カラヴィンカ

カラヴィンカ

小説・文芸
836円 (税込)

4pt

売れないギタリストの多聞は、音楽誌に穴埋めコラムを書いて生計を立てている。最近、離婚して、妻のつくった借金を抱えて困窮していた。ある日、彼のもとに仕事の依頼が入る。カリスマ的な人気歌手、実菓子のロングインタビューだった。義理と借金のためやむなく引き受けたものの、二人は幼い頃同じ家で育ち、しかも、多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった。二人はかつて共に住んでいた田舎の家で再会し、インタビューを開始する。実菓子への憎悪と愛情という相反する二つの感情を抱えていた多聞だったが、実菓子は多聞の知らなかった過去を語りはじめた。かつて多聞の家とともに村の二大勢力と言われた実菓子の実家の忌まわしい過去。二人の母が突然姿を消した謎。実菓子が10歳の時に起こした冤罪事件と、二度の結婚の秘密。数々の出来事の裏に隠されていた凄惨な真実が解き明かされたとき、あらたな事件が起こる――。

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カラヴィンカ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    遠田潤子さんは、登場人物を絶望の淵に陥れるのが絶妙に上手い作家さんですが、この作品はその中でも最も強烈なインパクトのある物語でした。

    主人公の売れないギタリスト、青鹿多聞のところへ歌詞のない旋律を歌う容貌のすばらしく美しい歌手の実菓子から自伝のインタビューの相手になって欲しいと指名の電話がかかってきます。
    多聞と兄の不動は丹羽谷村の「藤屋」と呼ばれる旧家の息子で、不動は一年三カ月前に亡くなっています。
    実菓子は同じ村の旧家「斧屋」の娘で不動の妻であり、その前は多聞と不動の父の青鹿馨の妻でした。

    インタビューの内容は実菓子と不動と多聞の兄弟が実菓子の母の鏡子が父の馨の妾となって一緒に暮らし始めた、子供の頃から始まります。
    鏡子は派手好き男好きな女性で、兄弟の母の奈津子は前半は地味で、体の弱い兄の不動ばかり可愛がり、世話をする耐え忍ぶ女性として描かれています。
    そして鏡子は家を出て行き、奈津子も離婚して二人を置いて家を出ます。
    父の馨は実菓子が16歳になるとすぐに結婚するのですが、新婚初夜に亡くなります。
    その後の物語も多聞のインタビューによって語られますが、意外にも離婚して出て行った奈津子がキーマンとなります。

    次に直系姻族間の婚姻の禁止により事実婚をした不動と実菓子。なぜ不動は死んだのか…。
    そして多聞が実菓子を避けようとする本当の理由とは…。
    たくさんの謎が後半一気に解き明かされます。
    二つの事件の嘘とは一体何なのか。

    遠田さんの初期の作品の傑作だと思いました。
    小学生だった多聞と実菓子が『ごんぎつね』の暗唱をする場面が唯一ほっとする場面でした。

    0
    2021年03月22日

    Posted by ブクログ

    旧家特有の深い闇を表すかのような歪な家族のカタチを描いた本作は目を覆いたくなるぐらいのキツさでしたがぐいぐいと引き込まれていく自分を抑えきれませんでした。後半からの伏線回収はまるで寄木細工のようで綺麗に騙されましたが悪い気はしませんでした。

    0
    2020年04月05日

    Posted by ブクログ

    彼女の本を読むのは2冊め。

    1冊目の「雪の鉄樹」では、思わず涙があふれましたが、

    今回は、読み終えた後に、ほぅ~。。。というため息に似た感動が。。。



    歌詞のない旋律を母音のみで歌う人気歌手、実菓子。

    彼女の自伝インタビューをすることになった、ギタリストの青島多聞。

    2人は幼い頃、同じ家で育ち、

    さらに、実菓子の夫は、多聞の亡兄だった。。。



    読み初めて、多聞が彼女を避けているのがわかり、

    過去に、何か複雑な問題があったことがわかってくる。

    それでも、断れないインタビューの仕事をこなそうとするのだが、

    そこで語られる、おぞましく悲しい出来事に、驚愕する。。。





    現代の物語なのに、昭和初期のような、

    家と家の対立や、村のしきたりみたいなものに翻弄されて、

    まるで横溝正史の世界みたいに、暗く、おどろおどろしい物語で、

    私好みで、どんどんのめり込めた。



    そして、これで終わりか。。。と思うところで、意外な人物が登場し、

    これでもかというくらい、てんこ盛りで、



    すごい物語だった。。。

    0
    2018年01月22日

    Posted by ブクログ

    あまりに凄絶な、愛憎渦巻く家族の物語。いわくありげな人間関係が少しずつ小出しに語られるので、それに引っ張られて読む手は止まらず。どろどろしてひどい物語なのに、それでもぐいぐい惹きつけられて一気読みでした。そして実はミステリ……だったのだけれど。凄まじいまでの物語に引き込まれるあまり、どのあたりが事件であり謎であったのか全然気づかなかった! 愕然としてしまいました。
    登場人物にどうも醜悪な人間が多くて、えげつない物語ではあったのだけれど。読後感はそう悪くないし、印象としては美しい物語という気がしました。しかし実菓子の願いがそういうものだったとは……それもまた、あまりに凄絶。「幸せ」という言葉の重みを感じさせられました。

