カラヴィンカ

カラヴィンカ

792円 (税込)

3pt

売れないギタリストの多聞は、音楽誌に穴埋めコラムを書いて生計を立てている。最近、離婚して、妻のつくった借金を抱えて困窮していた。ある日、彼のもとに仕事の依頼が入る。カリスマ的な人気歌手、実菓子のロングインタビューだった。義理と借金のためやむなく引き受けたものの、二人は幼い頃同じ家で育ち、しかも、多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった。二人はかつて共に住んでいた田舎の家で再会し、インタビューを開始する。実菓子への憎悪と愛情という相反する二つの感情を抱えていた多聞だったが、実菓子は多聞の知らなかった過去を語りはじめた。かつて多聞の家とともに村の二大勢力と言われた実菓子の実家の忌まわしい過去。二人の母が突然姿を消した謎。実菓子が10歳の時に起こした冤罪事件と、二度の結婚の秘密。数々の出来事の裏に隠されていた凄惨な真実が解き明かされたとき、あらたな事件が起こる――。

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カラヴィンカ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年03月22日

    遠田潤子さんは、登場人物を絶望の淵に陥れるのが絶妙に上手い作家さんですが、この作品はその中でも最も強烈なインパクトのある物語でした。

    主人公の売れないギタリスト、青鹿多聞のところへ歌詞のない旋律を歌う容貌のすばらしく美しい歌手の実菓子から自伝のインタビューの相手になって欲しいと指名の電話がかかって...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年04月05日

    旧家特有の深い闇を表すかのような歪な家族のカタチを描いた本作は目を覆いたくなるぐらいのキツさでしたがぐいぐいと引き込まれていく自分を抑えきれませんでした。後半からの伏線回収はまるで寄木細工のようで綺麗に騙されましたが悪い気はしませんでした。

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    Posted by ブクログ 2018年01月22日

    彼女の本を読むのは2冊め。

    1冊目の「雪の鉄樹」では、思わず涙があふれましたが、

    今回は、読み終えた後に、ほぅ~。。。というため息に似た感動が。。。



    歌詞のない旋律を母音のみで歌う人気歌手、実菓子。

    彼女の自伝インタビューをすることになった、ギタリストの青島多聞。

    2人は幼い頃、同じ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年01月06日

    あまりに凄絶な、愛憎渦巻く家族の物語。いわくありげな人間関係が少しずつ小出しに語られるので、それに引っ張られて読む手は止まらず。どろどろしてひどい物語なのに、それでもぐいぐい惹きつけられて一気読みでした。そして実はミステリ……だったのだけれど。凄まじいまでの物語に引き込まれるあまり、どのあたりが事件...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年10月30日

    なるほど、カリョウビンガから取られたタイトルなんですね。それにしても相変わらず凄い筆力で、読み始めた途端、求心力が半端ないす。そして今度も、やっぱり根底にあるのは贖罪。でもマンネリ感はなくて、新鮮な気持ちで楽しめます。同時期に発売になった単行本の方も気になる~。文庫化を待たずに買っちゃうか。

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    Posted by ブクログ 2022年01月17日

    歌詞のない旋律を母音のみで歌う「ヴォカリーズ」の歌手である実菓子。
    彼女の自伝のインタビュー相手として選ばれたのは青鹿多聞。

    何か妖しさを漂わす実菓子に対して拒絶する多聞。

    2人は、幼い頃同じ家で育ったのだが…
    インタビューが、進むにつれて明らかになっていく多聞さえも知らなかった自分の出生の秘密...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月17日

    藤屋の次男・多聞が主人公で過去を語る
    どんな展開になるのかわからず読み進むしかない
    斧屋の実菓子との関係も徐々にわかりだし
    そして先が気になりとまらなくなる
    そんな感じでした
    終盤の展開もあり楽しめました

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    Posted by ブクログ 2021年06月30日

    重層的に入り組み、要約するのも簡単ではない悲劇に、慈しみ合っている多聞・不動・実菓子の三人翻弄されて、傷つけ合うことになるのは、いつもの通り。けれども敵役からの非難されるのだが、この三人、ホントに自分たちだけで完結していて、いい意味でも悪い意味でも、他人に興味がない。抜き差しならない悲劇は、実は彼ら...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年06月13日

    まんま解説のとおり、読まされてしまった。
    遠田作品は重くてしんどくなるので、ここのところ敬遠してたけど、何故かまた読んでしまった。笑
    やっぱり重くてしんどい話だったけど、あれよあれよと読まされて、なんだかんだで今後も気になる作家さんの一人だなと。
    ごんぎつね、何十年ぶりかに思い出したらせつなくなった...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月18日

    『鳴いて血を吐く』の改題とのこと。

    であれば、体力のある時に再読するか…

    感想の言葉を書けないまま、だけれど星は4つ。
    魔的な力がある。

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