無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「おそれいりましてございます」
近所の定食屋に新しく入った店員は広美といった。
長距離トラックドライバーで、妻をがんでなくしたばかりの健介はまだ30代。
小さい3人の子どもたちと暮らしている。
こんなハンバーグを、子どもたちに食べさせてやりたい。
健介の何気ない一言をきっかけに、広美は子どもたちの面倒を見るようになる。そして生活を共にするように。それもごく自然な形で。
そして時がたち、生活が落ち着いた頃、彼女は風のようにいなくなっていった。
10数年がたった東京郊外のスナック。
そこに恋人の祐理が通いつめていることを知った大学生のあおいは、祐理を問いただす。
真面目で成績優秀な祐理がそこに通うのには、深い理由があった。
広美が歩んできた「家族たち」との時間と、祐理とあおいが学生時代を過ごす現代を交錯しながら、物語は進んでいく。
様々な事情から、「母がいない家庭」を渡り歩き、全身全霊で尽くしぬいた後、静かに去っていく広美。
彼女がそんな人生を歩まずにいられなかったのにも、深い理由があった。
子どもに会えない母もいる。
子どものいない母もいる。
血のつながらない母もいる。
ただ、目の前にいる子どもに、なりふりかまわず尽くしていくのが母の愛情。
その心は大空よりも広く、大海よりも深い。
人のために明かりを灯せば、自分の前が明るくなる。
さりげなくて深い、母の愛の物語。
Posted by ブクログ
題名からどんな話か全く想像がつかず、なんとなくパワフルで物悲しいイメージがあった。
読んでみるとと、これまで読んできた話とは違う感じでかなり新鮮だった。
なんらかの事情で母のいない子どもを世話して各地をまわるというお話。
現代と過去の二つの視点が交錯する。
母親をテーマにした作品は数あれど、ほんのいっとき、全身全霊の愛情を注いでいなくなる母親の姿に胸がいっぱいになる。
同時に、母を求めてやまない子どもたちの姿も心が痛む。
広美さんが子供を求める姿は、ちょっと狂気的なところもあり、子どもと一緒にいられるのなら、身も心も男に捧げることすらある。
後半は子どものためにここまで…という場面もあり、広美さんの愛の深さを痛感させられる。
一人の母親の生き方が周囲を変えていく様子も描かれ、なんとも言えない後味もよかった。
血のつながり、法的なつながりを持たない母親の姿を描き、母とは親子とはということを考えさせられる。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。