    0
    2018年01月06日

    Posted by ブクログ

    特殊なある種閉鎖環境下で家同士の確執から展開される悲劇、読み応えあったしミステリーとして面白かった。幼少期だとしても人生の中で強烈な印象を受けた出来事は後を引くものだと感じた。

    0
    2026年02月18日

    Posted by ブクログ

    ボカリーズの名手実果子、ギター奏者の多聞、その兄の不動、彼らを巡り、不動の死に何があったのかを探りながら、驚くべき事実が明らかになっていく、そんな感じでストーリーが進行していくドラマで、読み応えがあった良作。

    0
    2026年01月28日

    Posted by ブクログ

    暗いの読んで、
    血ドバドバ読んで、
    締めは、久々の遠田さんで。
    (隊長大丈夫かな…(・_・; )

    まぁ、波乱な一族やな。
    田舎の旧家になるんかな?
    お父ちゃんの独裁!
    DVの嵐やし、二号さん作って、離れに!
    更に、二号さん失踪したら、その娘と結婚って…
    更に更に、初夜で、腹上死〜!
    その娘がタイトルにあるカラヴィンカ。

    「迦陵頻伽。想像上の生き物だよ。
    人頭鳥身。つまり、首から上は美しい女で身体は鳥なんだ。極楽に棲んでて、この上もなく美しい声で鳴く」
    「その美しい声で仏の教えを説くんだ。でも、所詮は鳥なんだ。畜生なんだよ」

    何か、正面切って殺人ってのはないけど。
    実は……_| ̄|○
     みたいなのが、後半に真実になる!
    自ら死んでいく人の方が多いけど、何か、強烈な圧あるし、逆に、こっちの方が怖いかも(−_−;)

    まぁ、畜生にもなるか…
    バケツって…
    なんなん!それ!!!
    そんなのずっとやられたら、絶対、心ポキってなるやん!_| ̄|○
    複雑骨折になる!
    骨粉々や〜!
    畜生でも何でもなるわ〜

    まぁ、最後は、光見えるけど、バケツ同士って…(−_−;)

    改題前の『鳴いて血を吐く』の方が怖いタイトルであってそう…



    ***************************
    京都のミニシアターで!

    「ボンヘッファー ~ヒトラーを暗殺しようとした牧師~」

    観て来た〜

    実話です!
    「20世紀の殉教者」の一人。

    しかし、ナチスの時代って、聖書の中まで変えようとしてたんやなぁ…
     ユダヤ人→アーリア人
    みたいな。
    なんか、この宗教の根本イジらたら…
    更に、今までのを信じると収容所へ…
    こんなに神を冒涜したら、神に使える人らも阻止に走るな…

    まぁ、殉教者って言われるので、実現はあかんかったけど、ラストがキツい…

    殉教:「自分の信ずる宗教のために命を捨てること」。
    あくまでも、この宗教のためってのがなぁ…
    八百万の神の民なので、ちょっと一神教には違和感がある私…(^◇^;)

    0
    2025年11月16日

    Posted by ブクログ

    しがないミュージシャンが歌姫の自伝の執筆を受けるところから物語は始まる。
    古い田舎の権力者、藤屋と斧屋を巡る因縁。父と母、親と子の因縁と確執。ここまで描かないと純愛は表現できないのか。
    面白い。一気読み。

    0
    2024年09月28日

    Posted by ブクログ

    歌詞のない旋律を母音のみで歌う「ヴォカリーズ」の歌手である実菓子。
    彼女の自伝のインタビュー相手として選ばれたのは青鹿多聞。

    何か妖しさを漂わす実菓子に対して拒絶する多聞。

    2人は、幼い頃同じ家で育ったのだが…
    インタビューが、進むにつれて明らかになっていく多聞さえも知らなかった自分の出生の秘密。
    実菓子の行方不明となっていた母の最期。

    終盤に進むにつれて明らかになっていく事実に唖然となる。
    悍ましさだけではなく、凄絶な愛憎劇である。

    0
    2022年01月17日

    Posted by ブクログ

    藤屋の次男・多聞が主人公で過去を語る
    どんな展開になるのかわからず読み進むしかない
    斧屋の実菓子との関係も徐々にわかりだし
    そして先が気になりとまらなくなる
    そんな感じでした
    終盤の展開もあり楽しめました

    0
    2021年10月17日

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