母親ウエスタン

母親ウエスタン

660円 (税込)

3pt

いつも行く食堂で出会った女の名は、広美といった。気づけば死んだ妻に代わり、子供たちの面倒を見てくれるようになっていた広美。しかしまたある日突然、彼女は家族の前から消えてしまう。身体一つで、別の町へと去って行ったのだ――。家族から次の家族へ、全国をさすらう女。彼女は一体誰で、何が目的なのか? 痛快で爽快な、誰も読んだことのない女一代記。

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母親ウエスタン のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年11月16日

    「おそれいりましてございます」

    近所の定食屋に新しく入った店員は広美といった。

    長距離トラックドライバーで、妻をがんでなくしたばかりの健介はまだ30代。

    小さい3人の子どもたちと暮らしている。

    こんなハンバーグを、子どもたちに食べさせてやりたい。

    健介の何気ない一言をきっかけに、広美は子ど...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年07月12日

    あるときはバブル景気の真っ只中の東北、
    あるときはバブルがはじけた時期の北海道帯広に
    北海道えりも町、
    あるときは宮城県のとある町。
    各地を転々としながら
    定食屋「いろは」の店員、
    スナック「卑弥呼」で働くホステス、
    スーパーの洋品店の店員など職を変え、
    男やもめで母親のいない家庭にふらりと現れ、愛...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月10日

    母親を失った機能不全家庭にどこからともなく潜り込んで最高の母親役をしてはまたどこかへと去る女の物語。

    母の務めを果たしては立ち去ることで心を救ったかと思えばかえって残酷な仕打ちをしていたり、恨まれているようで感謝されていたり。「母親」という役割は本当に奥深い。自らも母親になり親と子どちらの立場もわ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月24日

    3最初2つの物語が区切られながら進んで行くので時系列とか話の理解に戸惑ったけど途中で糸が繋がるようになってきてそこから引き込まれて面白かった。
    広美は捨て猫のように何かしら問題を抱えている母親がおらず父と子供たちで暮らす家にすっと入り込んではしばらくするといなくなる。
    広美は何を考えているのか何を求...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月21日

    慣れきった日常をキラキラした時間に変えるのは、外からの視点が必要。母親不在で壊れかけている家族に、野良猫みたいに、そっと入って来て、何とか持ち直した頃に、またそっと出てゆく。母親不在の荒れた家族に、ふらりとやって来て、またふらりと去っていく話。

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    Posted by ブクログ 2023年04月19日

    ウェスタンといえば「シェーン」
    子供のいる家に母はやってきて、ふらりと去っていく。かっこいい〜
    木皿花さんの解説も、また絶妙。

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    Posted by ブクログ 2023年01月28日

    題名からどんな話か全く想像がつかず、なんとなくパワフルで物悲しいイメージがあった。
    読んでみるとと、これまで読んできた話とは違う感じでかなり新鮮だった。

    なんらかの事情で母のいない子どもを世話して各地をまわるというお話。
    現代と過去の二つの視点が交錯する。

    母親をテーマにした作品は数あれど、ほん...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月16日

    どういう風に転がるか分からないスタートで、だんだん薄皮がめくれるように色々な事が明らかになっていき、柔らかな着地点に到達する、まさにエンタメ小説のお手本のような一冊。

    個人的にはNHKでやっていたECDのドキュメントと被る部分も有ったり。
    血の繋がりが有る一般的な家族であれ、そうではない家族であれ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年10月30日

    「流しの母親」をやる女性の一代記みたいな作品。
    著者の長編ははじめてだが、読み甲斐のある小説だと思う。
    ストーリーもキャラクターも、奇抜なようで自然な、不思議な感触だった。展開も、ぼんやり掴めながらも収束が読めない。文章が滑らかさも加わって、なんとも引き込まれる仕上がりになっている。
    文芸として、巧...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年09月28日

    家族から家族へ、母親不在の家族の下へ全国をさすらう謎の女・広美の一代記。
    まずタイトルが巧すぎる。西部劇の名作がパッと思い浮かび、あの独特の世界観が現代日本に甦る。
    「おそれいりましたでございます」という不思議な言い回しも、彼女の辛い過去を知ることで深みが出てくる。人間って幸せな時には気づかない大切...続きを読む

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