廃墟の白墨(はくぼく)

廃墟の白墨(はくぼく)

770円 (税込)

3pt

3.6

和久井ミモザは、死の床にある父親に届いた薔薇の絵の写真と不可解な手紙に導かれ、大阪に赴く。指定された廃墟のようなビルにいたのは正体不明の三人の男。ここを「王国」と呼ぶ男たちは、父の過去を話し始める。かつて「王国」で起きた忌まわしい事件が語られるうち、ミモザ自身の真実もまた明らかになり――。愛と罪、贖罪が重なり合う、哀切と衝撃の傑作長編。

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廃墟の白墨(はくぼく) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    読後に感じたのは「悪い夢から醒めたよう」だった。

    初手に提示された謎は程良く回収されては新たな疑問を残していく。とにかく息をつく間がなく物語に惹き込まれてしまった。

    モノローグと回想で物語は進むが時系列が乱れる事がなく非常に読み易い。もし本作が推理小説であったなら3人の語り部は同じ事象を違う視点

    0
    2022年05月02日

    Posted by ブクログ

    初めて読む作家さんです。
    救いがあるような、無いような。そんな物語でした。
    ミモザは前向きになれたんだと思いますが。
    面白かったです。

    0
    2022年05月08日

    Posted by ブクログ

    遠田潤子『廃墟の白墨』光文社文庫。

    ファンタジックな一面を持つ、ハードでミステリアスな不思議な小説。少しずつ明らかになる過去に起きた事件の真相。後半の予想外の飛び道具で物語の世界は一変するのだが、もっと違う方法で展開を変えた方がしっくり来たようにも思う。

    遠田潤子の小説では珍しく、グルーヴの効い

    0
    2022年03月18日

    Posted by ブクログ

    私が近い父親の元に届いた
    薔薇の絵の写真と手紙
    息子ミモザは 父に代わって指定された場所へ
    そこは廃墟のようなビル
    待っていたのは三人の老人
    そこで語られる 父親も若かった頃のそのビル
    での出来事

    物語の導入部分で 四人の男達と明石という女性
    そして彼女の娘、白墨との生活が語られる
    「ティファニー

    0
    2025年02月03日

    Posted by ブクログ

    登場人物を襲う苛烈な運命が、遠田作品としては比較的マイルド。読むのが辛くなるような描写があまりなく、明石ビルでの日々は、本当に「王国」「楽園」のようでもある。故に、巻末解説にあるように、「入門編」としていいかも知れない。その代わり、ではないだろうが、終盤に明かされる真相が多少型どおりな気はする。

    0
    2022年09月01日

    Posted by ブクログ

    74
    最終章で全てのことがわかるお話しは好きでは無いが、この作品にはそうせざるを得ない様な重みがある。二度とやり直せない人生だから、これからどう生きるかとが問われている様な気がする。

    0
    2022年06月28日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まったくもって暗い。遠田潤子が紡ぐ物語はいつも凄絶で暗い。なのに吸い寄せられるように読みはじめてしまうのです。

    病床の父親宛てに届いた手紙を無視できず、指定された場所に出向く息子。そこにはかつて父親と同じビルに住んでいた男たちが集まっていて、その全員が最上階に住む艶めかしい大家と寝ていたという。

    0
    2023年01月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    好みではないですが、視点が入れ替わることで、間延びせずに読むことが出来ました。大人が酷くて、子どもに影響が行くのを、「しかたない」としたくないです。

    これでもかというほど、悪い方の道を選んでしまうことに対して、「器用には生きられない自分を肯定する物語として読む」と解説に書いてありました。この本の登

    0
    2022年05月15日

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