感動作。
  • あたたかい水の出るところ
    3.7
    大島柚子(おおしまゆず)は、近所の銭湯「松の湯」が大好きな17歳。家族には問題アリ、将来はまだ見えず。いろいろ不安はあるけど、現実感はない。お湯さえあれば幸せだ。そんな柚子が、松の湯に通う大学生・福一(ふくいち)と出会う。反発しつつ、どこか気になる。これってもしかして恋――? どこかおかしな男女が出会い、やがて最強の人生を歩き出す。お湯が引き起こす幸せな奇跡の物語。
  • 支那そば館の謎~裏(マイナー)京都ミステリー~
    3.7
    僕の名は有馬次郎。京都でも指折りの貧乏寺、大悲閣千光寺の寺男だ。怪盗と呼ばれた過去もあったが、縁あって慈悲深い住職に拾われ、表の世界の住人となった。厄介なのは、寺に奇妙な事件ばかりが持ち込まれること。持ち前の身軽さと裏の人脈を駆使、住職の智恵をお借りして、解決にひた走る毎日だ。京の風情と垂涎の料理の数々も楽しい、本格推理の傑作登場!
  • スペインの雨
    3.7
    「今日これから会える?」テレフォン・クラブに通って5日め、27歳のぼくに、人妻は言った。そして、思いついた合言葉……「スペインの雨はどこに降る?」「平野に。おもに平野に」……タクシー代もホテル代もぼくに支払わせず、知らぬ間に人妻は部屋から消えた。ぼくは人妻からの電話を待ち続けた(「スペインの雨」)。甘く苦い青春の終わりを噛みしめる9編の恋愛小説集!
  • 顔のない敵
    3.7
    1993年、カンボジア。NGOのスタッフが地雷除去作業をつづける荒れ地に、突然の爆発音が轟いた。立入禁止区域に、誰かが踏み入ったのだ。頭部を半分吹き飛ばされた無惨な死体。これは、純然たる事故なのか、それとも――。表題作のほか、本格の旗手・石持浅海の原点ともいうべき「対人地雷」ミステリー全6編と、処女作短編で編まれた第一短編集が待望の文庫化!
  • 堕天使は瞑らない
    3.7
    バリ島に向かうため、木田健太は成田空港にいた。隣に目を瞠るほど美しい婚約者を伴って。茉莉花――健太が、生まれてから目にした誰よりも綺麗な女。誰よりも女らしい女。そして、信じられないような快楽を与えてくれる女。ただ、彼女が生物学的には女性でないだけだ。誰にも祝福されない二人だけの挙式への旅立ち。そこで彼らを待つ、切なくも壮絶な運命とは?
  • シャクチ
    3.7
    1巻1,100円 (税込)
    中国の戦国時代、不老長寿の島・オオヤマトから秦へ向かった青年・シャクチ。“蛮人どもを討伐し、文明に浴させる”とオオヤマト征服を計画する秦の始皇帝の大船団を一人で壊滅させ、項羽と劉邦の熾烈な覇権争いにも与せず、朝鮮半島に国家を樹立する。その脅威を恐れた漢の武帝は大軍勢で朝鮮に侵攻する……。巨大な権力に一人立ち向かい続ける不死身の男の活躍を描く傑作!
  • ポリス猫DCの事件簿
    3.7
    三十人ほどの人間と百匹以上の猫がのん気に暮らす通称「猫島」。島の臨時派出所の巡査・七瀬晃の相棒は、丸顔で目つきの悪いでっかいドラ猫、DCだ。個性的すぎる島民や困った観光客が引き起こす騒動にてんてこまいの毎日。そんな中には、大きな事件も隠されていて……。お気楽だけど真面目な青年警官とポリス猫が、意外な(?)活躍を見せる傑作コージー・ミステリ。
  • 死んでも治らない~大道寺圭の事件簿~
    3.7
    元警察官・大道寺圭(だいどうじけい)は、一冊の本を書いた。警官時代に出会ったおバカな犯罪者たちのエピソードを綴(つづ)ったもので、題して『死んでも治らない』。それが呼び水になり、さらなるまぬけな犯罪者たちからつきまとわれて……。大道寺は数々の珍事件・怪事件に巻き込まれてゆく。ブラックな笑いとほろ苦い後味。深い余韻(よいん)を残す、コージー・ハードボイルドの逸品!
  • 古書店アゼリアの死体
    3.7
    勤め先は倒産、泊まったホテルは火事、怪しげな新興宗教には追いかけられ……。不幸のどん底にいた相澤真琴(あいざわまこと)は、葉崎(はざき)市の海岸で溺死体(できしたい)に出合ってしまう。運良く古書店アゼリアの店番にありついた真琴だが、そこにも新たな死体が! 事件の陰には、葉崎市の名門・前田(まえだ)家にまつわる秘密があった……。笑いと驚きいっぱいのコージー・ミステリの大傑作!

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