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月刊誌連載の前に書かれた長編第2作。事件のない退屈をコカイン注射で紛らすホームズという、ショッキングな幕開けから、ホームズの語る“推理の科学”、そしてメアリ・モースタン嬢の持ち込む不思議な事件へと、物語は興味深い展開をみせる。ベイカー街不正規隊(イレギュラーズ)の活躍、依頼人に惚れてしまうワトスン、アグラの財宝にまつわる話など、面白み満載。
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Posted by ブクログ
緋色の研究に続くホームズシリーズの第二作目。 依頼人の女性に想いを寄せるワトスンのメロドラマも見どころ。最後、結婚を報告した時のホームズの台詞、「僕は絶対におめでとうとは言えない」が印象的。
ベイカー街不正規隊が出てくるのはこれと前作のみやったかしら。 ワトスンが依頼人に惚れちゃいまして、ホームズは冷めた目で見てます。
ドラマ版で見た腕時計の推察がこんなところに。後書に補足があるが、挿絵の画家がバラバラなので、犬のトービーくんの犬種がページごとに全然違うことに笑った。いつもの挿絵師がいいな。読んでいて退屈は感じないが、登場人物が多く、後半の回収もパンチのある設定が多すぎるようには感じた。それでも面白いが、日常に溢れ...続きを読むる瑣末な事柄からの推理の方が好みである。
朗読劇を見たので原作も拝読。小学生の頃シャーロックホームズをよく読んでいたが、やはり面白かった。娯楽小説ならではのテンポの良さ、読みやすさ。スモールの話をより詳しく原作で聞けてよかった。
緋色の研究から続いて四つの署名を読みましたが、2作品読み終え何となく思ったのですが、シャーロック・ホームズシリーズはミステリーというよりかは、ホームズという天才の活躍をワトソンの視点から魅力的に描かれている冒険譚、という印象です。 謎解きの要素もありますが、それ以上に熱い展開が多く、犯人もミステリー...続きを読むにおける犯人像というよりかは、それこそ少年漫画に出てくるヴィランの様な、一種美学や教示を感じさせる人物が多く、彼らとの戦いの熱量も読んでてワクワクさせてくれます。 次はいよいよホームズの冒険を読もうと思いますが、人気の原点との事で、今から楽しみです。
「シャーロック・ホームズ シリーズ」第2作の長編小説で「ホームズシリーズ」が人気を博す以前の作品。第1作「緋色の研究」1887年発表、第2作「四つの署名」1890年発表、ホームズ人気の火付け役となった月刊誌「ストランド」での短編連載開始が1891年である。 前作でのホームズとワトスンの出会いから本作...続きを読むでは2人の相棒としての信頼が深まり前作でホームズに振り回されていたワトスンも本作では立派な相棒ぶりを見せる。ホームズの人格もより書き込まれ名探偵を形成する。 メアリの登場に喜びもひとしおだ。 ★★★★✩ 4.0
小学生の時にシャーロックホームズシリーズにハマって何度も読んだ。しかしそれ以来なかなか読み返すこともなく、本棚の隅にずっと並べていた。 訳者の日暮さんはシャーロキアンと聞いていたので、期待して読んだところ当たりだった。 読みやすい訳文、充実した注釈、多くの画家による挿絵。装丁もおしゃれでとてもいい感...続きを読むじ。 久しぶりに読んだ感想としては、こんなにスピーディーな展開だったのか、と驚いた。長編と言っても短い作品の中に、ワトソンの懐中時計からの推理、ホームズのコカインや事件解決に対する考え方、ワトソンの恋と婚約、当時のイギリスとインドの関係など面白いところがたくさんある。 そしてホームズは引用をめっちゃする。 「人は、自分に理解できない相手がいると、馬鹿にして笑うものだ。ゲーテはいつも、簡潔にうまいことを言うね。」 「彼(ジャン・パウル)に、奇妙だが深遠な言葉があってね。人間の真の偉大さを証明する第一のものは、自分自身が卑小な存在であると認識することにあるというんだ。」 「ゲーテの詩の一節を、よく思い出すよ。 自然がおまえを、ひとりの人間としてしかつくり出さなかったのが惜しまれる。 おまえは偉人にも、そして悪漢にも、なれる素質があったというのに」 これがまた、単にロジックだけではないホームズの奥深さを感じさせる気がする。
小学生の時以来だけど、その時はポプラ社の翻案ものだったので、原作は初めて読んだことになる。全然覚えていなかった… ホームズの長編は探偵小説というよりは冒険小説なのよね。歴史小説を書きたかった、という片鱗も見えて興味深い。 ホームズの観察でわかるところはここまで、で、動機やここに至るいきさつは当人の述...続きを読む懐で、とはっきりしているのは明快で潔い。 訳もこなれていて、注釈もちょうどいいくらいの分量で読みやすかった。
「緋色の研究」に続くホームズ長編2作目。メアリー・モースタン嬢から奇妙な出来事についての相談の受けるところから始まる。ホームズの名探偵ぶり、いろんな捜査方法、犯人を追い詰める場面など、冒険小説の要素もあって面白かった。 「ぼくの頭脳は、停滞しているのが大きらいなんだ」「頭を使っていないと、生きている...続きを読む気がしない」など、頭脳的な刺激を渇望するホームズが印象的。ワトスンは意外とロマンチストなのかな。二人のキャラの違いが良い。 訳者解説も良い。特にタイトル「四つの署名(The Sign of Four)」の和訳についての話が知れたのは良かった。 ホームズは鹿撃ち帽がトレードマークだと思っていたけど、挿絵だと普通のハットだ。不思議に思って調べてみたら、シドニー・パジェットという挿絵画家の描いたホームズが、あの鹿撃ち帽のイメージの元らしい。「ストランド」誌に短編が掲載されるようになってから登場する挿絵画家だというので、彼の挿絵も楽しみに、次を読もうと思う。
時計からワトスン博士の兄まで推理してしまうヤク中探偵の冒険。スモールは筋の通った悪党なので好感が持てる。
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